2024年03月27日
カープのレジェンド・緒方孝市氏が今季のカープの戦い方を斬る!
【緒方孝市】混戦セ!2位予想した広島にもチャンス、投手力はリーグトップ/セ・リーグ順位予想
3/27(水) 5:00配信
日刊スポーツ
新井貴浩監督(2024年3月撮影)
29日にプロ野球のペナントレースが開幕する。昨季5年ぶりAクラスとなる2位となった広島だが、今季は中軸を担った西川がFAで抜け、アカデミー出身選手を除く外国人選手は総入れ替え。就任2年目の新井貴浩監督(47)の手腕が注目される。広島の戦い方やキーマンを中心に、元リーグ3連覇監督で日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(55)にセ・リーグ展望を聞いた。【聞き手=前原淳】
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今年のセ・リーグは、混戦が予想される。阪神を1位予想したが、昨季のように独走はできないのではないか。夏場まで混戦となり、終盤勝負とみている。その中で阪神は、やはり投打に主力がそろっており、戦力バランスも整っている。何より、昨季リーグを制した経験がある。
2位に予想した広島にももちろん、チャンスはある。投手力は先発、中継ぎともにリーグトップとみている。昨季は投手を中心に接戦に持ち込み、粘り強く戦ったことで勝ち切れた。今季も同様の戦い方で白星を積み重ねられるかどうか。強みを生かして、僅差の試合をものにしていかなければいけない。
今季も昨季同様、課題は得点力だろう。西川が抜けた穴を埋めなければいけない今季、春季キャンプから若い選手を育てようとする首脳陣の意図が感じられた。オープン戦でも積極的に起用された若手が攻撃の起爆剤となれるかどうか。今季もレギュラーを固定するのは難しく、選手個々の調子を見極めながら日替わり打線で戦っていくことになるに違いない。スタメン出場した9人だけでなく、ベンチ全体で戦っていかなければいけない。
その中で、坂倉と小園は新たな主力としてチームを引っ張っていく存在にならなければいけない。実績ある秋山や菊池は近年の稼働率を見ても、全試合出場は求められない。日替わり打線でも、坂倉と小園が軸となることでチームの基盤ができ、他の若手が出て来やすい土壌ともなる。坂倉は捕手としての成長も求められる。既述通り、チームの強みは投手力。投手の良さを引き出せるかどうかが、チームの浮沈を左右する。
今年新たに加わった外国人野手の活躍も、ポイントになる。来日1年目の新外国人にとってオープン戦の成績は当てにならない。いかに早く日本の野球に慣れるか。レイノルズは早く対応しそうな気配があるが、シャイナーはオープン戦で打撃を崩しているように映った。キャンプ中は球を呼び込んで強いスイングができていた。開幕までに修正し、本来の打撃を取り戻すことができれば、米国で残したような成績を日本でも残せる可能性はある。新井監督が「戦いながら強くなる」と言っていると聞く。さまざまな選手を起用しながら、順位争いが本格化するシーズン終盤にベストな布陣を組めるようになっていれば、広島にもチャンスはある。
カープのリーグ3連覇の監督で、レジェンドの緒方孝市さんが今季のカープを展望しています。
緒方さんは今季のカープを2位と予想していますが、戦い方次第では優勝の可能性があるとコメントしています。緒方さんの指摘通り、昨季は接戦が多く、中継ぎ投手陣の踏ん張りと、試合終盤での打線の粘りで勝ち切れたのは間違いありません。今季も同様に打線はコツコツ点を積み重ね、投手陣が踏ん張って僅差の試合をモノにしなくてはなりません。
打線は西川選手の抜けた穴をどう埋めていくかが課題になっていますが、その穴を埋めてくれるだろうと期待されているのが、高卒3年目の田村選手です。オープン戦でも結果を残しているので、公式戦でもある程度打ってくれるのではないでしょうか。また、2年目の久保選手も春のキャンプから頭角を現してきました。24日のソフトバンクとのオープン戦でも2安打1打点&好守と活躍しました。まだファームでも1軍昇格を目指して若手選手がし烈な争いを見せています。ドリヨシ的には、若手、中堅、ベテランを問わず、調子の良い選手からどんどん起用して欲しいと思います。1軍のベンチメンバーはもちろん、2軍のメンバーも巻き込んで総がかりで戦っていくようになるでしょう。
外国人野手の活躍も、カープが上位に食い込めるかどうかカギを握っていますね。新外国人選手のレイノルズ選手とシャイナー選手は、オープン戦はかなり苦戦しました。緒方さんが指摘されているように、来日1年目の外国人選手にとってはオープン戦の成績は当てにならないと思います。両外国人選手は共に昨季までマイナーで好成績を残しているだけに、日本の野球に慣れてくれば、覚醒する可能性も否定できないでしょう。新井監督がどれだけ我慢して起用するかですね。
投手陣は12球団の中でもレベルは高いと思います。先発投手陣は九里投手と床田投手が軸となり、大瀬良投手、森下投手(黒原投手)、アドゥワ投手、ハッチ投手でローテーションを回す事になります。この他にも、玉村投手、遠藤投手、森投手と、先発ローテーション入りを目指すピッチャーがいます。なので先発投手陣の底上げが十分出来ていると思います。また、リリーフ陣も充実しており、大道投手、塹江投手、矢崎投手、島内投手、栗林投手と、勝ちパターンの継投が確立されていますし、ビハインドの展開でも、益田投手、森浦投手と、しっかりしたピッチャーが控えています。試合後半の時点でリードしていれば、逃げ切れる可能性は高いでしょう。また、3点ビハインドの展開でも、リリーフ陣が鉄壁ならば、試合後半でひっくり返す事も可能です。
まずはあさってのDeNAとの開幕戦です。143試合の内の1試合と言ってしまえばそれまでですが、やはり今季のカープの戦いを占う開幕戦です。選手それぞれがそれぞれの活躍を見せて、投打ががっちり噛み合った素晴らしい試合を期待したいですね。
緒方さんも黒田さんと同じように、カープの球団アドバイザーになって欲しいと思うのですが、いかがでしょうか?
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