問題2 の攻略
参考図書は、建築工事監理指針などである。
問題2
次の建築工事に関する用語のうちから 5つ選び、その用語の説明と施工上留意すべき内容を具体的に記述しなさい。
ただし、仮設工事以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
型枠のセパレーター
ガラス工事のセッティングブロック
高力ボルト摩擦接合
コンクリートのブリーディング
ジェットバーナー仕上げ
鉄骨工事の仮ボルト
天井インサート
土工事における釜場
腹筋
ビニル床シートの熱溶接工法
フロアヒンジ
ベンチマーク
防護棚(養生朝顔)
改質アスファルトシート防水トーチ工法・密着露出仕様 解答例
[ 用語の説明 ]
改質アスファルト等に添加剤を加え、シート状に成形したものをトーチバーナーで十分に熱し、アスファルトを溶融密着させる露出防水工法のこと。
[ 施工上留意すべきこと ]
トーチバーナーを用いてアスファルトを十分に熱し溶融させ、空気が入らないように完全に密着させる。
型枠のセパレーター 解答例
[ 用語の説明 ]
セパレーターとは、型枠工事で相対するせき板相互の間隔を正しく保持するために使用する部品である。主なものは、コーンを使用しないもの(丸セパC型)と使用するもの(丸セパB型)がある。
[ 施工上留意すべきこと ]
コーン穴の処理方法について、防水下地や薄い仕上材等の場合は丸セパB型を用い、コンクリート面と同一にモルタルを充填する。普通のモルタルでは、垂れ下がりや乾燥収縮のおそれがあるので、硬練りモルタルを用いるなどの配慮が必要である。
ガラス工事のセッティングブロック 解答例
[ 用語の説明 ]
ガラスの自重をサッシ内を支えるために、はめ込み溝内に設置する副資材。
[ 施工上留意すべきこと ]
設置の際、サッシ水抜き孔を塞がない。位置は両端部からガラスの横幅寸法 1/4のところに2箇所設置する。
高力ボルト摩擦接合 解答例
[ 用語の説明 ]
高力ボルトの締め付けることによって生じた材片の接触面の摩擦抵抗によって応力を伝達する接合方法。
[ 施工上留意すべきこと ]
摩擦面は十分に赤錆を生じさせる。ボルトの締付けは、一次締め→マーキング→本締めと2回に分けて必要トルクを生じさせ、マーキング等により締付けの確認をする。
コンクリートのブリーディング 解答例
[ 用語の説明 ]
コンクリート打設後、混練水が分離したコンクリート上面に上昇する現象。
[ 施工上留意すべきこと ]
ブリーディングは、コンクリートの水セメント比が大きく、スランプが大きい程、著しくなる。ブリーディングが著しい場合は、コンクリートの沈下量が大きく、鉄筋の付着強度が低下する。改善策としては、AE減水剤の使用がある。
ジェットバーナー仕上げ 解答例
[ 用語の説明 ]
主に仕上げに用いる花崗岩に冷却水を散布しながら、バーナーで加熱し、石材を構成する鉱物の熱膨張率の違いを利用して、ざらついた均一の表面とする仕上げ方法。
[ 施工上留意すべきこと ]
壁に石材を使用する場合は、洋服があたって摺れるような場所には不向き。床には滑りにくい石材が適するがジェットバーナー仕上げは適さない。
鉄骨工事の仮ボルト 解答例
[ 用語の説明 ]
鉄骨の建て方時、本締め、溶接の前に仮に締め付けるボルト。
[ 施工上留意すべきこと ]
高力ボルト継手の場合、一般的にはボルト一群に対して 1/3程度、かつ2本以上で締め付ける。
天井インサート 解答例
[ 用語の説明 ]
天井を吊る下地受けの金物のこと。前施工、あと施工方式がある。
[ 施工上留意すべきこと ]
インサート間隔は900mm程度とし、周辺部は端から150mm以内とする。
土工事における釜場 解答例
[ 用語の説明 ]
土工事を行う際に、発生する湧水を集めるために設置する地面のくぼみ。集めた水をポンプで排水する。
[ 施工上留意すべきこと ]
地下水を多く含んだ砂質地盤が根切り底面付近にある場合、ボイリングが発生する場合がある。
腹筋 解答例
[ 用語の説明 ]
鉄筋工事の梁配筋時、梁の変形を防止するため、上下主筋の中間に平行に設置する鉄筋。
[ 施工上留意すべきこと ]
梁にスリーブがある場合は、かぶり厚さは腹筋から確保する。
ビニル床シートの熱溶接工法 解答例
[ 用語の説明 ]
ビニル床シートを張付けた接着剤硬化後、はぎ目及び継目の溝切りを行い、溶接棒を用いてビニル床シートと同時に溶接する。
[ 施工上留意すべきこと ]
張付け接着剤の硬化には、12時間必要。溝はV字形又はU字形とし、床シート厚の2/3程度まで溝切りする。溶接は加圧しながら行い、余盛りができる程度とする。
フロアヒンジ 解答例
[ 用語の説明 ]
フロアヒンジは、ドアの軸下の床に埋め込んで、ドアの重量を受け、開閉スピードを調整できる建具用金物のこと。
[ 施工上留意すべきこと ]
軸の回転の中心を、下げ振りを用いて正確に求める。回転の中心を基準にし、各部品をそれぞれ水平、垂直に設置する。高さ、開閉スピード、開閉時に必要な力は、調節ネジで調整可能。
ベンチマーク
[ 用語の説明 ]
敷地や建物の高さの基準点。
[ 施工上留意すべきこと ]
工事中でも撤去しないで、動かさないものを基準レベルとして用いる。工事に直接的影響が少ない前面道路のマンホールや道路の縁石などが使用される。
防護棚(養生朝顔) 解答例
[ 用語の説明 ]
仮設足場で落下物に対する保護のために、中間部に突出して取り付ける棚。
[ 施工上留意すべきこと ]
防護棚は骨組みの外側から2m以上突出させ、工事を行う部分の下10m以内ごとに設置する。
問題2
次の建築工事に関する用語のうちから 5 つ選び、その用語の説明と施工上留意すべき内容を具体的に記述しなさい。
ただし、仮設以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
型枠はく離剤
金属製建具のかぶせ工法
クレセント
軽量鉄骨壁下地の振れ止め
鋼矢板
コンクリート壁の誘発目地
先送りモルタル
タイルカーペット
超高圧水によるコンクリート面下地処理
鉄筋の先組み工法
マスキングテープ
溶接のアンダーカット
ローリングタワー
足場の手すり先行工法 解答例
[ 用語の説明 ]
建設工事において、足場の組立て等の作業を行うにあたり、労働者が足場の作業床に乗る前に、当該作業床の端となる箇所に適切な手すりを先行して設置し、かつ最上階の作業床を取り外す時は、当該作業床の端の手すりを残置して行う工法。
[ 施工上留意すべきこと ]
労働安全衛生法令を遵守する。
@脚部
足場の組立てにあたっては、脚部沈下を防止するため、地盤を十分に突き固め敷板等を並べる。枠組足場においては、建枠の高さをそろえる。
A布
足場のはり間方向の建地又は柱脚の間隔と床材の幅の寸法は原則としてそろえる。隙間をつくらないように設置し、床付き布枠のつかみ金具は、外れ止めを確実にロックする。
B筋かい
枠組み足場の筋かいは、交差筋かいを原則として、外側及び躯体側の両構面に取り付ける。交差筋かいピンは確実にロックする。
C壁つなぎ
枠組み足場間隔を垂直方向 9m以下、水平方向 8m以下
単管足場間隔を垂直方向 5m以下、水平方向 5.5m以下
型枠はく離剤 解答例
[ 用語の説明 ]
コンクリート型枠表面に塗布し、打設させたコンクリートの固着を防止し、型枠の取り外しを容易にする化学製品。
[ 施工上留意すべきこと ]
はく離剤の塗布のむら・量不足、気温や湿度等の養生条件に配慮する。
金属製建具のかぶせ工法 解答例
[ 用語の説明 ]
老朽化した既存の建具の上からカバーするように新しい建具を設置する工法。
[ 施工上留意すべきこと ]
既存枠がスチールの場合は、錆止め塗装を行う。建付けを確実に行い、障子や扉の開閉、金具調整を行う。
クレセント 解答例
[ 用語の説明 ]
建具用金具で、上げ下げ窓、引き違いサッシの召し合わせ部などに取り付ける錠金具のこと。
[ 施工上留意すべきこと ]
錠機能の他にも、気密性、遮音性も求められるので、正確な錠と受け金具の取り合い寸法、堅固な部品の取り付けが必要である。
軽量鉄骨壁下地の振れ止め 解答例
[ 用語の説明 ]
建物内部の間仕切壁等の揺れを防止するために設置するもの。
[ 施工上留意すべきこと ]
床面ランナー下端から 1.2mごとに設置する。ただし、上部ランナー上端から400mm以内に振れ止めが位置する場合は省略できる。
鋼矢板 解答例
[ 用語の説明 ]
鋼製の矢板でシートパイルともいう。土留工事等に使用され、土砂の崩壊や浸水を防止する。
[ 施工上留意すべきこと ]
正確な位置と土圧、水圧を考慮した根入れ深さが必要である。
コンクリート壁の誘発目地 解答例
[ 用語の説明 ]
コンクリート壁面にあらかじめひび割れ発生場所を決め、その位置にひび割れを誘発させるための目地。
[ 施工上留意すべきこと ]
壁厚が200mm以内の壁であれば、両側に深さ20mmの目地を入れるなど、断面欠損率が20%以上となるようにする。それ以上の厚さの壁であれば、壁躯体内部に適切なサイズの断面欠損材を合わせて仕込む。
先送りモルタル 解答例
[ 用語の説明 ]
コンクリートの打設に際して、コンクリートの圧送開始前に、コンクリートの流動性確保や輸送管内壁の潤滑膜を形成及び吸入・吐出弁内部をシールするために、圧送管内に流し込むモルタルのこと。
[ 施工上留意すべきこと ]
圧送の初期に輸送管より排出されるモルタルは極めて低強度のものとなるので、先送りモルタルは、圧送後に廃棄処分とする。先送りモルタルは、富調合なものにする必要がある。
タイルカーペット 解答例
[ 用語の説明 ]
カーペットを原則 500mm角程度にしたもの。JIS L 4406による。
[ 施工上留意すべきこと ]
タイルカーペット全面接着工法による。敷き方は特記による。特記がない場合は、床面は市松敷き、階段は模様流しとする。接着剤は、粘着はく離形接着剤とし、下地面が十分に乾燥していること。張付けは中央部から行う。
超高圧水によるコンクリート面下地処理 解答例
[ 用語の説明 ]
建物改修時に、コンクリート面に塗装された塗料や汚れを、高い圧力を有する水の力で除去・クリーニングすること。騒音、振動、粉じんがほとんど発生しない。
[ 施工上留意すべきこと ]
コンクリート面下地処理時のケレンの種別(全ケレン、半ケレン)の遵守、水の飛散防止、洗浄した水を確実に回収する。
鉄筋の先組み工法 解答例
[ 用語の説明 ]
鉄筋をあらかじめ、下ごしらえ → 加工 → 組立てとする工法。第一次は定尺等の寸法と単位長とし、フープや帯筋を補強したもの。第二次は第一次で製作した単位体をつなげて構造体を作製したもの。
[ 施工上留意すべきこと ]
組立に際しては、正しい材料、正確な寸法、適切な縮み代を考慮する必要がある。
マスキングテープ 解答例
[ 用語の説明 ]
塗装等の際、塗料が施工箇所をはみ出し、作業箇所以外を汚さないように貼る保護用粘着テープ。養生資材のひとつ。
[ 施工上留意すべきこと ]
粘着力は弱いが、長時間貼り付けたままだと、テープを剥がす時、下地の塗装等を剥がしてしまうことがある。マスキングテープは作業が終了したら、ただちに剥がすようにする。
溶接のアンダーカット 解答例
[ 用語の説明 ]
溶接欠陥の一種。溶接の止端などに沿って母材に溝ができた状態ここと。
[ 施工上留意すべきこと ]
適切な電流、正しい溶接棒の角度・位置、正確な溶接速度、正しい溶接姿勢等が必要である。
ローリングタワー解答例
[ 用語の説明 ]
高所作業に用いる移動式足場の通称。枠組足場の脚部にキャスターを付けて移動できるようにした足場。
[ 施工上留意すべきこと ]
手すりの設置状態・固定の確認、キャスターの動き・ロック状態の確認、大きな変形(へこみ、曲り)がないことの確認等が必要である。
問題2
次の建築工事に関する用語のうちから 5 つ選び、その用語の説明と施工上留意すべき内容を具体的に記述しなさい。
ただし、仮設以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
帯筋
親綱
型枠のフォームタイ
グリッパー工法
軽量鉄骨壁下地のスペーサー
コンクリートの回し打ち
土工事のつぼ掘り
塗膜防水絶縁工法の通気緩衝シート
木工事の大引
木造住宅の気密シート
床コンクリートの直均し仕上げ
ユニットタイル
溶接作業の予熱
足場の壁つなぎ 解答例
[ 用語の説明 ]
足場を建物に連結固定し、足場の変形、倒壊を防止する部材。足場の座屈を防止し、風荷重の水平力を負担するもので、労働安全衛生規則で設置が義務づけられている。
[ 施工上留意すべきこと ]
単管足場においては、垂直方向 5m以下、水平方向 5.5m以下。枠組み足場では、垂直方向 9m水平方以下、水平方向 8m以下に規定。取付け金物は、基準に合格したものを使用する。
帯筋 解答例
[ 用語の説明 ]
鉄筋コンクリート柱の主筋の周囲の所定の位置に配置する。柱のせん断補強筋で柱の圧縮強度やじん性を高めるもの。
[ 施工上留意すべきこと ]
適正なかぶり厚をとり、隅柱の帯筋は必ず結束する。なお、末端は135°フックを付ける。
親綱 解答例
[ 用語の説明 ]
鉄骨の梁上など高所作業を行う際に、安全帯を取り付けるために設置するロープ。または、仮設的に張り渡した命綱をかけるためのワイヤロープをいう。
[ 施工上留意すべきこと ]
緩みなく張り、墜落の衝撃に耐えられるように固定する。梁を吊り上げるとき梁の上に仮止めしておく。
型枠のフォームタイ 解答例
[ 用語の説明 ]
柱や壁などのコンクリート施工に際し、相対する型枠の間隔を一定に保ち締め付けておくためのボルト金物。
[ 施工上留意すべきこと ]
コンパネ、Pコンなどと組み合わせて、型枠のコンクリート打設時の形状を保持するために、十分に打込みコンクリートの側圧に耐える構造強度をもつものとする。
グリッパー工法 解答例
[ 用語の説明 ]
床の周囲に釘又は接着剤で固定したグリッパー(スムースエッジ)と呼ばれる取り付け金具にカーペットの端部を引っかけ、緩みのないように一定の張力を加えて張り詰める工法。
[ 施工上留意すべきこと ]
張り仕舞はニーキッカーで伸展しながらグリッパーに引っかけて固定する。
軽量鉄骨壁下地のスペーサー 解答例
[ 用語の説明 ]
軽量鉄骨壁下地のスタッドに一定間隔に取り付け、その形状を保持するもの。
[ 施工上留意すべきこと ]
各スタッドの端部を必ず押さえるとともに、ピッチ600mm以内に取り付ける。
コンクリートの回し打ち 解答例
[ 用語の説明 ]
型枠に均等に側圧がかかるように、コンクリート打設に置いて打設物の周りを、回りながら、打設高さを2〜3回に分けて打ち込む方法。
[ 施工上留意すべきこと ]
コールドジョイントを防止するために、回し打つ打設間隔を考慮する。
土工事のつぼ掘り 解答例
[ 用語の説明 ]
根切工事の一つで、独立基礎などの場合に用いられる。
[ 施工上留意すべきこと ]
良好な地盤で自立高さ以内で根切りする場合には適しているが、長期にわたる場合は表面が風化し崩れやすくなる。また1箇所、1箇所が独立しているのでそれぞれに排水が必要となる。
塗膜防水絶縁工法の通気緩衝シート 解答例
[ 用語の説明 ]
塗膜防水材を防水下地に直接塗りつけず、下地から浮かして施工する工法。通気緩衝シートを敷き込み、その上に塗膜防水材を塗り付ける。
[ 施工上留意すべきこと ]
通気緩衝シート張付けの際、シートの突合せ部、端部には防水処理を入念に行う。
木工事の大引 解答例
[ 用語の説明 ]
大引は木造の1階の床組みで、根太を受ける部材。大引の下に基礎は無く、床束で支える。
[ 施工上留意すべきこと ]
通常910mm程度の間隔で根太に直角に渡し、端部は土台や大引受けに連結する。
木造住宅の気密シート 解答例
[ 用語の説明 ]
気密工事に用いる気密シートの材料は、防湿気密層の剛性が高いとともに平面保持がよい仕上げ材である。防湿気密層を押さえたときに、重ね部分の気密精度が向上する。
[ 施工上留意すべきこと ]
気密シートを張り付けるとき、シートが緩まないよう押さえをすることが重要。また、シートどうしの重ね幅は約10cm以上必要である。
床コンクリートの直均し仕上げ 解答例
[ 用語の説明 ]
床コンクリート打設時に、硬化の程度を見計らって直ちに金ゴテなどで仕上る工法。
[ 施工上留意すべきこと ]
コンクリートのスランプは、土間コンクリートでは 8〜15cm、鉄筋コンクリートスラブでは12〜18cm程度とする。
ユニットタイル 解答例
[ 用語の説明 ]
通常タイルを並べ表面に30cm角程度の台紙を張ったものをユニットと呼ぶ。ユニットしたものをユニットタイルといい、1個のタイルのように取り扱う。
[ 施工上留意すべきこと ]
張付けモルタルには混和剤を使用し、張付けはタイルに見合った張付けモルタルを用い、ユニット裏面全面に「こて」で圧着して塗り付け、縦横及び目地幅通りをそろえて張り付け、張付けモルタルがはみ出すまでたたき締める。
溶接作業の予熱 解答例
[ 用語の説明 ]
予熱は、低温割れの防止、硬化組織の生成防止、延性、じん性などの機械的性質の向上、変形、残留応力の低減、ブローホールの発生防止など、溶接の品質の向上に必要なもの。
[ 施工上留意すべきこと ]
予熱は、その温度とともに範囲も大切である。溶接部両側 50mm程度の位置で、表面温度計、温度チョークなどを用いて計測、温度管理が重要である。
問題2
次の建築工事に関する用語のうちから5つ選び、その用語の説明と施工上留意すべき内容を具体的に記述しなさい。
ただし、仮設以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
ガラス工事のセッティングブロック
ジェットバーナー仕上げ
脱気装置
テーパーエッジせっこうボードの継ぎ目処理
鉄骨工事の仮ボルト
天井インサート
床付け
腹筋
ブリーディング(ブリージング)
防護棚(養生朝顔)
木工事の仕口
ルーフドレン
陸墨
型枠の根巻き 解答例
[ 用語の説明 ]
壁や柱の型枠を組み立てるとき、その根元を正確な位置に設けるためのモルタルのこと。
[ 施工上留意すべきこと ]
モルタル漏れがないように、隙間なく正確に施工する。
ガラス工事のセッティングブロック 解答例
[ 用語の説明 ]
エチレンプロピレンゴム等を原料とし、ガラスをサッシ内で支え、サッシの溝底とガラスとの接触を避けるとともに、適当なエッジクリアランスをガラスの掛り代を確保することを目的に使用される。
[ 施工上留意すべきこと ]
セッティングブロックの位置は、両端部からガラスの横幅寸法の1/4のところに2箇所設置し、サッシ水抜き孔を塞がないようにする。
ジェットバーナー仕上げ 解答例
用語の説明:
石表面をバーナーで加熱し、それを水で急冷することにより、石材を構成する鉱物の熱膨張率の違いを利用して、表面の一部をはく離させて均一な仕上げにしたもの。(建築工事監理指針)
施工上留意すべきこと:
ジェットバーナー仕上等の粗面仕上げでは出来上りの厚さで2mm以上厚くなるように設定しておく。
脱気装置 解答例
[ 用語の説明 ]
屋根露出防水絶縁工法で、下地面より発生する水蒸気を気中に放出する装置。
[ 施工上留意すべきこと ]
取付け間隔は、平場で 25〜100m2に1個程度、立上り部で長さ 10m間隔に1個程度を目安に、装置の排出能力に応じた分担面積とする。
テーパーエッジせっこうボードの継目処理 解答例
用語の説明:
継ぎ目のテーパーエッジをジョイントテープジョイントコンパウンドを用いて仕上げる工法。
施工上留意すべき内容:
中塗り、上塗りは各ジョイントコンパウンド乾燥後に行い、平滑に仕上げる。
鉄骨工事の仮ボルト 解答例
[ 用語の説明 ]
鉄骨の建て方時、本締め、溶接の前に仮に締め付けるボルト。
[ 施工上留意すべきこと ]
高力ボルト継手の場合、一般的にはボルト一群に対して 1/3程度、かつ2本以上で締め付ける。
天井インサート 解答例
[ 用語の説明 ]
天井を吊る下地受けの金物のこと。前施工、あと施工方式がある。
[ 施工上留意すべきこと ]
インサート間隔は900mm程度とし、周辺部は端から150mm以内とする。
床付け 解答例
用語の説明:
砂利地業や捨てコンクリートが打設できるよう、根切底を所定の深さに掘り揃え、平たんにする作業のこと。
施工上留意すべきこと:
床付け面が砂質地盤の場合は転圧でよいが、粘土質地盤の場合は床付け面を乱さないよう十分に注意する。乱した場合は適切な地盤改良材を混入し転圧する。
腹筋 解答例
[ 用語の説明 ]
鉄筋工事の梁配筋時、梁の変形を防止するため、上下主筋の中間に平行に設置する鉄筋。
[ 施工上留意すべきこと ]
梁にスリーブがある場合は、かぶり厚さは腹筋から確保する。
防護棚(養生朝顔) 解答例
[ 用語の説明 ]
仮設足場で落下物に対する保護のために、中間部に突出して取り付ける棚。
[ 施工上留意すべきこと ]
防護棚は骨組みの外側から2m以上突出させ、工事を行う部分の下10m以内ごとに設置する。
木工事の仕口 解答例
用語の説明:
2つの木材を接合するために刻んだ、ほぞや継手の総称。
施工上留意すべきこと:
種類には渡りあご、蟻かけ、当り欠け、大入れなどがあるが、いずれも構造上十分に性能を発揮するよう正確な加工と、丁寧な施工が求めらている。
ルーフドレン 解答例
用語の説明:
陸屋根の屋上やバルコニーの雨水排水用の鋳鉄製やステンレス製の金物のこと
施工上留意すべきこと:
雨水の漏水を防止するため水勾配を取る。スラブ天端から 30〜50mm下げて設置する。ルーフドレン内へのアスファルトやコンクリートの流入、付着に注意する。
陸墨 解答例
用語の説明:
仮設工事において、水平高さを表す墨のこと。壁面に出す。
施工上留意すべきこと:
施工において、水平、垂直は建物施工の基本。常時、確認が必要である。
問題2
次の建築工事に関する用語のうちから 5つ選び、その用語の説明と施工上留意すべき内容を具体的に記述しなさい。
ただし、仮設以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。
また、使用資機材に不良品はないものとする。
アルミサッシのかぶせ工法
型枠のセパレーター
コンクリートの打継ぎ
シーリング工事のマスキングテープ
せっこうボード張りにおけるコーナービード
セメントモルタルによるモザイクタイル張り
鉄筋工事のスペーサー
鉄筋の先組み工法
鉄骨工事のリーマー掛け
土工事の布掘り
塗装工事の研磨紙ずり
木造住宅における気密シート
床開口部の養生
ローリングタワー
[ 解答例 ]
アルミサッシのかぶせ工法
[ 用語の説明 ]
アルミサッシのかぶせ工法とは、建具の改修工事において既存枠を撤去せずに新規の建具枠をかぶせて施工する方法であり、撤去工法に比べ、経済性、施工性に優れているが、窓開口部が既存の物に比べ小さくなる。
[ 施工上留意すべきこと ]
建具の耐食性を維持するため、新規建具の下枠と躯体間にシーリングを施さない等により、既存枠と新規建具との間に水分を溜めないよう配慮することが必要である。
型枠のセパレーター
[ 用語の説明 ]
セパレーターとは、型枠工事で相対するせき板相互の間隔を正しく保持するために使用するものである。主なものは、コーンを使用しないもの(丸セパC型)と使用するもの(丸セパB型)がある。
[ 施工上留意すべきこと ]
コーン穴の処理方法について、防水下地や薄い下地等の場合は、丸セパB型を用いコンクリート面と同一にモルタルを充填する。普通のモルタルでは垂れ下がりや乾燥収縮のおそれがあるので、硬練りモルタルを用いるなどの配慮が必要である。
コンクリートの打継ぎ
[ 用語の説明 ]
コンクリートの打継ぎ部は、構造上の欠陥となりやすいので問題の少ない位置を選んで打継ぎ部を決定する。梁や床の打継ぎは、せん断応力が最小となるスパン中央付近とする。
[ 施工上留意すべきこと ]
水密性能、気密性能などが要求される部位には、原則として、打継ぎ部を設けない。やむを得ず、打継ぎ部を設ける場合は、性能が満たされる処置が必要である。
シーリング工事のマスキングテープ
[ 用語の説明 ]
シーリング工事でプライマー塗布及びシーリング材充填の際の汚染防止と目地縁の線を通りよく仕上るために用いる粘着テープである。
[ 施工上留意すべきこと ]
除去後、粘着剤が残存せず、シーリング材の接着を妨げない材質のものを用いる。へら仕上げ終了後は、速やかにマスキングテープを剥がすこと。
せっこうボード張りにおけるコーナービード
[ 用語の説明 ]
コーナービードとは、柱や壁の出隅を保護するために取り付ける金属製などの部材である。
[ 施工上留意すべきこと ]
コーナービードは、釘、ドリリングタッピンねじ、接着材などを用いて留めつける。
セメントモルタルによるモザイクタイル張り
[ 用語の説明 ]
モザイクタイル張りとは、外壁及び内壁において、下地コンクリートの上に下地モルタル、張り付けモルタルを施工し、小口未満のタイルをユニット化したものを張り付ける工法である。
[ 施工上留意すべきこと ]
たたき押えは、全面にわたって十分に行う必要があるが、その目安は、タイル目地に盛りあがった張付けモルタルの水分で、紙張りの目地部分がぬれてくることによって判断する。
鉄筋工事のスペーサー
[ 用語の説明 ]
鉄筋部材などを一定の間隔に保持するかいもの。鉄筋コンクリート工事では、せき板面と鉄筋あるいは鉄筋相互を所定の間隔に保持するために挿入するもので、鋼製、コンクリート製、梁・柱・基礎ばり、壁及び地下外壁のスペーサーは側面に限りプラスチック製でもよい。
[ 施工上留意すべきこと ]
設置方法は、スラブについては、上端筋、下端筋は 1.3個/m2程度、端部上端筋及び中央部下端筋には必ず設置、梁については間隔は1.5m程度、端部は1.5m以内、側梁以外の梁は上又は下に設置、側梁は側面の両側へ対称に設置、柱においては上段は梁下より 0.5m程度、中段は柱脚と上段の中間、柱幅 1.0mまで2個、1.0m以上 3個などが必要である。
鉄筋の先組み工法
[ 用語の説明 ]
工場又は敷地内で、ベース筋、柱筋、梁筋などの部分を先に組み立てる工法で、組立てや運搬の省力化を狙いとする。工法としては、地組みした柱筋や梁筋を、鉄骨のように先行自立させる方法と、柱筋の縦方後に梁や床の型枠を組み、その後に梁筋を建て込む方法がある。
[ 施工上留意すべきこと ]
鉄筋加工の先組ヤード、組み立てられた鉄筋のストックヤードの確保が必要である。また、鉄筋組立材の揚重計画の検討、その他としては鉄筋接合方法などの留意が必要である。
鉄骨工事のリーマー掛け
[ 用語の説明 ]
リーマー掛けとは、リーマーという穴ざらい用切削刃を用い、ボルト孔の修正または食違いを修正する作業である。部材の孔合わせを行う際、通常、2mm以下のボルト孔の食違いは、リーマー掛けして修正してよい。
[ 施工上留意すべきこと ]
ボルト孔心の不一致の著しい場合は、添え板を取り換え、現場に合うようなボルト孔をあけ直す。
土工事の布掘り
[ 用語の説明 ]
布基礎や基礎梁の位置に沿って、連続的に帯状に掘削する根切り方法である。
[ 施工上留意すべきこと ]
根切り範囲を定めるには、山留め、コンクリート型枠の組立、取外し作業が十分にできるように間隔を見込んでおく。布掘りでは基礎幅から300〜600mmが必要である。
塗装工事の研磨紙ずり
[ 用語の説明 ]
塗装する素地や塗り面の汚れ、ごみ、粒などを研磨紙を用いて取り除いて平滑にし、塗装材料の付着性を高め、仕上げをよくするために行う下地調整のことである。
[ 施工上留意すべきこと ]
木材面の研磨紙ずりは、木目に平行にかける。塗り面を研磨紙ずりする場合は、塗膜が十分に乾燥してから行う。
木造住宅における気密シート
[ 用語の説明 ]
気密工事に用いる防湿気密シートの材料は防湿気密層の剛性が高いとともに、防湿気密層の平面保持がよく、仕上げ材で防湿気密層を押えたとき、重ね部分の気密精度が向上する。
[ 施工上留意すべきこと ]
気密シートを取り付けるとき、シートがゆるまないよう押さえをすることが必要である。また、シート同士の重ね幅は約10cm以上が必要である。
床開口部の養生
[ 用語の説明 ]
床開口部は、型枠解体材、使用材料の搬出入のために必要なものである。開口部からの落下を防ぐため、開口部周りに手すり、中さん、安全ネットを設置して墜落、転落及び物の落下防止対策を行う。また、開口部は特に照明を明るくし、かつ、赤い布を下げたり、又は、黄と黒のまだらな塗装をするなどの方法により表示することも必要である。
[ 施工上留意すべきこと ]
高さ 2m以上の床の開口部は、「囲い等」で落下防止措置をすることが定められているので、フタをする等の安全確保に留意する。(労働安全衛生規則第519条)
ローリングタワー
[ 用語の説明 ]
移動式足場ともいい、枠組足場を積み重ね、その脚部に車輪を付けて水平方法への移動を容易にした足場である。
[ 施工上留意すべきこと ]
作業時は、足元のストッパー4箇所すべて固定して安全帯を使用して作業する。また、移動の場合には上部に人間は乗せない。