2023年09月21日
2級建築施工管理技士 平成25年度 実地 問題2 解答・解説
実地試験 解答・解説
問題2
次の建築工事に関する用語のうちから 5つ選び、その用語の説明と施工上留意すべき内容を具体的に記述しなさい。
ただし、仮設以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。
また、使用資機材に不良品はないものとする。
アルミサッシのかぶせ工法
型枠のセパレーター
コンクリートの打継ぎ
シーリング工事のマスキングテープ
せっこうボード張りにおけるコーナービード
セメントモルタルによるモザイクタイル張り
鉄筋工事のスペーサー
鉄筋の先組み工法
鉄骨工事のリーマー掛け
土工事の布掘り
塗装工事の研磨紙ずり
木造住宅における気密シート
床開口部の養生
ローリングタワー
[ 解答例 ]
アルミサッシのかぶせ工法
[ 用語の説明 ]
アルミサッシのかぶせ工法とは、建具の改修工事において既存枠を撤去せずに新規の建具枠をかぶせて施工する方法であり、撤去工法に比べ、経済性、施工性に優れているが、窓開口部が既存の物に比べ小さくなる。
[ 施工上留意すべきこと ]
建具の耐食性を維持するため、新規建具の下枠と躯体間にシーリングを施さない等により、既存枠と新規建具との間に水分を溜めないよう配慮することが必要である。
型枠のセパレーター
[ 用語の説明 ]
セパレーターとは、型枠工事で相対するせき板相互の間隔を正しく保持するために使用するものである。主なものは、コーンを使用しないもの(丸セパC型)と使用するもの(丸セパB型)がある。
[ 施工上留意すべきこと ]
コーン穴の処理方法について、防水下地や薄い下地等の場合は、丸セパB型を用いコンクリート面と同一にモルタルを充填する。普通のモルタルでは垂れ下がりや乾燥収縮のおそれがあるので、硬練りモルタルを用いるなどの配慮が必要である。
コンクリートの打継ぎ
[ 用語の説明 ]
コンクリートの打継ぎ部は、構造上の欠陥となりやすいので問題の少ない位置を選んで打継ぎ部を決定する。梁や床の打継ぎは、せん断応力が最小となるスパン中央付近とする。
[ 施工上留意すべきこと ]
水密性能、気密性能などが要求される部位には、原則として、打継ぎ部を設けない。やむを得ず、打継ぎ部を設ける場合は、性能が満たされる処置が必要である。
シーリング工事のマスキングテープ
[ 用語の説明 ]
シーリング工事でプライマー塗布及びシーリング材充填の際の汚染防止と目地縁の線を通りよく仕上るために用いる粘着テープである。
[ 施工上留意すべきこと ]
除去後、粘着剤が残存せず、シーリング材の接着を妨げない材質のものを用いる。へら仕上げ終了後は、速やかにマスキングテープを剥がすこと。
せっこうボード張りにおけるコーナービード
[ 用語の説明 ]
コーナービードとは、柱や壁の出隅を保護するために取り付ける金属製などの部材である。
[ 施工上留意すべきこと ]
コーナービードは、釘、ドリリングタッピンねじ、接着材などを用いて留めつける。
セメントモルタルによるモザイクタイル張り
[ 用語の説明 ]
モザイクタイル張りとは、外壁及び内壁において、下地コンクリートの上に下地モルタル、張り付けモルタルを施工し、小口未満のタイルをユニット化したものを張り付ける工法である。
[ 施工上留意すべきこと ]
たたき押えは、全面にわたって十分に行う必要があるが、その目安は、タイル目地に盛りあがった張付けモルタルの水分で、紙張りの目地部分がぬれてくることによって判断する。
鉄筋工事のスペーサー
[ 用語の説明 ]
鉄筋部材などを一定の間隔に保持するかいもの。鉄筋コンクリート工事では、せき板面と鉄筋あるいは鉄筋相互を所定の間隔に保持するために挿入するもので、鋼製、コンクリート製、梁・柱・基礎ばり、壁及び地下外壁のスペーサーは側面に限りプラスチック製でもよい。
[ 施工上留意すべきこと ]
設置方法は、スラブについては、上端筋、下端筋は 1.3個/m2程度、端部上端筋及び中央部下端筋には必ず設置、梁については間隔は1.5m程度、端部は1.5m以内、側梁以外の梁は上又は下に設置、側梁は側面の両側へ対称に設置、柱においては上段は梁下より 0.5m程度、中段は柱脚と上段の中間、柱幅 1.0mまで2個、1.0m以上 3個などが必要である。
鉄筋の先組み工法
[ 用語の説明 ]
工場又は敷地内で、ベース筋、柱筋、梁筋などの部分を先に組み立てる工法で、組立てや運搬の省力化を狙いとする。工法としては、地組みした柱筋や梁筋を、鉄骨のように先行自立させる方法と、柱筋の縦方後に梁や床の型枠を組み、その後に梁筋を建て込む方法がある。
[ 施工上留意すべきこと ]
鉄筋加工の先組ヤード、組み立てられた鉄筋のストックヤードの確保が必要である。また、鉄筋組立材の揚重計画の検討、その他としては鉄筋接合方法などの留意が必要である。
鉄骨工事のリーマー掛け
[ 用語の説明 ]
リーマー掛けとは、リーマーという穴ざらい用切削刃を用い、ボルト孔の修正または食違いを修正する作業である。部材の孔合わせを行う際、通常、2mm以下のボルト孔の食違いは、リーマー掛けして修正してよい。
[ 施工上留意すべきこと ]
ボルト孔心の不一致の著しい場合は、添え板を取り換え、現場に合うようなボルト孔をあけ直す。
土工事の布掘り
[ 用語の説明 ]
布基礎や基礎梁の位置に沿って、連続的に帯状に掘削する根切り方法である。
[ 施工上留意すべきこと ]
根切り範囲を定めるには、山留め、コンクリート型枠の組立、取外し作業が十分にできるように間隔を見込んでおく。布掘りでは基礎幅から300〜600mmが必要である。
塗装工事の研磨紙ずり
[ 用語の説明 ]
塗装する素地や塗り面の汚れ、ごみ、粒などを研磨紙を用いて取り除いて平滑にし、塗装材料の付着性を高め、仕上げをよくするために行う下地調整のことである。
[ 施工上留意すべきこと ]
木材面の研磨紙ずりは、木目に平行にかける。塗り面を研磨紙ずりする場合は、塗膜が十分に乾燥してから行う。
木造住宅における気密シート
[ 用語の説明 ]
気密工事に用いる防湿気密シートの材料は防湿気密層の剛性が高いとともに、防湿気密層の平面保持がよく、仕上げ材で防湿気密層を押えたとき、重ね部分の気密精度が向上する。
[ 施工上留意すべきこと ]
気密シートを取り付けるとき、シートがゆるまないよう押さえをすることが必要である。また、シート同士の重ね幅は約10cm以上が必要である。
床開口部の養生
[ 用語の説明 ]
床開口部は、型枠解体材、使用材料の搬出入のために必要なものである。開口部からの落下を防ぐため、開口部周りに手すり、中さん、安全ネットを設置して墜落、転落及び物の落下防止対策を行う。また、開口部は特に照明を明るくし、かつ、赤い布を下げたり、又は、黄と黒のまだらな塗装をするなどの方法により表示することも必要である。
[ 施工上留意すべきこと ]
高さ 2m以上の床の開口部は、「囲い等」で落下防止措置をすることが定められているので、フタをする等の安全確保に留意する。(労働安全衛生規則第519条)
ローリングタワー
[ 用語の説明 ]
移動式足場ともいい、枠組足場を積み重ね、その脚部に車輪を付けて水平方法への移動を容易にした足場である。
[ 施工上留意すべきこと ]
作業時は、足元のストッパー4箇所すべて固定して安全帯を使用して作業する。また、移動の場合には上部に人間は乗せない。
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