2023年07月20日
2級建築施工管理技士 令和2年度 実地 問題2 解答・解説
実地試験 解答・解説
令和2年11月8日(日)
問題2
次の建築工事に関する用語の一覧表の中から5つ用語を選び、解答用紙の用語の記号欄の記号にマークしたうえで、選んだ用語欄に用語(b及びgについては( )内の略語)を記入し、その用語の説明と施工上留意すべきことを具体的に記述しなさい。
ただし、d及びl以外の用語については、作業上の安全に関する記述は不可とする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
用語の一覧表
a 帯筋
b 改質アスファルトシート防水
トーチ工法・密着露出仕様
(防水トーチ工法)
c 機械ごて
d クローラークレーン
e コンクリートのブリーディング
f スタッド溶接
g せっこうボード張りにおける
コーナービード(コーナービード)
h タイル張りのヴィブラート工法
i 天井インサート
j 床付け
k 布基礎
l パイプサポート
m ベンチマーク
n 木工事の仕口
【 解答例 】
a 帯 筋
用語の説明:
鉄筋コンクリート柱の主筋周囲の所定の位置に配置する柱のせん断補強筋で柱の圧縮強度やじん性を高めるもの
施工上留意すべきこと:
適正なかぶり厚さをとり、所定の間隔で配置する。なお、末端は135°フックを設ける。
b 改質アスファルトシート防水トーチ工法・密着露出仕様(防水トーチ工法)
用語の説明:
改質アスファルト等の添加剤を加え、シート状に成形したものをトーチバーナーで十分に熱し、アスファルトを溶融密着させる露出防水工法のこと。
施工上留意すべきこと:
トーチバーナーを用いてアスファルトを十分に熱して溶融させ、空気が入らないように完全に密着させる。
c 機械ごて
用語の説明:
エンジンや電動機などの機械でこてを回転させながら、床面に打設されたコンクリート等を平滑にならすためにもちいられる動力機械をいう。
施工上留意すべきこと:
床面が固まり過ぎると円滑に作業ができないので、施工に適した床面の状態を確保し、仕上げの状態に応じてブレードの角度を調整する。
d クローラークレーン
用語の説明:
履帯(クローラー)により走行する移動式クレーンをいう。ホイールクレーンに比べて設置面積が広く、接地圧が小さいため、軟弱地盤上での作業に適しいる。
施工上留意すべきこと:
公道を自走できないので、トラックなどによる運搬計画、道路から作業場所への搬入計画を立案する。使用に際しては、ジブの傾斜角の範囲、定格荷重を超えて使用しない。
e コンクリートのブリーディング
用語の説明:
コンクリート打設後、混練水が分離してコンクリート上面に上昇する現象。
施工上留意すべきこと:
ブリーディングは、コンクリートの水セメント比が大きく、スランプが大きい程、著しくなる。ブリーディングが著しい場合は、コンクリートの沈下量が大きく、鉄筋の付着強度が低下する。改善策として、AE減水剤の使用がある。
f スタッド溶接
用語の説明:
スタッドどは、鉄骨と鉄筋コンクリートで鋼製される合成梁において、鉄骨に対するコンクリートの付着性をよくするために設けられる部材をいう。スタッド溶接とはスタッドを鉄骨に溶接することをいう。
施工上留意すべきこと:
スタッド溶接は下向き姿勢で所定の資格者が行う。溶接後の試験は、外観試験及び打撃曲げ試験により行う。外観試験はアンダーカットの有無、仕上あり高さ、スタッドの傾きについて試験を行う。打撃曲げ試験は、打撃により所定の角度まで曲げたのち欠陥が生じていないか確認を行う。
g せっこうボード張りにおけるコーナービード(コーナービード)
用語の説明:
コーナービードとは、柱や壁の出隅を保護するために取り付ける部材である。
施工上留意すべきこと:
コーナービードは、釘、ドリリングタッピンねじ、接着材などを用いて取り付ける。
h タイル張りのヴィブラート工法
用語の説明:
ヴィブラート(タイル張り用振動機)を用いてタイルに特殊衝撃を加え、タイルをモルタル中に埋め込むようにして張る工法をいう。
施工上留意すべきこと:
張付けモルタルの1回の塗り付け面積は2m2以下、かつ、20分以内に張り終える面積とし、適正な衝撃時間を与えて張り進める。
i 天井インサート
用語の説明:
天井を吊る下地受けの金物のこと。前施工方式、あと施工方式とがある。
施工上留意すべきこと:
インサート間隔は900mm程度とし、周辺部は端から150mm以内とする。
j 床付け
用語の説明:
砂利地業や捨てコンクリートが打設できるよう、根切底を所定の深さに掘り揃え、平たんにする作業のこと。
施工上留意すべきこと:
床付け面が砂質地盤の場合は転圧でよいが、粘土質地盤の場合は床付け面を乱さないよう十分に注意する。乱した場合は適切な地盤改良材を混入し転圧する。
k 布基礎
用語の説明:
荷重を直接地盤に伝達する直接基礎の一つで、建物の底面に直線状に基礎スラブを構築した形状の基礎をいう。
施工上留意すべきこと:
特に、土に接する部分の所定のかぶり厚さを確保する。また、かぶり厚さには捨てコンクリートの厚さを含めない。
l パイプサポート
用語の説明:
型枠支保工において、梁や床の底部のせき板を下から支持するための鋼管製の支柱をいう。
施工上留意すべきこと:
パイプサポートは、規格に適合したものを使用する。パイプサポートを継ぐ場合は専用の金具を用いる。パイプサポートを3以上継いで用いない。規定の存置日数以上経過するまでパイプサポートを取り外してはいけない。
m ベンチマーク
用語の説明:
敷地や建築物の高さ及び位置の基準を示すもの。
施工上留意すべきこと:
ベンチマークは2箇所以上設けて、相互にチェックできるようにする。また、ベンチマークは正確に設置し、工事中に移動しないようその周囲を囲うなど、養生を行う。
n 木工事の仕口
用語の説明:
2つの木材を接合するために刻んだ、ほぞや継手の総称。
施工上留意すべきこと:
種類には渡りあご、蟻かけ、当り欠け、大入れなどがあるが、いずれも構造上十分に性能を発揮するよう正確な加工と、丁寧な施工が求めらている。
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