2023年10月27日
この時期になると、1986年の日本シリーズを思い出す。
史上初の日本シリーズ第8戦 広島・金石昭人氏の投打での奮闘劇
10/27(金) 16:00配信
デイリースポーツ
金石昭人氏
日本シリーズが来るたびに、大型右腕・金石昭人氏(62)の大奮闘を思い出す。
2023年の「SMBC 日本シリーズ」が28日、始まる。現段階では阪神、オリックスのどちらに勝利の女神がほほ笑むのか、分からない熱戦に次ぐ熱戦になるのは間違いない。
そんな状況で思い起こすのが86年、広島−西武が争ったシリーズだ。このシリーズは初戦が延長14回時間切れの引き分け。その後、広島が3連勝して王手をかけたが、西武がそこから4連勝して日本一に輝いた球史に残る戦いだった。
当時、広島担当として取材しており、8試合ともそれぞれ思い出深いが、プロ野球史上唯一の第8戦は忘れられない。10月27日。決戦の地は広島市民球場だった。この試合、広島の先発は金石昭人、西武は東尾修氏(73)の先発だったが、最後の最後まで1点を争う好ゲームだった。
金石氏は前年、プロ初勝利を含む6勝(9敗)を挙げ、86年は12勝6敗、防御率2・68の好成績でローテーションの一角を占める投手になっていた。だが、シーズンオフの間も広島の繁華街に繰り出すこともあった気心の知れた取材相手のひとりだった、
当時、金石氏は「金田ファミリーで600勝したい」という目標を再三、口にしていた。すでに引退していたが叔父の故金田正一氏は400勝(218敗)、故金田留広氏は128勝(109敗2セーブ)という記録を残していた。2人の叔父の口添えもあり、78年にドラフト外で入団した金石氏にとって、72勝しての「金田ファミリー600勝」は自分に課したノルマだったに違いない。
彼にとって初出場を果たした86年のシリーズは、さらなる飛躍を誓う絶好の場だった。23日の第4戦は勝ち星こそ付かなかったが、先発して8回1失点と好投。そして巡ってきたのが、第8戦の先発だった。
その試合で信じられない光景を目の当たりにした。三回1死二塁の場面で、通算16年のプロ野球人生でわずか1本しか記録していない本塁打を東尾氏から放ったからだ。金石氏の身長は197センチで、リーチも長い。一緒にゴルフのラウンドをした際には、その長いリーチを生かしたドライバーの飛距離に驚かされたこともある。それでも、取材する記者でさえも固唾(かたず)を飲んで見守った試合での一発の飛距離には目を見張るしかなかった。
六回に秋山幸二氏(61)に同点の2ランを浴び、八回2死二塁からジョージ・ブコビッチ(67)に決勝打を許したが、金石氏が投打に十分に存在感を発揮した試合だった。彼は92年には日本ハムに移籍。翌年から抑えに転向したが95年6月26日のオリックス戦(仙台)で、ついに念願の「金田ファミリー600勝」を達成している。
今も彼と会うたびにあのシリーズ8戦の奮闘が、野球人生のエポックメーキングになったことを思い出す。今年のシリーズでは誰がどんなドラマを生み出すのだろうか。楽しみでしかない。(デイリースポーツ・今野良彦)
ドリヨシが高校2年の時だったと思います。当時の日本シリーズは全てデーゲームで行われていました。史上初の第8戦は10月27日の月曜日、広島市民球場で行われました。月曜日の午後という事で、ドリヨシは学校の授業と重なる事になり、どうにかしてこの第8戦を見聞きできないか考えて、ポケットラジオを制服の内ポケットに忍ばせて、イヤホンを左袖の内側に通して、机に左肘をつく姿勢を取りながら、ラジオの実況を聴いていました。(授業が終わるまでバレませんでした)
カープの先発は金石投手、西武の先発は東尾投手でした。本文にもありますが、3回裏1アウト2塁の場面で、金石投手が西武東尾投手から左中間スタンドへ2ランを放ちました。まさか金石投手が2ランを放つとは、全く予想していなかっただけに、これで日本一は間違いないと確信しました。
しかし、6回表、西武の秋山幸二選手にレフトスタンドへ同点2ランを打たれ、秋山選手が「バック宙」でホームインしました。カープ側から見ると、かなり屈辱的でした。
試合は西武側に流れが傾き、8回表、西武ブコビッチ選手にレフトオーバーのタイムリー2ベースを打たれ、これが決勝点となり、2−3で敗れ、惜しくも日本一とはなりませんでした。
この1986年の日本シリーズは、第1戦は延長14回の死闘の末に引き分けとなり、第2戦からカープは3連勝で日本一に王手をかけたものの、第5戦の延長12回裏に、普段は打席に立たない西武工藤投手にサヨナラヒットを打たれて敗戦。そこから西武に勢いがつき、結局3勝4敗1分けで日本一にはなれませんでした。
日本シリーズの始まる頃になると、1979年の「江夏の21球」のカープ初の日本一と、この1986年の日本シリーズを思い出します。
明日から2023年の日本シリーズが開幕します。どんなドラマが展開されるのか、野球ファンの1人として楽しみですね。
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