2023年02月07日
2級建築施工管理技士 令和元年度 一次 (前期) [ No.33 ] 〜[ No.42 ] 解答・解説
学科試験問題 [ No.33 ]〜[ No.42 ] 解答・解説
※ 問題番号[ No.33 ]〜[ No.42 ]までの 10問題は、全問題を解答してください。
[ No.33 ]
事前調査や準備作業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 敷地境界標石があったが、関係者立会いの上、敷地境界の確認のための測量を行うこととした。
2. 地業工事で振動が発生するおそれがあるため、近隣の商店や工場の業種の調査を行うこととした。
3. 相互チェックできるように木杭ベンチマークを複数設けたため、周囲の養生柵を省略することとした。
4. 既存の地下埋設物を記載した図面があったが、位置や規模の確認のための掘削調査を行うこととした。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
敷地境界標石があっても、位置が正しくない可能性があるので、関係者立会いの上、敷地境界の確認のための測量を行う。
2.◯
地業工事で振動が発生するおそれがある場合には、近隣の商店や工場の業種の調査などを行う。
3.×
木杭ベンチマークは、相互チェックできるようにを複数設け、周囲に養生柵を設置する。
4.◯
既存の地下埋設物を記載した図面があったとしても、正確な位置や規模の確認のための掘削調査を行う。
[ No.34 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. ガスボンベ置場は、小屋の壁の1面は開放とし、他の3面の壁は上部に開口部を設けることとした。
2. 工事現場の敷地周囲の仮囲いに設置する通用口には、内開き扉を設けることとした。
3. 所定の高さを有し、かつ、危害を十分防止し得る既存の塀を、仮囲いとして使用することとした。
4. 工事ゲートの有効高さは、鉄筋コンクリート造の工事のため、最大積載時の生コン車の高さとすることとした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
ガスボンベ置場は、小屋内に漏えいしたガスが滞留、充満しないように、小屋の壁の1面は開放とし、他の3面の壁は上部に開口部を設ける。
2.◯
工事現場の敷地周囲の仮囲いに設置する通用口には、内開き扉を設ける。
3.◯
所定の高さを有し、かつ、危害を十分防止し得る既存の塀は、仮囲いとして使用することができる。
4.×
鉄筋コンクリート造の工事のための工事ゲートの有効高さは、積載時よりも高さが高くなる、空の状態の生コン車の高さ以上を確保する必要がある。
[ No.35 ]
建築工事に係る提出書類とその提出先に関する記述として、不適当なものはどれか。
1. 掘削深さが 10m 以上である地山の掘削を行うため、建設工事計画届を労働基準監督署長に提出した。
2. 仮設のゴンドラを設置するため、ゴンドラ設置届を労働基準監督署長に提出した。
3. 延べ面積が 10m2 を超える建築物を除却するため、建築物除却届を労働基準監督署長に提出した。
4. 常時 10人の労働者が従事する事業で附属寄宿舎を設置するため、寄宿舎設置届を労働基準監督署長に提出した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
掘削深さが 10m 以上である地山の掘削作業は、建設工事計画届を労働基準監督署長に提出しなければならない。(労働安全衛生法第88条第3項、同規則第90条第四号)
2.◯
仮設のゴンドラを設置するため、ゴンドラ設置届を労働基準監督署長に提出しなければならない。(ゴンドラ安全規則第10条)
3.×
建築基準法第15条第1項に「建築主が建築物を建築しようとする場合又は建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合において、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が10m2以内である場合においては、この限りでない。」と規定されている。したがって、延べ面積が 10m2 を超える建築物を除却するためには、建築物除却届を、建築主事を経由して都道府県知事に提出しなければならない。
4.◯
労働基準法第96条の2第1項に、「使用者は、常時 10人の労働者を就業させる事業、厚生労働省令で定める危険な事業又は衛生上有害な事業の附属寄宿舎を設置し、移転し、又は変更しようとする場合においては、前条の規定に基づいて発する厚生労働省令で定める危害防止等に関する基準に従い定めた計画を、工事着手14日前までに、行政官庁に届け出なければならない。」と規定されている。したがって、常時 10人の労働者が従事する事業で附属寄宿舎を設置するためには、寄宿舎設置届を労働基準監督署長などの行政官庁に提出しなければならない。
[ No.36 ]
建築工事の工程計画及び工程管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 工事に必要な実働日数に作業休止日を考慮した日数を、暦日という。
2. 工程計画は、所定の工期内で、所定の品質を確保し、経済的に施工できるよう作成する。
3. 作業員や資機材等の投入量が一定量を超えないように工程を調整することを、山崩しという。
4. 横軸に工期を取り、出来高累計を縦軸とした進捗度グラフは、一般に直線となる。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
暦日とは、工事に必要な実働日数に作業休止日を考慮した日数をいう。
2.◯
工程計画は、所定の工期内で、所定の品質を確保し、経済的に施工できるよう作成する計画をいう。
3.◯
山崩しとは、作業員や資機材等の投入量が一定量を超えないように工程を調整して平準化することをいう。
4.×
横軸に工期を取り、出来高累計を縦軸とした進捗度グラフは、一般にS字状の曲線となる。
[ No.37 ]
バーチャート工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 各作業の全体工期への影響度が把握しにくい。
2. 各作業の開始時期、終了時期及び所要期間を把握しやすい。
3. 工程表に示す作業を増やしたり、作業を細分化すると、工程の内容が把握しやすくなる。
4. 主要な工事の節目をマイルストーンとして工程表に付加すると、工程の進捗状況が把握しやすくなる。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
バーチャート工程表は、各作業の全体工期への影響度が把握しにくい。
2.◯
バーチャート工程表は、各作業の開始時期、終了時期及び所要期間を把握しやすい。
3.×
バーチャート工程表に、作業を細分化して工程表に示す作業を増やしたりすると、工程の内容が把握しにくくなる。
4.◯
バーチャート工程表に、主要な工事の節目をマイルストーンとして工程表に付加すると、工程の進捗状況が把握しやすくなる。
[ No.38 ]
品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 見える化は、問題、課題、対象等を、いろいろな手段を使って明確にし、関係者全員が認識できる状態にすることである。
2. QCDS は、計画、実施、点検、処置のサイクルを確実、かつ、継続的に回してプロセスのレベルアップをはかる考え方である。
3. 特性要因図は、結果の特性と、それに影響を及ぼしている要因との関係を魚の骨のような図に体系的にまとめたものである。
4. 5S は、職場の管理の前提となる整理、整頓、清掃、清潔、しつけ(躾)について、日本語ローマ字表記で頭文字をとったものである。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
見える化とは、問題、課題、対象等を様々な視覚化の手段を使って明確にして、関係者全員が認識できる状態にすることをいう。
2.×
QCDSとは、品質(Quality)、価格(Cost)、納期(Delivery)、サービス(Service)の頭文字をとったもので、製品の評価指数である。計画(Plan)、実施(Do)、点検(Check)、処置(Action)のサイクルを確実、かつ、継続的に回してプロセスのレベルアップをはかる考え方は、PDCAである。
3.◯
特性要因図とは、結果の特性とその要因との関係を体系的にまとめた図で、形状から魚の骨ともいう。
4.◯
5S とは、職場の管理の基本となる整理、整頓、清掃、清潔、しつけ(躾)の、5つのSで始まる頭文字をとったものである。
[ No.39 ]
品質管理のための試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 鉄骨工事において、高力ボルト接合の摩擦面の処理状況の確認は、すべり係数試験によって行った。
2. 地業工事において、支持地盤の地耐力の確認は、平板載荷試験によって行った。
3. 鉄筋工事において、鉄筋のガス圧接部の確認は、超音波探傷試験によって行った。
4. 既製コンクリート杭地業工事において、埋込み杭の根固め液の確認は、針入度試験によって行った。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
鉄骨工事における高力ボルト接合の摩擦面の処理状況の確認は、すべり係数試験によって行う。
2.◯
地業工事における支持地盤の地耐力の確認は、平板載荷試験によって行う。
3.◯
鉄筋工事における鉄筋のガス圧接部の確認は、超音波探傷試験によって行う。
4.×
既製コンクリート杭地業工事にける埋込み杭の根固め液の確認は、サンプリング試験によって行なう。針入度試験は、アスファルトの硬さを調べる試験である。
[ No.40 ]
レディーミクストコンクリートの受入時の試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 圧縮強度の試験は、コンクリート打込み日ごと、打込み工区ごと、かつ、150 m3 以下の単位ごとに行った。
2. スランプ試験は、1 cm 単位で測定した。
3. 粗骨材の最大寸法が 20 mm の高流動コンクリートは、スランプフロー試験を行った。
4. 普通コンクリートの空気量の許容差は、± 1.5%とした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
圧縮強度の試験は、コンクリート打込み日ごと、打込み工区ごと、かつ、150 m3 以下の単位ごとに行う。
2.×
スランプ試験は、0.5cm 単位で測定する。
3.◯
粗骨材の最大寸法が 40mm以下の高強度コンクリート、高流動コンクリート、水中不分離性コンクリートは、スランプフロー試験を行う。スランプフロー試験とは、スランプコーンにフレッシュコンクリートを詰めて逆さにし、スランプコーンを引き抜いたときのフレッシュコンクリートの平面的な広がりを測定する試験をいい、高流動性のフレッシュコンクリートに対して行う試験である。
4.◯
普通コンクリートの空気量の許容差は、± 1.5%とする。
[ No.41 ]
作業主任者を選任すべき作業として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1. 支柱高さが3m の型枠支保工の解体の作業
2. 鉄筋の組立ての作業
3. 高さが5m のコンクリート造の工作物の解体の作業
4. 解体工事における石綿の除去作業
答え
2
[ 解答解説 ]
1.定められている
型枠支保工の組立て又は解体の作業は、作業主任者を選任すべき作業である。(労働安全衛生法施行令第6条第十四号)
2.定められていない
鉄筋の組立ての作業は、作業主任者を選任すべき作業に該当しない。
3.定められている
高さが 5m以上のコンクリート造の工作物の解体又は破壊の作業は、作業主任者を選任すべき作業である。(労働安全衛生法施行令第6条第十五の五号)
4.定められている
解体工事における石綿の除去作業などの石綿等を取り扱う作業又は石綿等を試験研究のため製造する作業は、作業主任者を選任すべき作業である。(労働安全衛生法施行令第6条第二十三号)
[ No.42 ]
建築工事の足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 単管足場の脚部は、敷角の上に単管パイプを直接乗せて、根がらみを設けた。
2. 単管足場の建地の間隔は、けた行方向 1.8m 以下、はり間方向 1.5m 以下とした。
3. 単管足場の建地の継手は、千鳥となるように配置した。
4. 単管足場の地上第一の布は、高さを 1.85 m とした。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
単管足場の脚部にはベース金具を使用し、かつ、敷板、敷角等を使用し、根がらみを設ける等の措置を講ずる。(労働安全衛生規則第570条第1項第一号)
2.◯
単管足場の建地の間隔は、けた行方向 1.85m 以下、はり間方向 1.5m 以下とする。(労働安全衛生規則第571条第1項第一号)
3.◯
単管足場の建地の継手は、千鳥となるように配置する。
4.◯
単管足場の地上第一の布は、高さを 2 m 以下とする。(労働安全衛生規則第571条第1項第二号)
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