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城用語 多聞櫓(たもんやぐら) [2023/11/30 21:40]
多聞櫓とは、石材等の土台の上に乗せるように築く細長い櫓建築物を指します。
実例を見た方が伝わり安いですね。
<三十間長屋>さんじっけんながや
金沢城の見どころのひとつ「三十間長屋」です。長屋と言っても住むところではなく武器庫です。この建物も、形状で分類すると多聞櫓になります。見ての通り、土台は石垣になっています。
三十間長屋は独立した建物ですが、城門や他の櫓とつないで造られるケースもあります。
<五十間長屋>ごじっけんながや
こちらは同じく..
城用語 腰曲輪(こしくるわ) [2023/06/01 21:40]
腰曲輪とは主要な曲輪を強化するために、そのすぐ近くに設ける小規模な曲輪のことです。
<久留里城の腰曲輪1>
久留里城の久留里曲輪で腰曲輪に関する説明板をみかけました。ここでは『本丸など主要な曲輪の外側にあるものを「腰曲輪」という』と説明されています。
同じ城の別の例を見てみましょう
<久留里城の腰曲輪2>
こちらは同じく久留里城の波多野曲輪です。天守がある本丸のすぐ下に位置していることが分かりますね。斜面の上が主たる曲輪であるのに対し、そのすぐ下..
城用語 模擬天守・復興天守・復元天守・現存天守 [2023/02/26 21:20]
模擬天守とは
⇒実在とは異なる天守
復興天守とは
⇒手がかりがないため他の天守を参考に築いた天守
復元天守とは
⇒図面などを基に再建した天守
現存天守とは
⇒江戸時代以前から残っている天守
天守の呼び方4種類をおおまかに定義するとこのようになります。できる範囲で誤解を避けるために、もう少しだけ補足させて頂きます。
■ 模擬天守 ■
実在とは異なる天守
<富山城>
天守が実際には存在していない(または確認できない)城に建設した天守を指します。..
城用語 武者走り(むしゃばしり) [2023/02/25 21:15]
武者走りとは、城内で兵が移動するめための通路を指す言葉です。具体的には、土塁などの上に設ける平らなスペースで、更に城の外側ではなく内側のスペースを指します。
[撮影:若松城]
武者走りというと、この画像をよく見かけます。説明板のタイトルも武者走りとなっていますが、これは石段そのものを指しているのではなく、登り降りを楽にすることで、石垣の上も含めて城兵が移動しやすい工夫が施されていることが説明されています。
別な例でもう少し説明させて頂くと
[撮影:..
城用語 土橋(どばし) [2023/02/25 21:11]
城でいうところの土橋は、堀などを横断できるように設けられる土の通路を指します。土を盛る場合もありますが、普通は堀そのものを掘る際に、一部を掘り残すことで設けられます。
[撮影:諏訪原城]
曲輪と曲輪の間に設けられた土橋跡
[撮影:名胡桃城]
こちらは二の丸から本丸へ渡るための土橋跡。右手奥が本丸側です。現在は安全のため木の橋で補強されていますが、私の訪問時は土のままでした。
[撮影:滝の城]
土橋が設けられている場所は重要ポイントとなってい..
城用語 堀切(ほりきり) [2023/02/25 21:07]
<堀切>ほりきり
[撮影:高天神城]
堀切とは、山に城を築く際に、尾根を断ち切るようにして設ける堀のことです。険しい山は尾根道を通るに越したことはありませんが、これを遮断することで、攻め手の速やかな行動を妨害する効果があります。
<尾根を遮断する堀切>
[撮影:金山城]
山城の尾根を遮断することが堀切の基本ですが、地続きの曲輪と曲輪をそれぞれ独立させるために溝を設けたり、上部が移動可能な土塁にあえて切れ目を入れる場合なども、堀切と呼びます。大き..
城用語 鏡石(かがみいし) [2023/02/25 21:00]
近世城郭の石垣には、石の表面が平らで、他と比較にならない大きさの石材が使用されている場合があります。これを鏡石と呼びます。
<石垣の鏡石>かがみいし
[撮影:富山城]
石垣の構造上必要か?といえばそうでもなく、どちらかと言えば見た目重視の石材です。権力の象徴であり、特に近世城郭の入り口付近でよく目にします。
<城門の鏡石>
[撮影:若松城]
こちらは通路でもある城門跡。訪れる者に城主の威厳を示すための重要な場所です。そのツールとして使われ..
城用語 横矢掛かり(よこやがかり) [2023/02/19 21:37]
■ 横矢掛かり ■ よこやがかり
横矢掛かりとは、外敵を側面から攻撃するための仕掛けのことです。
側面からの攻撃を「横矢」といい、側面から攻撃することを「横矢を掛ける」といいます。そして、横矢を掛けるために壁や塁などに設けた構造を横矢掛かりといいます。
<横矢掛かり>
[撮影:若松城]
具体的には、城壁や土塁を意図的に折り曲げ、近寄る外敵を側面から、あるいは正面と側面の両方から狙い討ちできる構造のことをいいます。
<城壁を折り曲げる>
[撮影:江..
城用語 隅石(すみいし) [2021/11/30 22:50]
今回は石垣の話でよく耳にする隅石(すみいし)という言葉についてです。簡単に言えば、
石垣の面と面が出合う角に据え付けられた石のことです。
〈山形城の石垣〉
見事な石垣です。石を組み上げて作られた壁が石垣、角に位置する石を隅石といいます。『角石』と表記して、意味も読み方も同じように扱っている場合もあります。ただ、角石は厳密には『かくいし』と読み、四角い石材のことを指しています。
<山形城の説明板>
この説明板がきっかけで隅石をブログで紹介しようと思いま..
城用語 石曳(いしひき)・修羅と呼ばれるソリ [2021/11/29 22:55]
今回は「石曳き」についてです。城用語に分類するのもちょっとヘンですが、石垣関連の話で時々耳にする言葉であることと、意味は何となく分かりながら、具体的な方法がイメージしにくいかと思い、あえて紹介させて頂きます。
では
いきなり説明板の絵図を
<石曳きの説明板>
こちらは山形城に展示される石曳きの絵図です。一目瞭然ですね。石垣に使用する石材を人の手でひいて運ぶ。だから石曳き(石引き)。意味は言葉のままですね。問題は具体的な方法。絵図には、石材を木製のソリのよう..
城用語 天端石・間石・飼石・裏込(栗石)・根石 [2020/11/09 22:29]
今回は石垣の石のそれぞれの呼び名についてです。
<浜松城の説明板>
出典は100%この説明板です!右側の『野面積み』については別途投稿させて頂きましたので、今回は左下の石の呼び名について。
<実物>
浜松城の石垣。石を加工しないで積み上げる野面積みです。適当に積んでるわけではなく、石それぞれに役割があります。
<説明板拡大>
分かりやすい!では説明板にそって微力ながら補足させて頂きます。
■天端石■てんばいし
絵図を見ての通りですね..
城用語 堀障子(ほりしょうじ) [2020/08/09 05:50]
堀の底を細かい区画に仕切るために設ける障害物を堀障子といいます。障子にはもともと「隔てるもの」という意味があります。その「隔てるもの」を堀の底に設けるから堀障子。家庭にある障子のようだからというのは誤解です。
<発掘調査の写真>
[出典:岩槻城址公園説明板]
ここは岩槻城跡。発掘調査の結果、曲輪と曲輪の間の堀で、掘底に堀障子が確認されたようです。
<発掘調査の場所>
こちらで見つかったのですね。発掘調査が終わると埋め直してしまうので、残念ながら実..
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