2級建築施工管理技術検定 第一次検定 建築学 環境工学 練習問題
【 採光・照明 】
( 1 )
採光及び照明に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和2年前期_No.2)
1.輝度は、光源からある方向への光度を、その方向への光源の見かけの面積で除した値をいう。
2.昼光率は、全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の割合である。
3.光源の色温度が低いほど青みがかった光に見え、高いほど赤みがかった光に見える。
4.照度の均斉度が高いほど、室内の照度分布は均一になる。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
輝度とは、光源からある方向への光度を、その方向への光源の見かけの面積で除した値である。単位は、[ cd/m2]で表される。なお、光度とは、光源から単位立体角当たりに発する光束をいい、単位は [ cd(カンデラ) ]で表される。
2.◯
全天空照度とは、すべての障害物を取り払った全天空からの直射光を除く照度をいう。全天空照度に対する室内の測定点の照度の比を百分率 [ % ] で表したものを昼光率という。
D(昼光率)=
E(室内の測定点の照度 [ lx ])/ Es(全天空照度 [ lx ])× 100(%)
3.×
色温度とは、光色を同じ色の黒体(完全放射体)の温度で表したもので、色温度が低くなると赤みががった光色、色温度が高くなると青みがかった光色となる。
4.◯
照度とは、被照射面の単位面積当たりに入射する光束の量で、均斉度が高いほど、室内の照度分布は均一になる。
( 2 )
照明に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和2年後期_No.2)
1.光束は、視感度に基づいて測定された単位時間当たりの光のエネルギー量である。
2.照度は、単位面積当たりに入射する光束の量である。
3.輝度は、光源の光の強さを表す量である。
4.グレアは、高輝度な部分や極端な輝度対比などによって感じるまぶしさである。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
光束とは、人の視感度に基づいて測定された単位時間当たりの光のエネルギー量と定義されている。
2.◯
照度とは、被対象面に単位面積当たりに入射する光束の量と定義されている。
3.×
光源の光の強さを表す量は、光度である。輝度とは、ある方向への光源の単位投影面積当たりの光度と定義され、人が感じるまぶしさを表す量である。
4.◯
グレアとは、輝度の高い部分や極端な輝度対比などにより、人が感じるまぶしさのことをいう。なお、輝度対比とは、対象物と周辺や背景との輝度の相違の程度をいう。
( 3 )
採光及び照明に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和3年後期_No.3)
1.室内のある点における昼光率は、時刻や天候によって変化する。
2.昼光率は、室内表面の反射の影響を受ける。
3.全天空照度は、直射日光による照度を含まない。
4.モデリングは、光の強さや方向性、拡散性などを視対象の立体感や質感の見え方によって評価する方法である。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
時刻や天候によって屋外の全天空照度が変化しても、それに比例して室内の測定点の照度も変化するので、昼光率は変化しない。
2.◯
昼光率は、通常百分率(%)で表され、次の式で求めることができる。
昼光率(D)=ある点の面照度(E)/野外水平面照度(E0) × 100(%)
ある点の照度は、室内表面の仕上げ材の反射等により変わるため、昼光率はその影響を受ける。
3.◯
全天空照度とは、全天空が望める場所で、直射日光の照度を除いた水平面照度のことをいう。
4.◯
光の強さや方向性、拡散性などを、立体の対象物の立体感や質感の見え方によって評価する方法をモデリングという。人の顔などは当たる光の方向性、拡散性によって印象が大きく異なるため、モデリングによって適切な照明で表現することが重視されてきている。
( 4 )
照明に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和3年前期_No.2)
1.一般に直接照明による陰影は、間接照明と比べ濃くなる。
2.点光源による照度は、光源からの距離の2乗に反比例する。
3.色温度は、絶対温度で示し、単位はlm(ルーメン)である。
4.タスク・アンビエント照明は、全般照明と局部照明を併せて行う方式である。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
直接照明とは、光源の光を被照射面に直接照射する照明方式、間接照明とは、光源の光を反射させて被照射面に間接的に照射する照明方式のことをいう。一般に直接照明に生じる陰影は、間接照明と比べて濃くなる。
2.◯
点光源による照度は、光源の光度に比例し、光源からの距離の2乗に反比例する。
3.×
色温度の単位は K(ケルビン)である。色温度とは、光を完全に吸収する黒体の温度放射により生じる光の色を用いて、色合いを絶対温度で表示したものをいう。lm(ルーメン)は光源の光束の単位である。
4.◯
タスク・アンビエント照明とは、局所照明(タスク照明)と全般照明(アンビエント照明)を併せて行う方式で、作業灯で作業場所を照らし、天井照明で室内全般を照らす照明方式のことである。
( 5 )
採光及び照明に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(平成30年前期_No.2)
1.照度は、単位面積あたりに入射する光束の量である。
2.天窓採光は、側窓採光よりも採光量が多い。
3.人工光源は、色温度が高くなるほど赤みがかった光色となる。
4.輝度は、光源からある方向への光度を、その方向への光源の見かけの面積で除した値である。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
照度とは、壁面などの面において光を受ける程度を示す測光量で、単位面積あたりに入射する光束の量をいう。水平面の照度を水平面照度、鉛直(垂直)面の照度を鉛直(垂直)面照度という。単位は、lx(ルクス)である。
2.◯
建築基準法施行令第20条第2項より、天窓に採光量は、鉛直面の窓(側窓)の採光の3倍として算出する。
3.×
色温度とは、光色を数値で表したもの。
色温度が高いと、青白く、明るくさわやかで活動的な空間に適し、高い照度でも快適な雰囲気が得られる。逆い、色温度が低いと、赤味がかった光となり、落ち着きのあるくつろいだ雰囲気になり、低い照度の空間に適する。
4.◯
輝度とは、光源面をある方向から見た場合の見かけの明るさをいう。光束発散面のある方向への単位投影面積当たりの光度を表す。単位は、cd/m2(カンデラパー平方メートル)である。
( 6 )
照明に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(平成30年前期_No.2)
1. 光源の光色は色温度で表され、単位はK(ケルビン)である。
2. 一般に直接照明による陰影は、間接照明と比べて濃くなる。
3. 照度は、点光源からある方向への光の強さを示す量である。
4. タスク・アンビエント照明は、全般照明と局部照明を併せて行う方式である。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
色温度の単位は K(ケルビン)である。色温度とは、光を完全に吸収する黒体の温度放射により生じる光の色を用いて、色合いを絶対温度で表示したものをいう。
2.◯
直接照明とは、光源の光を被照射面に直接照射する照明方式、間接照明とは、光源の光を反射させて被照射面に間接的に照射する照明方式のことをいう。一般に直接照明に生じる陰影は、間接照明と比べて濃くなる。
3.×
照度とは、被対象面に単位面積当たりに入射する光束の量と定義されている。
4.◯
タスク・アンビエント照明とは、局所照明(タスク照明)と全般照明(アンビエント照明)を併せて行う方式で、作業灯で作業場所を照らし、天井照明で室内全般を照らす照明方式のことである。
( 7 )
照明に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(平成30年後期_No.2)
1. 光源の光色は色温度で表され、単位はK(ケルビン)である。
2. 一般に直接照明による陰影は、間接照明と比べて濃くなる。
3. 照度は、点光源からある方向への光の強さを示す量である。
4. タスク・アンビエント照明は、全般照明と局部照明を併せて行う方式である。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
色温度の単位は K(ケルビン)である。色温度とは、光を完全に吸収する黒体の温度放射により生じる光の色を用いて、色合いを絶対温度で表示したものをいう。
2.◯
直接照明とは、光源の光を被照射面に直接照射する照明方式、間接照明とは、光源の光を反射させて被照射面に間接的に照射する照明方式のことをいう。一般に直接照明に生じる陰影は、間接照明と比べて濃くなる。
3.×
照度とは、被対象面に単位面積当たりに入射する光束の量と定義されている。
4.◯
タスク・アンビエント照明とは、局所照明(タスク照明)と全般照明(アンビエント照明)を併せて行う方式で、作業灯で作業場所を照らし、天井照明で室内全般を照らす照明方式のことである。
【 室内環境 】
( 1 )
冬季暖房時における外壁の室内側表面の結露防止対策に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和元年前期_No.2)
1. 室内の換気をできるだけ行わない。
2. 室内の水蒸気の発生を抑制する。
3. 室内側表面に近い空気を流動させる。
4. 外壁の断熱性を高める。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
結露防止対策として、室内の換気をできるだけ行うようにする。
2.◯
室内の水蒸気の発生を抑制することは、結露防止対策の一つである。
3.◯
室内側表面に近い空気を流動させることは、結露防止対策の一つである。
4.◯
外壁の断熱性を高めることは、結露防止対策のひとつである。
( 2 )
湿度及び結露に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和3年前期_No.1)
1.絶対湿度が100%になる温度を露点温度という。
2.壁体の中に熱伝導率の大きい場所がある場合に、熱が集中して流れるこの部分を熱橋という。
3.冬季暖房時に、室内の水蒸気により外壁などの室内側表面で生じる結露を表面結露という。
4.乾燥空気1kg当たりに含まれている水蒸気の質量を絶対湿度という。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
露点温度とは、絶対湿度を一定に保ちながら空気を冷却した場合に、相対湿度がが100%になる温度のことである。
2.◯
熱橋とは、壁体の中に熱伝導率の大きい(熱を通しやすい)場所がある場合に、熱の通り道になって流れる部分のことをいう。断熱材が一部欠けて設置されていない部分や、鉄骨などの部材が貫通している部分などに発生する。
3.◯
表面結露とは、冬季暖房時に、室内の水蒸気により外壁などの室内側表面で生じる結露をいう。一方、冬季暖房時に、室内の水蒸気により壁などの内部で生じる結露を内部結露という。
4.◯
絶対湿度とは、乾燥空気 1kg当たりに含まれている水蒸気の質量、すなわち、空気と水蒸気の質量比をいう。
( 3 )
湿度及び結露に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(平成30年前期_No.1)
1. 露点温度とは、絶対湿度が 100% になる温度である。
2. 冬季暖房時に、室内側から入った水蒸気により壁などの内部で生じる結露を内部結露という。
3. 冬季暖房時に、室内の水蒸気により外壁などの室内側表面で生じる結露を表面結露という。
4. 絶対湿度とは、乾燥空気 1 kg と共存している水蒸気の質量である。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
露点温度とは、絶対湿度を一定に保ちながら空気を冷却した場合に、相対湿度がが100%になる温度のことである。
2.◯
冬季暖房時に、室内の水蒸気により壁などの内部で生じる結露を内部結露という。
3.◯
表面結露とは、冬季暖房時に、室内の水蒸気により外壁などの室内側表面で生じる結露をいう。
4.◯
絶対湿度とは、乾燥空気 1kg当たりに含まれている水蒸気の質量、すなわち、空気と水蒸気の質量比をいう。乾燥空気(DA:ドライエア)1kg当たりの水蒸気量(kg)で表す。重量絶対湿度ともいう。
( 4 )
湿度及び結露に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(平成30年後期_No.1)
1. 露点温度とは、絶対湿度が 100% になる温度である。
2. 冬季暖房時に、室内側から入った水蒸気により壁などの内部で生じる結露を内部結露という。
3. 冬季暖房時に、室内の水蒸気により外壁などの室内側表面で生じる結露を表面結露という。
4. 絶対湿度とは、乾燥空気 1 kg と共存している水蒸気の質量である。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
露点温度とは、絶対湿度を一定に保ちながら空気を冷却した場合に、相対湿度がが100%になる温度のことである。
2.◯
冬季暖房時に、室内の水蒸気により壁などの内部で生じる結露を内部結露という。
3.◯
表面結露とは、冬季暖房時に、室内の水蒸気により外壁などの室内側表面で生じる結露をいう。
4.◯
絶対湿度とは、乾燥空気 1kg当たりに含まれている水蒸気の質量、すなわち、空気と水蒸気の質量比をいう。乾燥空気(DA:ドライエア)1kg当たりの水蒸気量(kg)で表す。重量絶対湿度ともいう。
【 色 彩 】
( 1 )
色に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和元年前期_No.3)
1. 一般に明度や彩度が高いほど、派手に感じられる
2. 純色とは、各色相の中で最も明度の高い色をいう。
3. 無彩色とは、色味をもたない明度だけをもつ色をいう。
4. 色の温度感覚には、暖色や寒色と、それらに属さない中性色がある。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
明度とは色の反射率の度合い、彩度とは色の鮮やかさの度合いである。一般に明度や彩度が高いほど、派手に感じられる。
2.×
純色とは、各色相の中で最も彩度の高い色をいう。
3.◯
無彩色とは、黒色、灰色、白色などの色味をもたない、明度だけをもつ色をいう。
4.◯
色の温度感覚には、赤色などの暖かみを感じる暖色や、青色などの涼しさを感じる寒色と、それらに属さない中性色がある。
( 2 )
色に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和3年前期_No.3)
1.一般に明度が高い色ほど膨張して見える。
2.一般に同じ色でもその面積が小さいほど、明るさや鮮やかさが増して見える。
3.2つの有彩色を混ぜて灰色になるとき、その2色は互いに補色の関係にある。
4.補色どうしを対比すると、互いに強調しあい、鮮やかさが増して見える。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
一般に明度が高い色、すなわち明るく感じる色ほど、膨張して大きく見える。膨張色といわれる。
2.×
一般に同じ色でもその面積が大きいほど、明るさや鮮やかさが増して見える。面積効果という。
3.◯
補色とは、2つの有彩色を混ぜて無彩色(灰色)になるときの2色の関係という。
4.◯
補色の関係にある二色を対比させると、互いに強調しあい、鮮やかさが増して見える。
( 3 )
色に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(平成30年前期_No.3)
1. 色の膨張や収縮の感覚は、一般に明度が高い色ほど膨張して見える。
2. 同じ色でもその面積が大きいほど、明るさや、あざやかさが増して見える。
3. 補色を対比すると、同化し、互いにあざやかさが失われて見える。
4. 暖色は、寒色に比べ一般に近距離に感じられる。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
一般に明度が高い色、すなわち明るく感じる色ほど、膨張して大きく見える。膨張色といわれる。
2.◯
一般に同じ色でもその面積が大きいほど、明るさや鮮やかさが増して見える。面積効果という。
3.×
補色の関係にある二色を対比させると、互いに強調しあい、鮮やかさが増して見える。
4.◯
色の温度感覚には、赤色などの暖かみを感じる暖色や、青色などの涼しさを感じる寒色と、それらに属さない中性色があり、距離感は暖色系が近く進出色といい、寒色系が遠く後退色という。
( 4 )
色に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(平成30年後期_No.3)
1. 色の膨張や収縮の感覚は、一般に明度が高い色ほど膨張して見える。
2. 同じ色でもその面積が大きいほど、明るさや、あざやかさが増して見える。
3. 補色を対比すると、同化し、互いにあざやかさが失われて見える。
4. 暖色は、寒色に比べ一般に近距離に感じられる。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
一般に明度が高い色、すなわち明るく感じる色ほど、膨張して大きく見える。膨張色といわれる。
2.◯
一般に同じ色でもその面積が大きいほど、明るさや鮮やかさが増して見える。面積効果という。
3.×
補色の関係にある二色を対比させると、互いに強調しあい、鮮やかさが増して見える。
4.◯
色の温度感覚には、赤色などの暖かみを感じる暖色や、青色などの涼しさを感じる寒色と、それらに属さない中性色があり、距離感は暖色系が近く進出色といい、寒色系が遠く後退色という。
【 換 気 】
( 1 )
換気に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和4年後期_No.1)
1.全般換気方式は、室内全体の空気を外気によって希釈しながら入れ替える換気のことである。
2.局所換気方式は、局所的に発生する汚染物質を発生源近くで捕集して排出する換気のことである。
3.第1種機械換気方式は、映画館や劇場等外気から遮断された大きな空間の換気に適している。
4.第2種機械換気方式は、室内で発生した汚染物質が他室に漏れてはならない室の換気に適している。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
全般換気方式とは、室内全体の空気を外気によって希釈しながら、外気の空気と室内の空気を入れ替える換気方式をいう。なお、室内の一部の空気を入れ替える換気方式を局所換気という。
2.◯
局所換気方式とは、局所的に発生した有毒ガスや熱、臭気等の汚染物質を室全体に希釈、拡散させないように、発生源近くで捕集して排出する換気方式である。
3.◯
第1種機械換気方式は、給気、排気ともに送風機(ファン)などの機械換気を用いる換気方式で、映画館や劇場など外気から遮断された大空間の換気に適している。
4.×
第2種機械換気方式は、給気は送風機などの機械換気、排気は排気口による換気方式で、室外の汚染物質が室内に侵入してはならない室の換気に適している。室内で発生した汚染物質が他室に漏れてはならない室の換気には、給気は給気口、排気は送風機などの機械換気を用いた第3種機械換気方式が適している。
第1種換気
第2種換気
第3種換気
( 2 )
換気に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和2年後期_No.1)
1.第1種機械換気方式は、地下街や劇場など外気から遮断された大きな空間の換気に適している。
2.第2種機械換気方式は、室内で発生した汚染物質が他室に漏れてはならない室の換気に適している。
3.事務室における必要換気量は、在室者の人数でその値が変動し、室の容積に関係しない。
4.室内外の空気の温度差による自然換気では、温度差が大きくなるほど換気量は多くなる。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
第1種機械換気方式は、給気、排気ともに送風機(ファン)などの機械換気を用いる換気方式で、地下街や劇場など外気から遮断された大きな空間の換気に適している。
2.×
第2種機械換気方式は、給気は送風機などの機械換気、排気は排気口による換気方式で、室外の汚染物質が室内に侵入てはならない室の換気に適している。室内で発生した汚染物質が他室に漏れてはならない室の換気方式は、給気が給気口、排気が送風機などの機械換気を用いた第3種機械換気方式である。
3.◯
事務室の必要換気量は、在室者の人数により算定され、室の容積には直接関係しない。
4.◯
室内外の空気の温度差による自然換気では、温度差が大きくなるほど、空気の密度差が大きくなり、換気量は多くなる。
( 3 )
通風及び換気に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和元年前期_No.1)
1. 室内を風が通り抜けることを通風といい、もっぱら夏季の防暑対策として利用される。
2. 成人1人当たりの必要換気量は、一般に 30m
3/h 程度とされている。
3. 機械換気方式には、屋外の風圧力を利用するものと室内外の温度差による空気の密度の違いを利用するものがある。
4. 換気回数は、室内の空気が1時間に何回入れ替わるかを表すものである。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
室内を風が通り抜けることを通風という。通風は、主に夏季の防暑対策として利用される。
2.◯
成人1人当たりの必要換気量は、一般に、20〜30 m3/h 程度とされている。
3.×
自然換気方式には、屋外の風圧力を利用するものと、室内外の温度差による空気の密度の違いを利用するものがある。機械換気方式には、送風機(ファン)や換気扇など機械力を用いた換気方式である。
4.◯
換気回数は、室内の空気が1時間に何回入れ替わるかを表すものである。
換気回数 = 換気量 [ m3/h ]/室容積 [ m3 ] [ 回 /h ].
( 4 )
通風及び換気に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和3年後期_No.1)
1.風圧力による自然換気では、換気量は開口部面積と風速に比例する。
2.室内外の温度差による自然換気では、給気口と排気口の高低差が大きいほど換気量は大きくなる。
3.室内における必要換気量は、在室人数によらず一定になる。
4.室内を風が通り抜けることを通風といい、もっぱら夏季の防暑対策として利用される。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
風圧力による自然換気では、風による換気を期待できる開口部が風圧を受け、それによって換気される。このため、開口面積が大きいほど、また、開口部に対する風が強いほど、換気量は大きくなる。
2.◯
室内外の温度差による換気を温度差換気という。室内空気が屋内空気より高温(室内空気密度が屋外空気密度よりも小さい)の場合は、空気は下方から室内に流入し、反対に、室内空気が屋外空気より低温(室内空気密度が屋外空気密度よりも大きい)の場合は、空気は上方から室内に流入する。換気を促進させるためには、給気口と排気口の高低差を大きくする。
3.×
室内における必要換気量は、在室者の人数によりその値が変動する。
4.◯
室内を風が通り抜けることを通風という。通風は、主に夏季の防暑対策に利用される。
( 5 )
換気に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(平成30年前期_No.1)
1.室内空気の二酸化炭素の濃度は、室内の空気汚染の程度を表す指標として用いられている。
2.室内外の空気の温度差による自然換気では、温度差が大きくなるほど換気量は多くなる。
3.事務室における必要換気量は、室の容積でその値が変動し、在室者の人数に関係しない。
4.第1種機械換気方式は、地下街や劇場など外気から遮断された大きな空間の換気に適している。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
室内の空気汚染は、室内の人の呼吸や体臭、喫煙などで進行する。居室に必要換気量は、一般に、
二酸化炭素濃度を基準に算出される。二酸化炭素の許容濃度は、0.1%(1,000ppm)である。
2.◯
室内外の空気の温度差による自然換気では、温度差が大きくなるほど、空気密度の差が大きくなり、換気量は多くなる。
3.×
事務室の必要換気量は、在室者の人数によって算定され、室の容積には直接関係しない。在室者の人数が増えると必要換気量の量は増える。
4.◯
第1種機械換気方式は、給気、排気ともに送風機(ファン)などの機会換気を用いる換気方式で、地下街や劇場など外気から遮断された大きな空間の換気に適している。
【 音 響 】
( 1 )
音に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和4年前期_No.3)
1.吸音率は、壁面に入射した音のエネルギーに対する吸収された音のエネルギーの割合である。
2.正対する反射性の高い壁面が一組だけ存在する室内では、フラッターエコーが発生しやすい。
3.窓や壁体の音響透過損失が大きいほど、遮音性能は高い。
4.材料が同じ単層壁の場合、壁の厚さが厚いほど、一般に音響透過損失は大きくなる。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
物体に入射した音は、反射、吸収、透過する。吸音率とは、入射する音のエネルギーに対する反射音以外の音のエネルギー(吸収音と透過音の音のエネルギーの和)の割合をいう。
2.◯
フラッターエコーとは、反射音における音響障害のことで、平行な2つの壁で起こる現象である。正対する反射性の高い壁面が一組だけ存在する室内では、フラッターエコーが発生しやすい。
3.◯
遮音とは、壁などに入射する音を吸収又は反射させて、透過させないようにすることをいう。また、音響透過損失とは、材料や構造体の遮音の程度を表す量であり、音が壁や窓などを透過するときの損失するエネルギーを表す。よって、窓や壁体の音響透過損失が大きいほど、遮音性能は高い。
4.◯
音響透過損失
= 入射音の強さ[ dB ] ー 透過音の強さ [ dB ]
となる。
したがって、音の音響透過損失はその値が大きいほど遮音性能が高く、単層壁の透過損失は、同じ材料の場合、厚さが厚いほど大きい。
( 2 )
吸音及び遮音に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和2年後期_No.3)
1.遮音とは、壁などに入射する音を吸収又は透過させて反射させないようにすることをいう。
2.遮音による騒音防止の効果を上げるには、壁や窓などの透過損失の値を高めるようにする。
3.有孔板と剛壁の間に空気層があるとき、主に中音域の音を吸音する。
4.グラスウールなどの多孔質材料は、主に高音域の音を吸音する。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
遮音とは、壁などに入射する音を、吸収又は反射させて、透過させないようにすることをいう。
2.◯
透過損失とは、音が壁や窓などを透過するときに損失するエネルギーを表す。透過損失が大きいと、音が透過しにくくなり、遮音効果が大きくなる。
3.◯
吸音のため合板などに孔をあけた有孔板とコンクリート壁などの剛壁の間に空気層がある壁は、主に中音域の音を吸音に効果がある。中音域とは、800Hz〜2kHzの周波数帯域の音域で、人の聴覚が最も認識しやすい帯域である。尚、人の可聴音域は、一般に 低周波20Hz〜高周波20kHzである。
4.◯
グラスウールなどの多孔質材料は、主に高音域の音を吸音に効果がある。高音域とは、2kHz〜20kHzの周波数帯域の音域である。
( 3 )
音に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(平成30年前期_No.3)
1.1点から球面状に広がる音源の場合、音源からの距離が2倍になると、音の強さのレベルは約6dB減少する。
2.残響時間は、室内の仕上げが同じ場合、室の容積が大きいほど長くなる。
3.同じ機械を同じ出力で2台運転した場合、1台を止めると、音の強さのレベルは約3dB減少する。
4.単層壁の透過損失は、同じ材料の場合、厚さが厚いものほど小さくなる。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
特定の1点から球面状に広がる点音源の場合、音の強さは距離の2乗に反比例し、距離が2倍になると音の強さは1/4になり、音の強さのレベルは 6dB減少する。
2.◯
残響は、室内で音えお発したとき、室の壁や床、天井などによる反射を何回も繰り返すことにより、音源が停止した後にも室内に音が残る現象をいう。残響時間は、音源が停止してから室内の音圧レベルが 60dB低下するまでに要する時間をいう。残響時間は、室内の仕上げが同じ場合、室の容積が大きいほど長くなる。
3.◯
同じ音の出力の2点の音源のうち、1つの音源を止めると、音の強さのレベルは約3dB減少する。
4.×
単層壁の透過損失は、音が透過する時に生じる音のエネルギー損失をいい、透過損失が大きいほど、エネルギー損失が大きくなり、音が透過しにく。一つの同じ材料の壁を単層壁といい、厚さが厚いものほど透過損失が大きく、防音効果がよい。なお、面密度(単位面積当たりの質量)が高いなるほど、透過損失も大きくなる。(防音効果がよい)
【 日照・日射 】
( 1 )
日照及び日射に関する記述として、
最も不適当なものはどれか。(令和3年後期_No.2)
1.日照時間は、日の出から日没までの時間をいう。
2.太陽放射の光としての効果を重視したものを日照といい、熱的効果を重視したものを日射という。
3.1年を通して終日日影となる部分を、永久日影という。
4.天空日射量とは、日射が大気中で散乱した後、地表に到達する日射量をいう。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
日の出から日没までの時間は可照時間という。日照時間とは、実際に日照のあった時間、すなわち可照時間のうち晴天の時間をいう。
2.◯
日照とは、太陽が直接地表面を照射した状態をいい、設問のとおり、太陽放射の光としての効果を重視している。また、日射とは、太陽から受ける熱の強さを表し、熱的効果を重視している。
3.◯
建物などにより1日中照射がない場所を終日日影といい、1年を通して終日日影となる部分を永久日影という。日照に最も有利な夏至でも終日日影となる場所は永久日影である。
4.◯
日射とは、太陽から受ける熱の強さを表すもので、日射量は、単位時間に単位面積当たりに受ける熱量である。日射量は、直達日射量(大気を透過して直接地表へ到達した日射量)と天空日射量(大気中で散乱した後、地表へ到達した日射量)に大別される。