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鞍の上の生活へ帰ろう

 今回は、Alvin Crowのカウボーイ・ソング集を聴きました。
 まあ、ウエスタン・ソング集でも、アメリカーナ集と呼んでもいいと思います。
 収録曲は、古くからの伝承曲と西部劇の劇中歌などが中心だと思われます。 

  
Cowboy 1
Alvin Crow & Pleasant Valley Boys

1. Big Iron  (Marty Robbins)
2. Streets Of Larredo (P.D)
3. Riding Down The Canyon (Gene Autry, Smiley Burnett)
4. El Paso (Marty Robbins)
5. Ghost Riders In The Sky (Stan Jones)
6. High Noon (Dmitri Tiomkin, Ned Washington) 
7. Back In The Saddle Again (Gene Autry, Ray Whitley)
8. Out On The Lonely Prairie (Harry S. Miller)
9. Coming Back To Texas (Kenneth Threadgill)
10. Bright Sherman Valley (P.D.Traditional)
11. Strawberry Roan (Curly Fletcher)
12. Patonia (P.D.Traditional)
13. Ruinning Gun (Tom Glasser, Jim Glasser)

 Alvin Crowは、Takoma時代のSir Douglas Quintetのメンバーで、主にフィドルを弾いていた人です。
 Quintetを離れてからは、ウエスタン・スイング・バンドを率いて活動していました。

 本作は、録音時期は不明ですが、ホンキートンク・バー(?)"Brocken Spoke"でのライヴ録音をもとに、楽器やコーラスのダビングなどがなされているようです。
 参加メンバーは、以下の通りです。

Alvin Crow : vocals, fiddle, guitar, mandocaster
Rick Crow : guitar, vocals
Don Bacoch : bass
John Chandler : drums
Scott Wall : Steel
James M. White : vocal

 今回も、Bobby Earl Smithの参加はないようです。

 私は、さほど西部劇に詳しくないのですが、"High Noon"の名前くらいは知っていました。
 この曲は、邦題「真昼の決闘」のテーマです。
 馬がトロットするような、随分とのどかな曲調です。
 とても「決闘」とは結びつかない感じですね。

 私は、かつてLP数枚組の「スクリーン・テーマ選集」みたいなのを持っていて、この曲も聴いていました。
 (廃棄していないはずですが、所在不明です。)
 
 "Streets Of Larredo"は、邦題「ラレド通り」でしょうか。
 TV西部劇「ラレド」の主題歌らしいです。
 「ラレド」は、メキシコとの国境近くの街で、国境を超えたメキシコには、ダグ・サーム作の曲名にもなった街「ヌエボ・ラレド」があるのでした。

 リオ・グランデ川の流域にあり、ジョン・ウェインの映画「リオ・ブラボー」を連想します。
 このアルバムには選ばれていませんが、「リオ・ブラボー」で、ディーン・マーチンとリッキー・ネルソンが弾き語りするシーンが好きでした。
 特にリッキーの歌が好きで、曲名が思い出せないのが残念です。

 "Ghost Riders In The Sky"は、「天駆けるカウボーイの亡霊」なのでしょうか。
 イ・ピ・ヤー、エー、イ・ピ・ヤーオーのリフレインが耳に残ります。
 ネオロカの(テッズのが正しいですか?)Matchboxのバージョンを思い出します。

 ジーン・オートリーの曲が数曲チョイスされており、さすが歌うカウボーイを代表する存在だと思います。
 私が知っているのは、やはり"Back In The Saddle Again"です。
 多くのコンピにも選曲されている名作です。

 ここでは、原曲よりテンポをあげて、ロッキン度が増したアレンジになっています。
 出典の映画があるのか知りませんが、いろいろとイメージを膨らませてしまいます。

 「また鞍に戻ろう」ですが、かってにストーリーを作ってみました。
 酒浸りの初老のガンマンが、若い流れ者の無法に堪忍袋の緒を切って、一人無謀な闘いを挑む、というストーリーはいかがでしょう?

 全くの思いつきをいってますが、私は、英国の作家、ギャビン・ライアルの「深夜プラス1」や「もっとも危険なゲーム」が大好きで、つい妄想を爆発させてしまうのでした。

 彼が書く物語は、シニカルな面を差し引けば、西部劇の名作に通じるものがあると思います。 
 ライアルが得意としていたのが、「引退したプロと現役最高のアマチュアとの対決」といったシチュエーションでした。

 さて、カウボーイ・ソングを代表するシンガーとして、マーティ・ロビンスの作品も2曲取り上げられケています。

 "Big Iron"は、でっかい銃を指すのだと思いますが、無法者とテキサス・レンジャースの対決を描いた歌だったと思います。
 テキサス・レンジャースは、もともとは自警団的なものだった(?)と聞いたことがあります。
 ダグ・サームには、"Texas Rangers Man"という曲がありました。

 そして、"El Paso"です。
 この曲こそ、マーティのカウボーイ・ソングの代表曲でしょう。 
 美しいメキシコ娘をめぐる、恋のさや当てを描いた歌です。

 思い余って、恋敵を射殺してしまったた主人公は、後ろ髪を引かれながら街を抜け出しますが、恋人への想いを断ちがたく、追手が迫る街へ続く道を引き換えしていくのでした。
 原曲では、メキシカン風味たっぷりのトレモロ・ギターが素晴らしかったです。
 ここでも、その雰囲気をだそうと頑張っています。
 
 ところで、作者名に、P.Dとあるのは、パブリック・ドメイン(public domain)のことで、通常は著作権期限切れの楽曲を指すのだと思います。
 単なるP.D.と、P.D.Traditionalとの区別が興味深いですね。
 伝承曲は、もともと作者不詳だと思うのですが…。
 
 いずれにしても、オールド・タイミーなスタイルの曲には和まされます。



Blues Brothers 2000でのGhost Riders in the Skyです。



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可愛い七つの子はフィドル弾き
ロッキン・レオンのふるさと




ケイティを捕まえて

 今回は、全く別のアルバムを取り上げようと思っていたのですが、Obinさんの記事を読んだところ、やみくもにあるアルバムが聴き返したくなり、急きょ頭に浮かんだCDを引っ張り出してきました。
 それは、Albert Kingの"Lovejoy"です。

 これを初めて聴いた当時、私は、Albertの"I'll Play The Blues For You"に痺れまくっていて、こういうメロウなブルースがもっと聴きたいと渇望し、第二の"I'll Play〜"を求めてこのアルバムを手に取ったのでした。

Lovejoy
Albert King

1. Honky Tonk Women (M.Jagger, K.Richards) *
2. Bay Area Blues (Donald "Duck" Dunn, Don Nix) *
3. Corrina, Corrina (Don Nix) **
4. She Caught the Katy (And Left Me a Mule to Ride) (Taji Mahal, Yank Rachell) **
5. For the Love of a Woman (Don Nix) *
6. Lovejoy, Ill. (Don Nix) **
7. Everybody Wants to Go to Heaven (Don Nix) *
8. Going Back to Iuka (Don Nix) **
9. Like a Road Leading Home (Don Nix, Dan Penn) **

 このアルバムは、Staxから71年にリリースされたもので、アルバム"I'll Play The Blues For You"のひとつ前のアルバムにあたります。

 "I'll Play〜"が、Bar-Kaysをバックに、メンフィスで録音されたのに対して、こちらは、Don Nixの制作により、ハリウッドとマッスル・ショールズで、それぞれ個性的なメンツを集めて録音されました。
 セッションの概略は以下のとおりです。

Produced and arrenged by Don Nix
Albert King : all guitar, vocals
Track1,2,5,7(*)
Recorded at Skyhill Studio, Hollywood
Jim Keltner : Drums
Donald "Duck" Dunn : Bass
Jesse Ed Davis : Guitar
John Gallie : Keyboards
Sanford Konikoff : Percussion
Jeanie Greene : Back Ground Vocals
Mount Zion Singers : Back Ground Vocals
Track3,4,6,8,9(**)
Recorded at Muscle Shoals Sound Studio, Muscle Shoals, Alabama
Roger Hawkins : Drums
David Hood : Bass
Tippy Armstrong : Rhythm Guitar
Wayne Perkins : Rhythm Guitar
Barry Beckett : Keyboards
Jeanie Greene : Back Ground Vocals
Mount Zion Singers : Back Ground Vocals

 私は、Bar-Kaysというのは、あまり感心しないのですが、"I'll Play〜"でのセッションは、眼が洗われるような思いで聴き、彼らとAlbertの間に起こった不思議な化学反応に驚いたものでした。

 "Breaking Up Somebody's Home"、"Answer To The Laundromat Blues"、"Do't Burn Down The Bridge"など、名曲、名演を多数含む名盤だと思いました。

 「誰かの家庭を壊さずにいられない気分」だと歌う怨念の歌、"Breaking Up Somebody's Home"は、女性に歌ってほしいダークな名曲ですね。
 やはりAnn Peebles盤でしょうか。

 その後、メロウなブルースに対する考えが少し変化しましたが、それでも、"I'll Play〜"は、大好きなアルバムです。

 対して、"Lovejoy"のセッションは、"I'll Play〜"の面影を探しつつ聴き、それが満足に叶えられないと知ると、今度は"Born Under A Bad Sign"の緊張感はどこへ行った? といらだちと戸惑いを覚えた記憶があります。

 当時、私の耳には、ふたつのセッションの違いなど全く分かっていませんでした。
 正直、今意識して聴いても、それほど重要な違いが感じられません。

 特に、マッスル・ショールズ録音に信仰に近い憧れがあるせいか、点数が辛くなってしまいます。
 今回、久しぶりに意識して聴いた私の印象は、ハリウッド・セッションの方が好みかも知れません。
 まあ、どちらのメンツも、Albertに遠慮している可能性はあります。

 肝心のブルースは、今一消化不良な気もしましたが、意外にも唯一のバラードが良いです。
 ラストに入っている、Dan PennとDon Nixの作品、"Like a Road Leading Home"が、アルバムの掉尾を飾るにふさわしい感動の1曲に仕上がっています。
 控えめながら、教会風のバック・コーラスも素晴らしく、荘厳な雰囲気を醸し出しています。
 この曲は、誰かサザン・ソウル・シンガーはやっているのでしょうか? 

 さて、話を冒頭へと戻したいと思います。
 なぜこのアルバムを聴き返したくなったのか、と言いますと、"She Caught the Katy (And Left Me a Mule to Ride) "が入っていたからです。

 私は、この曲のBlues Brothersのバージョンが大好きです。
 まあ、映画のシーンとオーバーラップして、より深い印象が形作られているのでしょうが、とにかく好きです。

 冒頭、刑務所から出所したばかりの兄(又は兄貴分?)ジェイクを、迎えに来た弟(分?)エルウッドが、廃車落ちの中古パトカーで、フリーウェイを飛ばすシーン、「ンチャッ、ンチャッ」というイントロが聴こえてくると、もう心臓がばくばくしてきます。
 最高のアレンジであり、絵に最高にマッチした音楽だと思います。
 好きです。

 思わず熱くなりました。
 ただ、残念ながら、Albertのバージョンは、さほど印象に残るものではありません。
 まあ、映画のシーンに重ねあわせた思い出には、勝負できないですよね。

 このアルバムに強い印象を持っているのは、Albertのバージョンを初めて聴いたとき、「これって、聴いたことがある。なんだっけ」とそわそわして、やがて回答に到達した時の快感が、体に染みついて残っているからだと思います。

 そして、曲の作者がTajiだと気づかせてくれる、きっかけとなったことも大きいです。
 私が、Tajiの"The Natch'l Blues"を聴いたのは、それからまもなくのことでした。

 どうも、今回は、Albert Kingのアルバムについて書こうと思ったのに、Blues Brothersに触れたため、ぶれまくってしまいました。
 映画"Blues Brothers"は、私の永遠のフェイヴァリットです。

 2010年が近づいていたころ、私は、"Blues Brothers 2010"が創られるべきだと回りの人に訴えて、無視されたことを思い出しました。


 追記
 Obinさんが、Yank Rachellについて触れられていますが、この曲が、"She Caught the Katy"と"Left Me a Mule to Ride"という、二つの曲が合わさったものだという大胆な仮説はいかがでしょうか?
 例えば、どちらかがYank Rachellのレパートリーだとか?
 You Left Me a Mule to Rideってなしですか。
 ちなみに、Muleはロバのことで、Bill Monroe(Jimmie Rodgers)のMule Skinner Bluesを思い出します。

 それと、彼女に捕まるKatyというのは車の略称でしょうか?
 でもすぐに思いつくキャデラックは、Caddyですよね。
 普通に女性の名前かも知れないですが、それってつまんないです。
 あるいは、車ではなく、列車のことかも知れません。

 Chuck Berryの"You Can't Catch Me"を連想しながら、思いつくまま書いてしまうのでした。


AlbertのShe Caught The Katy and Left Me Mule to Rideです。




こんなの見つけました。
Big Joe WilliamsのShe Left Me a Mule to Rideです。




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ジェイクとエルウッドに会いたい!



バイユー越えて

 少し前から探していたLPが出てきました。
 しかし、こんなにポロかったかなあ?
 いつ、どこで買ったのかは完全に忘れています。

 おそらくは、大阪の中古レコード祭りとかで買ったのだと思います。
 私は関西圏なので、昔はよく大阪のレコ祭りへ足を運んだものでした。


Backwoods Bayou Adventure
Tommy McLain

Side 1
1. Lose The Blues (Moody Man Mac) (Tommy McLain)
2. Singing To Beat The Band (Tommy McLain)
3. My Ol' Lady Left Me (Tommy McLain)
4. It's Not Fun Anymore (Tommy McLain)
5. Another Town Another Train (B. Anderson, B.Ulvaeus)
Side 2
1. (I Don't Love You) Since You Walked Out On Me (Tommy McLain)
2. Come Back To Me Babe (It's Raining In Natchez) (Tommy McLain)
3. New York City Dream (Tommy McLain)
4. That's Good Enough For Me (Tommy McLain)
5. Warrior (Tommy McLain)

 久しぶりに聴きましたが、ほとんど初めて聴くような新鮮な気持ちで聴くことができました。

 どうやら、DJプロモ盤のようです。
 表ジャケには、曲目リストのプリントが添付されています。
 また、ラベルには、マジックで落書きがしてあったりします。
 
 どうも79年ころにリリースされたもののようで、録音はヒューストンのシュガーヒル・スタジオ、Huey Meauxによって制作されました。

 以下は参加ミュージシャンです。

Keyboads : Peter Schless, Leo O'Neil
Bass : Rick Robertson
Drums : Rudy Blake
Guitars : Eddie Nation, Andre Mathews, Scott Hardy, Mickey Moody
Steel Guitar : Larry White
Back Ground Vocals : Pat Strazza & Gaylan Latimer
Produced by Huey P. Meaux

 Tommy McLainは、"Sweet Dreams"ほかのヒット曲を持つ、スワンプ・ポップ・シンガーです。

 多分、同じ時期のFreddy Fenderのバックと似たメンツだと思いますが、とても洗練された聴きやすいサウンドに仕上がっています。

 全体的には、ロック寄りの音になっていて、きっとスタジオに勢いがあった時期なのでしょう。
 伴奏に自信が感じられるような気がします。
 特に、Mickey Moodyだと思われる、スライド風のギターが冴えまくってます。 

 アーシーでありながら、ソフィスティケイトされたおしゃれな雰囲気もあり、それが聴きやすく感じさせているのでしょう。

 ジャケのイラストから連想させる、じめじめした湿地帯のイメージはないです。
 曲によっては、コースト・カントリー風の爽やかささえ漂わせています。

 そこへ、痰が絡んだようなTommy McLainのしゃがれたボーカルが乗ってきて、何とも面白いです。
 時折り、絞り出すようなシャウトが必要な曲もあって、トミー先生が精一杯頑張ってます。
 まあ、ほぼ自作ですから、自己責任ですね。




 私は、最後まで、絡んだ痰が切れないような、苦しそうなボーカルを聴かされるうち、次第にくせになっていったものでした。
 聴き終えるころには、すっかり、その世界にはまっていたのでした。

 私は、TommyとFreddy Fenderとのデュエットがかなり好きです。
 このうがい声が、Freddyの声と絡むさまに、はまらずにはいられません。
 Freddy Fenderには、Tommy Mclainが書いた"If You Don't Love Me"という曲を表題にしたアルバムがありました。

 個別には、一聴してスワンプな曲はもちろん、ブルージーな曲もあるなか、実は私は、"New York City Dream"なんて曲が好きだったりします。
 この曲など、洗練されたシンガー、ソング・ライター風の曲展開でありながら、何気に見え隠れするイナタさに愛おしさを感じて、自然と惹きこまれて好きになってしまうのでした。

 ヴィンテージ期の、青い炎がちろちろと燃えるような、線の細いボーカルも儚げで良いですが、70年代以降のつぶれた声が、男っぽくて私は好きです。



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愛してないなら、なぜそっとしておいてくれない


土曜の夜はバイユー・ポップ

 "Louisiana Saturday Night"という英Aceのコンピレーションは、ご存じかと思います。
 スワンプ・ポップのファンなら、まず最初に聴くべきバイブル的なコンピですね。

 その名作コンピで、ギターを構える姿がジャケ写に使用されていた青年がいます。
 今回は、その主人公、Van Broussardの初期音源集を聴きました。


The Early Years
Van Broussard
 
1. Pledging My Love - Van & Grace
2. Feel So Good - Van & Grace
3. When It Rains It Pours
4. In Real Life
5. Young Girls - Grace Broussard
6. Hot Nuts
7. Your Picture
8. My Girl Across Town
9. Everything's Gonna Be Alright - Van & Grace
10. My Ting-a-ling
11. I'm Asking For Forgiveness
12. Hold My Hand
13. Baby Please
14. By The Light Of The Silvery Moon - Grace Broussard
15. Crying To See You
16. Miss You So (Instrumental)

 本盤の収録曲ですが、録音時期など詳細が明記されていません。
 ライナーには、50年代と60年代のアナログ・マスターからデジタル化した、と簡単に記されているだけです。
 
 既に通して数回聴いていますが、良いです。
 風呂上りに、また聴いているのですが、和みまくっています。

 先の英Aceのコンピでは、"Feed The Frame"や"I'm Not A Fool Anymore"といった名作のVan盤が収録されていました。

 そちらも良かったですが、曲の良さが先に立って、今一個性が分かりにくかった面がありました。
 その点、こちらの収録曲は、やはりそれなりの選曲ではありますが、まとめて聴くことによって、その得難い個性をしっかりと堪能することができました。

 また、ソロ名義以外でも、妹のGraceとのデュオや、妹のソロまで含む内容になっていて、全く飽きさせません。
 音としては、基本的に、ティーン・ポップ的側面もしっかりと残しつつ、にじみ出るリズム&ブルース・テイストがたまりません。

 Van & Grace名義のものは、比較的ティーン・ポップ的な狙いで作られています。

 冒頭の" Pledging My Love"で、まず驚かされます。
 多くのシンガーにカバーされたJohnny Aceの名作ですが、この男女デュオ・バージョンはとても新鮮です。
 男性と女性が、交互にパートを歌うスタイルで、考えればしごく普通ではありますが、この曲をそのスタイルで聴いたのは初めてで、眼がさめる思いがしました。

 間奏では、「ヴァン」「グレース」と呼びかけあい、それぞれの語りが入るというユニークさです。
 これは、ぜひ聴いていただきたいです。
 スワンプ・ポップ版「ポールとポーラ」というのは言い過ぎでしょうが(それほど甘くはないです)、とにかくこの名作に別の魅力を引き出した功績は大きいと思います。

 Van & Grace名義の作品は、いかにも青春Popsという感じで、懐かしのアメグラを思い出します。
 でも、隠しきれないR&Bテイストがにじみ出ており、好きもの心をそそらせずにはいられないのでした。

 Graceのボーカルは、基本はキュート路線ながら、時にはパンチを効かせた「ミス・ダイナマイト」路線もありで、楽しませてくれます。

 "Feel So Good"では、シャーリー&リーばりに、ジャンプ感たっぷりに、パンチの効いたR&Bを聴かせてくれます。
 軽快なジャンプ・サウンドに乗って歌われる、爽やかな二人のデュエットが最高です。

 一方、Vanのソロでは、Billy "The Kid" Emersonの"When It Rains It Pours"や、Bobby Charlesの"Your Picture"をやっているのが嬉しいです。
 そして、中でも"My Ting-a-ling"(正しい表記は"My Ding-a-Ling)が素晴らしい出来です。

 Chuck Berryでナショナル・ヒットした曲ですが、元々はDave Barthoromewが書いた曲です。
 先だってリリースされた英Aceのコンピ、"The Big Beat : The Dave Barthoromew Songbook"で、Dave盤を聴いたばかりでしたので、感激もひとしおでした。

 そして、もう1曲、Clyde McPhatterの"Hold My Hand"が最高の出来で感激しました。
 Vanのボーカルの乗りも、ウキウキするようなバンドの乗りも快感そのものです。

 Graceのソロも素晴らしいです。
 "Young Girl"では、ガール・ポップの味わいもたっぷりに、しっとりとしたバラードを聴かせています。

 また、Little Richardのバージョンが鮮烈だったスタンダード、"By The Light Of The Silvery Moon"では、キュートかつ大人の雰囲気も加味したスタイリッシュなスタイルで、新たな魅力を表現しています。
 この頃、彼女は何歳だったのでしょう。

 Van Broussardは、37年、ルイジアナ州プレイリーヴィル出身、妹のGraceは、44年生まれ、出身地は同じです。

 妹のGraceは、こののち、男性シンガー、Dale HoustonとDale & Graceとして男女デュオを組みます。
 このあたり、前後関係に確信が持てないまま、推測で書いていますが、おそらくそういう順番だと思います。

 そうです。
 Don & Deweyの"I'm Leavin' It All Up To You"をカバーして、大ヒットさせたDale & GraceのGraceこそ、Vanの妹、Grace Broussardなのでした。
 うーん、こちらでは、ティーン・ポップ路線を極めた結果、スワンプ・ポップの名作としても、長く語り継がれる作品を生み出したわけです。

 Van Broussardは、好青年でもありますし、その黒っぽい音楽性からいっても、オンリー・ワンのヒット曲さえあれば、あるいはJimmy Clantonのような立ち位置になっていた人だったかも、と私は思います。

 Vanは、近年も音楽活動を継続しており、レパートリーを見ると全く音楽的嗜好に変化はないようで、嬉しいです。
 近作では、Graceがゲスト参加して歌っているアルバムもあるようです。



My Ting-a-Lingです。









オーガストとマクシミリアン

 Augie Meyersが好きで、彼の仕事を追っかけていますと、時折り「おっ」と驚くCDやレコードに出会うことがあります。
 このCDも、見つけたときは、かなり驚きました。

 何とオーギーとロス・テクスマニアックスのバホ・セスト奏者マックス・バカの共演盤なのです。


Augie Meyers & Max Baca
with Los Texmaniacs

1. Hey Good Lookin
2. My Free Holie's Ain't Free Anymore
3. Dos Corazones
4. Baby Baby
5. Ando Buscando
6. Heart Of Mine
7. Vaccacion
8. La Ronda
9. Ciclyto Lindo
10. I Wonder Why

 高まる期待を抑えつつ、とりあえず通して聴いてみたところ、なんとも奇妙な感覚にとらわれました。
 AugieとMaxの(あるいはAugieとLos Texmanacsの)からみが今一分かりずらいです。
 まず、Texmaniacs主体の曲では、Augieらしき姿が見え隠れしているようにも感じますが、確信が持てません。

 さらに、Augie主体の曲では、どこにTexmanacsが関わっているのか、さっぱり分からないのでした。
 そして私は、あることを感じ始めました。
 それは、「Augieがボーカルをとっている曲は、曲によってそれぞれバックが違うような気がする。」 ということです。

 この考えは、聴き進むほど、確信に近い思いを持つようになりました。
 そして、こういう結論に達しました。

 Augieのボーカル曲は、過去のAugieのアルバムからの使い回しではないか?
 これが、曲毎にバックが違うように感じる要因ではないか。
 曲は、シンプルな伴奏のものもあれば、ゴージャスなホーン陣が参加している曲もある。

 このCDは、ある海外ネット・ショップで購入したのですが、正規盤であると何の疑いも持っていませんでした。
 ショップの扱いは、ブートのキャプションなど一切なく、お馴染みの正規盤と並んで紹介されていたのでした。
 このあたり、現品を手に取れないネットの弱点ですね。

 まあ、届いた商品は、確かにパッケージのつくりこそブートっぽいですが、テキサスのローカル盤の場合、こういったチープなつくりは、正規盤でもままあることです。

 とりあえず、Augieの曲を整理してみます。
 以下は、私の個人的な考えです。

2. My Free Holie's Ain't Free Anymore (06' My Freeholies Ain't Free Anymoreから)
4. Baby Baby (77' Finaly In Lightsから)
6. Heart Of Mine (06' My Freeholies Ain't Free Anymorから)
8. La Ronda (86' My Main Squeeze 又は 96' Alive And Well At Lake Tacoから)
10. I Wonder Why (02' Blame It On Loveから)

 カッコ内は、元の収録アルバム名です。
 "La Ronda"については、ソースが86年盤か96年盤か、じっくり聴き比べる必要がありますが、今は気力がありません。
 宿題にしたいと思います。 
 今回は、初期の作品、"Baby Baby"の素晴らしさを再確認する契機になりました。

 さて、残りのLos Texmaniacsの曲です。
 こちらはAugieが入っていないと言い切ることに確信が持てません。
 聴きなれたファーフィサ・オルガンの響きが聴こえる曲があるからです。
 
 私は、Los Texmaniacsのアルバムを2枚持っています。
 彼らは、これまで3枚のアルバムをリリースしており、3rdはグラミーをとったようです。
 このうち、私が所有しているのは、2ndと3rdのみです。
 1stは、ダグ・サームの"She's About A Mover"をカバーしており、ぜひ欲しいのですが、現在入手困難なのです。

 恨めしい気持ちを思い返しながら、久々にアマゾンの当該ベージをチェックしたところ、全てが氷解しました。
 何と、Los Texmaniacsの音源も、流用のようです。

 私は未入手ですので、きっちり音を確かめたわけではありませんが、まず間違いないと思います。
 以下に、Los Texmaniacsの音源を整理しました。

1. Hey Good Lookin (A Tex-Mex Grooveから)
3. Dos Corazones (A Tex-Mex Grooveから)
5. Ando Buscando (→ Ando Buscando Un Amor : A Tex-Mex Grooveから)
7. Vaccacion (→ Mi Vaccacion : A Tex-Mex Grooveから)
9. Ciclyto Lindo (→ Cielito Lindo : A Tex-Mex Grooveから)

 カッコ内は、元の収録アルバムです。
 つまり、全て同じアルバム、"A Tex-Mex Groove"からの使い回しなのでした。
 これは、私が持っていない1stアルバムです。

 この1stには、Augieがゲスト参加しています。

 一部、曲のタイトルに差異がありますが、間違いないでしょう。
 本盤に"Ciclyto Lindo"とある曲は、Freddy Fenderのレパートリーでもあり、"Cielito Lindo"が正しい表記です。

 この結果(推測ですが)を受けて、複雑な気持ちです。
 どうやらブートらしいということが分かり、残念です。
 その一方、未入手の1stの音源を、1部分とはいえ聴くことができたという一面もあります。

 残念な思いはありますが、内容は悪いはずがありませんので、新たな編集盤として楽しむことにします。



AugieとLos Texmaniacsの共演です。



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テキサス熱中時代
オーギーに首ったけ
曲に歴史あり、メキシコへ旅して
曲に歴史あり、セルマからヴェルマ物語
曲に歴史あり、夜の正座ものがたり
曲に歴史あり、ケパソ物語 
三連符の調べで夢見心地
若き日の王様とエル・モリーノ
オーギー・マイヤースさん、気をつけて
罪人と聖者のはざ間で
マイティ・マイク
テックス・メックス・ビートルズ
マージーでフォーキー、そしてテキサス



ダックテール

 この人は、ヴィンテージ期も聴いたことがなかったのですが、ついつい入手しちゃいました。
 98年の録音ということですので、リリースは多分99年ころではないかと思います。
 50年代にロカビリーを演奏していた、ピュア・ロカビリアンの近作(?)です。

  
Let's Get Wild
Rudy "Tutti" Grayzell

1. You're Gone (Rudy Grayzell)
2. Judy (Ketner, Paiz)
3. Why Why Why (Doug Sahm)
4. Duck Tail (Rudy Grayzell)
5. One Mile (Dugosh)
6. If You Want to See Me Cry (Si Quires Ver Me Llorar) (Grayzell, Herrera)
7. Hearts of Stone (Jackson, Ray)
8. FBI Story (Rudy Grayzell)
9. There's Gonna Be a Ball (Rudy Grayzell)
10. Let's Get Wild (Rudy Grayzell)
11. Will You Love Me (Rudy Grayzell)
12. Do the Rudy Tutti (Rudy Grayzell)
13. Big Blon' Baby (Jacobson, Roberts)
14. Tell Her I'm Gone (Whitney)

 とりあえず、参加メンバーをご紹介します。
 以下の通りです。

Rudy Grayzell : lead vocals, guitar
with The Skeletons
Donnie Thompson : guitar, vocals
Lou Whitney : bass, vocals
Joe Terry : keyboards, vocals
Bobby Lloyd Hicks : drums, percussion, vocals
produced & engineered by Lou Whitney

 さて、このメンツをご覧になって、いかがでしようか?
 私はうといんですが、ここでプロデュースしているLou Whitneyという人は、その方面では有名人らしいです。
 Lou Whitneyは、Eric Ambelに近い人だとも漏れ伝え聞きます。

 私同様、この辺に不案内の方向けに補足しますと、Eric Ambelというのは、Dan Bairdと"The Yayhoos"を組んでいた人です。
 私としては、Dan Bairdとの繋がりしか手がかりがないため、こういう回りくどい表現にしてしまいました。

 Eric Ambelは、"The Del-Lords"というバンドのメンバーだった人と言うべきかも知れません。
 Del-Lordsは、未聴ですが、アーシーなロックンロール・バンドだと推測しています。 
 
 私は、Dan Bairdが大好きなんですが、サテライツからソロ・ワーク、それ以降も含めて、最も好きなのは、サテライツの3rdとソロの1stでして、正直なところ、それ以降の仕事は心底から熱くなれなかった人です。
 というわけで、Dan Bairdのソロ以降の親交については、全くうといのでした。
 (それでも、"Homemade Sin"あたりまでは聴いています。)

 どうも脱線が過ぎるようで、軌道修正します。
 Skeletonsは、本来Del-Lordsに近いスタイルだと思いますが、ここでは、50sロカビリー・スタイルに徹底しています。

 やっているレパートリーは、ヴィンテージ時代の作品の新録が中心で、特段新しいことをやっていませんので、むしろ安心して楽しめます。
 ここには、様式美の美しさがあります。

 ただ、ひとつ驚いたのは、Rudy Grayzellがスペイン語で歌う曲があったことでした。
 "If You Want to See Me Cry"は、アコーディオンが伴奏についた、ミディアムのTex-Mexで驚きです。
 これを聴くと、それまでのロカビリーと同一人物とは思えません。

 実は、Rudy Grayzellは、生っ粋のテキサンで、サンやスターデイに録音がある人のようです。
 このTex-Mexが、単なる趣味なのか、アイデンティティに関わることなのか興味深いところです。
 このあたりは、熊家族のCDが色々と明らかにしているかも知れないので、聴いてみたい気がします。

 "Hearts of Stone"は、John Fogertyもやった曲で、元はドゥワップですが、ここではジョー・キング・カラスコ風(言い過ぎかな?)に決めています。
 どうです。
 徐々に興味がわいてきていませんか?

 さて、ルディ・グレイゼルは、52年ころ、サン・アントニオで音楽の天才少年を発見しました。
 そして、そのちびっ子に演奏の機会を与えるため、汗をかいたことがあったようです。
 その少年は、Douglas Wayne Sahmといい、当時まだ11歳でした。

 本作では、Doug Sahmが、おそらく10代後半で書いたと思われる"Why Why Why"をカバーしています。
 これは、"Doug Sahm & The Markays"名義で、地元のHarlem Recordsからリリースされたものです。
 ちなみに、Harlem Recordsからは、"Doug Sahm & The Pharaohs"名義のレコードも出ています。

 この"Why Why Why"は、ダグの習作時代の作品だと思いますが、ジミー・ヴォーンもやっていて、ダグにはあまたの名曲がある中、この曲をチョイスしているのが不思議です。
 何かミュージシャンを惹きつける魅力があるのかも知れません。
 興味深いです。

 本作がリリースされた99年は、ダグが天に召された年でした。
 何か不思議な感じがします。

 本盤は、トラック14までですが、実はシークレット・トラックが含まれています。
 トラック14が終了したあと、しばらくするとギター弾き語りに近い伴奏で、ルディが巻き舌を屈指して、スペイン語で歌う曲が入っています。
 メキシコの香りが漂う曲で、最後は「オーレッ」の掛け声で終了します。

 なかなかに余韻を惹かせてくれる演出なのでした。
 私は、ルディ先生に俄然関心が湧いてきています。



Duck Tailです。




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バック・トゥ・ベーシック

 最近、寝る前に文庫本を読みながら聴き流しているCDがいくつかあって、どれもなかなか気に入っています。
 そのうちの1枚が"Red Dirt Rangers"というカントリー・ロックのバンドなんですが、そのお気に入りのアルバムのプロデューサーが、懐かしや、Steve Ripley先生なのでした。


The Tractors
The Tractors

1. The Tulsa Shuffle (Steve Ripley)
2. Fallin' Apart (Steve Ripley, Ron Getman)
3. Thirty Days (Chuck Berry)
4. I've Had Enough (Steve Ripley)
5. The Little Man (Jim Pulte, Steve Ripley, Tim Dubois)
6. Baby Likes To Rock It (Steve Ripley, Walt Richmond)
7. Badly Bent (Martha Ellis, Steve Ripley, Walt Richmond)
8. The Blue Collar Rock (Steve Ripley)
9. Doreen (Steve Ripley)
10. Settin' The Woods On Fire (Fred Rose, Ed G. Nelson)
11. Tryin' To Get To New Orleans (Steve Ripley, Walt Richmond, Tim Dubois)
12. The Tulsa Shuffle (Revisited) (Steve Ripley)

 というわけで、急きょ聴き返したくなったのが、The Tractorsの1stアルバムです。
 ほとんど中身を忘れていましたが、当時めちゃくちゃ気に入っていたことだけは覚えています。

 このバンドは、デビュー当時からおじさんバンドで、いかにも職人集団という感じですね。
 いなかのTOTOといったところでしょうか。(ただし、大ブレイクはしませんでした。)

 オクラホマ州タルサ出身で、同郷のレオン・ラッセルやJ.J.ケイルといった大物が、多数ゲスト参加しているほか、ボニー・レイットやライ・クーダーも参加して、スライドを弾いています。

 オクラホマといえば、テキサスと並んでウエスタン・スイングが盛んだった土地柄です。
 Bob Willsには、"Take Me Back To Tulsa"という名曲がありました。

 ロック・アーティストで印象的だったのは、やはりJ.J.ケイルでしょうか。
 曲では、クラプトンがスライドを弾いた"Tulsa Time"が印象に残っています。
 
 私は、このアルバムのあと、同バンドを3枚ほど、Steve Ripleyのソロを1枚聴きましたが、いずれも記憶に残っていません。
 聴き返せば、新たな発見があるのかも知れませんが、とにかくこの1stは別格で、一聴してすぐに好きになったのは、このアルバムだけでした。

 今回、聴き返してみて、「やはり良い。捨て曲一切なし」と強く思ったところです。
 私は、カバー・ソング好きでして、すぐにそっちの方へ走ってしまうんですが、チャック・ベリー・ソングも、ハンク・ウイリアムス・ソングもそれなりにいいけれど、私としては珍しく、圧倒的にオリジナルが良いと感じました。

 アルバムのテーマともいうべき、"The Tulsa Shuffle"はもちろん良いです。
 音楽をジャンルではなく、ただ良い悪いだけで聴いていた基本へ帰ろう、と訴えるグッド・ミュージック讃歌です。
 ホーン陣の気持ちいい鳴りをバックに、のっしのっしと進んでいくようなグルーヴが快感です。 
 
 その他の曲も全て良くて、改めて名盤だと再認識しました。
 "I've Had Enough"は、ウエスタン・スイングの香り漂う、ほのぼの系の曲です。
 特に、ブリッジで合いの手といいますか、囃子言葉のようなのが入るところが、Bob Willsっぽさ全開で、ウィルズ・ファンには堪りません。

 軽快にすっ飛ばす"Baby Likes To Rock It"は、ただただビートに身を任す快感に浸れます。
 アルバムのハイライトの1曲でしょう。
 ギターで、James Burtonが参加しています。

 Bob Willsのテキサス・プレイボーイズのギターリストだった、Eldon Shamblinが参加した"Doreen"もごきげんです。
 ちょっと後期のチャック・ベリーを思わせる曲調だったりしますが、何気にイントロが"My Baby Left Me"風だったりして、地味ながら愛すべき魅力を感じさせる曲に仕上がっています。

 そして、今回聴き返して初めて感じたのですが、"The Blue Collar Rock"が、私の耳にはもろにJohn Hiatt風に聴こえました。
 アルバムの中では、数少ないスロー〜ミディアム・テンポのアメリカン・ロック調の曲で、「I Can Get Off」と締めるフレーズ終わりが、何ともハイアット風に聴こえます。

 この曲のバックに、ライ・クーダーやジム・ケルトナーが参加しているのは、偶然とはいえ面白いです。
 「ぼくがほんの子供だったころ、エルヴィスがキングだった」と歌っています。
 
 記憶は美化されてはいず、「あーそうだった、これ、これ」と感激が甦るとともに、新たな発見もあって、改めて新鮮な気持ちで楽しめました。

 とっくに解散したと思っていたバンドですが、最近作の"Trade Union"が出たのが09年で、驚いて入手したのを覚えています。
 入手時に確かに聴いたはずですが、全く印象に残っていません。
 旧作も含め、聴き返そうかな、と思いだしています。



I've Had Enoughです。



Blue Collar Rockです。



ロカビリー星雲

 私は、ビートルズを入り口に50年代のロックンロールやロカビリー、リズム&ブルース、ガール・グループなどを聴くようになりました。
 中でも、当時、輸入盤店でかっこいいジャケットのロカビリーのアルバムを探すのが楽しみでした。

 コンピで好きだったのは、英Charlyのサン・レコードのリイシューですね。
 アナログ時代の英Charlyのジャケ・デザインはかっこよかったと思います。
 

Rockabilly Stars Volume1

1. Wait For The Light To Shine : Town Hall Party (F.Rose)
2. The Sun Keeps Shining : The Everly Brothers (D.Everly, J.Orgon)
3. Rockin With Red : Little Jimmy Dikens (W.Perryman)
4. That's All Right : Marty Robbins (A.Crudup)
5. Honky Tonk Hardwood Floor : Johnny Horton (E.Hazelwood, S.Harell, T.Atchison)
6. Party : The Collins Kids (J.M.Robinson)
7. Did We Have A Party : Billy Brown (B.Brown)
8. Pink Pedal Pushers : Carl Perkins (C.Perkins)
9. Pointed Toe Shoes : Carl Perkins (C.Perkins)
10. Mary Ann : Link Wray (R.Charles)
11. Raw Hide : Link Wray (M.Gray, F.Wray)
12. Bluebirds Over The Mountain : Ersel Hickey (E.Hickey, M.Corda)
13. Cut Across Shorty : Carl Smith (M.Wilkins, W.Walker)
14. Milk Cow Blues : Scotty Moore (K.Arnold)
15. Mystery Train : Bob Luman (H.Parker, S.Phillips)
16. Honey Don't : Mac Curtis (C.Perkins)
17. State Of Confusion : Carl Perkins (C.Perkins)
18. I Will Rock And Roll With You : Johnny Cash (J.R.Cash)
19. Sorry Charlie : Carl Perkins (C.Perkins)
20. Break Up : Allan Rich (C.Rich)
21. Lawdy Miss Clawdy : Mickey Gilley (L.Price)
22. Big Boss Man : Charlie Rich (A.Smith, L.Dixson)
23. No Headstone On My Grave : Charlie Rich (C.Rich)
24. I Feel Like Going Home : Charlie Rich (C.Rich) 

 このCDは、コロンビア系列のロカビリーのコンピで、もともとは2枚組LPで出されていたものです。
 私は、続編も含めてLPで持っていたはずですが、例によって所在不明です。

 本CDは、バックインレイの表記によると81年発売となっていますが、若干疑問があります。
 なぜなら、米国でCDが広く普及するようになったのは、普通は80年代半ば以降だと言われているからです。
 81年というのは、このソフトのLPとCDが併発された時期だとしても、感覚としては少し早いように思います。

 また、発売元がCBSになっているのが時代を感じます。
 この時期より少しあと、ソニーは、88年にCBSレコードを買収し、翌89年にはコロンビア・ビクチャーズを買収しました。

 当時は、ロックフェラー・センターの買収と併せ、ジャパン・マネーがアメリカの魂を買い叩いているとして、米国民の嘆きと反感をかっていました。
 中国マネーが、虎視眈々と日本の不動産を狙っている昨今、隔世の感を禁じえません。

 さて、本作で、今回私が注目したいトラックは、次のとおりです。

1. Wait For The Light To Shine : Town Hall Party
6. Party : The Collins Kids
11. Raw Hide : Link Wray
14. Milk Cow Blues : Scotty Moore
15. Mystery Train : Bob Luman  
24. I Feel Like Going Home : Charlie Rich

 私が、Town Hall Partyのことを知ったのは、いつごろだったでしょう。
 Bear FamilyのDVDで知ったのでした。
 それまでは、バンド名なのかなと、ぼんやりと考えていたのでした。
 熊家族によって、Town Hall Partyが米国のTV番組であることを知りました。

 "Wait For The Light To Shine"は、番組のテーマかも知れず、数人の男女がボーカルをとっています。
 この番組のホストは、Tex RitterとJohnny"Hot Rod Lincoln"Bondで、主要キャストとして、Collins Kidsや師匠のJoe Maphisがいたようですので、彼ら全員によるパフォーマンスなのかも知れません。
 ただ、ブルーグラス風のイントロで始まるのが、まだ少し気になるところではあります。

 ちびっこロカビリー姉弟、Collins Kidsは、Bear FamilyからTown Hall Party出演時の単独DVDが出て、私も買いました。
 姉のローリー・コリンズが42年生まれ、弟のラリーが2つ下ですので、当時は二人ともローティーンだったわけです。
 "Party"は、ワンダ・ジャクソンで知られる"Let's Have a Party"です。
 
 Link Wrayは、レイ・チャールズの"Mary Ann"をやっているのが注目ですが、曲の仕上がりのインパクトとしては"Raw Hide"が勝っています。
 ヘビーなギター・サウンドが、今聴いても凶悪です。
 一人無人の野を行く兵法者の趣きを感じます。

 Scotty Mooreの"Milk Cow Blues"と、Bob Lumanの"Mystery Train"は、ともにギターが聴きものですが、"Mystery Train"の革新的なプレイが凄く圧勝でしょう。
 この時期のポブ・ルーマンの伴奏をしていたのは、James Burtonでした。
 かっこよすぎます。

 私は、ずっと疑問に思っていることがあるのですが、ジェイムズ・バートンが、デイル・ホーキンスの「スージーQ」のギターを弾いたというのは本当なのでしょうか?
 スタイルを確立する前だとしても、あまりにも違いすぎるように感じます。
 
 一方、"Milk Cow Blues"は、ココモ・アーノルドのブルースが原曲だと思いますが、多くのシンガーにカバーされています。
 Bob Willsは、"Brain Claudy Blues"のタイトルで録音していて、聴きものです。
 その点、エルヴィスの"Milk Cow Blues Boogie"は、残念な出来だったと私は思っています。
 ロカビリーなら、エディ・コクラン盤のアレンジが最高でした。
 エルヴィス盤もエディ盤も、アレンジのお手本があるのなら知りたいものです。

 Carlie Richは大好きなアーティストです。
 特にサン時代とハイ時代が好きで、Epic以降はコマーシャル・カントリーっぽいという先入観があるのですが、ここに入っている"I Feel Like Going Home"は素晴らしいです。
 その前の"No Headstone On My Grave"も含め、ロカビリーという範疇ではないですね。

 "I Feel Like Going Home"は、正にカントリー・ソウルと呼びたい傑作です。
 荘厳ささえ感じる伴奏にのせて、チャーリーのソウルフルなボーカルが素晴らしいです。
 この曲を収録したCDは所有していないので、ここで聴けるのは嬉しさも倍増です。
 なお、マディ・ウォーターズに同名異曲があり、そちらも身震いするほどの傑作です。

 本作は、メジャー・レーベルのロカビリー・コンピらしく、カントリーに接近した曲や、ポップなロッカバラードも含まれていますが、他にもJohnny CashやCarl Perkinsなど、聴きものが多くお奨めです。
 このあと、第三集までリリースされました。


Charlie RichのI Feel Like Goin Homeです。




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チャーリー・リッチのこの1枚


イシドロ・ロペス、ハンクを歌う

 Freddy Fenderが好きで、彼の仕事を追っかけていると、時折り「おっ」と驚くCDやレコードに出会うことがあります。
 このCDも、見つけたときは、かなり驚きました。


Cantan Country
Freddy Fender & Isidro Lopez

1. Your Cheating Heart (Hank Williams)
2. Jambalaya (Hank Williams)  
3. There'll Be No Teardrops Tonight (Hank Williams) 
4. You Win Again (Hank Williams)
5. I Can't Halp It (Hank Williams) 
6. Honky Tonk Blues (Hank Williams) 
7. Hey Good Lookin' (Hank Williams) 
8. Kaw-Liga (Hank Williams, Fred Rose)  
9. Cold Cold Heart (Hank Williams)
10. I'm So Lonesome I Could Cry (Hank Williams) 

 私が持っているCDのバックインレイには、06年Hacienda Recordsからのリリースとなっていますが、どうも初出は95年ころのようです。

 Freddy Fenderは、37年生まれですから、95年当時は58歳です。
 そして、Isidro Lopezは、29年生まれですので、95年当時は66歳になります。

 私が、Isdro Lopezの名前を知ったのは、それほど前のことではありません。

 テキサス、ルイジアナ音楽大好きバンド、Larry Lange & his Lonely Knightsの最近作、"San Antonio Serenade"のライナーで、Larry Langeが「南テキサス音楽の二人の巨人」と持ち上げていたが、Oscar MartinezとIsidro Lopezでした。

 ラリー・レインジは、二人のことを「ともに有名なソングライターであり、アレンジャー、オルケスタ・リーダー」であると紹介しています。
 "San Antonio Serenado"では、Isidro Lopezの曲を2曲とりあげていました。


 さて、本アルバムですが、素材はご覧のとおり、ハンク・ウイリアムス集です。
 ですので、とりたてて特筆することはありませんが、音はよくあるシンセを使ったチープなものではなく、生音を生かし、うまくプロデュースされた作品だと思います。

 収録曲は、数あるハンク・ソングの中でも、とりわけ有名曲中心の選曲になっています。
 私が馴染みがない曲は、3曲目の"There'll Be No Teardrops Tonight"だけです。

 ここで、本作の収録曲を、リード・シンガーと言語で整理したいと思います。
 以下の通りです。

Freddy FenderとIsidro Lopezの共演
1. Your Cheating Heart (Hank Williams) Lopez(スペイン語)、Fender(英語、スペイン語)
4. You Win Again (Hank Williams) Fender(英語)、Lopez(スペイン語)
7. Hey Good Lookin' (Hank Williams) Fender(英語)、Lopez(スペイン語)
10. I'm So Lonesome I Could Cry (Hank Williams) Lopez(スペイン語)、Fender(英語)

Freddy Fenderのソロ
2. Jambalaya (Hank Williams) 英語
5. I Can't Halp It (Hank Williams) スペイン語、サビ英語
6. Honky Tonk Blues (Hank Williams) 英語
9. Cold Cold Heart (Hank Williams) スペイン語

Isidro Lopezのソロ
3. There'll Be No Teardrops Tonight (Hank Williams) スペイン語
8. Kaw-Liga (Hank Williams, Fred Rose) スペイン語

 二人の共演ですが、ユニゾンやハーモニーでのコーラスはないように思えます。
 共演曲は、それぞれパートを分担して、交互に歌うスタイルです。

 このあたり、本当に同じスタジオで一緒に録音したのか、確信が持ちにくい要因ではあります。
 
 フレディ・フェンダーは、英語とスペイン語を使い分けて歌っています。
 対して、Isidro Lopezは、スペイン語オンリーです。
 私は、何度か、Lopezはメキシコのミュージシャンかと思ったものでした。

 ここでは、彼のソロ曲、"Kaw-Liga"に注目したいと思います。
 カウライジャは、恋に破れた木彫りの人形が、孤独な気持ちを訴える歌です。

 この曲は、カバーも多いと思いますが、私のお奨めは、黒人カントリー・シンガーのCharlie Pride盤です。

 チャーリー盤は、ブルー・ラヴ・ソングを美声で軽快に歌い飛ばしていました。
 ちなみに、チャーリー・プライドは、ダグ・サームのレパートリー、"Is Anybody Goin To San Antone"のオリジネイターとしても知られています。

 Isidro Loezは、歌詞こそスペイン語ですが、その歌唱はくせのない普通のカントリー・スタイルで、Freddyと比較すると、渋めの男性的なボーカルだと感じます。
 

 Isidro Lopezは、29年テキサス生まれ、テハーノ音楽のパイオニアの一人と呼ばれているようです。
 ニックネームをEl Indioといい、バンドリーダー、サックスプレイヤーであり、56年に自身のバンドを結成し、70年代には半引退状態となっていたようです。

 95年ころに録音したのなら、Freddyの働きかけがあったのかも知れません。
 04年に75歳で天に召されました。

 2年後の06年、後を追うように、Freddy Fenderが69歳で天に召されました。


Isidro Lopez "Media Vida"




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スタンダード・タイム

 私は、Asleep At The Wheelが好きです。
 今回は、2枚目に買ったAsleepのアルバムで、私を決定的にAsleep好きにさせたアルバムです。


Western Standard Time
Asleep At The Wheel

1. Chattanooga Choo Choo (M.Gordon, H.Warren)
2. Don't Let Go (J.Stone)
3. Hot Rod Lincoln (C.Ryan, W.S.Stevenson)
4. That's What I Like 'Bout The South (A.Razaf)
5. That Lucky Old Sun (Just Rolls Around Heaven All Day) (H.Gillespie, B.Smith)
6. Walk On By (K.Hayes)
7. San Antonio Rose (B.Wills)
8. Roly Poly (F.Rose)
9. Sugarfoot Rag (H.Garland, V.Horton)
10. Walking The Floor Over You (E.Tubb)

 Asleepは、Louie Jordanのカバー、"Choo Choo Ch Boogie"で最初の成功を得ましたが、彼らにさらに大きな成功をもたらしたのが、Bob Willsのトリビュート盤でした。
 これは、発表当時の人気カントリー・シンガー多数をゲストに迎えて制作されたもので、その後続編も制作され、そちらも大変評判になりました。

 今回とりあげるアルバムは、そういったAsleepの企画盤のはしりとなったものではないかと思います。
 それまでのアルバムでは、リーダーのRay Bensonのオリジナルを中心に、Bob Willsや古いカントリーのカバーをうまく交えた構成になっていました。

 本作は88年にEpicからリリースされたもので、タイトルにあるように、ホンキートンクや、ウエスタン・スイングのスタンダード集になっています。
 当時のメンバーは以下の通りです。

Ray Benson : guitar, lead vocals, 6string bass
Larry Franklin : fiddle, guitar, vocals
Tim Alexander : piano, vocals
John Ely : fender hawaiian steel guitar, pedal steel guitar
David Sanger : drums
John Mitchell : bass on "Sugarfoot Rag"
Mike Francis : saxophone

 また、ゲストとして、常連のJohnny Gimbleがフィドルで、元メンバーのChris O'Connelがコーラスて参加しているほか、" Chattanooga Choo Choo"では、Willie NelsonがRay Bensonとデュエットしています。

 このアルバムは、いい曲だらけですね。
 まずは、ビッグ・バンド・スイング・ジャズの名曲、"Chattanooga Choo Choo"でスタートします。
 そして、ジェシ・ストーン作の" Don't Let Go"へと続きます。
 この曲は、一聴するとカントリー・スタンダードかと思いがちですが、もとはRoy HamiltonのR&Bが原曲です。
 ここでは、レイによるロッキン・ギターのリックがかっこいいです。

 ロッキン・ギターといえば、次の"Hot Rod Lincoln"です。
 Lincolnというのは、車のリンカーンのことだと思って聴いているのですが、間違いであればご指摘ください。
 ここでも、レイがイントロからトワンギーなプレイをかっ飛ばしており、速弾きもあって聴かせます。
 オリジナルは、Johnny BondかRoger Millerあたりではないかと思います。

 ロック系では、Commander Cody & his Lost Planet Airmen盤があり、Asleepは彼らの影響を強く受けているため、まずLost Planet Airmen盤がお手本であるとみて間違いないでしょう。
 Lost Planet Airmen盤でギター(及びボーカル)を弾いていたのは、Bill Kirchenでした。
 彼は、ソロでもこの曲をレパートリーにしています。

 "That's What I Like 'Bout The South"、"San Antonio Rose"、"Roly Poly"は、いずれもBob Willsのレパートリーです。
 すべて傑作だと思います。
 "That's What I Like 'Bout The South"は、Commander Cody & his Lost Planet Airmenによる素晴らしいバージョンがあり、Asleep盤は、やはりそちらがお手本だと思います。
 "San Antonio Rose"と"Roly Poly"は、何度も吹き込むことになるRayのお気に入りです。 
 Bob Willsのトリビュート盤では、真っ先にカバーしていました。

 "That Lucky Old Sun (Just Rolls Around Heaven All Day)"は、ジャズ・スタンダードだと思いますが、Rayがダンディかつ誠実感あふれる美声を披露しています。
 Asleepは、時折りこの手の曲をやっていましたが、私は、後にRayが出したソロ作を聴いて、いかにこの手の音楽がRayの中で大きな位置を占めるのか、改めて気づかされました。
 
 "Walk On By"もまた名曲です。
 原曲は不明ですが、ろうろうと伸びのある声で歌うさまが気持ちいいです。
 ポップスでは、コニー・フランシス盤がお奨めです。
 
 ラストの"Walking The Floor Over You"は、ホンキートンクのスタンダードですね。
 アーネスト・タブを代表する名曲だと思います。
 タブは、鼻にかかった声や、語尾のイントネーションの感じなど、多くの後輩カントリー・シンガーの唱法のお手本になった人だと思います。
 "Walking The Floor Over You"は、明るいメロディと快調なテンポが気持ちいい曲です。
 原曲でも既にロッキン・ギターの萌芽を聴くことができます。

 Asleepは、このあとAristaと契約しますが1枚をリリースしただけで、Livertyへ移籍します。
 そして、93年に"A Tribute to the Music of Bob Wills & the Texas Playboys"をリリースしたのでした。
 このBob Willsのトリビュート盤は、Asleepにとってキャリアを代表するアルバムになりました。
 さしずめ、Asleep版「永遠の絆」といったところでしょうか。

 私は、"Western Standard Time"が契機のひとつとなって、Bob Willsのトリビュート盤へと繋がったのではないかと考えています。


Walk On Byです。




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