2020年05月16日
み吉野の 耳我(みみが)の嶺に 時なくそ・・・
雪は降りける 間なくそ 雨は降りける
その雪の 時なきがごと その雨の
間なきがごとく 隈もおちず
思ひつつぞ来し その山道を」
(作者 天武天皇『万葉集』巻1-25)
み吉野の耳我の嶺に、止む時なく雪は降っていた。
絶え間なく雨は降っていた。
その雪の止む時もないように、
その雨の絶え間もないように、
道の曲がり角ごとに
ずっと思いながら来たのだ、
その山道を。
吉野郡の地ですが、「万葉集」では、主として、吉野離宮のあった宮滝を中心とした一帯をさします。応神天皇以来、聖武天皇までしばしば行幸があり、斉明・天武・持統など各天皇の離宮もここにありました。中でも持統天皇の行幸は在位中31回におよびます。「み吉野」の「み」はほめ詞。接頭語「み」を地名に冠するものは、万葉集では「吉野」「熊野」「越(こし)」に限られる。異境であり神聖な地と考えられたからです。
壬申の乱をむかえる前、天智天皇の後継を辞退して、吉野に出家隠遁した時のことを歌った時のことを歌った天武天皇の御製。
By やまと まほろば通信
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