大脳新皮質が思考を司ることは、一般に広く知られているが、そのほかに脳全体としての大きな役割がある。
それは、下位の原始脳の働きをその場におおじて抑制することである。
つまり、原始脳の自己防衛のための利己的で攻撃的な働きを、抑制することによって、生物個体としてではなく、
生物種全体としての生存と存続や快感の増大をより確実に行う機能を有する。
具体例をあげれば、優しさや慈悲などの感情の発現部位は、原始脳よりも上位の脳の部位が担当し、
利己的な攻撃的衝動を抑制する機能を有する。
したがって、この抑制機構によって生じる心こそが人間が他の生物と大きく違うところであると言える。
しかし、抑制系の神経の機能低下によって、不安障害、強迫性障害、社会恐怖症などの疾病も生じるし、
感情においては、大人になっても感情を抑制できずに暴力を振るったり、相手の心がきずつく言葉を吐くなど、
自分の意思で抑制できるにもかかわらずしない人間は脳の成長と心の成長が遅れているといえる。
上記の神経症は自分の意志で抑制できないためにおきる大変な不都合である。
どちらにしても、人は欲求や感情をある程度抑制することが、自分にも相手にも必要であるといえそうだ。
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