2021年02月15日
春日山原始林(特別天然記念物)
春日山原始林(特別天然記念物)
春日山は奈良市の市街地の東側に屏風のようにそびえる標高 498mの南北に長い山地である。古くから禁伐林として保護されてきた原始林である。低標高にはイチイガシの巨木が多く、やや乾燥した斜面や小尾根にはコジイ(ツブラジイ)林が広がり、やや湿った山腹にはツクバネガシが優占し、主山陵にはアカガシの巨樹が見られる。山中にはカギカズラ、ウドカズラ、テイカカズラなどの暖地性の蔓植物、ホオノキ、ウラジロノキ、ブナなどの温帯性の樹木が生育しており、春日山は標高が高くはないが、複雑な地形が反映したものである。
近年、「奈良のシカ」の増加によって春日山内にもシカが増え、口に合う林床植物を食べるため、裸地が広がり、飛散した増殖力が高くて、シカが好まない植物の種子が発芽・生長し、林床を覆うに至っている。国外外来種であるナンキンハゼ、国内外来種(この地域には自生しているとは考えられないが、国内の他地域に自生している種)であるナギが増えている。この現象は大型の台風の通過路になった後に見られたが、最近ではシカが樹皮を食べるために剝ぐので、特に照葉樹の枯死が見られるようになった。(奈良市春日野町)
鶯の滝
※
ユネスコ世界遺産の古都奈良の文化財の構成要素のひとつでもある。
日本の奈良県奈良市内にある8件の地域遺産(神社仏閣6〈神社1、仏閣5〉、史跡・名勝1、天然記念物1)
By やまと まほろば通信
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