2024年12月07日
首脳陣は9月の大失速の責任を取らないのか?
大失速でBクラスとなった広島 コーチ全員が来季も残留に「危機感が見られない」の声
12/7(土) 8:32配信
AERA dot.
広島ベンチの新井監督(左端)らコーチ陣
チームを変革する手段は、選手補強だけではない。今年球団ワースト記録のシーズン91敗を喫した西武は、西口文也新監督が就任し、コーチ陣も大幅なテコ入れを敢行。ヘッドコーチに鳥越裕介氏、1軍野手チーフ兼打撃コーチに仁志敏久氏、内野守備・走塁コーチに大引啓次氏ら、これまで西武にゆかりがなかった指導者を外部招聘した。
セ・リーグでは球団史上初の3年連続最下位に低迷した中日が、「平成唯一の三冠王」松中信彦氏を1軍打撃統括コーチに、飯山裕志氏を野手総合コーチに新たに外部から招聘。井上一樹新監督の下で、課題の得点力アップに注力する。
コーチ陣の変革に動いたのは、下位に低迷した球団だけではない。4年ぶりのV奪回を飾った巨人は、オイシックス新潟アルビレックスBC監督だった橋上秀樹氏が作戦戦略コーチとして11年ぶりに復帰。下克上で26年ぶりの日本一に輝いたDeNAも村田修一氏が野手コーチとして14年ぶりに古巣に戻ってきた。
その中で異色に映ったのが、広島だ。11月24日に2025年度のコーチングスタッフが発表されたが、1、2軍の全コーチが留任。今季限りで現役を引退した野村祐輔氏が3軍投手コーチ兼アナリストに就任した以外は目立った人事異動はなかった。
スポーツ紙デスクが首をかしげる。
「シーズン終盤に大失速した広島は、得点力不足が大きなネックになりました。苦手な投手に同じようなパターンでやられるケースが多く、打線全体の狙いが見えなかった。打撃コーチはテコ入れすると思ったので、1、2軍で全員残留は驚きましたね」
今年8月終了時点には貯金13で首位に立っていたが、9月以降に7勝22敗と大失速。打線がつながらず、投手陣が我慢できずに崩れてしまう試合が続いた。今年の415得点はリーグ5位。リーグトップの522得点をたたき出したDeNAより100点以上少なかった。クリーンアップで期待されたジェイク・シャイナー、マット・レイノルズの両助っ人がほとんど稼働せずシーズン途中で退団。和製大砲の末包昇大も故障が目立ち、79試合出場で打率.238、9本塁打、37打点と不完全燃焼だった。新井貴浩監督も選手の起用法に苦心しただろう。
■「同じ相手にやられるのはコーチにも責任がある」
苦手としている投手の対策にも課題が残った。阪神の大竹耕太郎は昨季広島戦に6勝0敗、防御率0.57をマークし“コイキラー”と呼ばれ、今年も3勝1敗、防御率2.08とキラーぶりを発揮した。DeNAの東克樹も昨季は広島戦で4勝0敗、防御率1.84をあげ、今年も4勝2敗、防御率1.91と抑えていた。
「何度も同じ相手にやられるというのは、選手個々の能力の問題だけではなく、コーチ陣にも責任があると思います。広島は高橋慶彦さん、正田耕三さんとコーチ経験が豊富なOBがいるので登用しても良いと思うのですが……。指導者の経験はないですが、前田智徳さんもバックネット裏から広島の野球を見続けている。チームを活性化する意味でも、打撃コーチは重要なポジションです。今年の成績を踏まえて、入れ替えが全くないのは危機感が見られないと解釈されても仕方ない」(広島のテレビ関係者)
広島にはかつて、鈴木誠也(現カブス)、菊池涼介、丸佳浩(現巨人)を主力として一本立ちさせたコーチがいた。現在DeNAで野手コーチを務める石井琢朗コーチだ。横浜(現DeNA)の主力選手として長年活躍した後、広島で4年間プレーした。引退後は広島で内野守備走塁コーチを務め、16、17年は打撃コーチとしてリーグ優勝に貢献した。当時広島を取材していたスポーツ紙記者が、石井コーチの指導を振り返る。
「個々がやるべきことを明確に伝えるので、選手が迷わない。質だけでなく、練習量も凄かったです。あと、試合で凡打の質にこだわっていたことも印象的でした。相手バッテリーが抑えにくる中で、気持ちよく打てる打席は少ない。アウトになっても走者を進める打撃ができれば得点の可能性が上がる。あの時の広島は劣勢の展開でも、ビックイニングで試合をひっくり返す破壊力がありました」
■強打者育成が課せられた打撃コーチ陣
結果を残せなければ、コーチ陣に向けられる風当たりも強くなる。朝山東洋1軍打撃コーチは広島一筋でコーチ歴20年の実績を誇る。現役時代に152試合出場で打率.219、8本塁打と目立った成績を残せなかったが、引退後は3軍、2軍のコーチを歴任し、来季は1軍打撃コーチで6年目を迎える。
「走攻守3拍子揃ったセンス抜群の選手でしたが、ケガに泣かされました。コーチに転身後は打撃フォームのズレを修正する能力に長け、熱心な指導で知られます。新井監督とは同学年で、信頼が厚い。今年はなかなか得点が取れなかったので、責任を感じているでしょう。小園海斗、矢野雅哉とチャンスメークする選手は順調に育っているので、クリーンアップを担う強打者をどう育成するか。小窪哲也1軍打撃コーチ、福地寿樹2軍ヘッド兼打撃・走塁コーチ、新井良太2軍打撃コーチと共に課せられた大きなテーマです」
外部補強に頼らない広島は、育成力が生命線だ。田村俊介、佐藤啓介、林晃汰ら若手の成長株が殻を破り、定位置をつかめるか。サポートするコーチ陣の責任は重い。1、2軍のコーチが全員残留という決断が正しいことを証明するためには、結果で証明するしかない。
(今川秀悟)
今川秀悟
9月の頭にはセ・リーグ首位だった我らが広島東洋カープでしたが、その後歴史的大失速に陥り、シーズン終わってみれば68勝70敗5分けの4位でした。「カープはいつリーグ優勝を決めるのか」と、胸を高ぶらせていたカープファンも多かったのではないかと思います。しかし、見事にその期待は裏切られました。
その歴史的大失速の大きな原因は、シーズン通して打線が機能せず、得点力不足に悩まされて、その分投手陣に多くの負担をかけてしまうケースが続いてしまった事だと思います。結果、9月に入って、それまで踏ん張っていた投手陣が崩壊し、打線は相変わらず貧打のままで連敗に次ぐ連敗で、一気にBクラスに転落してしまいました。
どう考えても、打撃コーチの責任は重大であります。なんなら新井監督の進退問題に発展してもおかしくない状況です。しかし、先月24日に発表された来季のコーチングスタッフの発表では、野村祐輔さんが3軍の投手コーチ兼アナリストに就任する以外には、何も変わりませんでした。
信じられないですよね。せめて打撃コーチは異動があるだろうと思っていましたが、朝山コーチ、小窪コーチ共に留任というのは信じられません。カープ球団には危機感がないのでしょうか?「天敵」の対戦チームの投手を作り、毎回同じようにやられるのは、プロ野球の打撃コーチとして失格のレッテルを貼られても何の不思議もありません。
カープがリーグ3連覇していた頃には、石井琢朗コーチがいました。各選手に的確な指示を出していて、打線の破壊力は抜群でした。朝山コーチや小窪コーチにはそんな「試合勘」「勝負勘」があるのかどうか疑問です。ドリヨシ的には、外部から打撃理論に精通した、コミュ力の高い指導者を招聘するべきだと思います。本文にも書いてありますが、高橋慶彦さんや、正田耕三さん、前田智徳さんら、実績ある苦労人がベターではないでしょうか。
ポテンシャルの高い、将来的に1軍の主軸を担う若い野手が多いカープには、育成に長けた指導者がいなくてはなりません。
朝山コーチ、小窪コーチは切腹覚悟で来季に臨まなくてはなりません。もし、シーズンに入っても打線が機能しなかった暁には、シーズン途中でも辞任すべきです。それだけ我々ファンの目は厳しくなっているのは間違いありません。
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