【カープOB・大野豊が語る】早くも始まる来シーズンへの競争。期待される若い投手のさらなる台頭
12/29(日) 19:36配信
アスリートマガジンWEB
プロ2年目のシーズンを迎える常廣羽也斗
現役ドラフトや外国人補強、選手の移籍等を経て、顔ぶれが変化している新井カープ。先発の一角を担った九里亜蓮、中継ぎとして活躍した矢崎拓也が抜ける一方で、新戦力としてチームに加わった面々も。カープOB・大野豊氏が、『変化』を迎える来シーズンの注目選手たちを、独自の目線で解説する。(データは全て12月12日時点)
◆投手・野手ともに選手の顔ぶれが変わった今オフ
秋季キャンプも終わり、現役ドラフトや選手の移籍など来季に向けた動きが活発になってきました。12月12日には九里亜蓮のオリックス移籍が発表され驚いたファンも多かったのではないでしょうか。
とはいえ、九里が海外FA権を行使した時点で、いわゆる先発4本柱のうちの一人が抜けることは決まっていましたから、若い投手陣にとっては大きなチャンスです。九里の抜けた部分に割り込んでくる投手は誰なのか。そこを予想するのも楽しみの一つです。先発候補として名前が挙がる投手はたくさんいますが、まず大瀬良大地、床田寛樹、森下暢仁の3人は間違いないでしょう。そこに、森翔平や玉村昇悟に割って入ってきてもらいたいですし、黒原拓未や斉藤優汰、常廣羽也斗といった若い投手にも注目したいところです。非常に期待感のある顔ぶれでもありますから、春季キャンプで彼らがどのようなアピールを見せてくれるは、楽しみにしたいと思います。
12月9日に行われた現役ドラフトでは、オリックスから内野手・山足達也、日本ハムから投手・鈴木健矢を獲得しました。カープからは、矢崎拓也のヤクルトへの移籍が決まっています。今シーズンの矢崎を見る限りでは、今のカープで登板数を増やしていくのはなかなか難しいのではないかと感じていました。期待をされてヤクルトに行くわけですし、神宮球場は慶応大時代から親しんだ球場でしょうから、新天地でぜひ頑張ってもらいたいと思います。
現役ドラフト1巡目で獲得した山足は、来年でプロ8年目を迎える内野手です。ドラフト会議でも1位で青山学院大から内野手の佐々木泰を獲得し、外国人選手も、内野手のエレフリス・モンテロを獲得しました。かなり新しい顔ぶれが増えた印象ですから、内野の争いも激しくなっていくでしょう。今までいた選手たちも油断ができません。ポジションをつかみ取るためにどこまでパワーアップできるかが重要になります。現役ドラフト2巡目で獲得した鈴木は、変速アンダースローの投手です。チームにいないタイプの投手ですから、中継ぎで機能する可能性も大いにありえます。そういう意味では、先発だけでなく、リリーフ陣の競争もさらに厳しくなることが予想されます。投手陣に関しては、来年に向けて非常に楽しみがあると感じています。(後編に続く)
広島アスリートマガジン編集部
カープのレジェンドの大野豊さんが来季のカープについて展望しています。
投手陣については、先発はFAでオリックスに移籍した九里投手の穴を誰が埋めるかという事になりますが、ドリヨシが考えるその候補の筆頭は常廣投手です。常廣投手はルーキーイヤーの今季、1軍には2試合に登板し、1勝0敗、防御率2.45でした。9月15日のマツダスタジアムでのDeNA戦にプロ初登板初先発を果たし、5回92球を投げ、7安打1失点の粘投でプロ初勝利を挙げました。チームはまさに大失速の最中でしたが、常廣投手はチームの連敗を6で止める働きを見せてくれました。そのピッチング内容には、大学ナンバーワン投手の片鱗を見た感じがします。来季は1軍の即戦力右腕としての活躍が期待されます。次に挙げたいのは森投手です。今季は1軍に5試合先発登板し、1勝3敗で防御率2.70でした。内容は素晴らしかったものの、味方打線の援護がなく、涙を飲むケースが多かったですね。来季は床田投手に次ぐ左腕として期待しています。あとは大野さんが挙げている黒原投手や斉藤投手、玉村投手も台頭してくれば、先発投手陣の層は一層厚くなるのは間違いないですね。
中継ぎ投手陣も競争の激化は必至です。矢崎投手が現役ドラフトでヤクルトへ移籍したのは我々カープファンとしてはかなりショックでした。来季の中継ぎ投手陣は大丈夫かと思いましたが、これも若手投手がレベルアップしつつある中で、逆にかなり充実しそうな予感がします。守護神は栗林投手で決まり、セットアッパーには島内投手とハーン投手の2枚(ドリヨシ個人としては、栗林投手を先発に回して、ハーン投手を守護神にしてもいいかなと思う訳です)で起用するのかなと思います。あとは森浦投手、塹江投手をはじめ、新戦力として滝田投手や高投手、長谷部投手、さらには現役ドラフトで日本ハムからカープに移籍してきた変則アンダースロー右腕の鈴木投手も中継ぎ投手としての活躍が期待されます。アドゥワ投手やケムナ投手、中ア投手や遠藤投手もウカウカしてはいられません。それにしても、いつの間にか左腕投手が増えましたね。
野手陣では、新戦力に期待がかかります。今年のドラフトで、1位に青山学院大の佐々木選手を獲得し、さらに4位に富士大の渡邉選手を獲得しました。両選手も右の即戦力の大砲候補です。ドリヨシ的にはこの2人が新たに1軍スタメンに名を連ねて欲しいと思います。新外国人として、モンテロ選手とファビアン選手を獲得しました。今度こそと期待のかかる外国人選手ですが、日本の野球にアジャストできるかどうかは全くの未知数です。活躍出来れば儲けものというくらいに思っておくべきかなと思います。むしろ、ドリヨシが期待しているのは若手の内田選手と仲田選手の右の大砲候補2人です。この2人の選手は今季レギュラーシーズン最終戦のマツダスタジアムでのヤクルト戦でプロ初ヒットを放ち、華々しいデビューを果たしました。ポテンシャルの高さを感じた打席でした。この2人の来季のブレイクを期待しています。
大野さんのカープの来季の展望は次回に続きます。
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