しかし、しばしその欲求を我慢したら強い欲求は消散した。
多少の喫煙欲求は残る。
食後にどうして喫煙欲求が生じるのか。
また、脳科学的に自己を分析してみたいと思う。
人の摂食中枢は視床下部の外側野というところに位置し
その部分を快感神経(欲求の神経の束)が貫通する構造をなしている。
血液内の血糖が減少すると摂食中枢が興奮し食欲が生じる。
ところが食事をして満腹になると、満腹中枢である視床下部の
腹内側核が興奮しだし、食べたくなくなる。
喫煙者の多くはイライラした後や緊張後に喫煙したがる人が多いと思う。
私もその一人だからだ。
イライラ時や緊張時には脳内でどのような神経でどうゆう神経伝達物質が
分泌されているのだろう。
イライラや緊張では自律神経のなかでも覚醒系の神経である交感神経が活発化しておりシナプス末端からノルアドレナリンが分泌されていることが考えられる。
脳内ではノルアドレナリンなどの怒り、闘争系の神経が興奮状態にあり、
快感を感じる神経の興奮が抑制された状態とも考えることができる。
したがって、ニコチンにて快感物質ドーパミンを分泌させて怒りや緊張という苦痛情報を中和し取り去ろうとすると考えられる。
また、大脳新皮質投射の抑制系ギャバ神経の活動を一時的に高めアドレナリン作動性神経の抑制を行っていることも考えられる。
食事中は欲求を満足している最中であるから、摂食中枢で快感物質ドーパミンが分泌されるということが考えられる。
食後に関して言うと満腹中枢が刺激されるということは、快感神経であるドーパミンがD2受容体の興奮抑制が満腹を感じるということが考えられる。
満腹という満足は快感から苦痛のはざまといことが言えそうである。
なぜなら、食べ過ぎて苦痛を感じないと際限なく食べ続けてしまうからである。
つまり摂食中は快感神経でドーパミンなどの快感物質が分泌されていると考えることができ、満腹時にはドーパミンという快感物質の分泌が止まると考える。
しかし、ドーパミンには悪い癖がある。
それは「もっと。もっと。」と要求する欲求の癖がある脳内物質ということである。
食事中は欲求が満足されている状態だから、快感神経が興奮し続けている。
しかし食事直後に満腹という満足限界状態で快感要素が消え失せるから、「失った快感を取り戻したい」「もっと快感を持続させたい」という衝動が生じ喫煙欲求が生じると考えられる。
鬱病患者などの治療薬にスルピリドといううつを改善する薬が多用されることがある。この薬は胃潰瘍や十二指腸潰瘍などにも利用される薬でもある。
薬理としてはドーパミンD2受容体を刺激するというものである。
ドーパミンD2受容体は脳内に多く存在し、快感作用を生じさせ鬱状態を改善することができる。
その一方で、満腹中枢でもD2受容体が存在すると言われており、満腹中枢での作用は感受性を鈍化させ、
満腹を感じなくしてしまう(満腹という情報は一種の苦痛情報であろう、つまり苦痛情報を抑制してしまう)ということが考えられる。
したがって鬱病患者などが抗鬱剤の服用によって食欲が増進し肥満に陥るというケースが数多く報告されているのだろう。
以上は私の脳内でも視床下部という原始的な脳で起きている欲求である。
視床下部は食欲、性欲、体温調節、水分調節など生物が生きるために必要な欲求を発現している脳であり、自律神経の中枢でもある。
脳の深部に位置し人間以外のほ乳類には共通の脳である。
しかし、大脳新皮質という人間だけが発達した脳は物事を考えたり、判断したり、知識を蓄えたりするだけでなく、深部で発生した欲求を抑制コントロールし、場合によってはその欲求と逆のことを行うことが合理的と判断すれば、欲求に逆らった行動を取ることができる。つまり、欲求の抑制機能を有するのである。
今、私はたばこを吸いたいという欲求が生じた。それは原始脳の視床下部の働き。
しかし、将来の健康のことや現実に生活する上でたばこ代金が生活の足かせになると、私の大脳新皮質が将来の合理性を考え判断し、禁煙を持続するように行動している。
つまり、自分の欲求を抑制しているのは私の大脳新皮質の働きであろう。
どちらも自分自身であるが、人が人である由縁は欲を抑えることにあるかもしれない。 昔の侍とか、自己を犠牲にして他人を救った人とか、聖職者とか宗教家とか。そういう人達を脳科学の観点から述べると、
大脳新皮質によって欲求脳や感情脳はたまた、無意識で制御するのも困難な脳内の快感物質や苦痛物質の分泌まで自分の意志で制御コントロールを目指したのかもしれない。
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