「一、二軍関係なく競争してもらいます」新井新監督1年目のカープキャンプでレギュラーに生き残るのは誰か
1/30(月) 11:02配信
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秋山は昨シーズン途中に移籍し、44試合出場で打率は.265。今季はキャンプ前から目の色を変えてシーズンに臨む photograph by JIJI PRESS
静かなる戦いが幕を開ける。個々の鍛錬に費やしてきた自主トレ期間が終わり、広島は2月1日から宮崎県日南市と山口県岩国市でキャンプインを迎える。
1月26日にはキャンプメンバーが発表された。一軍キャンプには新人3投手に巨人から移籍の戸根千明ら新戦力が参加。田村俊介や育成選手の木下元秀という若手も抜擢された。昨春キャンプも若手が多く選ばれたが、彼らの目の色は明らかに昨年とは違う。
最大の理由は監督交代にある。くすぶっていた選手や経験の浅い若手にとって、監督交代は飛躍のきっかけとなることが多い。実際、佐々岡真司前監督の1年目は、ケムナ誠や塹江敦哉ら若手投手が登板数を増やし、緒方孝市元監督の1年目には入団2年目の田中広輔が遊撃のレギュラーをつかんだ。
新井貴浩新監督の下でもきっと台頭する若手はいるだろう。秋季キャンプからメディアを通して、投手なら森翔平、野手なら二俣翔一といった名前が挙げられている。
分かりやすく世代交代を推し進める新指揮官もいる一方で、新井監督は強引に世代交代へ舵を切るようなことはしないように思われる。
「名前とかではなく、一、二軍関係なく、全員フラットな目で見ていこうと思います。野手も投手も全員に期待しています」
就任会見で口にした言葉は若手へ向けたメッセージであると同時に、ベテラン選手にも向けられたものだと感じる。全員がゼロからのスタート。特に野手でレギュラーを確約されている選手はいない。
各ポジションで発生する熾烈な競争
遊撃レギュラーと目される小園海斗も安泰ではないことを、新井監督はメディアを通じて発言している。
「何年後かにはカープの中心になれる素晴らしいものは持っているんですけど、確定ではない。競争してもらいます」
対抗馬には守備力の高い矢野雅哉に加え、田中広輔を2年ぶりに一軍スタートさせた。
外野は昨季の成績から見ると、左翼から西川龍馬、秋山翔吾、野間峻祥の並びが基本布陣といえる。ただ、3選手全員が左打ち。編成上、右打者を入れたいと考えても不思議ではない。日米通算1517安打の秋山も、強い危機感を持っている選手の一人だ。
「監督が代わるときは若い選手が出てくる可能性があるので、レギュラーで出て行く選手というのはそれをはね返していかなきゃいけないところもあるし、逆に自分がしっかりつかみにいかなきゃいけないところもあると思う。こういう切り替えの年というのは、シーズンの入りが大事だと思うので、しっかり準備します」
昨年末の契約更改後の会見で胸の内を明かしていた。西武だけでなく、特に米国では厳しい現実を目の当たりにしてきた。プロで12年生きてきた嗅覚で感じるものがあるのだろう。
34歳のオフ、秋山は自身を追い込んだ。2023年シーズンだけでなく、3年、5年先のシーズンも見据えている。
「ただ目減りして終わっていきそうなので、踏ん張るというよりは、グッとアクセルを踏めるような準備を。それくらいの気持ちでやっていきたいと思います」
積み上げてきた技術や経験で若い選手の挑戦を受けるのではなく、キャリアを積んだ自分自身との戦いなのかもしれない。1月の合同自主トレのインターバル走では、年下の上本崇司、堂林翔太、野間らを常にリード。同じ本数を走り切った。
監督自身の競争を勝ち抜いた経験
世代交代は周りが促すものではなく、選手個々が這い上がり、新たな時代をつくっていくものだ。経験ある選手たちが若手の高い壁となることは、たとえ世代交代とならなくてもチームの底上げにつながる。
「競争なくしてチームの底上げはないと思っています。若手中心で行った秋のキャンプに、主力、レギュラークラスが加わってくるので、どういったものを見せてくれるのかという楽しみがあります」
新井監督が期待するのは、選手個々のパフォーマンスというよりも、チーム内競争における化学反応だろう。捕手に専念する坂倉将吾の挑戦を受ける會澤翼についても「黙ってないでしょうし、すごく気持ちが入っていると聞いています」と相乗効果を期待する。
新体制の初陣では新しいものに目が向くからこそ、受けて立つレギュラー組の抗う姿が注目される。
思い出してもらいたい。3連覇が始まる前年の2015年、監督交代による世代交代の波のなかで、ポジションを奪ったのが当時38歳の新井監督だった。
同年、阪神から復帰した当初はレギュラー待遇ではなかった。春季キャンプは個別メニュー、開幕しても9試合連続ベンチスタートという立場。10試合目での初先発出場も、新外国人のヘスス・グスマンの負傷離脱によって巡ってきたものだった。だが、16試合目以降は自らの手で定位置を勝ち取り、翌2016年にはリーグ優勝に貢献してセ・リーグ歴代最年長MVPまで獲得した。
35歳で今季に臨む秋山は、広島復帰1年目の新井監督よりも若い。新戦力が注目を集める春季キャンプ、自分自身と向き合い、時代の流れに抗う実績組の姿もチームの底上げにつながる大きなポイントだ。
(「炎の一筆入魂」前原淳 = 文)
春季キャンプまであと2日になりました。今年の春季キャンプは例年よりかなり違うものになりそうです。1軍のレギュラーポジションをめぐって選手の皆さんは必死になります。
新井監督になって、監督は選手全体をフラットに見ていくとコメントしています。若手、中堅、ベテランの区別もせず、皆に競争してもらうという方針は、ドリヨシも大賛成です。
チームは2016年からリーグ3連覇を成し遂げ、成熟しました。しかし、その後4年連続Bクラスに沈み、世代交代の過渡期を迎えました。この状況の中で、求められるのは若手選手の台頭です。それを促すように、1軍キャンプに社会人出身の新人3投手(益田投手、河野投手、長谷部投手)や、野手では田村選手や育成の木下選手を参加させる事になっています。若手選手のモチベーションは、例年以上に高くなっているのは間違いありません。
各ポジションはし烈な競争が予想されます。キャッチャーではベテランの會澤選手を正捕手に、数人の選手が會澤選手超えに挑みます。ドリヨシ的には磯村選手に期待しています。
ファーストではマクブルーム選手が一歩リードかなと思いますが、他に松山選手や堂林選手も虎視眈々と狙っています。
セカンドは名手の菊池選手がいますが、菊池選手もフルに出場できないと思いますので、少ないチャンスを羽月選手や韮澤選手がどう生かすかが注目されます。
サードは新外国人のデビッドソン選手に期待がかかりますが、来日1年目なので未知数な部分があります。サードは堂林選手、林選手や、支配下選手になった二俣選手と、競争はし烈です。
ショートは小園選手と言われていますが、安泰ではありません。矢野選手が技術力アップで猛追していますし、カープ3連覇の立役者の田中広輔選手も再び輝きを取り戻すべく、頑張っています。ドリヨシ的には矢野選手に期待しています。
外野手争いは一番し烈だと思います。本文にありますが、西川選手、秋山選手、野間選手が一歩リードしている感じですが、この3選手は左打者という事で、右打者も求められます。そんな中で注目なのが、2年目の中村健人選手と末包選手です。2人共に自主トレで打撃フォームを改良して今季に臨みます。他に宇草選手や大盛選手、2年目の田村選手や育成の木下選手にも期待です。
投手では、先発ローテーションに、エース大瀬良投手、九里投手、森下投手、アンダーソン投手、コルニエル投手、遠藤投手、床田投手、玉村投手、森投手など、候補が沢山います。リリーフでは、ケムナ投手、矢崎投手、一岡投手、藤井投手、中崎投手、森浦投手、塹江投手、ターリー投手、そして新人の益田投手、河野投手、長谷部投手と、こちらも候補が沢山います。投手陣も1軍生き残りをかけて激しい競争が展開されます。
この春季キャンプは、とにかく目が離せませんね。キャンプ初日からJSPORTS1で中継がありますので、我々ファンも見逃す訳にはいきませんね。
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