2024年10月23日
悩めるスラッガー林選手の決意と覚悟!
【広島好き】今季0本塁打の眠れる大砲・林晃汰が新井監督から直接指導を受けながら進める自己改革
10/22(火) 13:44配信
J SPORTS
今季0本塁打の林晃汰は不退転の覚悟で今秋を過ごす
9月の急失速から2年ぶりBクラスに終わり、広島の秋季練習は練習量が増している。その中でも林晃汰は人一倍、バットを振り込んでいる。秋季練習初日の16日から新井監督に直接指導を受けるなど、連日のように居残り特打に励む日々を送る。
スイング時に左肩が下がる悪癖改善に着手。下半身の使い方から、肩のライン、フォロースイングまで意識を向ける。特にフォロースイングは肩のラインよりも低い位置に振り抜く意識で取り組んでいる。スコアラーに撮影してもらった映像を見返しながら、慣れない感覚と実際の動きのギャップを埋めていく作業を繰り返す。「自分自身、変えたいと。変わらないといけないと思っていた。そこで新井さんから“やってみるか?”と声をかけてもらった」。就任2年目、指揮官から直接指導を受けたのはほぼ初めて。林自身が求めていた自己改革を監督の言葉で大きく背中を押された気がした。
まだ始まったばかりではあるものの、それほど大きな違和感はない。「体の軸が分かるようになってきた。これまでは、ぼんやりとトレーニングも生きているんだろうなと思ってバッティングしていた。でも今はしっかり(軸を中心に)蹴るとか踏ん張るとか多少分かるようになってきた」。新井監督がシーズン最終戦後のセレモニーでチームの改革を誓ったが、林は誰よりもその必要性を感じていたのかもしれない。
21年にシーズン2桁本塁打となる10本塁打を記録し、4試合で4番も任された。鈴木誠也(カブス)が移籍した22年は中軸の期待もあったが、春季キャンプで提示された打撃変更がうまくいかないまま一軍出場なし。飛躍の機を逃した。23年には2年ぶりの一発となる特大弾を放つも、本塁打はその1本のみ。守備面の不安も一軍定着を遠ざけた一因だった。
チームが得点力不足に陥った今季も、多くの打席を与えられるほどのインパクトを残せなかった。出場試合数は昨季の20試合から27試合と微増にとどまり、本塁打はなく、長打率も大きく落とした。「ホームランを10本打ったって言っても、もう3年前の話。それはもう関係ない」。歯を食いしばりながらバットを振る姿からも危機感がにじむ。
もちろん、これまで破れなかった殻がそう簡単に破れるとは思っていない。まだ自己改革は始まったばかりで、礎を築いている段階に過ぎない。だからこそ、時間をかけてでもコツコツと、バットを振って体にたたき込むしかない。新井監督も言う。
「シーズン中は結果を出さないといけないから、言えるレベルの話と言えないレベルの話がある。これから結果は関係ないからチャレンジできる」。
秋季練習が終われば、日南秋季キャンプをへて、オフに入る。新打法構築へ行き詰まることもあれば、後退するときもあるだろう。最短距離でたどり着けなくても、多少遠回りしてでも、進むべき道がはっきりと見えている。目標点が明確になったことは決して小さくはない光と言える。「これでダメだったらしょうがない」。眠れる大砲が不退転の覚悟で、秋を過ごしている。
文:前原淳
前原淳
林選手は2018年のドラフト3位で智弁和歌山高からカープに入団し、来季で7年目となります。もう1軍で活躍しないといけないのですが、なかなか結果が出せていません。
今季までの1軍での通算成績は、153試合に出場し、483打数119安打、11本塁打、47打点で、打率.246です。2021年には打率.266、10本塁打、40打点を記録し、スラッガーとしての片鱗を覗かせたかと思われましたが、本文にもありますが2022年は春季キャンプで提示された打撃変更がうまくいかなかったのが原因で1軍出場がありませんでした。以降伸び悩むシーズンを送っています。
この秋季練習で、林選手は満を持して新井監督に直接指導を受けています。そして、連日居残り特打に励んでいます。スイングする時に左肩が下がる悪い癖はドリヨシも感じていました。それ故に、バットが遠回りして出るために、変化球、特に抜かれた球に対応できないケースが多いのではないかと思います。
林選手の潜在能力は図り知れないのは誰もが認めるところです。2023年の1本のホームランは、マツダスタジアムのライトパフォーマンスシート前にある看板に直撃する特大弾でした。2013年、助っ人外国人のキラ選手が放った特大弾とほぼ同じ軌道でした。あの林選手の一発はすごかったです。
そんな林選手にも、お尻に火がついた状態です。もう待ったなしです。来季は林選手がスタメンを張れるくらいの活躍を我々ファンは待っています。