学科試験問題 [ No. 33 ]〜[ No. 42 ] 解答・解説
※問題番号[ No. 33 ]〜[ No. 42 ]までの10問題は、全問題を解答してください。
[ No. 33 ]
事前調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.解体工事の事前調査として、近接する建物や工作物の現況の調査をすることとした。
2.鉄骨工事の建方の事前調査として、日影による近隣への影響の調査をすることとした。
3.敷地内の排水工事の事前調査として、排水管の勾配が公設桝まで確保できるか調査をすることとした。
4.根切り工事の事前調査として、前面道路や周辺地盤の高低の調査をすることとした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
一般に、解体工事の事前調査では、近接する建物や工作物の現況調査等を実施する。
2.×
一般に、鉄骨工事の建方の事前調査では、移動式クレーン配置場所の地盤についての調査などが実施され、日影による近隣への影響は実施されない。日影による近隣への影響の調査は、建築計画の事前調査において実施する。
3.◯
一般に、敷地内の排水工事の事前調査では、公設桝までの排水管の勾配確保に関する調査等を実施する。
4.◯
一般に、根切り工事の事前調査では、前面道路や周辺地盤の高低の調査等を実施する。
[ No. 34 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.施工者用事務所と監理者用事務所は、機能が異なるため、それぞれ分けて設ける。
2.仮囲いの出入り口は、管理をしやすくするため、人や車両の入退場の位置を限定する。
3.ハンガー式門扉は、扉を吊る梁が車両の積荷高さを制約する場合があるため、有効高さを検討する必要がある。
4.仮囲いは、工事現場の周辺の状況が危害防止上支障がない場合であっても、設ける必要がある。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
施工者用の事務所と監理者用の事務所は、それぞれの機能が異なるため、それぞれ分けて設ける。
2.◯
仮囲いの出入り口は、人や車両の入退場の位置を限定し、管理をしやすい位置に計画する。
3.◯
ハンガー式門扉は、扉を吊る梁が車両の積荷高さを制約する場合があるため、扉の有効高さを検討して計画する。
4.×
建築基準法施行令第136条の2の20(仮囲い)に次のように規定されている。「木造の建築物で高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるもの又は木造以外の建築物で2以上の階数を有するものについて、建築、修繕、模様替又は除去のための工事(以下この章において「建築工事等」という。)を行う場合においては、工事期間中工事現場の周囲にその地盤面(その地盤面が工事現場の周辺の地盤面より、低い場合においては、工事現場の周囲の地盤面)から高さが 1.8m以上の板塀その他これに類する仮囲いを設けなければならない。ただし、これらと同等以上の効力を有する他の囲いがある場合又は工事現場の周辺若しくは工事の状況により危害防止上支障がない場合においては、この限りでない。」
[ No. 35 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.高力ボルトは、箱の積上げ高さを5段までとして保管する。
2.型枠用合板は、直射日光が当たらないよう、シートを掛けて保管する。
3.袋詰めセメントは、風通しのよい倉庫に保管する。
4.防水用の袋入りアスファルトは、積重ねを10段までとして保管する。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
箱の強度を考慮し、積み上げる段数は4〜5段以下とすること。(高力ボルト協会)
2.◯
型枠用合板は、シブ(アク)や硬化不良を防止するため、水ぬれを避け、長時間直射日光に当てないように、シートで養生して保管する。
3.×
袋詰めセメントは、二酸化炭素による風化と湿気による硬化を防ぐため、風通しを避けて保管する。
4.◯
防水用の袋入りアスファルトを屋外で保管する場合は、シート等を掛けて雨露に当たらず、土砂等に汚れないようにする。なお、積み重ねて保管する時は、荷崩れに注意して10段を超えて積まないようにする。(建築工事監理指針)
[ No. 36 ]
総合工程表の立案に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工程計画上のマイルストーン(管理日)は、工程上の重要な区切りを避けて計画する。
2.工区分割を行い、後続作業を並行して始めることにより、工期短縮が可能か検討する。
3.型枠工事の工程計画では、型枠存置期間を考慮して、せき板や支保工の転用を検討する。
4.工事を行う地域における労務、資材、機材等の調達状況を調査して、手配を計画する。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
工程上の重要な区切りにマイルストーン(管理日)を設けて、総合工程表を立案する。
2.◯
工区を分割して後続作業を並行して開始すると、工期短縮につながる。
3.◯
型枠工事の工程計画では、型枠存置期間を考慮しながら、型枠に使用するせき板や支保工の転用を検討する。
4.◯
工事地域の労務、資材、機材等の調達状況を調査し、手配計画を立てて、総合工程表を立案する。
[ No. 37 ]
バーチャート工程表に関する記述として、最も適当なものはどれか。
1.工事全体を掌握することが容易で、作成しやすい。
2.工事を構成する各作業を縦軸に記載し、工事の達成度を横軸にして表す。
3.工程上のキーポイント、重点管理しなければならない作業が判断しやすい。
4.多種類の関連工事間の工程調整に有利である。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.◯
バーチャート工程表は、工事全体を掌握することと、作成が容易である。
2.×
バーチャート工程表は、縦軸に各作業、横軸に暦日を表す。縦軸に各作業、横軸に達成度を表した工程表は、ガンチャート工程表という。
3.×
バーチャート工程表は、ネットワーク工程表等と比較して、工程上のキーポイントの作業や重点管理しなければならない作業を判断しにくい。
4.×
バーチャート工程表は、ネットワーク工程表等と比較して、多種類の関連工事間の工程調整に不向きである。
[ No. 38 ]
品質管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.検査とは、性質又は状態を調べた結果と判定基準を比較して、良否の判断を下すことである。
2.施工品質管理表(QC工程表)には、検査の時期、方法、頻度を明示する。
3.工程間検査は、作業工程の途中で、ある工程から次の工程に移ってもよいかどうかを判定するために行う。
4.品質管理とは、品質計画に従って試験又は検査を行うことをいう。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
検査とは、性質や状態を調べた結果と判定基準を比較して、良否の判断をすることをいう。
2.◯
施工品質管理表(QC工程表)には、検査の時期、方法、頻度等を明示する。
3.◯
工程間検査は、次の工程に進んでもよいか判定するために、作業工程の途中で行う検査である。
4.×
品質管理とは、「品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部」、「品質マネジメントとは「品質に関して組織を指揮し、管理するための調整された活動」と定義されている(ISO9001-2015)。品質管理とは、品質要求事項を満たすために行う活動であり、試験又は検査を行うことではない。
[ No. 39 ]
工事現場における試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.吹付けロックウールによる耐火被覆材の厚さの確認は、確認ピンを用いて行った。
2.外壁タイル張り後のタイル接着力試験は、油圧式簡易引張試験器を用いて行った。
3.鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径の測定は、ダイヤルゲージを用いて行った。
4.コンクリートのスランプフロー試験は、スランプコーンを用いて行った。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
吹付けロックウールの耐火被覆材の厚さの確認は、確認ピンを用いて行う。
2.◯
タイル接着力試験は、油圧式簡易引張試験器等が用いられる。
3.×
鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径の測定には、ダイヤルノギス等が用いられる。ダイヤルゲージは塗膜厚の測定などに用いられる。
4.◯
スランプコーンは、スランプ試験及びスランプフロー試験に用いられる。スランプ試験とは、フレッシュコンクリートを充填したスランプコーンを逆さにして面に置き、スランプコーンを引き上げた後のフレッシュコンクリートの頭部の下がり(スランプ値)を求める試験をいう。スランプフロー試験とは、スランプ試験時のスランプコーンを引き上げた後のフレッシュコンクリートの下部の直径を求める試験をいう。
[ No. 40 ]
鉄筋のガス圧接継手部の試験方法として、最も不適当なものはどれか。
1.圧縮試験
2.引張試験
3.外観試験
4.超音波探傷試験
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
圧縮試験は、硬化後のコンクリートの試験として行われ、鉄筋のガス圧接継手の試験方法としては不適当である。
2.◯
引張試験は、鉄筋のガス圧接継手の試験方法として適当である。一般に、1ロットあたり3本の抜き取り検査を行う。
3.◯
外観試験は、鉄筋のガス圧接継手の試験方法として適当である。圧接部のふくらみの形状及び寸法、圧接面のずれ、鉄筋中心軸の偏心量などが規定値内であることを試験する。
4.◯
超音波探傷試験は、鉄筋内部に超音波を入射して、反射エコーを確認することにより、内部の割れなどの欠陥の有無を試験する。鉄筋のガス圧接継手の試験方法として適当である。一般に、1ロットあたり30箇所の抜き取り検査を行う。ロット数は鉄筋径により異なる。
D22の場合 100〜200箇所
D32の場合 80〜150箇所
D38の場合 50〜100箇所、程度
[ No. 41 ]
工事現場の安全管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.安全施工サイクル活動とは、施工の安全を図るため、毎日、毎週、毎月に行うことをパターン化し、継続的に取り組む活動である。
2.新規入場者教育とは、作業所の方針、安全施工サイクルの具体的な内容、作業手順などを教育する活動である。
3.TBM(ツールボックスミーティング)とは、職長を中心に、作業開始前の短時間で、当日の安全作業について話し合う活動である。
4.ZE(ゼロエミッション)とは、作業に伴う危険性又は有害性に対し、作業グループが正しい行動を互いに確認し合う活動である。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
安全施工サイクル活動とは、施工の安全を図るため、毎日、毎週、毎月単位で実施すべきことをパターン化し、パターンを繰り返すことで継続的に取り組む安全活動である。
2.◯
新規入場者教育とは、新たに作業所に入場することになった者に対する作業所の方針、安全施工サイクルの具体的な内容、作業手順などの教育である。
3.◯
TBM(ツールボックスミーティング)とは、職長を中心とした作業グループが、作業開始前に、当日の作業内容や安全作業について短時間で行うミーティングである。
4.×
ZE(ゼロエミッション)とは、直訳すると「ゼロ排出」であり、作業所等から廃棄物をゼロにする活動をいう。なお、安全管理に関する用語にゼロ災があり、ゼロ災とは、作業所等の労働災害をゼロにするという活動である。作業に伴う危険性又は有害性に対し、作業グループが正しい行動を互いに確認し合う活動は、危険予知活動(KY活動)等において実施される。
[ No. 42 ]
型わく支保工の組立て等に関し、事業者の講ずべき措置として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1.型わく支保工の材料、器具又は工具を上げ、又はおろすときは、つり綱、つり袋等を労働者に使用させること。
2.型わく支保工の組立て等作業主任者を選任すること。
3.型わく支保工の組立て等の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止すること。
4.型わく支保工の組立て等の作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
事業者の講ずべき措置として、労働安全衛生規則第245条第三号に記載されている。
2.◯
事業者の講ずべき措置として、労働安全衛生規則第246条に記載されている。
3.◯
事業者の講ずべき措置として、労働安全衛生規則第245条第一号に記載されている。
4.×
事業者が、型枠支保工の組立て等作業者主任に行わせなければなだない事項として、労働安全衛生規則第247条第一号に規定されている。事業者の講ずべき措置ではない。
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