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21年前、急性前立腺炎から慢性前立腺炎に移行し、1日中疼痛などがひどく眠れなくなり、会社を辞めて3年ほど試行錯誤の末、ケールの青汁をきっかけに、飲食物や安定剤のおかげでほぼ完治して復職し、再発なく現在に至ります。ケールの青汁が役立ったことを平成15年当時にHPを立ち上げて情報発信しましたがその当時は誰も信じてくれませんでした。
プロフィール

2016年03月04日

悪夢を見る原因はアドレナリン


先週のネット記事で、米国の睡眠学会での研究結果が記載されていた。

それによると、人は子供の頃に悪夢を見ることが多いそうだが、大人になるにつれて悪夢を見ることが減少するとのことだった。

しかし、大人になっても2から8%の人が悪夢に悩まされるという睡眠障害があるとのことだった。

その治療法には認知行動療法以外に薬剤を使用した方法が米国では行われているという。

その薬は日本でも高血圧や前立腺肥大症などの治療に使用されるプラゾシンという薬である。

この薬はアドレナリンの分泌を抑えることでレム睡眠を安定化させるという原理である。


この記事を読んで自分なりにいろいろな推論が浮かんだ。

なぜなら、私も年に数回ながら怖い夢を見る経験があるからだ。

怖い夢を見て目覚めるときは決まって心臓がドキドキして動悸がひどい中で目が覚める。

アドレナリンは恐怖を感じている時に分泌される物質で、心臓の拍動と血圧を上げる働きがある。

アドレナリンはストレスを感じた際に視床下部室傍核からCRHが分泌され、それが自律神経の交感神経を刺激し、それが副腎髄質に伝達され、分泌されることが主流である。

人が眠る目的は、日中に疲労した細胞組織の回復や修復、脳内の休息、日中の記憶の整理などのためにあるといわれている。

つまり、寝ている時に悪夢を見て動物的に逃走や闘争を行う態勢をとることは休憩目的に逆行する体の反応だ。

これは脳内で生じている自己防衛本能のシステムの誤作動であると考えられる。

特にうつ病や不安障害、自律神経失調症などの患者は悪夢を見ることが多いといわれている。

人は眠っている間、視覚刺激も聴覚刺激も、皮膚感覚からの信号入力がないにもかかわらず、悪夢を見てアドレナリンが分泌されるということは、自己防衛本能をつかさどる脳内機関が自動的に興奮するということだから、

部位的には脳幹、偏桃体、海馬などが何らかのきっかけで興奮しだすものと考えられる。

また、抑制系のセロトニン神経の不活性でアドレナリンの作用の抑制不全も原因と言われている。

その原因としてひとつは体内時計の狂いが考えられる。これは、不規則な勤務時間を強いられる職業の人とか

学生などで遊びや夜更かしで不規則な生活をする人間が、眠っているにもかかわらず、

ホルモン分泌サイクルが狂って覚醒時のホルモン分泌となり、睡眠時に勝手に覚醒系の脳内神経が興奮する

一種のリズム障害だと考えられる。

もう一つは睡眠の際に脳内で日中の記憶の整理が行われているという学説に基づくが、

その記憶の整理に際に過去の類似記憶のある神経細胞まで情報信号が伝達され、

それによって、過去の恐怖体験を記憶した神経細胞までも連鎖的に興奮して、

その情報が視床下部まで及び、それを原因として自律神経や視床下部や下垂体前葉などが刺激されて、

アドレナリンが分泌されることで、負のフィードバックで怖い夢と動悸などが生じることが考えられる。

以前の記事でうつ病などの精神疾患で悪夢を見る頻度が多いことを記載したが、

うつ病でも統合失調症でも神経症でも共通していることがあると思う。

それは動物的に個体維持を図るための自己防衛本能での機能が過剰すぎることだと思う。

それがうつ病であれば、不安感や緊張感が強く出て、夜も眠れず、食欲が低下するなどの症状になるだろうし、

神経症ではあることがらに異常に恐怖心を抱くことになり、パニック発作、動悸や赤面など身体症状として現れる。

統合失調症では誰かが自分の悪口を言っているとか、自分が監視されているとかの被害妄想や幻聴になるのだろう。

これはすべて死を過度に恐れ、自己を過度に守ろうとする無意識が起こしているように思える。

つまり、自己防衛機能が過敏で過剰であり、その神経の興奮が減衰しにくくなっていると思われる。

これらの問題を解決するためには、生活環境を改善したり、医療機関で治療したり、規則正しい生活をすること、脳内の神経やホルモンバランスを整える食事や適度な運動が必要だと思う。

手っ取り早いのが神経科や精神科を受診し、神経の過剰興奮を抑える薬を処方してもらい、

過剰興奮を起こさない神経回路の正常化習慣をつけることが必要と考えられる。


posted by kobu at 21:47| 脳科学と体調