実地試験 解答・解説
平成 28年 11月 12日(日)
問題2
次の建築工事に関する用語のうちから 5 つ選び、その用語の説明と施工上留意すべき内容を具体的に記述しなさい。
ただし、仮設以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
型枠はく離剤
金属製建具のかぶせ工法
クレセント
軽量鉄骨壁下地の振れ止め
鋼矢板
コンクリート壁の誘発目地
先送りモルタル
タイルカーペット
超高圧水によるコンクリート面下地処理
鉄筋の先組み工法
マスキングテープ
溶接のアンダーカット
ローリングタワー
足場の手すり先行工法 解答例
[ 用語の説明 ]
建設工事において、足場の組立て等の作業を行うにあたり、労働者が足場の作業床に乗る前に、当該作業床の端となる箇所に適切な手すりを先行して設置し、かつ最上階の作業床を取り外す時は、当該作業床の端の手すりを残置して行う工法。
[ 施工上留意すべきこと ]
労働安全衛生法令を遵守する。
@脚部
足場の組立てにあたっては、脚部沈下を防止するため、地盤を十分に突き固め敷板等を並べる。枠組足場においては、建枠の高さをそろえる。
A布
足場のはり間方向の建地又は柱脚の間隔と床材の幅の寸法は原則としてそろえる。隙間をつくらないように設置し、床付き布枠のつかみ金具は、外れ止めを確実にロックする。
B筋かい
枠組み足場の筋かいは、交差筋かいを原則として、外側及び躯体側の両構面に取り付ける。交差筋かいピンは確実にロックする。
C壁つなぎ
枠組み足場間隔を垂直方向 9m以下、水平方向 8m以下
単管足場間隔を垂直方向 5m以下、水平方向 5.5m以下
型枠はく離剤 解答例
[ 用語の説明 ]
コンクリート型枠表面に塗布し、打設させたコンクリートの固着を防止し、型枠の取り外しを容易にする化学製品。
[ 施工上留意すべきこと ]
はく離剤の塗布のむら・量不足、気温や湿度等の養生条件に配慮する。
金属製建具のかぶせ工法 解答例
[ 用語の説明 ]
老朽化した既存の建具の上からカバーするように新しい建具を設置する工法。
[ 施工上留意すべきこと ]
既存枠がスチールの場合は、錆止め塗装を行う。建付けを確実に行い、障子や扉の開閉、金具調整を行う。
クレセント 解答例
[ 用語の説明 ]
建具用金具で、上げ下げ窓、引き違いサッシの召し合わせ部などに取り付ける錠金具のこと。
[ 施工上留意すべきこと ]
錠機能の他にも、気密性、遮音性も求められるので、正確な錠と受け金具の取り合い寸法、堅固な部品の取り付けが必要である。
軽量鉄骨壁下地の振れ止め 解答例
[ 用語の説明 ]
建物内部の間仕切壁等の揺れを防止するために設置するもの。
[ 施工上留意すべきこと ]
床面ランナー下端から 1.2mごとに設置する。ただし、上部ランナー上端から400mm以内に振れ止めが位置する場合は省略できる。
鋼矢板 解答例
[ 用語の説明 ]
鋼製の矢板でシートパイルともいう。土留工事等に使用され、土砂の崩壊や浸水を防止する。
[ 施工上留意すべきこと ]
正確な位置と土圧、水圧を考慮した根入れ深さが必要である。
コンクリート壁の誘発目地 解答例
[ 用語の説明 ]
コンクリート壁面にあらかじめひび割れ発生場所を決め、その位置にひび割れを誘発させるための目地。
[ 施工上留意すべきこと ]
壁厚が200mm以内の壁であれば、両側に深さ20mmの目地を入れるなど、断面欠損率が20%以上となるようにする。それ以上の厚さの壁であれば、壁躯体内部に適切なサイズの断面欠損材を合わせて仕込む。
先送りモルタル 解答例
[ 用語の説明 ]
コンクリートの打設に際して、コンクリートの圧送開始前に、コンクリートの流動性確保や輸送管内壁の潤滑膜を形成及び吸入・吐出弁内部をシールするために、圧送管内に流し込むモルタルのこと。
[ 施工上留意すべきこと ]
圧送の初期に輸送管より排出されるモルタルは極めて低強度のものとなるので、先送りモルタルは、圧送後に廃棄処分とする。先送りモルタルは、富調合なものにする必要がある。
タイルカーペット 解答例
[ 用語の説明 ]
カーペットを原則 500mm角程度にしたもの。JIS L 4406による。
[ 施工上留意すべきこと ]
タイルカーペット全面接着工法による。敷き方は特記による。特記がない場合は、床面は市松敷き、階段は模様流しとする。接着剤は、粘着はく離形接着剤とし、下地面が十分に乾燥していること。張付けは中央部から行う。
超高圧水によるコンクリート面下地処理 解答例
[ 用語の説明 ]
建物改修時に、コンクリート面に塗装された塗料や汚れを、高い圧力を有する水の力で除去・クリーニングすること。騒音、振動、粉じんがほとんど発生しない。
[ 施工上留意すべきこと ]
コンクリート面下地処理時のケレンの種別(全ケレン、半ケレン)の遵守、水の飛散防止、洗浄した水を確実に回収する。
鉄筋の先組み工法 解答例
[ 用語の説明 ]
鉄筋をあらかじめ、下ごしらえ → 加工 → 組立てとする工法。第一次は定尺等の寸法と単位長とし、フープや帯筋を補強したもの。第二次は第一次で製作した単位体をつなげて構造体を作製したもの。
[ 施工上留意すべきこと ]
組立に際しては、正しい材料、正確な寸法、適切な縮み代を考慮する必要がある。
マスキングテープ 解答例
[ 用語の説明 ]
塗装等の際、塗料が施工箇所をはみ出し、作業箇所以外を汚さないように貼る保護用粘着テープ。養生資材のひとつ。
[ 施工上留意すべきこと ]
粘着力は弱いが、長時間貼り付けたままだと、テープを剥がす時、下地の塗装等を剥がしてしまうことがある。マスキングテープは作業が終了したら、ただちに剥がすようにする。
溶接のアンダーカット 解答例
[ 用語の説明 ]
溶接欠陥の一種。溶接の止端などに沿って母材に溝ができた状態ここと。
[ 施工上留意すべきこと ]
適切な電流、正しい溶接棒の角度・位置、正確な溶接速度、正しい溶接姿勢等が必要である。
ローリングタワー解答例
[ 用語の説明 ]
高所作業に用いる移動式足場の通称。枠組足場の脚部にキャスターを付けて移動できるようにした足場。
[ 施工上留意すべきこと ]
手すりの設置状態・固定の確認、キャスターの動き・ロック状態の確認、大きな変形(へこみ、曲り)がないことの確認等が必要である。
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image