トラウマとはどういうことを意味するのでしょうか。
記憶のネットワークには5つの要素があると言われています。
@認識の記憶
例:私が悪いんだ
A情動の記憶
例:怖い、悲しい、つらい、腹立たしい
B身体感覚の記憶
例:身体が震える、緊張する、心臓がドキドキする
Cイメージの記憶
例:他人の笑う顔、無視する顔、にらむ顔
D聴覚の記憶
例:クスクスと笑う声、チャイムの音
通常の記憶では、これら5つの記憶のネットワークはひとまとまりのセットになっており、そのまま脳の中で、「長期記憶の倉庫行き列車」に乗って情動処理(代謝)されていきます。
「情報処理される」とは、日常的な感覚としては「ごく普通に忘れていく」ということを意味しています。
ところが、衝撃を受けたときの外傷記憶では、これら記憶のネットワークがバラバラに切り離されることがあります。
このバラバラになるという作業が、脳が自動的に身を守るための「解離の防御」なのだそうです。
この防衛反応のおかげで、危機的場面においても冷静に対処することができます。
そのため、「解離の防衛」とは、ある意味「能力」でもあります。
しかし、このようにバラバラにされた記憶の諸要素は、バラバラであるがゆえに「長期記憶の倉庫行き列車」に乗ることができません。
つまり、乗り遅れた記憶のネットワークの断片は、「過去の記憶」になることができずに「現在」という時間の中でさまよい始めるのです。
すると、何らかの刺激(チャイムの音やにらむ顔など)が引き金になって、これらのバラバラな記憶をリアルによみがえらせるという現象を引き起こすのです。
それがフラッシュバックです。
そのため、衝撃的な外傷記憶をもたらした事象の際感じていたはずの情動(怖い)や、身体感覚(体が震えて固まる)が、「過去」の事でありながらも「現在」においてリアルの再現されるのです。
なお、トラウマを治すには、バラバラに切り離されていた記憶の要素を、ふたたびひとまとまりの記憶のネットワークに接続しなおし、「長期記憶の倉庫行き列車」に乗せる(=情報処理させる)ことが必要です。
ということなので、もう一度つらい体験を「再体験する」ことが必要となります。
これは、セラピーを受けるということになるのですが、今まで身を守るために解離させていた情動や身体感覚を一気に曝露することになるので、セラピストとして高度な技量が求められるものなのだそうです。
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私は、ちょっとした失敗をした!と思った瞬間に、血管なのか心臓なのか、わからないけどギュッと縮む感じがして、その後耳鳴りがしてくるということが以前はしょっちゅうありました。
フラッシュバックなのかな。
悪夢もよくありました。
最近はずっとないので、だいぶ回復しているのだと思います。