実地試験 解答・解説
問題2
次の建築工事に関する用語a.からn.のうちから5つ選び、その用語の説明と施工上留意すべきことを具体的に記述しなさい。
ただし、a.及びn.以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
a.足場の手すり先行工法
b.型枠のセパレータ
c.軽量鉄骨壁下地のスペーサー
d.鋼矢板
e.コンクリートのスランプ
f.セルフレベリング材工法
g.鉄筋工事のスペーサー
h.内壁タイルの接着剤張り工法
i.被覆アーク溶接
j.防水工事の脱気装置
k.木工事の大引き
l.木造住宅の気密シート
m.ルーフドレン
n.陸墨
a.足場の手すり先行工法 解答例
用語の説明:
建設工事において、足場の組立て等の作業を行うにあたり、労働者が足場の作業床に乗る前に、当該作業床の端となる箇所に適切な手すりを先行して設置し、かつ最上階の作業床を取り外すときは、当該作業床の端の手すりを残置して行う工法。
施工上留意すべきこと:
労働安全衛生法を遵守する。
@脚部
足場の組立てにあたっては、脚部沈下を防止するため、地盤を十分に突き固め敷板等を並べる。枠組足場においては、建枠の高さをそろえる。
A布
足場のはり間方向の建地又は脚柱の間隔と床材の幅の寸法は原則そろえる。隙間をつくらないように設置し、床付き布枠のつかみ金具は、外れ止めを確実にロックする。
B筋かい
枠組み足場の筋かいは、交差筋かいを原則として、外側及び躯体側の両構面に取り付ける。交差筋かいピンは確実にロックする。
C壁つなぎ
枠組み足場:間隔を水平方向8m以下、垂直方向9m以下
単管足場:間隔を水平方向を5.5以下、垂直方向5m以下とする。
b.型枠のセパレータ 解答例
用語の説明:
セパレータとは、型枠工事で相対するせき板相互の間隔を正しく保持するために使用する部品である。主なものは、コーンを使用しないもの(丸セパC型)と使用するもの(丸セパB型)がある。
施工上留意すべきこと:
コーン穴の処理方法について、防水下地や薄い下地等の場合は丸セパB型を用い、コンクリート面と同一にモルタルを充填する。普通のモルタルでは、垂れ下がりや乾燥収縮のおそれがあるので、硬練りモルタルを用いるなどの配慮が必要である。
c.軽量鉄骨壁下地のスペーサー 解答例
用語の説明:
軽量鉄骨壁下地のスタッドに一定間隔に取り付け、その形状を保持するもの。
施工上留意すべきこと:
各スタッドの端部を必ず押さえるとともに、600mm以内毎に留め付ける。
d.鋼矢板 解答例
用語の説明:
鋼製の矢板でシートバイルともいう。土留工事等に使用され、土砂の崩壊や浸水を防止する。
施工上留意すべきこと:
正確な位置と土圧、水圧を考慮した根入れ深さが必要である。
e.コンクリートのスランプ 解答例
用語の説明:
フレッシュコンクリートの流動性を示す数値で、スランプ試験により求める。
施工上留意すべきこと:
試料を3回に分けてコーンに詰め、上面をならした後、詰め始めから3分以内にコーンを2〜3秒かけて鉛直に引き上げ、試料中央の下がりを0.5cm単位で測定する。
f.セルフレベリング材工法 解答例
用語の説明:
液状の塗り材の流動性を利用して、水平・平滑な床仕上げ面を形成させる工法をいう。
施工上留意すべきこと:
硬化中のセルフレベリング材が風を受けるとしわやひび割れの原因になるので、硬化するまでは、窓や開口部を塞いだままとし、通風を受けないようにする。
g.鉄筋工事のスペーサー 解答例
用語の説明:
鉄筋部材などを一定の間隔に保持するかいもの。鉄筋コンクリート工事では、せき板面と鉄筋あるいは鉄筋相互を所定の間隔に保持するために挿入するもので、鋼製、コンクリート製がある。梁・柱・基礎ばり・壁及び地下外壁のスペーサーは側面に限りプラスチック製でもよい。
施工上留意すべきこと:
設置方法は、スラブについては、上端筋、下端筋は1.3個/m2程度、端部上端筋及び中央部下端筋には必ず設置、梁については間隔は 1.5m程度、端部は1.5m以内、側梁以外の梁は上又は下に設置、柱においては上段は梁下より0.5m程度、中段は柱脚と上段の中間、柱幅1.0mまで2個、1.0m以上3個などが必要である。
h.内壁タイルの接着剤張り工法 解答例
用語の説明:
有機質接着剤を用いて、室内の壁にタイルを張る工法をいう。
施工上留意すべきこと:
接着剤は、下地を十分に乾燥させてから、下地にくし目を立てて塗る。
タイルの張り付けは、壁面上部からタイルをもみ込むようにして押さえ付け、たたき板で十分にたたき押さえる。
i.被覆アーク溶接 解答例
用語の説明:
被覆剤を塗布してある溶接棒と母材との間にアーク放電を発生させて行う溶接をいう。
施工上留意すべきこと:
適正な電流、正しい溶接棒の角度・位置、正確な溶接速度、正しい溶接姿勢で溶接を行う。また、溶接棒は乾燥させてから溶接を行う。
j.防水工事の脱気装置 解答例
用語の説明:
屋根露出防水絶縁工法で、防水下地より発生する水蒸気を気中に放出する装置。
施工上留意すべきこと:
防水層が下地に密着する部分を最小限にとどめるように施工する。
k.木工事の大引き 解答例
用語の説明:
大引は木造の1階の床組みで、根太を受ける部材。大引の下には基礎は無く、床束で支える。
施工上留意すべきこと:
通常910mm程度の間隔で根太に直角に渡し、端部は土台や大引受けに連結する。
l.木造住宅の気密シート 解答例
用語の説明:
気密工事に用いる気密シートの材料は、防湿気密層の剛性が高いとともに平面保持がよい仕上げ材である。防湿気密層を押さえた時に、重ね部分の気密精度が向上する。
施工上留意すべきこと:
気密シートを張り付けるとき、シートが緩まないよう押さえをすることが重要である。また、シートどうしの重ね幅は約10cm以上とする。
m.ルーフドレン 解答例
用語の説明:
陸屋根の屋上やバルコニーの雨水排水用の鋳鉄製やステンレス製の金物のこと
施工上留意すべきこと:
雨水の漏水を防止するため水勾配を取る。スラブ天端から 30〜50mm下げて設置する。ルーフドレン内へのアスファルトやコンクリートの流入、付着に注意する。
n.陸墨 解答例
用語の説明:
仮設工事において、水平高さを表す墨のこと。壁面に出す。
施工上留意すべきこと:
施工において、水平、垂直は建物施工の基本。常時、確認が必要である。
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