2020年11月22日
来季のカープのキーワードは「機動力、投手力、長打力」!
走塁と投手にテコ入れ。来季の広島は競り合いでの強さを取り戻せるか?
11/22(日) 11:23
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週刊ベースボールONLINE
河田ヘッドの入閣がプラスに
堂林翔太がチームトップの17盗塁するなど、一部の選手はよく走ったが……
今季、5年ぶりの負け越しで5位に沈んだ広島の、来季に向けた新スタッフが発表された。全体の構成人数は変わらないが、新任コーチが1人おり、いくつか担当の入れ替わりがある。河田雄祐氏がヘッドコーチとして入閣、ヘッドだった高信二コーチが、水本勝己前二軍監督退任の後を受けて二軍監督に回る。守備走塁コーチは、玉木朋孝コーチが一軍へ、山田和利コーチが二軍へという入れ替わりがあった。投手コーチは、永川勝浩コーチが二軍から一軍に上がり、一軍コーチだった澤崎俊和コーチは投手育成強化コーチに。投手コーチ強化担当だった小林幹英コーチが二軍投手コーチに、という入れ替えがあった。これを見ると、チームが来季改善すべきポイントを、まず機動力と投手力と判断したことがうかがえる。
カープといえば、「投手を中心とした守りの野球」が継承され、そこに機動力を絡めて、相手からすると嫌らしい攻撃で接戦をものにしていくのが、伝統のチームカラーだった。今季、就任した佐々岡真司監督も、そこにベースを置き、その上に長打力をプラスしたい、ということを掲げていたが、実際には、今季の広島はそういう野球を展開できなかった。今までカープにあった、「競り合いに強いチーム」というイメージは、今季に関しては失われたと言っていい。
今季のカープは、競り合いに弱かった。1点差試合に9勝13敗、2点差でも8勝9敗と負け越し。得点差2点以内の試合では、対阪神、対中日、対DeNAでそれぞれ3つずつ負け越した。この辺はリリーフ投手の差というファクターが間違いなくあるだろう。そして攻撃面でも、機動力を生かして競り勝ち、というゲームは、多く見ることはできなかった。
そこを取り戻していくための第一歩が、今回の河田ヘッドコーチの入閣だ。同氏は、2016〜17年の連覇時に守備・走塁コーチを務め、機動力野球を推進した人物。現在の主力選手とも距離が近く、チームに走塁への意識と「嫌らしい攻撃」をよみがえらせるにはうってつけだ。今季の広島は、堂林翔太、鈴木誠也あたりは相手投手次第で積極的に盗塁を仕掛けていたが、それ以外の選手は塁に出てもあまり動きが見られなかった。手術明けだったり、コンディションの問題もあり、田中広輔、菊池涼介、西川龍馬あたりの、これまで機動力を使ってきたメンバーも、あまり相手にプレッシャーをかけられなかったと言っていい。
ただ一方で、若手では宇草孔基や大盛穂といった足が使える選手が出てきており、ベンチには曽根海成や野間峻祥、上本崇司もいる。河田コーチを中心に、チーム全体でもう一度、走塁への意識を取り戻していけば、来季の機動力野球の復活は十分可能だ。
投手に関しても、今季はまず前半の抑え投手の選定の失敗があったし、過密日程への対応で大事に使おうということはあったのだろうが、救援投手の起用でも、その日に投げられる投手とその日のゲーム展開のすり合わせがかみ合わないケースは少なからずあった。そしてシーズン後半には先発要員も相次ぎ戦列離脱。投手コーチを入れ替えたからといって、来季に劇的に状況が変わる保証はないが、少なくとも今季と同じ形で押すのではなく、変化を求めたというのはうなずけるところだ。
長打力不足も解消へ
そして、走塁と投手以外に、テコ入れされたポイントがもう一つある。長打力不足だ。実は今季の広島の本塁打数110はリーグ4位タイ。あまりレギュラーは固定されていないとはいえ、15本以上ホームランを打っているのは、25本の鈴木誠也ただ一人だった。チームはこのオフ、さっそく新外国人のケビン・クロン内野手(前ダイヤモンドバックス)を補強。19年には3Aで38本塁打を放った実績があるので、日本でもある程度のホームラン数は見込めそうだ。ファーストとサードを守れるので、松山竜平、堂林翔太と、コンディションを見ながら3人で2ポジションをまかなう形が作れれば攻撃の厚みは増す。
今季は5位に沈んだが、上位チームとの戦力差はそれほど大きいものではないはず。機動力、投手力、そして長打力と、的確なポイントでテコ入れがなされ、競り合いを多くモノにすることができれば、来季、カープがV戦線へ浮上することは決して現実味のない話ではないと思うがどうだろうか。
文=藤本泰祐 写真=BBM
週刊ベースボール
攻撃面で不足だったのは、機動力と長打力であった事は間違いないですね。機動力の面では、盗塁があまりにも少なかったですね。今季チームで一番盗塁したのが堂林選手ですからね。本来走らなくてはいけない俊足の選手が盗塁できていないのが問題でした。また、次の塁を狙う意欲が足らなかったように思います。ランナーを2塁に置いてヒットを打っても、ランナーが3塁に止まり、一気に生還できないケースも多かったように感じます。チーム打率はリーグ2位だったのに、得点は少なかった要因の一つだと思います。来季は河田コーチがカープに復帰します。持ち前の機動力野球にテコ入れをしてくれると期待します。
投手力は来季はかなり整備されるのではないかと期待しています。中継ぎ投手陣では、若手の塹江投手、ケムナ投手、島内投手が台頭して来ましたし、今季不調だった一岡投手や今村投手あたりの実績組の復帰と、中崎投手とフランスア投手のダブルストッパーとなれば、接戦にも強いはずです。先発は、大瀬良投手、野村投手が手術明けで未知数ですし、ジョンソン投手もいなくなった中で、不安材料がありますが、九里投手、遠藤投手、床田投手、中村祐太投手に加え、ルーキーの森下投手と、枚数はそろっています。さらに今年のドラ1の栗林投手、ドラ2の森浦投手、ドラ3の大道投手と、即戦力のピッチャーが加わりますので、層が厚くなってきます。なので、来季のピッチングスタッフはかなり充実すると思います。
長打力は今季は鈴木誠也選手に頼りきりになっており、彼への負担がかなりかかった感じがあります。本文にもありますが、新外国人のクロン選手を獲得しました。長打力が魅力の選手で、エルドレッド選手の再来かと言われています。日本のピッチャーに対応できれば、大化けする可能性があります。前述の機動力野球とリンクさせる事ができれば、得点力は大幅にアップできると思います。
まだ今季が終わったばかりで、来季の話をするのは早すぎるかもしれませんが、今からカープがどう変わっていくのか、楽しみでなりません。
2020年11月21日
5位に甘んじた要因はリリーフ投手陣の不調にあり!?
カープOB・大野豊氏が今季のカープを総括。「不振の最大の要因は投手陣。なかでもリリーフ陣の課題を解消できなかった」
11/21(土) 12:01
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広島アスリートマガジン
最終的に抑えに固定されたフランスア投手だが、春先から7月まではなかなか状態が上がらなかった。
11月11日に2020年シーズンの全日程を終えたカープ。6月の開幕から苦戦が続いた今季は、52勝56敗12分の5位に終わった。ここでは厳しい戦いが続いた今季を、カープOBの大野豊氏が総括する。
◆実績組の投手が高い壁となるべき
今季のカープの全日程が終了して、早くも1週間以上が経過しました。いろいろあったペナントレースですが、今回から数回にわたり今年のカープの戦いぶりを総括していきたいと思います。
120試合制で行われた今季、カープはなかなか状態が上がらず、5位でシーズンを終えました。終盤になって良い内容の試合も増えてきましたが、トータルで見れば厳しいシーズンだったと言わざるを得ません。
その要因となったのは、やはり投手陣の不振でしょうね。開幕前から「クローザー、セットアッパーをどうするか」という部分が課題となっていたのですが、そこが解消されないままにシーズンに突入してしまいました。非常に不安定な状態で開幕を迎えたことで、その後も勝ち切れない試合が多く見られました。
スコット、菊池保と試行錯誤を重ねる中で、最終的にはフランスアがクローザーに、その前を塹江、ケムナが務めることになりました。若い投手が台頭してくることは良いことなのですが、塹江、ケムナに関しては経験、実績というものが何もなかったわけですよね。そういう投手に大事な場面を任せないといかなかったというところに、今季のカープ投手陣の苦しさがよく現れていたと思います。
まだ彼らに本当の意味での安定感、信頼感がないという中で、リーグ3連覇の立役者となった中ア、今村、一岡といったあたりが全く機能しませんでした。来季を見据える上で若い投手を使って戦力を整えていくことも重要ですけど、実績を残している投手たちの復活も同じくらい重要になってくると思います。
今季存在感を見せた塹江、ケムナですが、自らの力でポジションを奪い取った、とは言いづらい部分があります。任せられる投手がいないからチャンスを与えられた、という側面がなかったとは言い切れません。ですから彼らのさらなる成長を促す意味でも、実績組の投手が高い壁となって投手陣全体のレベルアップを図ってほしいですね。
広島アスリートマガジン編集部
今季は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、開幕が3か月遅れるという、異例の中でのシーズンでした。選手の皆さんは感染防止対策をしながらのプレーだったので、本当に大変だったと思います。
さて、我らが広島東洋カープですが、シーズンスタートからつまずき、結局上位浮上もできないまま、5位に終わってしまいました。その原因の一つに投手陣の不調、ことさらリリーフ投手陣の不調が挙げられます。まずは守護神の不在が大きかったですね。リーグ3連覇の胴上げ投手となった中崎投手が手術明けのリハビリで使えなかったため、フランスア投手を起用したいところでしたが、フランスア投手が不調。そこで、春のオープン戦や練習試合で好投した新外国人のスコット投手に白羽の矢が立ち、守護神に起用しました。しかし、全く機能せず、菊池保則投手や一岡投手も起用されましたが、抑え投手のプレッシャーに潰された形になり、これが原因で僅差のゲームをモノにすることができませんでした。1点差で落とした試合も多かった印象がありますし、延長戦も勝ちきれず、引き分け試合が12と、接戦に弱かったですね。中堅所の中継ぎ投手の一岡投手、今村投手、中田投手が活躍できなかったのは残念なところです。
そんな中で、若手の投手が台頭してきました。塹江投手、ケムナ投手、島内投手と、有望なピッチャーが出て来ました。今季勝ちパターンでこれらの若手投手が支えてくれたのは事実です。来季はこれらの若手投手プラス実績のある中堅所の投手が噛み合い、中崎投手とフランスア投手のダブルストッパーが整えば、最強のリリーフ陣になる事は間違いありません。
先発投手陣については、ジョンソン投手がいませんし、大瀬良投手、野村投手が手術明けという事で未知数の部分があります。しかし、今年彗星のごとく、カープで唯一二桁勝利を挙げ、新人王ほぼ確定の森下投手がいますし、九里投手、床田投手、遠藤投手、中村祐太投手に加え、今年のドラフト1位の栗林投手、2位の森浦投手、3位の大道投手と、即戦力投手もそろっていますので、層はかなり厚くなりそうです。
ドリヨシは来季のカープのチーム防御率はグンと良くなると予想しています。打線が普通に打てば、守り勝つケースが増えると思います。来季の春のキャンプのブルペンが楽しみです。
2020年10月05日
カープの選手の「絆」はどこへ行ったのか?
カープ野球はどこへ行った?【川口和久のスクリューボール】
10/5(月) 10:00
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週刊ベースボールONLINE
慶彦さんの怒り
マウンドでの広島・遠藤。誰かに声を掛けてほしかった
いきなりマイクのスイッチを切ると、俺のほうに顔を近づけ、小さな声で言った。
「カワ、おかしくないか」
慶彦さんの目の中に、怒りの火がチラついていた──。
9月21日から東京ドームでカープが巨人に3連敗をしたが、俺はその2戦目、22日の試合で、カープの先輩・高橋慶彦さんと一緒にレジェンド解説(ドーム内だけのOB特別解説)をした。先発は巨人が菅野智之、広島が3年目の遠藤淳志。注目は菅野の開幕12連勝なるかだった。
巨人が2点先制した後、4回表に丸佳浩の人的補償で巨人から広島に移籍した長野久義が3ラン。菅野が珍しく弱気になり、2ボール1ストライクから甘いスライダーを投げ打たれた。
緊迫感もあっていい試合だった。慶彦さんは現役時代からかわいがってくれた先輩。武勇伝もたくさんある人なので、2人で昔話も交えながら楽しく解説をしていた。
その裏、遠藤がピンチ。二死ながら連続四球で満塁となり、打者・菅野に対し、ボールが2つ先行した。俺は「あれ?」と思った。慶彦さんをチラリと見たら、イライラしているのが分かる。その後、3ボール0ストライク。これはおかしいだろ。断っておくが、遠藤じゃないよ。
その後が冒頭のシーンだ。そして慶彦さんは声を潜めながら続けた。
「誰も声を掛けないぞ。このチーム、どうなっているんだ!」
そう、新米の遠藤のピンチなのに、内野手が誰も行かないんだ。マウンドまで行かないだけじゃなく、二、三歩出て声を掛ける選手もいない。皆、知らん顔をしていた。
ナインは家族
強烈な違和感があった。若手投手がピンチになったら、先輩野手が一言でも声を掛けにいくのがチームじゃないか。特にカープは、伝統的にそういうところがしっかりしていた。
別に激励の優しい言葉じゃなくていい。俺がカープ時代、ストライクが入らなくなってピンチになると、まずショートから慶彦さんが来て怒り口調で言う。
「おい、カワ、何やってんだよ。もういいから打たせちゃえ」
その後、衣笠祥雄さんもサードから来て、
「おい、ストライクを投げろよ」
と面倒臭そうに言う。
でも、それで分かる。2人が俺を心配してくれていることが。こっちの心もスッと楽になる。
現役時代、カープでもジャイアンツでもそうだったが、俺はグラウンドにいる選手はみんな一軒の家にいる家族だと思っていた。特にダイヤモンドにいる6人は声も聞こえるし、表情もよく見える。家族に守られているような気がしていて投げていた。
菅野は三振でチェンジになったが、慶彦さんは「これじゃ、カープは勝てないな」と寂しそうにつぶやいた。
いま、観客が半分までOKになったが、歓声はなく拍手だけだ。だから大観衆の大歓声の中にいれば、もみ消されたものが見える。今回のようなことはもしかして、昨年までもあって、それに俺が気づかなかったのかもしれない。
ただ、あのとき広島の内野陣は、静まり返ったマウンドで若造の遠藤を孤独にさせた。それがたまらなく寂しかった。
慶彦さんはこうも言った。
「みんなが他人みたいだね。家族じゃないんか!」
カープの野球はどこへ行ったんだろう。
週刊ベースボール
この記事を読んだ時にドリヨシはハッとしました。そう言えば、今シーズン、投手がピンチの時、周りの内野手がどれだけ投手の所に歩み寄り、励ましの声をかけていたかと考えると、そんなになかったのではないかと思います。
高橋慶彦さんはカープ黄金期を支えたショートのレジェンドです。ドリヨシが幼少期だったカープの黄金期の内野手は、その慶彦さんや衣笠さんら内野手の皆さんが、投手がピンチの時によくマウンドに集まったり、個別に投手に声をかけたりするシーンが多かったと記憶しています。
2016年からカープはリーグ3連覇しましたが、その代償として、チーム内の「絆」が薄くなってしまったのかもしれません。もし投手同士、野手同士、投手と野手の間の信頼関係に亀裂が入っていたならば、大変な事です。
高橋慶彦さんが東京ドームの試合の中で、違和感を感じられただけに、チーム内で不協和音が発生していないか、ドリヨシも心配になってきました。こんな状態をプラスに持っていくためには、監督、コーチの首脳陣がうまく調整する必要がありますね。しかし、今の監督、コーチ陣にそんな能力、手腕があるでしょうか。厳しい事を言うようですが、もし今季カープがリーグ最下位に甘んじた暁には、監督、コーチ陣の総辞職もありだと思います。
公式戦は残り30試合です。カープの首脳陣、選手の皆さんはこの30試合に全力を注いで欲しいと思います。チームの「絆」を確認し、それを確かめつつ、我々ファンに最高の雰囲気を見せてくれれば、来季の栄冠につながっていくのではないでしょうか。
2020年09月24日
一体どうした?広島東洋カープ。
鯉党の嘆き「3連覇の時と何もかも違う」 先発KO、打線沈黙、最下位争い...
9/24(木) 12:06
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J-CASTニュース
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プロ野球の広島は2020年9月23日、東京ドームで巨人と対戦し3−7で敗れた。先発・野村祐輔投手(31)が3回7安打4失点と試合を作れずに降板。2番手・島内颯太郎投手(23)は4回に2点を失い、4回までに6点を失った。打線は巨人先発・田口麗斗投手(25)を攻略できず沈黙。巨人に3連敗を喫したチームの借金は今シーズン最多となる「12」にまで膨らんだ。
■9回にピレラが意地を見せるが...
「負の流れ」を止めることが出来なかった。2回、野村は先頭・丸佳浩外野手(31)を四球で歩かせ中島宏之内野手(38)にヒットを許し、無死1、2塁から連続タイムリーを浴びて2失点。さらに3回には先頭・坂本勇人内野手(31)にライトスタンドに運ばれ2死後、大城卓三捕手(27)にタイムリーを許し、3回までに4失点。またも先発が試合を作れなかった。
3連戦の初戦となった21日の試合では、先発・九里亜蓮投手(29)が4回9安打6失点(自責5)。中継ぎ陣も巨人打線を抑えきれず、計19安打を許し10点を失った。22日の第2戦は、2点ビハインドの4回に3点を取り逆転に成功したものの、先発・遠藤淳志投手(21)が5回に岡本和真内野手(24)に2ランを浴び逆転された。そしてこの日も先発・野村が序盤で打ち込まれ、試合の流れは巨人に傾いた。
打撃陣は巨人・田口に抑え込まれた。4回に堂林翔太内野手(29)のタイムリーで1点を返したものの、その後はゼロが続いた。9回にホセ・ピレラ外野手(30)が意地の2ランで田口の完投を阻止したが、反撃はここまで。最後は坂倉将吾捕手(22)が巨人2番手・大竹寛投手(37)に併殺に打ち取られ巨人戦3連敗となった。
ジョンソンは低迷、大瀬良は今季絶望的...
今シーズンはクリス・ジョンソン投手(35)の不調が続き、エース大瀬良大地投手(29)は右肘の手術を受け今シーズンの復帰は絶望的な状況にある。先発陣の整備が急務となるなか、チーム防御率はリーグ5位の4.60でチームの失点は同じくリーグ5位となっている。一方でチーム打率はリーグ2位を記録しており、投手力の弱さがそのまま順位に反映されている。
かつてはカモにしていた巨人に3連敗を喫し、今シーズンの対戦成績は5勝9敗1分となった。現在ヤクルトと最下位争いを演じる広島に対してネット上では「3連覇の時と何もかも違う」と鯉党の嘆き節が聞こえ、さらに「暗黒時代が始まった」と指摘する声も。25日からマツダスタジアムで3位DeNAと4連戦、そして29日から巨人との3連戦を控える。かつての輝きを取り戻すことが出来るのか。指揮官の手腕にかかっている。
チームがバタバタしています。投打が噛み合わず、チーム内から不協和音も聞こえてきています。ドリヨシも思うに、あの苦しかった暗黒時代を彷彿とさせる状況ではないかと思います。
今季は80試合を消化して、30勝42敗8分けのリーグ5位です。リーグ優勝の可能性は0ではありませんが、ほぼ不可能です。Aクラスの可能性も、3位DeNAまで6ゲーム差と厳しい状況です。目標を失ってしまったチームに、モチベーションを上げて試合をするのは、ハッキリ言ってムリです。
そんな中で、ドリヨシが提唱しているのは、主力選手を休ませて、ファームで活躍している若手選手を積極的に1軍で起用させて欲しいですね。既に野手では大盛選手、羽月選手、中村奨成選手、桑原選手、正随選手を起用してきましたが、まだまだファームには活きのいい選手がいます。小園選手、宇草選手、韮崎選手そして林選手など、どんどん1軍に上げて経験させてあげるのがいいと思います。
今季は公式戦が11月上旬までありますから、主力選手は早めに切り上げて、来季に向けての準備をしてくれた方が、チームとしてはプラスになるかなと思います。
今季残り40試合、このままダラダラと消化するよりは、将来を見据えた戦いをすることが大事です。現監督に、思い切ったチームの運営が出来るかどうか、ドリヨシは厳しい目で見ていきたいと思います。
2020年09月07日
今こそ若手選手を積極的に起用すべき!
最下位低迷の広島 若手に経験を積ます方向性もあるのでは…北別府氏が提言
9/7(月) 14:00
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デイリースポーツ
北別府氏が先発起用に推したケムナ
先週の広島は中日、DeNAに1勝4敗1分けと負け越し、借金は今季最多の「9」となり最下位に沈んだ。自力優勝の可能性が消滅し、ここ4試合は先発投手が四回までに降板。加えて開幕前にはローテーションの中心として期待された大瀬良大地投手、K・ジョンソンが登録を抹消されるという異常事態となっている。広島の今後の戦いについてデイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏に聞いた。
コロナ禍の影響でCSがないセ・リーグは、優勝するしかない。巨人が独走状態で自力優勝の可能性もなくなり、北別府氏は「コロナ禍の中のシーズンという、特別な年。突っ走るチームもあれば乗り遅れたチームもある。史上初となる特別な年、どのチームにとっても難しい調整が必要となる中、調整がうまく出来なかったカープ。もう諦めたのかという人もいるとは思うけど、来年に向けて若手に経験を積ます方向性もあるのではないか」と、現状を踏まえ将来を見据えた起用もありと考えている。
大瀬良、K・ジョンソンと左右の両輪が登録抹消となり、「最近はやりのオープナーのようにリリーフを気分転換に先発させるのもありだと思う。ケムナとか先発向きだし、1試合組み立てるのではなく、来年のきっかけ作りに将来先発できそうな投手を先発で起用するのも手だろう」と、中継ぎ登板するケムナの先発起用を提案した。
北別府氏は入団1年目の1976年に1軍で9試合に登板(先発4)し、2勝を挙げた。「2軍で投げる事も大事だが、1軍で投げるという経験は、野球人生に於いて大変に貴重な財産になる。1軍で投げた自信と1軍で通用するかしないかはかりにかけられる。その経験が将来に生きてくる」。2年目からローテーションに入りを果たし、エースへの階段を駆け上がった自身の経験も踏まえ、残り試合の使い方が来年以降のチーム作りに大きく影響すると考えている。
低迷するチームの中で希望の光はルーキー森下暢仁投手の活躍だ。4日のDeNA戦では3回5失点でKOされたものの、ここまで5勝2敗防御率2・51と好成績を収める。巨人・戸郷との新人王争いもあり「可能性があるわけだから、新人王を獲れるローテを組んでいけばいい」とも話した。
「これまでのスタメンではなかなか浮上できなかった、勢いがつくような若手の起用もあっていい。もちろん佐々岡監督は、巻き返しを図ることを考えている事だろう。シーズンの2/3くらい終われば優勝を諦めて若手に切り替えることもできるだろうが」と指揮官の気持ちも思いやった。「来年、再来年を見て戦力アップを図るなら若手起用も必須ではないか」と、将来に向けた戦いへの方向転換が必要と語った。
北別府さんの意見に同感です。今シーズンはセ・リーグはクライマックスシリーズがなく、優勝したチームが即日本シリーズに出場という形になります。すでに自力優勝がなくなったカープは、来年以降に向けた戦いが必要になってくると思います。
そうなると、若手のポテンシャルの高い選手を1軍でどんどん積極的に起用すべきだと思います。投手では、本文にもありますが、中継ぎで頑張っているケムナ投手を先発に回すとか、もう1人中継ぎで頑張っている島内投手も先発に起用して欲しいですし、ウエスタンリーグでまずまずの結果を出している中村祐太投手を昇格させてみるのも面白いと思います。また、2軍で抑えで無双している田中法彦投手を、思い切って1軍の勝ちパターンでのリリーフで起用してもいいかなと…。
野手では、既に羽月選手や大盛選手、中村奨成選手を1軍に昇格させましたが、起用に徹底さが見られず、中途半端な感じになっています。大盛選手、羽月選手の1、2番コンビも面白いですし、中村奨成選手もキャッチャーで使うのもいいと思います。それに昨日昇格した正随選手や、2軍で打撃好調の宇草選手や林選手も使ってみるのも手ですね。新しい力で、競争を激化させ、チームを活性化していくべきだと思います。
明日から首脳陣がどういう風に選手を起用するか、注目したいと思います。
2020年08月31日
明日から試練の13連戦へ!
広島13連戦へ「打たないと勝てない」佐々岡監督
8/31(月) 18:14
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日刊スポーツ
広島佐々岡監督(2020年7月16日撮影)
広島が8月31日、1日から始まる13連戦へ向けて敵地・名古屋へ移動した。敵地での3連戦を終えた翌日は広島へ移動した日にナイターを行い、土日はデーゲーム。本拠地での7連戦後には、再び甲子園へ移動した日にナイターが待っている。最後は再びデーゲーム2連戦で締めくくりとなる過酷な日程。1日の休養を挟み、さらに9連戦が始まる。開幕から6連戦が続いた広島ナインにとって、後半戦最初の戦いが大きな正念場といえる。
佐々岡真司監督(53)は「投手を中心とした守り勝つ野球」を掲げる。今後も1点でも少なく、ミスをなくす意識は選手に求める。ただ、チーム事情に加え、蓄積疲労の影響を受ける夏場は打線が投手陣を引っ張る時期と捉えている。「きついのは分かるけど、打たないと勝てないだろう。投手を中心として守りの野球は基本だけど、やっぱり打って勝って勢いに乗りたいところ」。攻撃陣に上位浮上のけん引役を期待する。
リーグトップはDeNAに譲ったものの、リーグ2位のチーム打率2割6分5厘を残す。12球団で唯一、0封負けが1度もない。つながりは、ある。ただ、30日阪神戦のように序盤に大量失点しては機動力はつかえず、つなぎの攻撃もできない。攻撃陣の攻撃力も半減する。
投手陣に不安を残す今季は1点を先制した試合でも7勝9敗1分けと、負け越している。先制点が2点以上になると、10勝1敗1分けと勝率が一気に跳ね上がる。複数得点の援護で、試合の主導権を握ることが反攻の鍵となりそうだ。
13連戦では主力でも1試合以上はスタメンから外す方針のようだ。すでに西川、石原慶がコンディション不良で戦線離脱。打撃好調の堂林も29日阪神戦で左足首を痛め、翌30日は欠場した。先発投手も中6日の登板間隔を維持し、中継ぎ陣は基本は最大3連投。上位浮上へムチを打ちながらも、これ以上の離脱者を出さないことも求められる。
広島は24勝30敗6分けの5位でシーズンを折り返した。佐々岡監督は「1つずつ、まずは借金返さないといけない」と表情を引き締める。後半戦で、佐々岡広島の真価が問われる。
今季最大の試練が訪れます。明日9月1日から恐怖の13連戦がスタートします。今季のカープは、投打が噛み合わないままで公式戦前半を終了しました。ここまで噛み合わないのは、あのカープの暗黒時代以来ではないかと思います。
投手陣では、新外国人投手が機能しませんでした。DJ・ジョンソン投手は球に威力はあるものの、制球がばらつき、四球を連発しましたし、スコット投手はオープン戦までは無双のピッチングをしながらも、公式戦に入ると全くダメでした。現有勢力では、先発ではやはりK・ジョンソン投手の不調が響きました。床田投手も調子が上がらず、薮田投手の復活にも期待しましたが、現状は中継ぎに回っています。中継ぎでは、今までブルペンを支えてきた今村投手や一岡投手の調子が上がりませんでした。そして一番難しかったのは、抑え投手の起用です。この抑え投手の不在で、何試合落としたことでしょうか?現状はフランスア投手が戻ってきましたが、完璧ではありません。
しかし、今季先発にはドラ1ルーキーの森下投手や、遠藤投手が苦しい台所の中でも頑張っています。中継ぎにはケムナ投手、島内投手、そして塹江投手がブルペンを支えてくれています。新しい戦力も台頭してきています。
野手陣では、ドリヨシは「タナキク」の絶不調が大きいですね。田中広輔選手は膝の手術から順調に回復してきたものの、打撃が不振で、打率も2割を切りそうな状態です。菊池涼介選手も、打撃に粘りがなくなって、非常にたんぱくに感じられるようになりました。この「タナキク」で出塁し、クリーンアップで返すという、カープの得点パターンが全く機能しませんでした。今季は「タナキク」は解体されてしまってますが、ドリヨシ的には再びこのコンビが躍動して欲しいと思っています。
あとは打順が4番以外は固定できなかったのも良くなかったですね。そんな中で、新外国人のピレラ選手は、まずまずの活躍を見せてくれていると思います。ピレラ選手は6番か7番あたりでノープレッシャーの状態で打たせるのがベターだと思います。そして堂林選手も活躍を見せてくれています。堂林選手もクリーンアップを打たせるよりも、6番、7番あたりで打たせるのがいいと思います。
4番の鈴木誠也選手が最近打撃不振に陥っているのが気になります。甘い球を仕留める確率が下がって、打ち損じが増えています。ドリヨシ的にはバットが遠回りに出ている感じがします。なのでストレート系の球に差し込まれているようです。
いずれにしても、この13連戦で、カープの今季の位置が決まると言っても過言ではありません。理想はあくまで13連勝ですが、いまのチーム状態では望めません。しかし、首位読売の後ろ姿を見るためには、この13連戦は10勝3敗で乗り越えなくてはなりません。選手の皆さんも夏の疲れがあると思いますが、今季最大の山場ですから、全員一丸となって勝ちにこだわって欲しいです。優勝しろとは言いませんが、1試合でも多く勝ちゲームを見せてください!
2020年06月22日
ドラ1ルーキー森下投手の評価は?
広島ドラ1・森下、プロ初登板で7回無失点! 衝撃デビューに他球団は戦々恐々…
6/22(月) 16:56
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夕刊フジ
こんな即戦力右腕が1本釣りとは…
広島のドラフト1位ルーキー、森下暢仁投手(22)=明大=が衝撃デビューを飾った。21日のDeNA戦(横浜)で初先発し、7回を投げ被安打4、8奪三振で無失点の好投。チームが9回に逆転され初勝利こそ逃したが、他球団は戦々恐々だ。
「(森下は)自信にしてくれていい。勝ちを付けてやれなかったのは自分の責任」。佐々岡新監督は痛恨の采配ミスを反省した。7回104球で森下を下げ継投に入ったが、1点リードの9回に登板した新外国人のスコットが1死も取れず、4連打を浴びて悪夢の逆転サヨナラ負けを喫した。
11年ぶりの開幕3連敗目前だったDeNAのラミレス監督は「しっかり戦略を持って臨んだが、森下がすごくよかった。エースになれるだけのポテンシャルを持っている。替えてくれてよかった」とニンマリ。それほど圧巻の内容だった。
ネット裏で視察した他球団のスコアラーも「ここまですごいとは…。注目ルーキーのデビュー戦は、舞い上がってしまうことが多いのに。しっかり自分の球を操っていた」と舌を巻いた。
改めて、広島のドラフト戦略はさすがと言うしかない。昨年のドラフト1位指名はロッテの佐々木朗希に4球団、ヤクルトの奥川恭伸に3球団が集中。他の4球団は将来性のある高校生野手を指名したが、広島はこれだけの即戦力投手の1本釣りにまんまと成功した。
初登板初白星は目前で消えたが、森下は「まだ始まったばかり。次もこのような投球ができるように頑張りたい」と前向き。新人王の最有力候補に躍り出た。 (塚沢健太郎)
昨日の森下投手のデビュー戦は素晴らしかったですね。150キロを越えるストレートとキレのある変化球のコンビネーションは絶妙で、制球も抜群でした。DeNA打線を7回4安打無失点に抑えるナイスピッチングでしたね。球数がかさんでいなければ完投も出来たかもしれませんが、昨日はデビュー戦でもあることから、8回からはリリーフ陣に託しました。しかし、9回に守護神のスコット投手がまさかの4連打を浴びて逆転サヨナラ負けを喫してしまい、森下投手のプロ初勝利はお預けになってしまいました。しかし、森下投手はポジティブに考えています。既に気持ちを切り替えて次の登板に集中しています。
森下投手の身体能力と、メンタルの強さは素晴らしいものがあります。今年の公式戦は120試合に減りましたが、それでも森下投手は二桁勝利できる力を秘めています。セ・リーグ新人王に一番近い存在ではないでしょうか。
次戦は28日のナゴヤドームの中日戦になりますが、どんなパフォーマンスを見せてくれるか、今から楽しみです。
2020年05月18日
我々カープファンは、ブラッド・エルドレッドの存在を忘れない!
カープ史上最も愛された助っ人。 エルドレッドの引退に誠也も松山も泣いた
5/18(月) 11:40
webスポルティーバ
カープ史上最も愛された助っ人。 エルドレッドの引退に誠也も松山も泣いた
2014年に本塁打王のタイトルを獲得したブラッド・エルドレッド
日本プロ野球「我が心の最良助っ人」第1回 ブラッド・エルドレッド(広島)
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、プロ野球はいまだ開幕が見えない。緊急事態宣言が発令されていた間、広島では4班制が敷かれ、完全分離での調整を続けていた。そんななか、今シーズンから広島でプレーする新外国人の3選手(テイラー・スコット、DJ・ジョンソン、ホセ・ピレラ)も、与えられたメニューに加え、個別メニューにも精力的に取り組んでいた。
広島に加入する外国人選手は日本野球に馴染もうとする選手が多い。なかでも特別な存在になった外国人選手といえば、2018年までプレーしたブラッド・エルドレッドだろう。
現役引退を決めた2019年には、外国人選手では異例の引退セレモニーが行なわれた。在籍期間は、広島の外国人選手では最長となる7年。通算成績は577試合、496安打、打率.259、133本塁打、370打点。だが、エルドレッドが特別な存在となったのは、在籍した年数でも、残した成績でもなく、彼の人間性だった。
米国では、ピッツバーグ・パイレーツでメジャーデビューした2005年に55試合の出場で12本塁打を叩き出すなど、大砲としての片鱗を見せたが、翌年は新戦力の加入と自身のケガもあり、出場機会は激減。その後、チームを転々としたエルドレッドが新たな活躍の場として選んだのが日本だった。
「初めて日本に来た時は、チャンスだと思ったし、長くプレーしたいと思っていた。だけど、日本で長くプレーすることは難しいと知っていた。いろんな国から選手が来るが、長くプレーできた選手は少ない。1年1年が勝負だと思って取り組んできた」
そう語っていたエルドレッドは、野村謙二郎監督(当時)ら首脳陣の指導に耳を傾け、広島伝統の"次の塁を狙う走塁"にも積極的にチャレンジした。
追い込まれてから外角や低めのボール球となる変化球に手を出し、打ち取られる姿を何度も見てきた。ケガや外国人枠の問題だけでなく、調子の波の大きさから何度も二軍降格を味わった。
それでも広島打線のなかでエルドレッドの"長打"は貴重な飛び道具であり、ひと振りで流れを変えられる存在だった。
「いつも自分に言い聞かせていたのは『なぜ日本のこの球団に必要とされてきたか』ということ。自分はホームランバッターで、高いアベレージを期待されているわけじゃない。何を期待されているのかといえば、ホームランを打つことであり、打点を挙げること。
数試合ヒットが出ずスランプに陥った時でも、我慢してやっていればいつかホームランは出るし、打点も挙げられる。それを積み重ねることで、対処できるようになってくる。とにかく自分に求められることは何かを考えながらプレーすることで、長くできると思っている」
来日1年目は7月からの出場ながら、チーム2位の11本塁打を記録。4番で開幕を迎えた2年目の2013年は右手首骨折もあり不振に陥ったが、9月25日の中日戦では球団初のクライマックス・シリーズ出場を決める決勝2ランを放つなど、強烈なインパクトを残した。2014年はシーズン169個の三振を喫したが、37本塁打を放ちタイトルを獲得。
成績もさることながら、チームに溶け込もうとする姿勢がチームメイトの信頼につながった。球団通訳も認める真面目な姿勢で日本語を勉強し、日本の文化にも積極的に触れた。遠征先にひとりで外出してもリフレッシュできるようになった。外野手同士の指示も日本語でやりとりし、年上の新井貴浩を「先輩」「新井さん」と呼び、日本の若手選手からは「先輩」と呼ばれた。
また、広島の街を"ママチャリ"で疾走する姿は、ファンにとって馴染みの光景となり、街を歩けば人だかりができた。豪快さと脆さを併せ持つ、広島を愛する196センチ、126キロの大砲にファンは惹かれていった。エルドレッド自身も、新井がチームを表現した"家族"の一員なんだと自覚していた。
リーグ3連覇を達成した2018年には、こんなことを言っていた。
「広島には新井、石原(慶幸)というすばらしいベテランがいる。彼らはチームのために何ができるかを考え、取り組んでいる。コーチから言われるよりも現役選手が体現してみせる影響は大きい。彼らに負けないように、自分もそういった姿を見せていきたい」
引退セレモニーでも「私のチームメイトである兄弟たちへ」とメッセージを送った。2017年に甲子園球場でエルドレッドにおんぶされた鈴木誠也も、昨年から背番号55を受け継いだ松山竜平も、涙を流し感謝した。
コロナ禍が終息すれば、広島の駐米スカウトとして第二の人生をスタートさせる。愛し、愛された第二の故郷のために、エルドレッドは"第二のエルドレッド"を探す役割を担っている。
前原淳●文 text by Maehara Jun
ドリヨシはそれまでの最強助っ人は、ジム・ライトル選手だと感じていましたが、2012年に来日して2018年まで活躍したブラッド・エルドレッド選手が、カープ史上最強で最良の助っ人になりました。
エルドレッド選手は日本で133本のホームランを打ちましたが、どれもが豪快な当たりの文句なしのホームランでした。ドリヨシもマツダスタジアムでエルドレッド選手のホームランを何本か観ましたが、左中間スタンドの深い所まで飛ばすのに、「無限のパワー」を感じました。
エルドレッド選手で記憶に残るのは、4つあります。
その1、2013年シーズン、球団初のクライマックスシリーズ進出を決めたナゴヤドームの中日戦での2ランです。このホームランで「決まった」と思いました。
その2、2013年のクライマックスシリーズファーストステージの甲子園での阪神戦で、レフトへの大きな飛球をエルドレッド選手がジャンピングキャッチのファインプレー、1塁走者をアウトにするダブルプレーにしたシーンです。このプレーが流れを変えて、カープはファイナルステージ進出を決めました。
その3、2014年セ・パ交流戦、千葉でのロッテ戦、 7回一時アウト満塁のチャンスで、エルドレッド選手が逆転満塁ホームランをバックスクリーンに叩きこんだシーンです。これでカープの長い連敗が止まりました。
その4、2017年、カープがリーグ連覇を決めた甲子園で、カープの選手がレフトスタンドへ挨拶に行った帰りに、骨折して歩けない鈴木誠也選手をおんぶしたエルドレッド選手です。このシーンは胸が熱くなりました。
エルドレッド選手は他の選手からも愛され、ファンからも愛される存在でした。エルドレッド選手もチームに溶け込もうとする姿勢があり、日本語も勉強して、日本の文化、広島の街に馴染もうとしました。
我々ファンはブラッド・エルドレッドの存在は決して忘れません。今季からは球団駐米スカウトという新たな任務を担うことになりましたが、再びエルドレッド選手のような最強、最良の助っ人を送り込んで欲しいと思います。
2020年05月05日
鈴木誠也選手がメジャー移籍後のカープの布陣は?
メジャー流出濃厚「鈴木誠也」の穴をどう埋める? 「広島」内・外野陣の将来に暗雲
5/5(火) 8:02配信
鈴木誠也(User:STB-1/Wikimedia Commonsより)
マイナーリーグの下部組織が充実している米国では、常に3年後、5年後のオーダーを見据えながら選手の編成、補強を行っている。日本のプロ野球では登録枠数の問題から、そこまで選手を抱えることはできないが、ソフトバンクなどを筆頭に長期的なスパンで選手を獲得している球団が出てきていることも確かだ。そこで現在所属している選手で5年後のオーダーを組んだ時にどんな顔ぶれになるかを考えながら、各球団の補強ポイントを探ってみたい。今回は昨年リーグ4連覇を逃した広島だ。
・5年後の野手(※年齢は2025年の満年齢)
捕手:坂倉将吾(27歳)
一塁:堂林翔太(34歳)
二塁:菊池涼介(35歳)
三塁:メヒア(32歳)
遊撃:小園海斗(25歳)
左翼:宇草孔基(28歳)
中堅:西川龍馬(31歳)
右翼:高橋大樹(31歳)
・5年後の先発投手
大瀬良大地(34歳)
床田寛樹(30歳)
森下暢仁(28歳)
アドゥワ誠(27歳)
遠藤淳志(26歳)
山口翔(26歳)
・5年後のリリーフ陣
フランスア(32歳)
岡田明丈(32歳)
ケムナ誠(30歳)
島内颯太郎(29歳)
藤井皓哉(29歳)
塹江敦哉(28歳)
リーグ3連覇を達成した広島の最大の強みは、田中広輔、菊池、丸佳浩、鈴木の固定された上位打線だったが、丸が巨人に移籍したほか、昨年は田中が故障もあって大きく成績を落とした。菊池は昨年オフに大型契約を結んで残留したものの、鈴木のメジャー移籍は既定路線となっており、その大きな穴をどう埋めるかが野手では最大のポイントとなりそうだ。
捕手は、現在の正捕手である会沢翼が37歳となり、力の衰えは避けられないと考えて一覧からは外した。打てて守れる会沢の後釜も大変だが、こちらは坂倉の成長が頼もしい。二軍では圧倒的な成績を残しており、昨年は外野手としての出場がメインだったが一軍でも実績を積んでいる。2017年ドラフト1位の中村奨成も控えているが、現時点では坂倉が一番手となりそうだ。
ファーストは堂林を入れたが外国人選手が入ることが予想され、また打力のある会沢を使うという手もある。このあたりはある程度、現有戦力でも補えるだろう。内野の要であるショートは小園の存在が大きい。昨年はルーキーながら40安打、4本塁打をマークし、守備面でも着実な成長を見せた。今年からレギュラーを奪う可能性も十分にあるだろう。セカンドの菊池も35歳という年齢を考えるとまだ余力がありそうだ。
気がかりなのがサード。一覧にはメヒアを入れたが17年に結んだ長期契約は22年までであり、チームに残っているかは不透明だ。田中をショートから回すという方法もあるが、5年後は36歳となっており大きな期待はかけづらい。メヒアと同じ学年の三好匠もいるが、高校卒の若手である林晃汰や中神拓郎あたりが出てこないと外国人頼みになりそうだ。
外野はセンターの西川は安泰だが、両翼は不透明な状況。期待を込めてドラフト2位ルーキーの宇草を入れたが、スローイングに弱点があり、プロで活躍できるかは未知数である。鈴木と同学年の高橋が今年のオープン戦で開花の兆しを見せていたのはプラス要因だが、やはり鈴木の穴を埋めるのは簡単ではなさそうだ。
逆に弱点と見られている投手陣は、先発に明るい兆しが多くみられる。大瀬良は今のところ海外志向などは表明しておらず、5年後もローテーションの中心として期待できそうだ。昨年ブレイクした床田、ドラフト1位ルーキーの森下も故障がなければ十分に先発として期待できる。さらにアドゥワ、遠藤、山口と高校卒の好素材が後から続いており、実績のある野村祐輔、九里亜蓮を計算に入れなくても良いというのは心強い。
ただ、一方のリリーフ陣は不安要素が多い。フランスアもメヒアと同様に長期契約の期限は過ぎており、残留しているかは不透明。中崎翔太、今村猛、一岡竜司、中田廉といったリーグ三連覇を支えたリリーフ陣は勤続疲労の色が濃く、5年後には戦力として期待するのは難しいだろう。昨年ルーキーながら25試合に登板した島内、今シーズン先発からリリーフに転向する岡田などの名前を挙げたが、安定感はまだまだ欠ける印象だ。このあたりをどう整備していくかが、投手陣の大きな課題と言える。
野手では坂倉、小園、宇草、投手では森下、アドゥワ、遠藤といった楽しみな若手は少なくないが、鈴木の抜けた後の外野陣やリリーフなど所々に弱いところが見えてくる。ここ数年は外国人の当たりが多いが、それも続く保証はない。FAで選手を補強せずにあくまで自前で育てる球団だけに、長く中心選手となれる若手の輩出スピードを早めることが今後も重要になってくるだろう。
西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
週刊新潮WEB取材班編集
2020年5月5日 掲載
新潮社
これは興味深い記事でした。5年後の広島東洋カープを予想した内容でしたが、なかなか的を得ているような感じがしました。
鈴木誠也選手は今シーズンのオフにメジャーに挑戦すると思っていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、公式戦が開幕出来ずになっていて、東京オリンピックも来年に延期になった事もあるので、メジャー挑戦は来季のオフになるだろうと思います。
さて、キャッチャーは會澤選手が37歳ですから、第二の會澤選手を育てる必要があります。本文は坂倉選手を挙げていますが、ドリヨシはまず磯村選手が適任かと思っています。磯村選手が活躍している間に、坂倉選手、中村奨成選手、石原貴規選手で第二のキャッチャーを争って、磯村選手の後の正捕手を目指す形がいいのかなと思います。
ファーストは林選手が台頭してくると予想しています。左のスラッガーとして期待しています。セカンドは小柄ながら全力でプレーする羽月選手を推したいですね。サードは中神選手に期待したいところですが、上本選手や曽根選手と併用でもいいかなと思います。ショートは文句なしで小園選手ですね。5年後は攻守の要になっているはずです。
外野手は、西川選手が中心となって守ることになりそうです。しかし、西川選手の他に台頭してくる選手が現れるかどうかがカギですね。高橋大樹選手、野間選手、宇草選手、正随選手、大盛選手あたりでのポジション争いが激化しているかと思います。
投手陣は、先発は大瀬良投手と森下投手が軸となって、床田投手、高橋昂也投手、山口投手、遠藤投手と枚数は豊富になるかと予想しています。リリーフ軸はドリヨシは塹江投手が中心となって回転していくと思っています。島内投手、高橋樹也投手、アドゥワ投手で勝ちパターンを形成していく感じでしょうか。
あとは現有の若手選手がどれだけ台頭してくるかと、ドラフト戦略で即戦力と育成のバランスをいかにうまく獲得するかでしょうね。
カープの近未来を予想するのも、難しいですが、おもしろいものがありますね。
2020年05月04日
22年前、小林幹英投手がブレイクしていた!
小林幹英投手を覚えていますか/1998・5・4
5/4(月) 8:30配信
広島小林幹英投手の活躍を伝える98年5月5日付の日刊スポーツ
<広島7−5阪神>◇1998年5月4日◇広島
22年前の春、旋風を起こしたルーキーがいた。1998年5月4日、広島のドラフト4位・小林幹英投手(24)がハーラートップの5勝目を挙げた。
新人ながら開幕からリリーフでフル回転。4勝を挙げて4月の月間MVPに輝くと5月も好調。新人王は中日川上憲伸に譲ったが、54試合に登板し9勝6敗18セーブ。巨人高橋由伸、阪神坪井智哉とともにセ・リーグ会長特別表彰を受けた。通算19勝、29セーブを挙げ05年に引退。現在は広島の3軍投手育成強化担当コーチを務めている。
翌5月5日付の日刊スポーツ(首都圏版)では同投手の活躍を1面トップで伝えた。
【復刻記事】
広島のドラフト4位ルーキー、小林幹英投手(プリンスホテル)が早くもハーラートップの5勝目をマークした。1点リードされて迎えた7回表に登板。その裏、打線が3点を奪い逆転。3イニングを無失点に抑える力投で5月初勝利を挙げた。24試合中、リーグトップの13試合に登板。疲れを知らない小林幹英の名は今や、お好み焼きをしのぐ? 広島名物となりつつある。
広島球場に「We will rock you」のメロディーが響いた。そして今や広島名物となりつつある「ピッチャー、小林幹英」がコールされる。今季最多3万2000人の大観衆がどよめいた。英国のロックバンド・クィーンの名曲を、小林幹用のBGMとして採用。実際に流れたのは、この日が初めてだ。
4−5。1点ビハインドで迎えた7回表。それでも小林幹が投げれば何とかなる。ベンチもスタンドも、そして本人も逆転勝利を信じて疑わなかった。捕手・小畑が構えるミットへ、糸を引くようなストレートが走る。フォークが落ち、スライダーが鋭く曲がった。
「まだ3回も攻撃が残ってましたから。僕は1イニング1イニング、一人一人を抑えるだけ。勝っているとか、負けているとか意識はしません」。新人らしいひたむきな投球がファンの胸を打つ。7回を無失点で切り抜けるとその裏、金本の2点タイムリーなどで3点を奪い逆転。8、9回を抑え、ハーラートップの5勝目をもぎ取った。4三振を奪い奪三振率はリーグ3位の10・25、防御率は2位の1・03。本塁打も依然、打たれていない。
24試合中、リーグトップの13試合目の登板。周囲は酷使による故障を心配する。「疲れなんてありません。僕は多く投げているなんて思っていません。5勝目? ついてますね」。トレーナーが「Aランク」と保証する柔らかな筋肉。球場入り前には必ずトレーニングジムに寄る。約1時間ストレッチを行い故障防止にも注意を払う。新潟出身でありながら酒は飲まない、いや飲めない。自己管理ができるから、疲れも故障の心配もない。
高校、大学卒業時にドラフトの指名を待ったが、指名はなし。プリンスホテルに進んだが系列の西武東尾監督から「プロでは厳しい」と判断されたこともあった。しかし「どうしてもプロに行きたい」と、高校時代から練習を見にきてくれていた広島渡辺、苑田スカウトに頼み込んで4位で指名してもらった。ツルの恩返しじゃないが拾ってくれた広島への恩返し、ともいえる。「いいチームに入れた。ファンの皆さんにも後押しされてますね」と小林幹はうれしそうに笑った。
「まだ追いかけられる。必ずチャンスがあると思った。だから小林に……」。三村監督も絶大な信頼を寄せる。「幹英」という名は「小林家の幹になれ。運が付くように、ん、も付けた」と父進さん。4月3日の開幕戦、初登板初勝利を挙げた強運ルーキーが、広島の太い「幹」になろうとしている。
<やくみつるさんが寄稿>
小林幹英の投球を見ていると、自分の新人時代を思い出してしまいますね。私が漫画家としてデビューしたのは22歳の時でした。毎晩、朝4時まで漫画をかいてまして、それから会社(当時はいちおうサラリーマンもしてました)へ出勤。会社で睡眠をむさぼって、帰宅してまた4時までかく、というサイクルでした。
体力的にはしんどかったはずなんですが、「楽しよう」とかいう気持ちは微塵(みじん)もありませんでした。「睡眠時間を削ってでも仕事がしたい」と思いましたね。「数をこなさないと、不安でしょうがない」ということもあったんですが、新人だからこそできたんだと思います。まあ、当時の頑張りがあったからこそ、今の自分があると思ってます。
だから、小林幹を見ているとグッとくるものがありますね。ひたむき、無我夢中、怖い者知らず。新人の鑑(かがみ)ですよ。もちろん漫画のネタにもさせてもらってます。官営の博物館や図書館は月曜日がお休みなんですが、小林幹の休日も試合のない月曜日。オッと今日は月曜日でしたか。まあ、それは置いておいて、登録名をそろそろ「小林幹英」から「小林官営(かんえい)」に変えたらどうか、なんていうオチの漫画をかかせてもらったばかりです。 【やくみつる】
◆小林幹英(こばやし・かんえい)1974年(昭49)1月29日、新潟県生まれ。新潟明訓−専大−プリンスホテルを経て昨秋ドラフト4位で広島に入団した。最速144キロの直球とカーブ、スライダー、フォークという多彩な変化球が武器。目標は米大リーグ・ブレーブスのマダックス投手。昨年12月13日、高校時代から交際していた朋代さんと入籍。趣味はパソコン。181センチ、83キロ。右投げ右打ち。血液型O。契約金6500万円、年俸1000万円(金額はいずれも推定)。
※記録と表記などは当時のもの
小林幹英投手がルーキーイヤーの1998年に広島東洋カープのリリーファーとして活躍しました。独特のダイナミックなフォームはドリヨシも鮮明に覚えています。この年は開幕からリリーフでフル回転し、9勝6敗18セーブの素晴らしい成績を残しました。新人王は間違いないかと思うも、中日の川上憲伸投手に譲ってしまいました。小林投手の気迫あふれるピッチングには感動した記憶があります。
高校時代(新潟明訓高校)からカープのスカウトがマークしていたと言うことで、さすがカープのスカウトは凄いなと改めて感じました。
現在は3軍の投手育成強化コーチとして指導されています。プロの1軍で通用するピッチャーを育てる分野で頑張っていますが、小林コーチの経験が活かされるベストなポストだと思います。
当時、小林幹英投手がマウンドに上がる時に流れた登場曲「We will rock you」が懐かしいですね。