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テハーノ・オールディーズ

 今回は、このバンドを聴きました。
 Liberty Bandという名のテハーノ・グループのアルバムで、おそらくはサンアントニオのバンドではないかと思います。
 本盤は、リリース時期があいまいで、裏ジャケには、2000-2003とクレジットされています。
 これが録音年をさしているのか、あるいは、過去作からの編集盤であることを意味しているのかは不明です。

 
Tejano Golden Oldies
Liberty Band

1. Oldies Medley
2. Te Quiero Mujer
3. Sumbale Maria
4. Si Quieres
5. El Hijo Del Gato Negro
6. Polkda Medley
7. El Solteron
8. Que Bueno
9. El Mucura
10. Oldies Medley

 収録曲の大半はスペイン語によるラテン曲で、スパニッシュ・コミュニティに向けたアルバムです。
 ただ、冒頭とラストに英語詞のオールディーズ・メドレーが配置されています。
 まあ、スペイン語曲もいいですが(特にポルカ・メドレーが◎)、やはり英語のオールディーズ・メドレーが私の一番のお目当てです。

 ここで披露されているのは、基本的にドゥワップを中心とした三連バラードたちです。
 少し古い世代のチカーノが昔から好んでいたリズム&ブルースの詰め合わせですね。
 これは、私の大好物でもあります。

 バンドは、メンバーのクレジットがないのですが、02年頃に出されたと思われる同バンドのアルバム、"Tell It Like Is"のクレジットを参考にすると、以下のような編成ではないかと思います。

Willie Martinez : lead vocals
Ernest Martinez : keyboard
Ledro Uriegas : trumpet
Raul Valdez : sax
Manuel Ramos : guitar
Victor Martinez : bass
Oscar Narvaiz : drums


(この写真では人数が合いませんね)


 さて、スペイン語の曲に関してはほとんど語る材料がないので、やはり、お気に入りのオールディーズ・メドレーについてご紹介したいと思います。
 曲目リストの表記のとおり、メドレーとあるだけで、両曲ともに個別のクレジットがありません。
 なので、私が分かった範囲で書きたいと思います。

 1曲目のメドレーは、以下のような流れだと思います。

1. Oldies Medley
Then You Can Tell Me Goodbye (The Casinos)
〜 不明
〜 Sometimes (Gene Thomas)
〜 Donna (Ritchie Valens)
〜 Tears On My Pillow (Little Anthony & the Imperials)
〜 不明 (スペイン語曲)

 冒頭の"Then You Can Tell Me Goodbye"は、カントリーでもサザン・ソウルでもカバーされている曲ですね。
 本バージョンのお手本は不明ですが、Doo WopならThe Casinos盤があるようです。

 2曲目は、You're Mine〜というフレーズから始まる曲で、最初はDoug Sahmもやった、"You're Mine Tonight"かと思いましたが、どうも違うようです。
 
 そして、大好きなジーン・トーマスの"Sometimes"がメドレーにうまく組み込まれているのが嬉しいです。
 (この曲の前に、"Close Your Eyes〜"のフレーズを持つ曲(Five Keysの有名曲ではない)が入っているかも知れません。)

 リッチー・バレンス(バレンズエラ)のバラード曲を経て、リトル・アンソニーへと繋ぎます。
 
 "Tears On My Pillow"は、チカーノの好きな曲ですね。
 Sunny & the Sunlinersが、Imperialsをお手本の一つとしていたことは、わりと知られています。

 メドレーは、スペイン語曲で終了します。
 もしかすると、比較的有名な英語曲のスペイン語バージョンという可能性もあります。

 一方、アルバムのラストのメドレーはこんな感じだと思います。

10. Oldies Medley
Oh, What A Night (The Dells)
〜We Go Together (The Moonglows)
〜Angel Baby (Rosie & the Originals)
〜Since I Fell For You (The Harptones)
〜Hey Paula (Paul and Paula)
〜スペイン語曲

 デルズの「オーワラナイ」でスタートし、ムーングロウズ・ナンバーへと引き継ぎます。
 冒頭のメドレーが、Doo Wopによくある三連バラード曲のメドレーだったのに対して、こちらは同じ三連でも少しメロディックな12ビート風の曲を集めた感じです。

 ムーングロウズの"We Go Together"は、50年代のChess録音で、「レッツゴー ステディ」のフレーズが耳に残る名作です。
 チカーノ・コミュニティでは、60年代に地元グループのRoyal Jestersのカバー・バージョンがローカル・ヒットしています。
 Royal Jestersは、Joe Jama、Dimas Garzaも在籍していたサンアントニオの名門ボーカル・ゴループです。

 そして、ロージーとオリジナルズの"Angel Baby"が続きます。
 "Angel Baby"は、ジョン・レノンも大好きだった曲ですね。
 原曲がリリースされた当時、ロージーは確かローティーンだったのではないかと思います。
 ロージーのフルネームは、Rosalie Hamlinといい、Originalsのメンバーも含めチカーノです。

 "Since I Fell For You"は、元はジャズ・ポピュラーのスタンダードで、Doo Wopではハープトーンズ盤が最初ではないかと思います。
 スカイライナーズ盤もいいです。

 "Hey Paula"は、オールディーズ、アメリカン・ポップスの代表曲のひとつですね。
 原曲を歌っているポールとポーラのPaulaは、フルネームをPaula Estradaといい、やはりチカーノです。

 最後は、スペイン語曲です。
 聴きようによっては、"Since I Fell For You"のメロディのような気もします。
 
 これらのメドレーの選曲は、チカーノ・オーディエンスが好む内容なのだと思います。
 ちなみに、イーストL.A.のチカーノ向けコンピ・シリーズ、"East Side Story"(CD12枚144曲)のラインナップを眺めると、人気アーティストの傾向がぼんやりと浮かんでくる気がします。
 "East Side Story"の収録曲数の上位5組は以下の通りです。

1. Brenton Wood 4曲
1. Brenda & The Tabulations 4曲
1. Billy Stewart 4曲
4. Etta James 3曲
4. Gene Chandler 3曲

 後半の3組はともかく、最初の2組はほとんど日本では話題にならないアーティストだと思います。
 イーストL.A.とサンアントニオを単純に「チカーノ」でひとくくりにするのは乱暴かも知れませんが、これを見る限り、日本との人気の傾向の違いが感じられて、大変興味深いです。

 ドリーミーに始まり、陽気なラテン曲を経て、最後は再びドリーミーかつマーベラスに締めくくる、そんなナイスなアルバムです。


Oldies Medley by Liberty Band


Oldies Medley
Then You Can Tell Me Goodbye
〜 ?
〜 Sometimes
〜 Donna
〜 Tears On My Pillow 
〜?



関連記事はこちら

テハーノ・サウンド・ショーケース

スカンジナビアン・ホンキートンク・ソング

 今回は、在スウェーデンのカントリー・シンガー、Red Jenkinsの最新作をご紹介します。
 この人のバイオはよくわからないのですが、多分テキサス出身のアメリカ人で、スウェーデンに住んでいるのは、スウェーデン女性と結婚したからなんだと思います。


Cheatin' Heart Motel
Red Jenkins

1. Three Chord Country Song (feat. Tony Booth) (Red Steagall, Danny Steagall)
2. The Cheatin' Heart Motel (feat. Johnny Bush) (Red Jenkins, Becky Hobbs)
3. A Texas Honky Tonk (feat. Georgette Jones) (Glenn Sutton)
4. Fallin' Down Ole Beerjoint (feat. Rick Sousley) (Lloyd Goodson, VanBuskirk)
5. Let's Go Dancing (feat. Mona Mccall)  (Buster Doss)
6. Wish I Had a Nickel (feat. Landon Dodd) (Terry Fell)
7. Drink My Wife Away (feat. Miss Leslie) (David Allan Coe)
8. One More Bottle from the End (feat. Norman Wade) (M. Paul, R. Parker)
9. Happiness Is Never Found in Cans (feat. Billy Mata) (Frank Dycus, Max D. Barnes)
10. Dreams of a Dreamer (feat. Darrell Mccall) (David Hugh Brown)
11. World of Make Believe (feat. Bill Green) (Bill Green)
12. Play the Jukebox One More Time (feat. Jake Hooker) (Eemonn Mc Philomey)
13. Glasses of Beer (feat. Amber Digby)  (Joel Mathis, Berrien Sutton)
14. You Can't Get There from Here (feat. Justin Trevino) (David Hugh, Red Jenkins)
15. Private Party (feat. Bobby Flores) (John Lambert)
16. Stay Under Me (´till I Get Over Her) [feat. Miss Leslie] (Red Jenkins, Joe Sun)
17. Heaven Ain't a Honky Tonk (feat. Johnny Bush) (Mark Vickery)
18. Psychedelic Cowboy (Tribute to Doug Sahm) [feat. Augie Meyers] (Brad Piccolo, John Cooper) 

 Red Jenkinsは、本名も不明です。
 ミレニアム以降にCDが4枚出ていて、いずれも同じコンセプトで作られています。
 (本盤が5枚目)
 録音のためアメリカへ赴き、オースチンもしくはナッシュビルで主として友人(?)のカントリー・シンガーとデュエットしています。

 本盤も同様のつくりで、Johnny Bush、Bobby Floresあたりの常連に加え、多くの私の知らないシンガーと共演しています。
 珍しく超大物のGeorge Jones参加かと思った、Georgette Jonesなるややこしい名前の女性シンガーもいます。

 しかし、私が注目したのは、ラスト18曲目に入っている、Augie Meyersとのデュエット曲、"Psychedelic Cowboy"です。

 この曲は、私が以前、本ブログでとりあげたオクラホマのカントリー・ロック(?)バンド、Red Dirt Rangersの作品のカバーで、Doug Sahmのトリビュート・ソングです。
 実は、Red Dirt Rangersのオリジナル・バージョンでも、Augie Meyersがゲスト参加してオルガンやアコーディオンを弾いていたのでした。
 この曲は、Doug Sahmへの憧れを歌ったもので、Dougの作品名を織り込んだ歌詞だけでなく、曲調も含め、Doug讃歌曲として最高の出来だと思います。

 本盤では、歌詞はもちろんそのまま、アコーディオンを効果的に使ったアレンジで、原曲よりもレトロなスタイルでやっています。
 Redの「カモン シンギン オーギー !」という呼びかけに応じ、オーギーの歌声が聴こえてくると、自然と頬が緩みます。

 Red Jenkinsは、完全にホンキートンクのオールド・スクールの人で、例えるなら、本盤にも参加しているJohnny Bushをさらに時代遅れにした感じです(言い過ぎかな?)。
 ワルツもやりますが、レパートリーの多くは、4ビート・スタイル(風)の正調ホンキートンク・カントリーです。

 Johnny Bushをご存じでしょうか。
 Willie Nelsonのレパートリーとして有名な"Wiskey River"のオリジネイターで、がちがちの陶酔系テキサス・ホンキートンク・シンガーです。
 近年の作品を聴いても、バックこそニュー・トラディショナル調ですが、中身は相変わらずのオールド・スタイルで嬉しくなる人です。
 RedとJohnnyは古い友人のようで、類は友を呼ぶをそのままいっています。
 私の聴いた範囲では、Red Jenkinsは、そんなJohnny Bushよりもさらにレトロな印象を受けます。

 Augie Meyersとは、Redが06年にリリースしたアルバム、"Neon Bible"でも共演していて、そこでは"Heartaches By the Number"をデュエットしていました。



 アルバム収録曲は、見事に同じような雰囲気の曲であふれています。
 テキサスではありますが、アウトロー・カントリー風ではありません。
 あくまで正調ホンキートンク・カントリーで、Bob Willsネタの曲もあるため、ウエスタン・スイングが好きな方にも、興味をもって楽しめる1枚だと思います。

 やはり、"Psychedelic Cowboy"が素晴らしいですが、その他では次の2曲が特に耳に残りました。

4. Fallin' Down Ole Beerjoint
5. Let's Go Dancing 

 "Fallin' Down Ole Beerjoint"は、完全にレフティ・フリーゼル調のメロディの曲で、"I Love You A 1000 Ways"や、"Always Late"を連想します。(実際、それ風の歌詞も出てきます。)

 "Let's Go Dancing"は、"Take Me Back to Talsa"、"Bob Wills Is Still the King"などの歌詞が出てくるウエスタン・スイング讃歌で、後者のフレーズは、もちろんウエイロン・ジェニングスのヒット曲のタイトルです。

 私にとっては、Augieとの共演曲が一番ですが、Johnny Bush、Bobby Floresとのデュエットも安定の良さです。
 また、女性シンガーとの共演曲もいい感じでした。

 カントリーに関心がない方、苦手な方にはお奨めしにくいですが、内容はいいアルバムだと思います。
 Redのボーカルは、Johnny Bushに似たジェントルなバリトンなので、古いカントリーからイメージする、鼻にかかったハイ・ロンサムなスタイルではないので聴きやすいと思います。


 追記
 Doug Sahmのディスコグラフィーによれば、82年にRed Jenkinsがリリースしたアルバム、"Redneck In a Rock & Roll Bar"では、Dougがゲスト参加して、アルバム・タイトル曲をデュエットしているらしいです。
 …という情報は以前から知っていますが、私はジャケ写すら見たことがありません。
 スウェーデン盤オンリーということもあり、Redのミレニアム以前のアナログLPは、残念ながら未CD化のまま埋もれようとしています。
 何とかならないものでしょうか。
 



Psychedelic Cowboy by Red Jenkins




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Doug Sahm Tribute Songs
サイケデリック・カウボーイ
悲しい知らせに 空が泣いた


ウエストサイド・ア・ラ・カルト

 今回は、このアーティストを聴きました。
 ドラマーのRocky "Shuffle" Hernandezがバンド・リーダーを務める、Oldies But Goodies Bandの2ndアルバムです。

 このバンドは、以前に1stをとりあげています。
 例によって、テキサス、ルイジアナ近辺のジュークボックス・ヒッツといった趣の作品集となっています。
 本盤は、01年にリリースされました。


Bringing Back The Memories 50's & 60's Vol.2
Rocky "Shuffle" Hernandez and The OBG Band

1. I Don't Want No Woman
2. You Don't Know Me   
3. Since I Don't Have You  
4. Breaking Up Is Hard To Do  
5. Turn Back The Hands Of Time
6. Lover's Prayer
7. Alligator Blues   
8. Rainy Night In Georgia  
9. Running Blues  

 まず最初におことわりしたいことがあります。
 少し前に、彼らの1stを取り上げた際、メンバーがはっきりと分からなかったため、Web情報を元に私の推測を書きました。
 次のようなメンツです。

Danny Esquivel : guitar, lead vocals
Nando Aguilar : bass, vocals
George Gonzalez : guitar
Tommy "El Gato" Luna : sax
Rocky Hernandez : drums

 しかし今回は、クレジットがありました。
 それによれば、本盤でのメンバーは以下の通りです。

George Ovalle : lead vocals
George Gonzales : guitar
Pete "Corce" Garza : bass
Steve Espinoza : keyboards
Louie Bustos : sax
Rocky "Shuffle" Hernandez : drums

 見事に違いますね。
 私が参考にしたWeb記事が最近のもので、そこへ至るまで、いろいろとメンバーの変遷があったようです。
 これにより、本盤の1年前にリリースされた1stのメンバーは、(またも推測ですが)おそらく本盤に近いものだろうと考えます。
 (Doug Sahm人脈のLouie Bustosの名前を見て、一層親しみがわきました。)

 ところで、本盤は前作とは少し違った印象を受けます。
 音の印象からは、私は今作の方がより好きです。
 ざっくり印象を言えば、1stがイナタくもっさりした音なら、この2ndは少しアーバンな雰囲気を感じさせる音になっています。
 特に感じるのがギターで、今作はギターの出番が多く、細かくシャープに歌っています。

 もちろん印象の違いは、選曲からくるものもあるでしよう。
 1stが、全体的にスワンプ・ポップ的傾向が強かったのに対して、今作はソウル、ブルース寄りの選曲に感じます。
 ただ、それらを加味しても、リズム隊、ホーン陣はともかく、ギターはメンツが変わっている気がします。
 これらから、ギターのGeorge Gonzalesの参加は本盤からではないかと推察します。

 他のメンツは、(リード・ボーカルも含め)よくわかりません。
 はっきり分かるのは、ジャケ写で分かるように、本盤は6人編成だということくらいてす。
 (また、ゲストのクレジットがありませんが、曲によってはトランペットが参加している気がします。)



 アルバムは、Bobby Blandの"I Don't Want No Woman"でスタートします。
 まず、出だしのこの曲で、前作との違いをはっきり感じます。
 最初から、ギターが細かくフレーズを入れ続けています。
 キーボードとホーンを柱に、ギターが歌と同じくらいの比重でメロに絡んでいます。
 ブルージーで流麗なギター・ソロがかっこいいです。

 次の"You Don't Know Me"が一転して、ホンキートンク・カントリーの名作のカバーで選曲の落差が激しいです。
 ただ、音の印象はさほどのギャップを感じず、カントリーの風合いが少ないアレンジのため、スムースに聴くことができます。
 曲は、Bob Willsに多くの名作を書いた、Cindy Walkerの作品で、オリジナルはビロード・ヴォイスのスタイリスト、Eddy Arnoldではないかと思います。
 Willie Nelsonが、この曲をアルバム・タイトルにした、Cindy Walker作品集を出しています。
 シンセが入っているように思いますが、ほとんど気になりません。
 ブルージーかつジャジーなナイト・ミュージック風の仕上がりです。

 "Since I Don't Have You"は、ドリーミーなDoo Wopバラードです。
 ここまでの一連の曲の並べ方がいいですね。
 ハード・ブルース、ホンキートンク、ドゥワップというわけです。
 Skylinersの代表作のカバーで、リード・ボーカルのジェイムズ・ボーモン(ト)のファルセットを最大限に生かした必殺のブルー・ラブ・バラードでした。
 ここでは、George Ovalleが頑張って原曲の雰囲気をトレースしています。
 高音パートでの彼の頑張りと、やはり選曲の流れの妙を評価したいです。

 "Breaking Up Is Hard To Do"は、スワンプ・ポップの名作の一つで、オリジナルはJivin' Geneです。
 Cookie & the Cupcakesのカバーもいいです。
 (カーペンターズに同名の名曲がありますが、あちらはニール・セダカ作の別の曲です。)  
 三連のホーン・リフを軸に、ボーカルが太い声でろうろうと歌っています。
 一気にイナタくなった感じがします。
 サックス・ソロからギター・ソロへつなぐ展開が聴きどころの一つでしょう。

 そして、"Turn Back The Hands Of Time"へとつながります。
 有名なタイロン・デイヴィスのシカゴ・ソウルの名作です。
 イントロのベース・ランから雰囲気満点で、期待させてくれます。
 原曲に沿ったアレンジで、軽快かつおしゃれに迫ってきます。
 このあたりも、イナタい曲からアーバンな曲へと考えて並べているのでしょうか。
 小粋なキーボードのオブリから、サックス・ソロまではまっています。

 ソウル・カバーが続きます。
 なんとオーティスの"Lover's Prayer"です。
 難しい曲だと思いますが、ボーカル、伴奏陣ともにサッドな雰囲気をうまく出しています。
 ロンサムなサックス・ソロがぴったりマッチしています。

 "Alligator Blues"は、サックスの前奏から、トランペットへのソロ回しで始まる、ソウル・インスト・ナンバーです。
 シャッフル・ブルース風でもあります。
 ひたすら気持ちのいいグルーヴに身をひたすのみです。
 原曲は分かりません。
 オリジナルなのかも知れません。

 "Rainy Night In Georgia"は、またも選曲の流れのうまさを感じさせる配置だと思いました。
 怠惰な雰囲気のバラードで、ブルック・ベントンで有名なトニー・ジョー・ホワイトの作品です。
 かっこいい系から、脱力系へと転換させた曲の並びです。

 ラストの"Running Blues"も原曲不明です。
 シャッフル・ブルース調の曲で、"Alligator Blues"に似た気持ちいいグルーヴに乗りながら、こちらはスタイリッシュなボーカルが歌い飛ばしていきます。

 かっこいい系の曲で始め、様々なタイプの曲を効果的に並べながら、最後はかっこよく締めた、ごきげんなアルバムだと思います。




I Don't Want No Woman
by
Rocky "Shuffle" Hernandez & OBG Band




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想い出のウエストサイド
スワンプ・ポップのふるさと

   
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