人類の脳がテクノロジーに追いついていないために起きる悲劇の一つにSNSでの芸能人などに対する誹謗中傷があるんじゃないかと思います。
そもそも、人間の脳と言うのは人の顔にとても敏感にできています。
目と鼻と口に見えるものを顔だと思ってビックリするのは、人間の脳がそれだけ顔というものを重要視し、そこから攻撃性や感情などを読み取ろうとするからなのでしょう。
そして、人間の脳は写真やテレビに映っている顔が、身近な人なのか遠い存在の人なのか判断できません。
なので、テレビなどでよく見る芸能人などに対して脳は勝手に「よく見る人だから知り合いなのだろう」と勘違いするらしいです。
だから、好きな芸能人に対しては親しみがわきやすく、嫌いな芸能人に対しては憎しみが湧きやすいんでしょうね。
それが自分と遠い世界の人だとは判断できないので。
インターネットがない時代はそれでもいくら視聴者が親しみや憎しみを持っても、芸能人と言うのは手の届かない遠い世界の存在でした。
その物理的な限界が、芸能人と一般人を隔てる壁となっていました。
しかしインターネットが発達し、SNSが登場すると事態は変わってきます。
芸能人と一般人はネット上で直接やり取りすることが可能となったのです。
SNSと言うのは芸能人にとってもろ刃の剣のようなものだと思います。
そもそも芸能人になるような人は、承認欲求が強い目立ちたがり屋です。
そういう彼らですから、自分のSNSへの投稿に寄せられるいいねや賞賛はものすごい快感でしょう。
でも、注目される人に寄せられるのが賞賛ばかりとは限りません。
常日頃からその芸能人に対して憎しみを抱いていた人にとっては、SNSは攻撃するための格好の道具となってしまいます。
言葉と言うのは恐ろしい武器になり得ます。
たとえ口頭ではなく文字として記載された言葉であっても、人はダメージを受け、酷い場合は自殺の原因にもなります。
身体で言えば、人を傷つける行為は傷害罪です。それが原因で命を絶ったら広い意味での殺人罪です。
なぜナイフで人を刺して傷つけたり殺したりしてはいけないと分かっているのに、誹謗中傷はいいと思ってしまうのでしょうか。
誹謗中傷しやすい人というのは、「冷静に考える」「客観的に考える」「俯瞰する」などが苦手人、つまりメタ認知が苦手な人、とも言えるんでしょう。
(そういう人は、誹謗中傷以外にも身近な人間関係でトラブルを抱えていた可能性もありますね。)
少なくとも、自分がネットに書き込んだ内容を、家族や学校の友人や会社の同僚が見たらどう思うか、という視点を意識しながらネットへの書き込みは行った方がいいですね。
冷静になれない時はいったんSNSを離れるのもいいと思います。
にほんブログ村