2021年01月30日
カープ優勝のカギは投手陣の安定か?
広島、上位へ投手陣再建&方程式確立/戦力分析・セ
1/30(土) 11:04
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日刊スポーツ
広島佐々岡監督(2020年7月16日撮影)
まもなく球春到来。無観客でのキャンプインが2月1日に迫る中、12球団の担当記者が各チームの戦力を紹介します。昨季セ・リーグ5位の広島編
【戦力分析】
2年連続Bクラスから上位浮上を狙う、投手陣再建が上位進出の鍵。昨年は勝ちパターン確立が遅れたことが低迷の一因となった。フランスアを中心に、昨季経験を積んだ塹江やケムナら若手、新外国人バードや育成選手ながら早期の支配下選手登録も期待できる逸材コルニエルらで開幕前には勝利の方程式を確立させたい。
安定した戦いには、主力の復帰や復調も欠かせない。手術明けの大瀬良や野村、西川は開幕に間に合う見通し。3連覇を支えた田中広や菊池涼、中崎ら実績ある選手が復調し、若手とうまくかみ合えば優勝争いにも食い込める。広島野球を熟知する河田新ヘッドの復帰で、伝統の機動力野球復活と佐々岡監督が掲げる一丸野球を実現させる。
【予想スタメン】
1番遊撃 田中広
2番二塁 菊池涼
3番左翼 西川
4番右翼 鈴木誠
5番一塁 クロン
6番捕手 会沢
7番三塁 堂林
8番中堅 野間
【主力投手陣】
◆先発 大瀬良、森下、九里、ネバラスカス
◆中継ぎ・抑え 塹江、ケムナ、バード、フランスア
今年は3年ぶりのリーグ優勝と、37年ぶりの日本一に限りなく近いと思います。そのためには、やはり投手陣の安定は絶対不可欠ですね。
今季のカープの投手陣は、新戦力の補強と、昨年故障で離脱した主力組の復帰、さらに低調だった中堅クラスの投手の復活で、一気に「投手王国」になるのではないかと思います。
先発投手陣は九里投手、森下投手、ルーキーの栗林投手の3本柱プラス投手キャプテンの大瀬良投手が手術から復帰して入ります。さらに野村投手も手術から復帰してローテーション入りします。あとの先発ローテーション1枠を、床田投手、遠藤投手、中村祐太投手、中村恭平投手、薮田投手、高橋昂也投手、矢崎投手、コルニエル投手など、数多くの投手が争うことになります。
中継ぎ、抑えも競争が激化します。昨年ブレイクした塹江投手、ケムナ投手、島内投手をはじめ、ルーキーの森浦投手や大道投手、新外国人のネヴァラウスカス投手やバード投手が加わり、これに一岡投手、今村投手、中田投手、中崎投手あたりが復帰すれば、シーズンを通してリリーフ陣は充実してきます。なので、今年のキャンプは投手陣の仕上がり具合にかなり注目しておくべきかなと思います。
野手陣では、タナキクの1、2番の復活と、強力クリーンアップとなる西川選手、鈴木誠也選手、新外国人のクロン選手、松山選手のつながりに期待です。主力組の活躍はもちろん、若手選手の台頭も目が離せませんね。昨年ブレイクした大盛選手、羽月選手、さらに昨秋のフェニックスリーグで活躍した正随選手や林選手らが、春のキャンプや実戦での猛アピールが出来るかどうか注目ですね。
チーム内では1軍メンバー入り、さらにはレギュラー獲得に向けての競争がし烈になってきています。今季はそんな中で、チーム全体の力がかなりアップして、素晴らしい戦力が整うだろうと思います。3年ぶりのリーグ優勝と、37年ぶりの日本一に向けて、チーム一丸で頑張って欲しいと思います。
2021年01月16日
河田ヘッドコーチの「河田イズム」はどこまで浸透するのか?
本格指導前なのに…広島に「河田野球」浸透の気配 犠打のキーマンが明かす難題と重圧
1/16(土) 9:00
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スポニチアネックス
就任会見に臨む広島・河田ヘッドコーチ
今季から広島に復帰する河田雄祐ヘッドコーチ(53)は、就任直後の秋季練習でソフトバンク・今宮の映像を選手に見せた。守備でも打撃でもない、犠打の場面だった。動画を見るように呼び寄せたのは、上本崇司(30)、三好匠(27)の両内野手。再会する春季キャンプまでに犠打を磨くように――とのメッセージだった。
同ヘッドは「すっとサインを出せない選手がいると困る」と報道陣を通じて就任早々に犠打を重宝する方針を発信してきた。そして、観察に徹していた秋季練習中、上本、三好の2人だけには技術指導までした。「芯に当てて球を殺せるようにしておいて」。一見矛盾する難題に、2人は「いままでにはなかった」とオフ期間にも関わらず犠打練習を繰り返している。
技術向上のヒントは、昨季に史上7人目の通算300犠打を達成した今宮の動画にある。三好は「芯に当たると球は反発してしまうので、そこを体全体、肘を柔らかく使いながら勢いを吸収しないといけない」と見本を目に焼き付けた。バットの先端に球を当てることで打球の勢いを弱めるのが従来の考え方。150キロ超の直球に、多彩な変化球にも対応させるために「芯での犠打」という課題を与えた。
同ヘッドは、2人に「代打バントでの出場もある」とも伝えている。上本には「犠打ができないなら2軍だから」とまで言った。決して冗談とも言い切れない強烈なメッセージに、上本は「僕は打撃を向上させたいと言ってきたけど、犠打があっての打撃。犠打ができなければ打席はもらえないですから」と覚悟を決めた。一方の三好も「あまり犠打は得意な方ではないけど、そういう場面で使ってもらえるなら試合に出られる」と意気に感じている。
ただし、「代打バント」の重圧は半端ではない。相手は配球、守備シフトなどを駆使して犠打を阻止しようとし、首脳陣からは成功して当然と送り出される。三好は「普段の犠打と全然違う。心臓バクバク。守備固めより緊張する」と言えば、上本は「メンタルも含めて本当に難しいですから!」と強調する。最高難度の役割を求めたところに、犠打のスペシャリストをベンチに1枚は置きたいという新ヘッドの狙いが見えてくる。
春季キャンプでは、田中広、菊池涼ら主力選手にも例年以上の犠打練習を課す方針だ。ならば、伏兵たちには、より高いレベルが求められるに違いないとの危機感がある。本格的な指導前から、河田ヘッドの求める攻撃がチーム内に浸透し始めている。(記者コラム・河合 洋介)
河田ヘッドコーチの就任で、カープの緻密な野球が再び戻って来そうです。
足でプレッシャーをかけながら、盗塁やバントの細かな攻撃や、エンドランの大胆な攻撃を積極的に仕掛けていく野球です。
河田コーチがカープの現役だった頃は、カープは黄金時代で、当時古葉監督の下でかなり緻密な野球を展開していました。
選手個人がそれぞれ自分自身の役割を自覚していて、ゲームの中でそれを遺憾なく発揮していた事に、カープの真の強さを感じていました。その当時のチームカラーに河田コーチはしたいのだと思います。
ドリヨシは今のチームのメンバーだと、実現させるのは可能だと思います。チームがまだ若い世代が多い事と、ポテンシャルが高い選手がほとんどで、なんと言っても素直で真面目な選手ばかりであることですね。
「河田イズム」の浸透で、広島東洋カープの今季は大きく変わると思います。
2021年01月06日
カープ3年ぶりVと日本一の条件は?
2年連続Bクラスからの巻き返しなるか? 2021年広島のVへの条件を考える
1/6(水) 11:03
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週刊ベースボールONLINE
投手陣は大瀬良の復活が最大のポイント
投手では大瀬良大地、野手では西川龍馬(写真)の復活が必須だ
2021年がスタートした。16〜18年の3連覇から、19、20年と2年連続Bクラスに沈んだ広島にとっては、佐々岡真司監督の2年目で巻き返しをかけるシーズンになるが、今回のコラムは新年1回目でもあるので、若干夢見がちに? カープ優勝への条件を考えてみたい。
まずはチームの基軸となる先発陣だが、優勝するためには、中心となる投手2、3人は、しっかりと貯金をつくれる形が必要だ。ここを担える可能性がある投手を挙げるとすれば、昨年、10勝3敗と7つの貯金をつくった森下暢仁、昨年、初めて規定投球回に到達した九里亜蓮、そして、昨年9月の右ヒジ手術からの復活を目指すエースの大瀬良大地だろう。この3人は、打線が昨年ぐらい打ってくれればある程度貯金をつくれる力があるはず。「2年目のジンクス」に挑むことになる森下、九里はキャリアハイの翌年、大瀬良は手術明けと、それぞれにハードルはあるが、中でも大瀬良の復活が最大のポイントになりそうだ。
先発3人目までがそれぞれ5個前後の貯金が稼げれば、4、5人目あたりは五分か少し貯金がつくれれば計算が成り立つ。そうなれば、去年は5勝に終わったが、1年間先発ローテーションを守った遠藤淳志にとっても課題の立ち上がりを克服すれば十分手が届く成績になるし、右腕が中心になるであろう先発陣にあって左腕エースの立場が期待される床田寛樹にも十分期待できる数字だ。そして残る先発枠を、ドラフト1位の栗林良吏、新外国人のネバラスカス、昨年10月に血栓症の手術を受けて復活を目指す野村祐輔、昨秋の宮崎フェニックス・リーグで好投を見せた高橋昂也や矢崎拓也の中から誰かが担う、という形になってほしいところだ。栗林の適性はキャンプ以降に見定めていくことになるが、先発陣がしっかり固まって栗林をリリーフに回してもOK、という形になればチームにとっては理想的だろう。
リリーフは、昨季は後半戦になってケムナ誠、塹江敦哉、フランスアの形で固まったが、ケムナと塹江は今季が実質2年目でもあり、勝ちパターンが毎度このリレーでは1年間持たせるのは難しいだろう。島内颯太郎がいっそうの成長を見せるか、栗林、森浦大輔、大道温貴のルーキー陣から勝ちパターンに使えるピッチャーが出てくることがVへの条件だ。
3つある打撃陣のカギ
打線では、主砲・鈴木誠也が例年どおりの成績を挙げることは前提として、カギは大きく3つある。第1の条件は、昨年11月に右足首を手術した西川龍馬の復活だ。優勝のためには鈴木誠以外にリーグ上位を争うぐらいの成績を残す選手が必要で、そのポテンシャルを秘めるのはやはり天才的打撃を持つ西川。手術後なのでフル出場は難しいかもしれないが、規定打席に到達するぐらいの出場は必須になるだろう。
第2の条件は、昨年固まらなかった一番打者の固定だ。レフトを守る選手が打つのがチームとしては一番形がいいが、長野久義に長期間、一番を期待するのはどうかというところもあり、昨年経験を積んだ大盛穂、宇草孔基(昨年10月に右足を手術)のいずれかが出塁率を上げて定着してくれることが望ましい。あるいは田中広輔が昨年後半ぐらいの打撃と、全盛時に近い足を見せてくれて定着するか。そして第3の条件が、19年に3Aで本塁打王を取ったという新外国人クロンの活躍だ。今季は攻撃陣における大きな補強はクロンのみといってよく、ここがもしハズレならば、昨年からの大きな上積みはないということになる。
あとは、少し目に見えにくいところだが、菊池涼介や田中広に休養を与えたときに戦力が落ちないようなセカンド、ショートのサブもほしい。好守がウリのルーキー・矢野雅哉を補強したが、小園海斗にも今季は出てきてもらいたい。さらに、河田雄祐ヘッドコーチの就任で、伝統の足を使った攻撃への意識が上がり、接戦をモノにできるケースが2つでも、3つでも増えてきてくれれば、というところだろうか。
こうしてみると、昨年手術をした選手の復帰頼み、という部分も少なくなく、そろってもらわないといけない条件は多いが、周囲の状況を見渡してみれば、もしも菅野智之がメジャー流出となった場合には、昨年チャンピオンの巨人と、またその巨人にFA補強で主力選手を引き抜かれたDeNAの戦力低下は必至。今季のセ・リーグは一気にダンゴレースの様相を呈するのは間違いないだけに、5位からの巻き返しでV戦線へ躍り出ることも、広島にとってチャンスのない話ではないだろう。
文=藤本泰祐 写真=BBM
週刊ベースボール
ドリヨシ的には、まず、先発投手陣は、九里投手、森下投手、ルーキー栗林投手で三本柱を形成して、あとは遠藤投手、床田投手、中村祐太投手が続くパターンでしょうか。大瀬良投手と野村投手も、戦線に復帰するかと思いますが、手術後という事もあり、一応未知数にしておきます。さらに新外国人のネヴァラウスカス投手や、昨秋のフェニックスリーグで好投した高橋昂也投手や矢崎投手の若手が台頭してくれれば、先発投手陣はかなり充実してくるかと思います。
リリーフ投手陣は、昨シーズンは塹江投手、ケムナ投手、島内投手の若手がフル回転し、ブルペンを守りました。今季も期待したいところですが、実質2年目という事で、疲れがないとは言えません。なので、中堅クラスの今村投手や一岡投手の復活が望まれます。また、昨年のドラフトで獲得した、森浦投手や大道投手の新戦力の中継ぎでの活躍が期待されます。
抑え投手は、ドリヨシ的には中崎投手とフランスア投手のダブルストッパーが理想ですが、中崎投手は手術後で、フランスア投手が勤続疲労で本調子ではないかもしれません。そこで新外国人のバード投手に期待したいと思います。あるいは思い切って昨シーズンウエスタンリーグで最多セーブを獲得した田中法彦投手を起用する手もありますし、先発投手陣が充実すれば、ドラフト1位の栗林投手を起用するのも面白いと思います。
投手陣は、若手投手の台頭と、主力投手の復活があれば、かなり充実してきます。投手王国の復活も夢ではありません。
野手陣は、ドリヨシがこだわるのは1、2番打者とクリーンアップの固定ですね。今季から河田ヘッドコーチの復帰で、機動力にテコ入れするはずなので、1番に田中広輔選手、2番に菊池涼介選手を固定させて、足を絡めたいやらしい攻撃を期待したいですね。さらにクリーンアップは、3番に西川選手、4番に鈴木誠也選手、5番に新外国人のクロン選手、6番に松山選手と、恐るべきクリーンアップが形成されますね。ただ、西川選手は手術明けで状態が気になりますし、新外国人のクロン選手は長距離打者ではありますが、穴もある選手でもあり、守備はそんなに上手くなさそうなので、未知数な部分があるのは否めません。で、今まで紹介した野手陣はフル出場は難しいので、これに代わるスーパーサブがカギを握ると思われます。大盛選手、羽月選手、野間選手、上本選手、曽根選手、三好選手、安部選手、林選手、正随選手、宇草選手など、沢山の候補がいます。これらのスーパーサブの選手が、与えられた所で最大限の活躍が出来れば、もう怖いものはありません。
一言で言えば、主力組の復活と若手選手の台頭、さらに助っ人外国人選手がツボにハマれば、カープの3年ぶりのリーグ優勝と37年ぶりの日本一は確実です。
あとは新型コロナウイルスが早く収束してくれるのを待つのみですね。
2020年12月27日
来季は若手選手のブレイクの予感!?
巻き返しなるか小園、2軍のセーブ王も期待大… 広島の21年ブレーク候補は?
12/27(日) 7:10
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Full-Count
今季は1軍出場が3試合で無安打に終わった小園、レギュラー奪取なるか
広島・宇草孔基(左)と小園海斗【写真:荒川祐史】
セ・リーグ3連覇から2年連続でBクラスに低迷した広島。52勝56敗12分でリーグトップの打率.262をマークした一方で、チーム防御率はリーグ5位の4.06。優勝した巨人から13ゲーム差を離された。
チームの主力となる鈴木誠也、菊池涼介、會澤翼、田中広輔、松山竜平が残る中、今季は堂林翔太が復活を遂げた。ここでは来季2年目となる佐々岡監督のもとでブレークが期待される選手を取り上げていきたい。
○小園海斗内野手(3年目、20歳)
ルーキーイヤーの2019年は59試合に出場し打率.213、4本塁打16打点をマーク。今季はレギュラー奪取が期待されたが1軍出場はわずか3試合にとどまり無安打に。それでも2軍では66試合で打率.305、1本塁打20打点、11盗塁と数字を残した。FA権を行使せず残留した田中広の“壁”を乗り越えることはできるか。
○林晃汰内野手(3年目、20歳)
高卒2年目の今季は10月に1軍初出場を果たすなど4試合に出場。プロ初安打となる二塁打を放ち貴重な経験を積んだ。2軍では主に4番として起用されチーム最多の69試合に出場しチーム最多の9本塁打をマークした和製大砲候補がブレークなるか。
○大盛穂外野手(3年目、24歳)
2018年の育成ドラフト1位で入団するとルーキーイヤーの2019年オフに早くも支配下登録を勝ち取った。今シーズンは7月に1軍初出場を果たすと、そのままシーズン終了まで1軍に帯同。73試合に出場し打率.259、2本塁打16打点と存在感を見せた。俊足巧打を武器にレギュラー定着を目指す。
田中法は2軍で25試合に登板し1勝1敗、12セーブ、防御率1.73で最多セーブを獲得
○宇草孔基外野手(2年目、23歳)
2019年にドラフト2位で入団した俊足外野手はルーキーイヤーの今季は10月に1軍初昇格。13試合に出場し打率.256、0本塁打3打点、3盗塁の成績を残したが10月21日の阪神戦で死球を受け、翌22日には右腓骨骨折の手術を行った。抜群の脚力を武器に熾烈な外野争いに加わりたい。
○田中法彦投手(3年目、20歳)
高卒2年目の今季は2軍で25試合に登板し1勝1敗、12セーブ、防御率1.73の好成績を残し最多セーブ投手賞を獲得。1軍でも2試合に登板し無失点と存在感を見せた。今シーズンはリリーフ陣に苦しんだ1年となっただけに春季キャンプでのアピール次第では開幕1軍も見えてきそうだ。
○栗林良吏投手(1年目、24歳)
名門・トヨタ自動車から今年のドラフト1位指名で入団した社会人ナンバーワン右腕。背番号「20」は通算213勝をマークし野球殿堂入りも果たしている北別府学氏が背負っていた番号と期待も大きい。昨年のドラフト1位・森下暢仁は10勝3敗、防御率1.91とエース級の活躍を見せ新人王を獲得。続くことができるか。
今秋のドラフトでは1位の栗林を筆頭に2位に森浦大輔(天理大)、3位に大道温貴(八戸学院大)、4位に小林樹斗(智弁和歌山高)、5位に行木俊(徳島インディゴソックス)と投手を中心に指名。3年ぶりのリーグ優勝を目指す来季は新戦力の台頭を大いに期待したい。
Full-Count編集部
何度か来季の展望を書きましたが、来季は投手陣も野手陣も若手選手がブレイクしそうな気がしてなりません。
投手陣では、本文では田中法彦投手が挙げられていますね。今季ファームで最多セーブを記録しました。来季1軍でセットアッパーや守護神の不調があった場合、田中法彦投手が起用される可能性があります。
そして、左肘の手術から復帰した高橋昂也投手にも期待しています。秋のフェニックスリーグで好投を見せて、回復ぶりをアピールしました。来季は1軍の先発ローテーション入りの可能性が高いと思います。
また、カープアカデミー出身の育成のコルニエル投手にも注目です。彼もフェニックスリーグで好投し、支配下登録へ向けてアピールしています。
さらに、今年のドラフト1位の栗林投手、2位の森浦投手、3位の大道投手と、即戦力ピッチャーを獲得しました。
投手陣でこれだけ注目する人数が多いのは凄い事ですね。
野手陣も楽しみな選手が沢山います。今季1軍でプチブレイクした、大盛選手、羽月選手、宇草選手がさらに来季ブレイクしそうな予感がします。本文には林選手が挙げられていますね。ファームでは4番として起用され、長距離砲としての片鱗を見せ始めています。1軍では現在、鈴木誠也選手が1人が長距離打者として奮闘していますが、林選手のブレイクで、左右の和製大砲がそろうのが楽しみですね。
他に、韮澤選手、中神選手、正随選手など、注目選手が沢山です。
若手選手の活躍は、強いチームには絶対不可欠です。年明けのチーム展望で、若手選手を取り上げたいと思います。
2020年12月24日
2021年シーズンの佐々岡監督の戦略は?
広島・佐々岡真司監督 新参謀と新戦力を加えてV奪回へ/指揮官が見据える2021
12/24(木) 12:02
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週刊ベースボールONLINE
佐々岡真司監督
3年ぶりのV奪回へ、佐々岡カープが着実に地盤を固め始めている。監督就任1年目の2020年は投打がかみ合わず、2年連続のBクラスに沈んだ。巻き返しへの第一歩となった秋季練習では明確な課題をつぶすべく練習に取り組んだ。
「悔しさを持った中で来季(21年)は始まっている。個々の課題を持ってやろうと。いつもの秋季キャンプとは違う練習になる。競争をしないといけない選手もいる」
打撃陣の得点力不足解消などを目的に、逆方向へ強い打球を打つ練習を徹底して実施した。指揮官は「今年1年の反省を踏まえた中での練習方法だった。充実した練習ができたのではないかと思います」と手応えをつかんだ様子だ。
河田ヘッドコーチの就任も、大きな改革の一つとなる。4年ぶりに広島に復帰し、攻撃面の立て直しに期待がかかる。
佐々岡真司監督は新参謀について「選手とコミュニケーションもしっかり取りながら、厳しいところもしっかり出してくれる」と全幅の信頼を寄せる。選手を分け隔てなく叱れることに加えて、若いコーチ陣のまとめ役としての手腕にも注目だ。
また来季の助っ人として3選手が加わる。大砲候補で、3Aのリーグ最多本塁打者の内野手のケビン・クロン。リトアニア出身で、先発での起用が検討されている長身右腕のドビーダス・ネバラスカス。最速154キロ左腕のカイル・バード。20年低迷の要因となった投手力と長打力の課題克服への期待大だ。
FA権行使を検討していた田中広の残留も決定した。ドラフト1位・栗林をはじめ、即戦力の新人も加わる。
2年間の悔しさをはね返すべく、中堅、若手、新戦力が一致団結し、優勝を奪い返す。
写真=BBM
週刊ベースボール
佐々岡監督の1年目は、新型コロナウイルスの感染拡大による、今まで例のない流れで送ったシーズンになりました。抑え投手が決まらない事や、主力選手の相次ぐ離脱などで、ベストメンバーが組めなかったのは痛かったですね。
来季は今季離脱した主力選手も復帰しそうですし、今季台頭してきた若手選手のさらなる成長も期待できます。さらにこの秋のフェニックスリーグで活躍した選手が、来季1軍に昇格してどれだけ戦力になるのかも楽しみです。
新外国人として、長距離砲として期待されるクロン選手や、今季手薄になった投手陣を支えるべく、ネヴァラウスカス投手やバード投手を獲得しました。
これら若手選手の底上げや、ベテラン、中堅選手の復活に加え、助っ人外国人の活躍があれば、間違いなくリーグ優勝、日本一は現実味を帯びてきます。
何より、強力な参謀がカープに復帰するのは大きいですね。今季までヤクルトにいた河田コーチが、来季からカープ1軍のヘッドコーチとなります。元々はカープOBだけに、カープ愛は絶大なものがあります。佐々岡監督の戦略を、河田ヘッドコーチが具体化しながら、各コーチや選手に伝える司令塔の働きを遺憾なく発揮してくれると思います。
以上の事より、来季はチーム一丸となってカープらしいアグレッシブなプレーでセ・リーグを制覇して、日本シリーズではチャンピオンチームのソフトバンクを破って、悲願の日本一を勝ち取りましょう!
2020年12月23日
デイリースポーツが今季のカープ10大ニュースを発表!
デイリーが選ぶカープ10大ニュース…菊池涼守備率10割、誠也3割25発、1位は?
12/23(水) 16:00
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デイリースポーツ
打球を好捕し、体勢を崩しながら二塁へ送球する菊池涼=10月16日、マツダスタジアム
デイリースポーツ独断で選定する「2020年カープ10大ニュース」をお届けする。
(1)森下10勝マーク、新人王を獲得
(2)鈴木誠、史上4人目「3割、25発」
(3)菊池涼、史上初二塁で守備率10割
(4)鯉一筋19年、石原慶が現役引退
(5)鯉のプリンス堂林が11年目の復活
(6)佐々岡カープ、無念5位に沈む
(7)エース大瀬良ら主力に故障者続出
(8)ドラフト1位にトヨタの剛腕・栗林
(9)K・ジョンソンが大不振で退団
(10)坂倉、大盛、塹江…若ゴイ躍進
(次点)小窪が新天地求めて退団
◇ ◇
鯉党にとって希望の光となったのがドラフト1位ルーキー・森下の活躍だった。開幕から先発ローテに入り、チームトップの10勝(3敗)をマーク。防御率1・91で、目標だった新人王を獲得した。
鈴木誠、菊池涼も偉業を成し遂げた。鈴木誠は史上4人目となる5年連続の「3割、25本塁打」をマーク。王貞治、落合博満、小笠原道大の偉大なバットマンに肩を並べた。菊池涼は無失策で二塁手としては球界初となる「守備率10割」を達成。最多得票で8年連続8度目のゴールデングラブ賞も獲得した。
“鯉のプリンス”堂林の復活もファンを喜ばせた。入団2年目に大ブレークも、その後は年々右肩下がり。背水の決意で挑んだ11年目の今季、勝負強い打撃がよみがえり、打率・279、14本塁打、58打点を記録した。捕手の坂倉、育成出身の2年目・大盛が1軍に定着し、投手陣では塹江やケムナが「勝利の方程式」入りするなど若鯉の台頭もあった。
佐々岡監督は采配面で誤算が続いた。開幕からストッパーを固定できず迷走。開幕投手を務めた大瀬良や野村、西川、会沢ら主力に故障者が出たこともあり、最後まで浮上することなく、優勝した巨人に13ゲーム差をつけられて5位に沈んだ。
球界の秋は“来る人・去る人”の季節でもある。カープ一筋19年の石原慶が引退を決断。石原慶とバッテリーを組み、カープ3連覇に貢献したK・ジョンソンは0勝7敗の大不振で今季限りで退団。小窪も他球団でのプレーを希望し、退団の道を選んだ。一方、ドラフト会議では昨年の森下に続き、即戦力右腕の一本釣りに成功。トヨタ自動車の剛腕・栗林をドラフト1位で獲得した。
今年もあと8日ですね。今季は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、開幕が3か月も遅れて、公式戦も120試合に減らしての異例の開催になりました。そんな中でも、いろんな事がありました。
なんと言っても、今季暗いチーム状態の中での光となったのは、ルーキー森下投手のリーグ新人王獲得ですね。彼のピッチングはルーキーらしからぬ内容でした。チームトップの10勝をマークし、防御率1.91と、抜群の成績をおさめました。来季はさらなる活躍が期待されます。
そして、菊池涼介選手がシーズンセカンド守備機会無失策の記録を打ち立てました。セカンドでシーズン無失策は、確率的にもかなり難しいと思われますが、菊池選手は見事にやってのけました。無失策の連続記録はまだ更新中ですし、来季も無失策ならば、間違いなく空前絶後の大記録になります。メジャーリーグの関係者もうならすほどの好プレーを、また来季も見せて欲しいと思います。
ドリヨシとしては、若手選手の台頭も忘れてはならないと思います。育成出身の大盛選手の大活躍、他に宇草選手、羽月選手などの野手陣と、塹江投手やケムナ投手、島内投手などの投手陣に、新しい戦力が加わった事も大きかったですね。
来季はベテラン、中堅クラスの戦力復帰と、若い力の台頭で強いカープが見れる予感画します。今からワクワクしてきますね。
2020年12月22日
打線にもう一人長距離打者を!
カープOB・大野豊氏が提言。「打線にもう一人大砲がいれば……」
12/22(火) 12:09
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広島アスリートマガジン
チームトップの25本塁打を放った鈴木誠也選手。新加入するクロン選手にも“長距離砲”としての活躍が期待される。
投打の歯車が噛み合わず、2年連続Bクラスとなった2020年のカープ。ここではOBの大野豊氏が打線に焦点を絞り、カープの課題と展望を語っていく。
◆2021年型カープ打線に求めたいのは……
まず今季の打線について、気になった点は“迫力不足”というものが挙げられます。鈴木誠也が25本塁打をマークしましたが、打線全体で考えるともう一人ぐらい“大砲”と呼べる存在が必要なのではないでしょうか。もちろん、大砲ばかり並べて機動力が使えなくなってしまっては、カープの魅力は半減してしまいますし、当然“流れ”や“つなぎ”も重要ですが、本塁打には試合の雰囲気を大きく変え唯一無二の力もあります。
そういう意味でカープが獲得を発表したクロンは大いに期待したい存在です。どれだけ守備力があるかは未知数ですし、内野陣にはライバルが多くいますが、本塁打を量産してくれれば、試合の勝敗は大きく変わってくるはずです。たとえば試合終盤のケースで、一発を警戒しなければならない存在が打線に組み込まれているのは相手投手にとってもやりづらい部分はあるでしょう。
私も現役時代は数々の外国人選手と対戦してきましたが、やはりパワーのある打者と対戦するということは一つの投げミスが即失点につながってしまうだけに緊張したものです。ただ外国人選手には大きな“穴”があるケースも多く、そこに投げ切ることができれば大きな痛手にならないので、怖さがある一方で攻めやすい部分もありました。
外国人選手が日本で成功するかどうかの鍵は、投手が投げる変化球に対してどのような対応をしていくかだと思います。苦手なコース、変化球を一朝一夕で打てるようになるというのは難しいだけに、それを悟らせない、あるいに安易に手を出さないという我慢強さ、見極める力が必要です。
上位から切れ目のない布陣を展開した上で、要所に長距離砲を配置することで、より強力な打線を構築できるようになります。クロンには、自身の獲得にも携わった駐米スカウトを務めるエルドレッドばりの活躍を期待したいと思います。
広島アスリートマガジン編集部
今季は長距離打者と言えば、鈴木誠也選手1人ぐらいでしょうか…。ゆえに鈴木誠也選手にのしかかるプレッシャーもかなり大きく、精神的負担もかかっていたと思います。
リーグ3連覇の時は、鈴木誠也選手の他に、丸選手、新井選手、エルドレッド選手と、中、長距離打者がいたので、1人にかかる負担は軽かったはずです。来季以降、カープ打線にはやはりあと1、2人長距離打者が必要です。
本文の大野さんのコメントにもありますが、新外国人のクロン選手に期待がかかりますね。マイナーではホームランを量産する長距離打者ですが、問題は日本の野球に対応できるかどうかですね。日本のピッチャーは変化球を多彩に操るので、誘い球をどう見極めるかにかかっています。クロン選手がハマれば、鈴木誠也選手とツインタワーで攻める事が出来ますので、他チームから見ればかなりの脅威になると思います。
一方、生え抜きの若手選手も長距離打者の成長が期待されます。林選手や正随選手が力をつけてきています。この秋のフェニックスリーグでも活躍を見せてくれています。来季はどちらかが1軍の切符を手にして、長距離砲の片鱗を見せてくれればと思います。
鈴木誠也選手はいずれメジャーへ旅立つ可能性が高いので、外国人選手の活躍と、若手選手の台頭が望まれる来シーズンになりそうです。
2020年12月11日
黒田投手と新井選手のカープ復帰はリーグ3連覇の原動力になった!?
カープ復活3連覇を呼んだ衝撃のW復帰 「新井説得」の黒田が広島に戻った真の理由は…
12/11(金) 10:00
配信
東スポWeb
25年ぶりのカープ優勝に抱き合う黒田と新井(2016年)
【球界平成裏面史 広島編(1)】平成28年(2016年)〜30年の広島3連覇は、平成一番の大異変≠ニ言っていい。平成3年以降優勝から遠ざかり、平成10年(98年)〜平成24年と15年連続でBクラスだったチームが、巨人をしのぐ王者と呼ばれるほどの常勝軍団に変身したのだから。
中心的役割を担ったのが、平成24年オフにカープに復帰した新井貴浩、黒田博樹である。一度はFA宣言して移籍したのち、広島に戻った選手は過去にいなかった。二人が長年の前例を打ち破った裏側に何があったのか。
新井が経緯を明かしてくれたのは、私が週刊誌「サンデー毎日」の仕事でインタビューした時のこと。広島復帰から3年がたって、チームが2連覇を目指していた平成28年のシーズン中である。
「僕自身は最初、広島に戻れるなんて、思ってもいませんでした。むしろ、戻っちゃいけないと考えていたくらいですよ」
そう言う新井は、広島時代から親しかった金本知憲を慕って、平成19年オフに阪神へFA移籍。当時は広島ファンに「裏切り者!」と散々罵声を浴びせられた。それから7年後の平成26年、定位置の一塁をマウロ・ゴメスに奪われて、出場機会が激減。契約更改では推定年俸2億円から7000万円へ大幅減俸を通告された。
そうしたさなか、広島とは別の球団が新井に興味を持っていると、人づてに聞かされた。そこで同年11月4日、新井が球団事務所で自由契約を申し入れた矢先、阪神の南信男球団社長に言われたのだ。
「それで、もうカープには連絡してるのか?」
「えっ、してないですよ」
このときすでに、南の元には広島が新井を復帰させようとしている、という情報が入っていたという。一度、広島サイドに確認するようにと南に勧められ、新井は広島の鈴木清明常務取締役編成本部長に電話をかけた。
「南さんにお話を聞いたばかりなんですが、どういうことでしょうか」
鈴木の答えはもちろん「カープに戻ってこい」だ。が、新井はすぐには返事ができなかった。
「正直、うれしかったし、帰りたいと思いました。だけど、そう思えば思うほど、もうひとりの自分が出てきて『おまえな、さすがに帰ったらダメだろう』と言うんです」
数日後、新井は鈴木に断りの電話を入れた。が、鈴木も譲らない。7年前に新井がFA宣言した時は、新井の言うことを聞き入れた。今度は新井が、こっちの言うことを聞く番じゃないか、と。
「そこからまた、葛藤が続きました。FAで出て行く時より、帰る時のほうが悩みましたね」
そこへ黒田から電話がかかってきたのである。
「話は聞いてる。新井、どうするつもりだ?」
「やっぱり帰れないですよ。僕は、帰っちゃいけない人間だと思います」
「そんなこと、何も気にするな。おまえはカープに戻ればいいんだよ」
この黒田の一言が新井の背中を押した。「黒田さんの電話がなかったら最後まで決心がつかなかったかもしれません」と新井は振り返った。
こうして新井は改めて鈴木と話し合いを持ち、1年契約、推定年俸2000万円の条件を了承。11月14日に正式に契約を結び、会見が開かれた。
ちなみに、新井を説得した黒田が広島復帰の意思を鈴木に伝えたのは、年も押し迫った12月26日。発表はその翌日だ。黒田はその1か月以上も前、先に新井にカープ復帰を勧めていたことになる。
黒田のほうにも復帰の理由を尋ねたら「何度も聞かれましたが、自分でもよくわかりません」とはぐらかされた。新井だけは真の理由を知っているかもしれないが。25年ぶりに優勝した平成28年、新井と黒田は目を潤ませて抱き合った。二人にしかわからない感情が交錯しただろう、あの瞬間もまた、平成を象徴する名場面だった。(赤坂英一)=続く=
東京スポーツ
もうリーグ25年ぶりの優勝から4年が経つんですね。ドリヨシは黒田投手と新井選手の復帰がなかったら、優勝は出来なかったと思っています。復帰直後の2015年はチームは4位に終わりました。しかし、この4位の成績が、2人を囲むカープの他の選手と我々ファンに火を着けたと思います。そして2016年に一気に駆け上がった印象があります。
でも、黒田投手がカープに復帰を表明する前に、新井選手にカープに戻ってくるのを促したその真意は何だったのでしょうか?黒田投手は新井選手がFAで阪神に移籍したのは、新井選手の本当の思いではない事を理解していたのかもしれません。それ故に新井選手が阪神で苦しんでいた事も知っていたのでしょうね。黒田投手の一言がなかったら、カープのリーグ3連覇はなかったと言っても過言ではないと思います。
新井選手はカープに復帰後、水を得た魚のように大活躍をしましたし、黒田投手は復帰後2年連続二桁勝利し、日米通算200勝も達成しました。今は2人共に野球評論家として活躍していますが、いずれは再び赤いユニフォームを着て、カープを牽引してくれると思います。
2020年12月06日
来季もし烈なポジション争い!
来季の陣容ほぼ固まる。広島の注目ポジション争いは?
12/6(日) 11:03
配信
週刊ベースボールONLINE
先発ローテ入りの期待が高い高橋昂、矢崎
トミー・ジョン手術からの復活で来季の先発入りを目指す高橋昂也
佐々岡真司監督の初年度は期待を裏切る5位に終わった広島。ドラフトで指名した選手の仮契約が全員終了、新外国人選手も決まり、来季に向けた陣容がほぼ固まってきた。そこで、ここでは来季の布陣や定位置争いでポイントとなるポジションはどこかを考えていきたい。
まずチームにとって最大のポイントであり、見どころでもあるのが、先発ローテーションの顔ぶれに誰が入ってくるかだろう。今季後半は、大瀬良大地、野村祐輔、ジョンソンと、当初の布陣から3人もが戦列離脱。かなり大きな穴が空いていると言っていい。まず、今季の活躍から、来季も先発ローテーション確定と言っていいのは、九里亜蓮と森下暢仁の2人。遠藤淳志は勝ち星こそ5勝にとどまったが、年間先発ローテを守り切っており、立ち上がりに点を取られる点さえ克服できれば勝利数が伸ばせる可能性を見せた。これも調整が順調なら有力だろう。
ただそれでも、6つの枠のうち、まだ半分は空いている。今季の実績では、後半戦に追い込んで5勝まで積み上げた床田寛樹が続くが、防御率は5点近かっただけに、来季は他の候補者と横一線からのスタートになるか。今季後半の戦列離脱者では、やはりエースの大瀬良の復活に期待がかかる。というより、ここは復活してもらわなければ計算が立たないところか。野村のほうは現時点では復帰時期は未定だ。
今季在籍の現有戦力で、来季ローテーション入りへの期待が高いのは、高橋昂也と矢崎拓也の2人だ。高橋昂は昨年2月にトミー・ジョン手術を受け、復活へリハビリを積んできた。11月の宮崎フェニックス・リーグでは、7回自責点0の投球を2度見せるなど、好内容だ。2018年には先発で勝利を挙げており、素材は一級品。広島では床田というトミー・ジョン手術からの成功例があるだけに、それに続くかと期待がかかる。また、矢崎は近年は高い三振奪取率の一方で制球難に苦しんできたが、「2.5軍」で投球メカニックを再確認し、変化球の安定度を増した。宮崎フェニックス・リーグでは、4試合に先発し、26イニングで自責点は1点のみと毎試合好投。ここでつかんだものを来季につなげられればブレークも。ほかには育成のコルニエルも宮崎フェニックス・リーグでは好投を見せており、秘密兵器になるかも。
ここに、ドラフト1位ルーキーの栗林良吏、新外国人のネバラスカス(前パイレーツ)を加えたメンバーが先発ローテーションの枠を争うことになりそうだ。
野手では正左翼手争いが注目
リリーフのほうは、今季後半、塹江敦哉、ケムナ誠、フランスアで形が固まったが、塹江とケムナは来季が実質2年目、塹江はシーズン後半はややキレを失っていた感もあるだけに、オフにしっかり疲れが取れればいいが、来季をこれでよし、と計算するのは少し危険だろう。層を厚くし、勝ちパターンの投手を4人ぐらい準備して、うまく休ませながら使える形を目指したい。島内颯太郎を第1候補に、田中法彦や藤井黎來、ルーキーの大道温貴、森浦大輔がどこまで食い込んでくるか。栗林がリリーフに回る可能性もある。
野手の定位置争いでは、レフトが注目だ。実績では長野久義だが、大盛穂がどこまで迫れるか。打線を考えれば、レフトに入る選手が一番を打てれば形が整うので、大盛が打力を見せられればチャンスも。今年10月にかかとを手術した宇草孔基も、元通り走れるようになれば、この争いに参戦してきそうだ。また、元気ならレギュラー確定の西川龍馬も11月に右足首を手術していて出遅れる可能性があり、その場合はシーズン序盤はこの争いがセンターを含めた形に拡大する可能性も。打力の向上次第では野間峻祥がここに加わってくることになる。
内野は、新外国人クロン(前ダイヤモンドバックス)の守備力次第だが、このクロンと松山竜平、堂林翔太が3人でファースト、サードの2ポジションを分け合う形になるか。セカンド、ショートは、田中広輔、菊池涼介の「タナ・キク」コンビが、レギュラーという意味では安泰だが、そろそろフル出場は計算できなくなってきているのも事実で、休んだときに代われる若手の存在がチームにとっては隠れたテーマ。小園海斗やルーキーの矢野雅哉がどこまで突き上げを見せられるかが注目ポイントになってきそうだ。
文=藤本泰祐 写真=BBM
週刊ベースボール
ドリヨシ的には、投手陣も野手陣も充実した戦力が見込めるようで、非常に楽しみですね。
投手陣は、先発は手術を受けた大瀬良投手や野村投手が開幕まで復帰できるかどうかですね。最近の情報では、両投手共に順調にトレーニングできているようで、開幕には間に合いそうです。今季頑張った九里投手や、新人王濃厚な森下投手、今年のドラフト1位で入団する栗林投手に加え、床田投手や遠藤投手、中村祐太投手、さらに秋のフェニックスリーグで好投した高橋昂也投手や矢崎投手などが加われば、先発ローテーション争いがかなりし烈になりそうです。
リリーフ陣は、中堅クラスの中田投手、一岡投手、今村投手の復活が期待されます。今年台頭してきた塹江投手やケムナ投手、島内投手。さらには今年のドラフト2位の森浦投手、3位の大道投手の即戦力投手が加われば、リリーフ投手陣の層もかなり厚くなります。
抑えは中崎投手の復活が期待されます。フランスア投手が開幕から状態を上げていれば、フランスア投手に抑えを任せていいでしょう。新外国人のネバラスカス投手やバード投手も加われば、セットアッパーから抑えも安泰になりそうです。
野手は内外野共に競争が激化しますね。今季若手では、ドリヨシ推しの羽月選手や大盛選手が1軍で躍動しましたし、秋のフェニックスリーグでは、林選手や正随選手、石原選手など、若手の選手が活躍しています。また、新外国人の長距離砲のクロン選手が加入します。レギュラーポジションで決まっているのは、セカンドの菊池涼介選手、ショートの田中広輔選手、ライトの鈴木誠也選手くらいではないでしょうか。レギュラーポジションとは言え、フルに出場しないでしょうから、実質全てのポジションでの争いになりそうです。
いずれにせよ、近年にない、かなり高いレベルでの争いになりそうで、カープファンはワクワクしながら来季を待ちわびる感じになりそうですね。
2020年12月05日
カープの今季を総括
【2020総括|広島】ジョンソン、大瀬良のダブルエースが絶不調で5位に終わるも、森下ら若い力が台頭
12/5(土) 15:20
配信
THE DIGEST
新人の森下がエース級の活躍を見せたが、16年の沢村賞投手K・ジョンソン(写真)が0勝7敗、防御率6.10では……。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)
今季の総括
佐々岡真司新監督船出のシーズンは、5位と厳しい結果になってしまった。何より誤算だったのが、昨年はリーグ2位の防御率3.68を記録した投手陣が、5位の防御率4.06まで大幅に後退してしまったことだろう。
特に、開幕前から懸念されていたリリーフ不足は不安が的中する形となった。開幕から1ヵ月以上も勝ちパターンが定まらず、頭を悩ませる日々が続いた。3連覇を支えた中崎翔太や今村猛は、昨年に輪をかけて不調に終わり、新加入のDJ・ジョンソン(9月にトレードで楽天へ放出)やスコットも期待外れでは、立て直しが容易に進まなかったのも当然だろう。先発でもダブルエースと目された大瀬良大地とクリス・ジョンソンが合わせて5勝11敗と大きく期待を裏切った。
野手陣もリーグ2位の523得点を積み重ねたが、シーズン序盤は犠打を多用する采配が目立ち、広島らしい高い打撃力と機動力を連動させた攻撃が少なくなっていた。また、菊池涼介以外の内野陣は守備が不安定で、これも失点増加の一因となった。3連覇のベースとなった機動力と堅い守備力が失われつつあるのは今後へ向けても大きな懸念材料だ。
もちろん、明るい材料がなかったわけではない。ドラフト1位ルーキーの森下暢仁は10勝、防御率1.91(リーグ2位)とエース級の成績を残し、7年目の九里亜蓮も初の規定投球回に到達。リリーフでは塹江敦哉、ケムナ誠と力で押せる投手が台頭してきた。加えて坂倉将吾、大盛穂ら多くの若手野手が台頭し、10月以降の勝率.633はリーグ1位と確実に光は見えてきている。主砲・鈴木誠也の日本ラストシーズンとなる可能性もある来季は、若手と主力の力を融合させて3年ぶりのリーグ制覇を目指したい。
2021年のキーマン
ケビン・クロン
来季のキーマンには、新助っ人野手のケビン・クロンを挙げたい。というのも、今季はドーピング違反で開幕前に契約解除となったバティスタ不在の影響を攻守にわたって感じるシーンが目立ったからだ。正一塁手を務めた松山竜平は、リーグワーストの9失策と拙守で投手陣の足を引っ張り、他の内野手のスローイングにも悪影響を及ぼしていた。また、メヒアやピレラら外国人打者が不調に終わったことで、主砲の鈴木にマークが集中。本来の力を発揮できなかったことも課題となった。
昨季3Aで38本塁打を放ち、守備も悪いデータのないクロンは、この2つの課題を一挙に解決し得るかだ。彼がどれだけ機能するかがチーム浮上のカギを握るだろう。
文●yuma
【著者プロフィール】
1994年生まれ。シーツ・ラロッカの外国人二遊間に魅せられて以降、15年来の広島ファン。Twitterやnoteにて、主に広島の各選手や戦力についての分析を行っている。好きな選手は同い年の鈴木誠也。Twitter IDは@yumambcp。
まさに、本文の記事の通りですね。カープの今季は開幕2戦目までは順調でした。しかし、開幕3戦目。先発のルーキー森下投手が好投し、勝利目前というところで、当時の守護神のスコット投手が打ち込まれ、逆転サヨナラ負けを喫してしまいました。あの試合から、投打の歯車が噛み合わないまま、シーズン終盤を迎えました。10月以降はようやくカープらしい野球ができるようになりましたが、時すでに遅く、読売にリーグ優勝の座を奪われてしまいました。
しかし、来季は投手陣はかなり整備されると思います。今年のドラフト1位から3位までは即戦力のピッチャーを獲得しましたし、今季台頭してきた若手投手も引き続き活躍が期待できます。これに中堅所のピッチャーが復活すれば、投手王国と言っても過言ではありません。
あとは打撃力ですが、長距離バッターが鈴木誠也選手だけでは、どうしても負担がかかります。そこで獲得したのが、新外国人のクロン選手です。エルドレッド選手の再来かと言われていますが、実際に試合に出てみないとわからない部分が多いのも確かです。クロン選手がハマれば、カープが頂点に立つ可能性がグンと高くなります。
まあ、来季へむけて、楽しみが多いのは確かですね。