2年前のフランスでのジャパンエキスポでは漫画家の永井豪氏が招かれた。
永井豪氏といえばマジンガーZやUFOロボグレンダイザーをはじめとするロボットアニメの大家であり、
特にUFOロボグレンダイザーはフランスではキャプテンハーロックと並び大人気のアニメだったそうだ。
故石ノ森章太郎氏のアシスタントを務めた縁のある人物である。
石ノ森章太郎生誕82年、没後22年であった。
石ノ森は手塚治虫と並んで日本の漫画やアニメーションの草創期をつくった漫画家の一人として有名であり、
彼らの頑張りがあったために漫画が日本で発展し続け、漫画やアニメーションとして世界から受け入れられ
エンターテイメントとして今や世界を席巻し、多くの人に楽しみと感動を与えている。
外国人が日本を好きになるきっかけは漫画やアニメーション、日本食、伝統文化といわれていおり、
日本の国益に結果的に大きく貢献しているといえる。
ほとんどの石ノ森ファンはその作品の魅力を論じる。
しかし、私からすれば漫画作品よりも、その人間性に魅力を感じる。
昨年の今ごろ、テレビ番組で梅沢冨美男さんが女形をやるきっかけになったのが
若いころ真剣に悩み、芝居の仕事をやめようと相談した際に石ノ森章太郎氏からの励ましと、
石ノ森が好きだった矢切の渡しで女形の芝居をしてみないかとの誘いがきっかけだったと自ら語った。
今の若者は梅沢冨美男はうるさいおやじぐらいしか思わないだろうが、
私以上の世代では女形というジャンルで一世を風靡した役者であり、夢芝居を知らない者はいないほどだ。
石ノ森と梅沢氏の関係は石ノ森の奥さんが芝居見物が好きで、梅沢氏の母と交友関係があったために、
石ノ森が梅沢氏親子と親交があったのだと梅沢氏自ら話したという。
20歳台の無名の若い梅沢氏に石ノ森は社会や仕事のことでアドバイスしたり目にかけたという。
それと、石ノ森がサイボーグ009ですでに売れていたころに、当時は漫画家の住所が漫画誌に掲載されていたため、
ファンレターを直接漫画家の住所に送ることができたそうだ。
そのファンレターにきちんと返事をだして、女性漫画家の育成に寄与したのも石ノ森であった。
24年組と呼ばれる昭和24年前後に生まれた、後に日本の女性向け漫画に革命をもたらした女性たちが
石ノ森がつなぎ役になり、当時の石ノ森の事務所があった東京の練馬区内のアパートに集い
女性漫画家が多く生まれるきっかけになった。
その一人に京都精華大学の学長を務めた竹宮恵子氏がおり、自分は石ノ森の女性漫画家として一番弟子と称している。
前にも記載したが、永井豪氏なども石ノ森のアシスタントとして働き、ロボットアニメやセクシーアニメで
大ヒットを飛ばす漫画家の輩出にもつながった。
石ノ森は、昭和42年に27歳で日本で漫画家を目指す人々向けに「漫画家入門」という漫画を描くノウハウを書いた本を出版し、後続の漫画家育成にも取り組んだ。
24年組の一人である竹宮恵子氏は石ノ森が出版した「漫画家入門」をきっかけに本気で漫画家になろうと決意したという。
それと忘れてはならないのが仮面ライダーやゴレンジャーに代表される特撮を生み出したことでも有名だ。
その原動力は石ノ森も一時期、漫画家を一生やっていていいものか悩んだそうであり、
彼の志望は映画監督になることだったという。
そのような彼の願望が特撮という実際に近い映像をつくるきっかけになったと考えられる。
仮面ライダーの役者を務めた、藤岡弘氏、佐々木剛氏や村上弘明氏、スーツアクターの中屋敷哲也氏は地方部出身であり
地方出身者を主役に抜擢するなどは石ノ森の尽力ではと考えられる。
宮城県人から見れば石ノ森章太郎の人間性や天才的な創造性がすごいと思うのである。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image