2021年04月15日
金峯山寺蓮華会(きんぷせんじれんげえ)
金峯山寺蓮華会(きんぷせんじれんげえ)
蛙とび行事
@吉野郡吉野町吉野山
日時:七月七日
場所:金峯山寺
桜の名所吉野山の金峯山寺では、七月七日に蓮華会が行われる。本堂である蔵王堂本尊に、大和高田市奥田の蓮池で採られた蓮の花を供え、翌八日に大峯山中の各所にも花を献じる行事である。この法会には着ぐるみの蛙が登場するので一般には蛙とびと呼ばれて親しまれている。
七月七日午前、役小角の母が住んだとされる大和高田市奥田で、山伏や信徒たちが見守るなか、船に乗って蓮の蕾が切り取られ、大護摩供が行われてから吉野山に運ばれる。奥田での蓮取りは、史料からは十五世紀半ばまで遡ることができる。その際には「延年」という芸能も演じられていた。同日午後には蛙の乗った布団太鼓に迎えられて、蓮取りの一行は蔵王堂に入り、内陣祭壇に蓮華が供えられる。その後、願文奏上・法華懺法・繞堂・供華・散華とすすめられ、終わると堂外の仮設舞台(もとは堂内)で、蛙が跳びながら大導師(管長)や吉野一山の僧の前で経文の読誦を受け、最後はもとの人間の姿に戻る。
寺伝では延久年間(1069〜1074)に神仏を侮っていた男が、金峯山に登り蔵王権現や仏法を謗る暴言を吐いて、たちまち大鷲にさらわれ、断崖絶壁の上に置き去りにされたのを、金峯山の高僧が蛙の姿に変えて助け、蔵王堂で一山僧侶の読経によって、もとの姿に返したという。蛙とびそのものについては、山伏の「験競べ」とする見方、僧侶が演じた延年芸能とみる見方、蛙を「護法」とみる見方などがある。
By やまと まほろば通信
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