2018年01月26日
谷繁元信氏「広島の選手は鍛え方が違う」
【谷繁元信】「屋外球場でもへばらない。広島の選手は鍛え方が違う」/スタジアム論03
1/26(金) 17:01配信
週刊ベースボールONLINE
『ベースボールマガジン』で連載している谷繁元信氏のコラム「仮面の告白」。ネット裏からの視点を通して、プロ野球の魅力を広く深く伝えている同氏だが、今回はスタジアムに関して、だ。
ドラゴンズでどっぷり浸かったドームの世界
シーズン終盤でも疲れを見せなかった広島ナインの鍛え方はすごい
ドーム球場と野外球場の違いについても書いていきましょう。
ドームをホームグラウンドにしているチームというのは、日程がほぼスケジュール通りに消化されますよね。西武ドーム(メットライフドーム)以外は空調も利いているわけですから、体調管理的には屋根のないホームチームに比べると恵まれていますよ。
僕は昨年から解説者になって、しょっちゅう外のグラウンド、例えば神宮球場や横浜スタジアムに行くようになりました。もともと僕は横浜でやっていたんですが、ドラゴンズに来てどっぷり浸かったわけですよ、ドームという世界にね。それが、屋外球場のゲームに6月の梅雨の時期から8月の終わり、9月と何度も足を運んでいくうちに、そういう球場をフランチャイズにしているチームというのは体調的にはきついんじゃないかなと久々に思いました。
横浜では当たり前だったその感覚を、ナゴヤドームに本拠地を移してからは忘れていたんですよね。尋常じゃない汗をかいて練習、雨や風といった気候的なコンディションとも戦っていたら、それはへばるだろうな、という感覚を(と同時に、ドームでプレーできることのありがたみというものに、あらためて気づかされました)。
ですから、9月に入ったぐらいから蓄積された疲れというのが出るんじゃないかと思っていたんですね。でも、マツダスタジアムを本拠地にしている広島は昨年、リーグ連覇を果たした。最後まで動きが全然へばっていない。彼たちがまったく疲れた素振りを見せないところに、鍛え方が違うと、そう思いました。
球場から話題はそれますが、昨年の僕のセ・リーグ優勝予想はジャイアンツでした。自分自身、連覇というのは10〜11年の1回しか経験していない。横浜時代の98年、ドラゴンズでの04年、06年の後も勝っていません。それほど連覇というのは難しいものなのです。
ましてや黒田博樹という精神的支柱が抜けた。新井貴浩も昨年のような働きはできないんじゃないか。それで順位を少し下げたんですが、マイナスを補って余りある快進撃を、若手が見せてくれた。ピッチャーだったら薮田和樹、岡田明丈、野手なら鈴木誠也、松山竜平。僕の想像をはるかに超えた成長というのが、昨年の広島にはありました。
メンタル的にモチベーションを維持できたのは日本一になっていないからです。もう一回優勝して、今度は日本一になる。そこのモチベーションがものすごく高かったんです。日本一になるためには昨年以上に力を付けていかないといけない。そこに対して全員で向かっていったんだと思いますよ。
最後にまとめますが、球場がドームであろうが野外であろうが、肝心なのは選手がどれだけ鍛えているか、それを昨年のカープが証明してくれました。
写真=BBM
●谷繁元信(たにしげ・もとのぶ)
1970年12月21日生まれ。広島県出身。江の川高から89年ドラフト1位で大洋(現DeNA)入団。2002年FAで中日へ。14年から監督兼任。16年から監督専任も同年8月9日付で退任。現役生活27年の通算成績は3021試合出場、打率.240、229本塁打、1040打点。
週刊ベースボール
谷繁さんがカープの選手を誉めるのですから、ファンとしては本当にありがたいですね。谷繁さんご指摘のドーム球場の快適さが、逆にそこのホームチームの選手のスタミナをなくしていくという事は、現実あるのではないかと思います。マツダスタジアムを本拠地とするカープの選手は屋外で練習して鍛え上げています。夏場はおそらくマツダスタジアムがセ・リーグの球場の中で一番暑いですし、カープが遠征で移動する距離が一番長いという、環境の面ではカープがセ・リーグで一番過酷と言っていいでしょう。そんな中でキャンプでの練習は濃密で、カープOBの達川さんが「胃から汗が出る」と言われたほどです。長いペナントレースを勝ちきる為には、過酷な環境に体を置き、ハードな練習を積み重ねていく事が大事だとドリヨシも思います。今年は球団初のリーグ3連覇がかかっています。2月からのキャンプで、選手の皆さんがどのように取り組んでいくのか楽しみです。
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見ててもキツそうだなぁとか分かりますよね。
ドーム球場は行ったことないですが広島のあのまとわりつく暑さは観戦するのも大変ですから選手はつらいですよね。