2021年02月16日
知足院(ちそくいん)ナラノヤエザクラ
知足院(ちそくいん)ナラノヤエザクラ
東大寺の塔頭、知足院の裏山崖上の八重桜がナラノヤエザクラと命名され、天然記念物に指定されている。当時、東京帝国大学教授であった三好学博士が、伊勢大輔が詠んだ古歌、
「いにしえの 奈良の都の 八重桜
けふ九重に 匂ひぬるかな」
の八重桜を探し求め、大正十一年に、やっと発見された。ナラノヤエザクラは、ほかの八重桜より開花が遅く、四月下旬から五月上旬になる。蕾は濃紅色を帯び、開花すると淡紅色で、むしろ白味が強いが、終わり近くなると花弁に紅色を増してくる。花弁の数は二十〜三十五枚ある。(奈良市雑司町)
しかし、平成二十一年に強風で倒れたため、株から芽吹きを期待しながら観察したが、新たな芽吹きはなく、枯死が確認された。
そのため、昭和六十二年から県森林技術センターが組織培養して育成し、平成十九年に同じ遺伝子であると確認されていた成木が指定地に移植され、平成二十六年四月に「知足院ナラノヤエザクラ」として蘇った。
By やまと まほろば通信
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