2025年01月22日
「悪魔を憐れむ歌」梶本レイカ
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「コオリオニ」で高い評価を受けた梶本レイカの最新作。というか4巻で打ち切りになった後、5年の歳月をかけて最終巻を自主制作で描き上げて発売されたのが昨年7月。
ちなみに今作はBLではなく、一般作。
「コオリオニ」がすごく面白かったので期待して読みはじめたのだが、前作との繋がりも微かに感じられる刑事もので、猟奇的な連続殺人の「箱折事件」を解決しようとする刑事と、捜査協力者であり実は犯人である医師の話だと2巻までは思ってまして、またこれも警察内部の腐敗とか周りの人間関係のあれこれとかが絡んでて、今回は本格サスペンスかぁと思ってたんですが……。
3巻から急激に方向性が変わります、おそらくこれが作者がずっと描きたかったんだろうと思われるキリスト教ベースの壮大な話になっていきます。
あとがきの裏話的な情報で簡単にまとめるにもよくないけど、5代続くキリスト教の家庭に生まれ、統合失調症に苦しみ、と言われると腑に落ちるんですが......。
とはいえオペラ趣味も含めて、前作を読んでいるとそう不思議ではない作風なため正直、3巻でそっちに話が向かっていった時でも、どうまとめていくのかなぁ?という期待をしながら読んでいった。
しかし、その後はまとめるどころかどんどん話が壮大になっていき、事件云々とかじゃ無くてホントに悪魔とキリスト教の話になってしまいました。
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いや「しまいました」っていうと悪いことみたいだけど。才能のある作者が本気で描きたいことを書いているという凄みとか絵の迫力、作者がノリノリでギンギンな感じは凄いです。
ただまぁ、打ち切りにはなるよねっていう。ただ「趣味なら自分で金出してやれ」を5年かけて本当にやってるし、もうやっぱ凄いですよね。
私の感想としては、3巻以降はあんまりでした。一応幼稚園小学校とキリスト教系の学校だったので知識はある方だと思いますし、漫画の中で何を言っているかは理解できているとは思うんですが、いやー、ごめん、ちょっと無理だわ、って感じ。一回読んでしばらく置いて、またもう一回読んでから感動書いてるけど、そこは変わらない。
残念、というには力作過ぎるんだけど、正直読み返すと思えないなぁ。
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