<二の丸稲荷社>
御祭神は宇賀御霊神。いわゆる稲荷神社です。
<説明板>
忍城二の丸に祀ってあった。説明もそのままですね。明治になってから、諏訪神社境内に移されたようです。興味深いのはその次の文言。『永禄年間(西暦一五六〇年頃)忍城主の成田長泰が見返曲輪内に、若い時に殺生した狐の親子を祀ったものといわれている』とのこと(『』内は原文)。
この情報だけで判断すると、成田氏の時代の見返曲輪(みかえりくるわ)とは、近世城郭となった忍城の二の丸ということで良いようです。また、移転先である諏訪神社境内は、かつての諏訪曲輪です。
成田長泰といえば、小田原北条氏や越後の上杉氏といった巨大な勢力に翻弄されながらも、忍城を拠点に所領を守り続けた戦国武将です。若い頃の無益な殺生を思い出し、純粋に心を痛めたのか、あるいは狐の祟りを恐れたのかはわかりません。いずれにせよ、乱世を生きた武将の願いがこの稲荷社の始まりであり、近世を経て廃城となった城跡にいまでも祀られている。この地に刻まれた歴史の深さを感じずにはいられません。
<忍諏訪神社>おしすわじんじゃ
こちらは諏訪神社
<忍東照宮>おしとうしょうぐう
こちらは東照宮です
諏訪神社と東照宮を目当てに訪問する人が多いと思いますが、当ブログがきっかけで、小さな稲荷社にも手を合わせる方がいれば嬉しいです。
■訪問:二の丸稲荷社
(忍諏訪神社境内)
[埼玉県行田市本丸]12-5
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■参考・引用
現地説明板(大野建設)
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