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テキサンの心に深く

 数か月前に入手してから、ずっと放置していた廉価版CD10枚組というのがありまして、昨晩何の気なしに1枚聴いてみました。

 それが何とびっくり !
 今の私の気分にぴったりで、すっかり嬉しくなりました。
 中身は、ほとんど興味がない方が大半かと思いますが、今回はこちらです。


American Roadsongs
From Coast To Coast

CD8
1. The Eyes Of Texas : Milton Brown (Sinclair) 36'
2. Texas Boogie : Gene O'Quinn (Kay, Whittaker, Taylor) 51'
3. Deep In The Heart Of Texas : Patsy Montana (Hershey, Swander) 42'
4. Down Texas Way : Rocky Mountain Boys (unknown) 49'
5. Texas Song Of Pride : Light Crust Doughboys (Brown) 39'
6. Yellow Rose Of Texas : Dave Red River (trad.) 39'
7. Texas Boogie : Paul Hawerd (Howerd) 52'
8. There's A Little Bit Of Everything In Texas : Ernest Tubb (Tubb) 45'
9. Heading Back To Houston : Joan Brooks (Franklin, Jordan) 50'
10. Texas Man : Lloyd Glenn (Carter) 47'
11. Waxahachie : Jim Boyd (Montgomery, Boyd) 50'
12. I Got Texas In My Soul : Tex Williams (Tubb, Turner) 46'
13. Goodbye Texas Hello Tennessee : Sheb Wooley (Wooley) 54'
14. I Left My Heart In Texas : Moon Mullican (Mann, Burns) 47'
15. I Can't Get Out Of Texas In My Dreams : Ozie Waters (unknown) 47'
16. Texas Belle : Andy Parker (Parker) 47'
17. Never Ask A Man If He's From Texas : Del Sharbutt (unknown) 48'
18. Texas Blues : Steve Schulte (Gover) 56'
19. T For Texas : Jimmy Rodgers (Rodgers) 28'
20. El Rancho Grande : Tune Wranglers (unknown) 38'

 全200曲入りという大盤振る舞いのセットでして、これはそのDisc8に当たります。
 なぜ、Disc1から順に聴かないのか、という尤もなご意見もあるかと思いますが、私の経験からいって、この手のボリュームのものは、通して聴くとかなり疲れるのが分かっています。
 まだ、コンピですのでましですが、これがコレクション(個人選集)になりますと大変です。

 私が聴いて、過去に疲れ切ったコレクションを例にだしますと、Jimmie Rodgersの10枚組、Carter Familyの10枚組というのがありまして、まじで疲労困憊しました。
 この2組は好きではありますが、20曲入りCDを1枚通して聴くだけで疲れます。

 私はベスト盤はあまり好きではないですが、この2組に関しては何種類もベスト盤を持っています。
 1枚もので、気持ちよく聴ける選曲と並び順を求め続けたのでした。
 私が、このてのパイオニアで、ストレスなく嬉々として聴けるのは、Bob Willsです。
 というわけで、関心が高いDiscから先に聴きました。


 この廉価版10枚組は、主としてヒルビリー・ソング(ブギもの多し!)をコレクトしたもので、年代でいいますと、20年代後半から50年代半ばあたりまでをセレクトしています。
 アーティストでいいますと、Jimmie Rodgers(T For Texas)からElvis(Blue Moon Of Kentuley)までという感じです。

 コンセプトは、アメリカの地名(主として州名)が表題になっている曲を集めるというものです。
 少しイメージがわかれたでしょうか。
 全10枚には、それぞれ副題がつけられていますので、参考に紹介します。

CD1 : Travelling From Coast To Coast
CD2 : Pan American
CD3 : Greetings From…
CD4 : Ridin' Down The Route 66
CD5 : Are You From Dixie ?
CD6 : At The Tennessee Border
CD7 : Leaving Tennessee
CD8 : T For Texas
CD9 : Deep In The Heart Of Texas
CD10 : Blue Hawaii

 CD1と2は、本選集の概要を示したような内容になっていて、様々な州名が入った曲を一望できます。
 まあ、いじわるを言いますと、あまり曲名になっていない(人気うすの)州が集められているとも言えます。

 CD3は、基本的に1,2と同じ流れですが、ケンタッキーが20曲中7曲入っていて、バランス的に若干惜しいです。
 ケンタッキーだけで組めなんかったんでしょうか?
 Bill Monroeに狙いを絞れば可能かなとも思いますが、同一アーティストの集中を避けたのでしょう。

 CD4は、タイトルから想像できる通り、Route 66の沿道の土地名を織り込んだ曲が集められています。
 CD5は、南部特集です。
 ジョージア、ミシシッピ、アラバマ、ルイジアナが収録されています。
 あれ、テネシーは?
 フロリダや両カロライナは?

 何とテネシーは、CD6と7の2枚にわたって特集されているのでした。
 フロリダ他は、あまり題材が少ないのかも知れません。
 それにしても、この人気の格差は凄いです。
 ちなみに、全体の副題には、"From Coast To Coast"とありますが、海岸線のある州だけが対象になっているわけではありません。

 そして、CD8と9はテキサス、CD10はハワイの特集です。
 50州のうち、どれくらいカバーしているのか確認していませんが、おそらくかなり偏っているのだと思います。

 さて、今回聴いたのはCD8のテキサスの1枚目です。
 テネシーと並んで、歌の題材として人気が高いことが分かります。

 収録曲が多いので、今回も注目曲をチョイスします。
 以下の通りです。

1. The Eyes Of Texas : Milton Brown
3. Deep In The Heart Of Texas : Patsy Montana
5. Texas Song Of Pride : Light Crust Doughboys
6. Yellow Rose Of Texas : Dave Red River
19. T For Texas : Jimmy Rodgers (こう表記されていますが、"Jimmie"の表記が一般的です。)
20. El Rancho Grande : Tune Wranglers

 まず、1曲目で目が覚めます。
 "The Eyes Of Texas"という曲ですが、メロディは誰でも知っているあの曲です。
 「線路は続くよどこまでも」です。

 こういう、耳になじんだ唱歌が、実は外国産の全く違う歌詞の曲だったというのは、いつ気付いても新鮮な驚きです。
 この曲は、元々Texas Rangersの曲だったらしいですが、ここでの"The Eyes Of Texas"は、さらに変化したものらしく、テキサス讃歌的な内容で、現在は、テキサス州立大オースティン校の応援歌として知られているらしいです。

 ここで歌っているのは、Milton Brownという人で、Bob Willsと一緒にバンドを組んでいたことがある、ウエスタン・スイングのパイオニアです。
 おそらく、Bob Willsと並んで語られる唯一の存在でしょう。

 早世した人で、Bob Willsほど有名ではありませんが、それでもかなりの録音が残されています。
 ウエスタン・スイング・ファンなら必聴の偉人です。
 私もBoxセットを愛聴しています。
 サウンドとしては、Bob Willsと共通性が高く最高です。
 
 "Deep In The Heart Of Texas"は、わりと有名な曲で、邦題はそれほど普及してないと思いますが「テキサスの心に深く」などが使われているようです。
 私は、この邦題というのが大好きで、センスがいいタイトルには萌えます。
 漣健児さんは、最高ですね。

 歌っているPatsy Montanaは、「カウボーイの恋人になりたいの」で有名な女性シンガーですね。
 レコードから起こしたような、スクラッチ・ノイズが聴こえますが、最高のパフォーマンスです。
 彼女はヨーデルを得意としていて、この曲でも間奏で見事に決めていてます。
 また、一撃集中で使っているハンド・クラッピングが、見事な効果を発揮しています。
 
 "Texas Song Of Pride"のLight Crust Doughboysは、先に出てきたMilton BrownとBob Willsが在籍していたバンドです。
 この曲は、時期からいって二人とも脱退後のものだと思います。
 "Light Crust"というのは「軽い生地」ですから、ブルースでたまにみかける、食品の商品名から、スポンサーが付けたバンド名かも知れません。

 "Yellow Rose Of Texas"は、邦題「テキサス黄色いバラ」、元は古いアメリカ民謡らしいですが、どこかで聴いたメロディです。
 何かの映画やテレビ・ドラマの主題歌とかではないのかな?

 "T For Texas"は、改めて言うような曲ではないですが、この盤唯一のJimmie Rodgers Songなので、やはり注目です。
 Jimmie Rodgersは、TB(肺結核)だったことは有名で、TB Bluesなんて曲もあったはず。

 この曲名のアタマの"T"は、"Train"でしょう。
 「テキサス行列車」ですね。
 曲中には、"T For Texas、T For Tennessee"という歌詞が出てきます。
 Jimmie Rodgersは、シンギング・ブレーキマン(「歌うぽっぽや」?)という愛称を持つシンガーでした。
 この曲は、ベスト盤には必ず入っている代表曲のひとつです。
 彼の得意のブルー・ヨーデルは、一度は聴いていただきたいです。

 "El Rancho Grande"は、やっと出てきました、という感じです。
 テキサスといえば、メキシコとの深い関連は避けて通れません。
 曲はトラッドで、多くの人が様々なアレンジでやっていますが、私は、Freddy Fender盤が大好きです。

 本盤は、冒頭の"The Eyes Of Texas"で、一撃KOされた1枚でした。
 こういうのがあるので、古い音楽はあなどれないのでした。



Milton BrownのThe Eyes Of Texasです。




Patsy MontanaのI Want to be a Cowboy's Sweetheartです。






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