2021年03月08日
奈良の花の名所 【 椿 】
椿
「巨勢山の つらつら椿 つらつらに
見つつ偲はな 巨勢の春野を」
と万葉集で椿といえばまずこの歌が思い浮かぶ。
繰り返す言葉のリズムには神霊のこもる木として「古事記」にも登場する。つやつやと光る常緑の葉、藪椿の素朴な赤は古代人にとっては大切なき。その実からは良質の油、樹木の灰汁は染色の際、媒染剤として重用された。巨勢山あたり(御所市古瀬)では今も椿が多い。
奈良には椿の名所があるが、中でも東大寺開山堂に咲く紅色に白い絞りを入れた大輪の「糊こぼし」、白毫寺の1本の木にさまざまな花を咲かせる「五色椿」、伝香寺の1枚ずつ花びらを散らす「散り椿」は大和三名椿として知られている。
東大寺二月堂のお水取りで造られる椿の造花は「糊こぼし」を形作ったもの。「散り椿」は武家が首を落とすと椿をきらう中、花びらを散らすところから「武士(もののふ)椿」とも呼ばれる。
【 花の名所 】
東大寺開山堂(奈良市雑司町) 糊こぼし
白毫寺(奈良市白毫寺町) 五色椿
伝香寺(奈良市小川町) 散り椿
護国神社(奈良市山村町)1000種1万本
椿寿庵(大和郡山市池之内町)1000種6000本
椿山山の辺(桜井市慈恩寺)1000種1万本
By やまと まほろば通信
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10584783
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。