ストレスは体に悪くて色々な病気の原因になったり、老化を促進し、寿命を短くするなんて話が書かれていました。
あぁ恐ろしい。
以下、ストレスが引き起こす色々な病気についてまとめてみました。
@糖尿病
人間が不安や恐怖を感じると、まず好き嫌いなどの感情を制御する「偏桃体」が興奮を始めます。
その「偏桃体」から不安や恐怖に対処せよという命令が自律神経機能の中枢である「視床下部」というところに伝えられます。
「視床下部」は「副腎」に対してストレスに対処せよ、と指令を出します。
すると「副腎」はアドレナリンやノルアドレナリン、コルチゾールなどのホルモン物質を分泌します。
アドレナリンは血中に放出されると心拍数や血圧を上げます。
また、ノルアドレナリンは神経を興奮させる作用があります。
そして、コルチゾールというのは低血糖時に「肝臓での糖申請を促す」役割を担っているのですが、慢性的にコルチゾールレベルが高すぎると「血糖値の上昇・高血糖」をもたらします。
そのため、慢性的なストレスは糖尿病(血糖値が高い病気)の原因となるのです。
A免疫力の低下
コルチゾールは免疫力を低下させ、炎症を抑えるという役割を担っています。
(免疫力が高すぎると体内に入った細菌やウィルスに対処するため、腫れや熱を引き起こすので、コルチゾールはステロイドとして処方されます。)
慢性的なストレスは免疫力が低い状態が続いてしまい、風邪やインフルエンザにかかりやすくなってしまいます。
Bうつ病
コルチゾールは副腎から分泌され、血流に乗って全身を循環し、最終的に脳で吸収されます。
ところが、ストレスが高い状態が続くと脳にコルチゾールがあふれてしまいます。
すると、脳の「海馬」というところが委縮してしまうのです。
「海馬」というのは記憶を司る大切な機関です。
情報を記憶したり、記憶している情報を取り出したりします。
ここがダメージを受けると、記憶力が悪くなったり、色々と思い出せなくなったりします。
そして何より、人からやる気も奪ってしまうのです。
やる気というのは、「視床下部」から出てきて「偏桃体」と「海馬」に伝わります。
「偏桃体」で好きか嫌いかを判断し、「海馬」でそれをやる事でどうなるかを過去の記憶をたどり判断し、最終的に意欲となるのです。
ストレスが多い場合、まず「偏桃体」は不安や恐怖でパニック状態です。加えてコルチゾールのせいで「海馬」も委縮してしまっているのでやる気はどんどん失われてしまうそうなのです。
※うつ病といえば、モノアミン仮説(セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンの不足でうつ病になるという仮説)が有名ですが、それですべてのうつ病を説明できるわけではなく、まだ未解明の部分が多いのだそうです。
ただ、このように体に悪影響ばかり与えるように見えるコルチゾールですが、体に害ばかりなすというわけではないのです。
@の血糖値の上昇も、敵が来た場合体に糖というエネルギーを行きわたらせ、戦ったり逃げたりするためのものだし、
Aの炎症を抑えるというところも、炎症のため熱や腫れがあったら敵と戦うときに不利だからだし、
Bの脳でコルチゾールが吸収されるというのも、本来は敵が去りもう安全になったということを最終的に脳に伝えるためのものなのです。
縄文時代などの場合は、敵が来ても危機的状況はそんなに長期間続かなかったので、これで問題はなかったわけです。
つまり問題なのは、コルチゾールではなく、コルチゾールが長期間分泌されてしまうような環境であるといえるわけです。身体にとっては想定の範囲外の異常事態なのです。
ちなみに、「偏桃体」は「海馬」と違い、時間軸での記憶ではなく感情の記憶に左右されます。
だから、過去に起きた嫌なことを思い出すことでも、「偏桃体」は今嫌なことが起きているように感じてしまうそうです。
ストレスが高い状況だと、それを家で一人でいる時も思い出して嫌な気持ちになってしまうことがありますが、「偏桃体」はそれに反応し、結果としてストレスホルモンが分泌されてしまうということですね。
キラーストレス―心と体をどう守るか (NHK出版新書 503) 新品価格 |
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村