2021年02月17日
春日神社境内ナギ樹林
春日神社境内ナギ樹林
竹柏、すなわちナギは、春日大社の境内を埋め尽くすように一面に生息しているが、天然記念物指定範囲は、本殿の東側、春日御蓋山(みかさやま)(標高297m)の西斜面のほぼ純林状のナギ林の一部である。ナギはもとからこの地に生息していたものではなく、春日大社創祀にあたって献木されたものが、シカが食べないので、むしろシカがナギを守ったという形になって、どんどん増えて純林状になったと考えられている。
ナギは裸子植物で、常緑針葉高木であるが、葉は楕円形をなし、葉脈は平行に走っている。雌雄異株、花は五〜六月ごろ咲き、種子は球形で径1センチ前後、十月に熟する。耐陰性があり、散布された種子はよく発芽し、シカに食べられることもなく繁殖する。種子は通常、重力散布によるが、結実期が台風期でもあり、時には風に乗って遠方に飛ぶことがあり、立地さへ良ければそこで発芽する。そのもっとも具体的な事例が、春日山原始林内にナギが繁殖していることである。春日大社の境内でも御蓋山の東斜面や、西側の飛火野へ勢力を拡大している。(奈良市春日野町)
By やまと まほろば通信
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