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2010 フェイヴァリッツ

 大晦日です。
 今回は、今年のお気に入りというテーマでアルバムを選出したいと思います。
 さて、うまくいくでしょうか?



 【新譜】
Esta Bueno / Texas Tornados
It's A Good Day / Asleep At The Wheel
Trippin Out On Triplets / Augie Meyers


 この3枚の選出には、さほど迷いませんでした。
 むしろ、既に手元にあるのに未聴で、気になっているものがあります。
 次の2枚です。

The Laziest Girl In Town / Elizabeth McQueen
See My Friends / Ray Davies (日本盤) 


 聴くのは年明けになると思います。

【リイシュー】
The Shape You Left Me In / Jimmy Doneley
Malaco Soul Brothers Volume2 / C.P.Love, Jimmy Dobbins
Feed The Flame / Spencer Wiggins
All Because Of Your Love / George Jackson
It Ain't Good To Be Too Good / Barbara Lynn
Watching It Go / Gene Thomas


 内容の凄さ、待望度では、Spencer Wigginsが1番でした。
 それに次ぐのが、George Jacksonでしょうか。
 しかし、思い入れの深さ、愛着度では、Gene Thomasです。
 
 【リイシュー(コンピレーション)】
Bert Berns Story Volume2 1964-1967  / VA
Thank You Bobby / VA


 内容の充実度では、Bert Berns Story Vol.2です。
 そして、コンセプトの楽しさ、無名人の意外な面白さで、Thank You Bobbyが好きです。
 以下の3枚は、次点です。

The Complete Goldwax Singles Volume3 1967-1970  / VA 
The Goldwax Story Volume 3 / VA
Steppin' Stone The XL and Sounds Of Memphis Story Volume3 / VA


【過去作だけど、10年に入手して特に気に入ったもの】
The Epic Masters 10CD Box Set / Shakin' Stevens (09)
Barry Goldberg / Barry Goldberg (09) 日本盤
Scandinavian Years / Sir Douglas Quintet (08)
Happy Doing What We're Doing / Elizabeth McQueen (05)
Ullalla Boogie / The Red Wagons Blues Band (04)
Teenage Memories Like This / Gene Thomas (94)


 Scandinavian Yearsは、08年リリースとなっていますが、流通しだしたのは今年だと思います。
 それまでは、ヨーロッパの一部の国のみで入手可能でした。
 先ほど本邦アマゾンを確認したところ、現在は在庫ありになっていました。
 Snet時代の音源がCDで聴けるのは、このCDだけなので、まだまだ貴重です。

Shakin' Stevensのボックスは、懐かしさとポップなカバー曲の楽しさで最高です。
 
 Barry Goldbergの同名作と、Ullalla Boogieは、さほど期待せずに聴いたのですが、思いがけず好みにストライクだったものです。
 The Red Wagons Blues Bandは、現役のバンドのため、最も次作を期待しているバンドです。

 Happy Doing What We're Doingは、パブ・ロック・ファン必聴のアルバムでした。
 これは、長く愛聴していくと思います。

 Gene ThomasTeenage Memories Like Thisは、長年の謎を明らかにしてくれたアイテムです。
 資料的価値の低いつくりなのが残念ですが、音が聴けただけで凄い進歩でした。

 この中で、ブログで取り上げたのは、次のとおりです。

Trippin Out On Triplets 
The Shape You Left Me In
All Because Of Your Love 
It Ain't Good To Be Too Good 
Scandinavian Years 
Happy Doing What We're Doing 
Ullalla Boogie 
Thank You Bobby 

 Gene Thomasは、アルバムとしてではなく、人物として取り上げました。
 「ジーン・トーマスを探せ」

 Shakin' StevensThe Epic Masters 10CD Box Setは、1stから5thまでを取り上げました。

テイク・ワン
ジス・オール・ハウス
やっかいごとはごめんだよ      
終わりだなんて言わないで      
涙はほんの少しだけ

 どうも、あまりロックを聴かない人であることが分かってしまうリストになりました。

 それでは、皆さん、よいお年を


ようこそ、イヴァンジェリン・カフェへ

 うーむ、どういえばいいんでしょう。
 決してうまいバンドではありませんが、好意を持たずにはいられません。
 このバンドを取り上げるのは3度目ですが、毎回楽しませてくれます。

 今回は、ライヴ・アルバムなので、バンドの嗜好性というか、好きものぶりがもろに出ていて、もうたまりません。
 全国のテキサス、ルイジアナ音楽好きの皆さん、今回もイナタイです。


Live At Evangeline Cafe
Larry Lange And His Lonely Knights

1. Too Good to Be True
2. Ain't No Big Thing
3. Don't You Know
4. I Won't Cry
5. Just a Matter of Time
6. Ramona
7. Sick and Tired
8. All I Could Do Was Cry
9. Grady's Rhumba
10. Lights Out
11. You Can Make It If You Try
12. No Time for You
13. I'm Gonna Leave
14. Oo Wee Baby
15. Write Me a Letter
16. Tequila
17. Route 90
18. Don't Leave Me Baby


 このアルバムは、多分09年にリリースされたもので、オースティンのイヴァンジェリン・カフェというライヴ・ハウス(?)での公演を収録したものです。
 録音時期は明記されていません。

 バンドのおさらいをしましょう。
 ロンリー・ナイツは、ボーカルとベースのラリー・レインジを中心とする、チカーノ・スタイルの曲を得意とするバンドで、ギター、ピアノ(又はオルガン)、ドラムスのリズム隊に、テナー2本とバリトン1本のサックス、それにトランペット(又はトロンボーン)1本を加えた8人編成のバンドです。

 さらに、今作ではゲストとして、ルディ・ゴンザレス、ディマス・ガルサ、ホアンナ・ラミレスという3人のボーカリストが参加しています。

 このうち、ディマス・ガルサは、ラストのDon't Leave Me Babyでリード・ボーカルを取っていますが、この曲は、彼の自作で、原曲はDimas Garza & The Royal Jesters名義でリリースされています。

 イントロだけ聴くと、サザン・ソウルかと思わせる哀愁の三連バラードです。
 彼は、Tex-Mex、Chicano Soulのパイオニアと紹介されていますが、08年11月に心臓発作で天に召されました。68歳でした。
 あるいは、この録音が最後のセッションだったのかも知れません。

 さて、今作も同好の志にとっては、たまらない雰囲気の曲が続きます。
 わかる範囲で簡単に紹介します。

 まず、Ain't No Big Thingですが、原曲はシカゴのRadiantsで、チェスに録音していたボーカル・グループです。
 デルズのように、ドゥワップからソウル・コーラスへと移り変わる時代を乗り切ったグループでした。
 この曲は、ノーザン・ソウル・スタイルの曲ですが、チカーノ系のグループに人気がある曲のようで、Little Jr.Jessie & The Teardropsのほか、複数のグループのカバーがあるようです。
 ロンリー・ナイツは、原曲よりも、こういったチカーノ・グループ盤で知ったのかも知れません。

 Don't You Knowは、ジョニー・エイスのレパートリーで、普及しているCDで容易に原曲を聴くことができます。
 エイスには、有名曲が複数あるなか、わざわざこの曲をチョイスしているのが興味深いです。
 私も、エイスの同曲を聴き返すきっかけになりました。
 ここでは、ドラムスのマイケル・クリスチャンがリード・ボーカルをとっています。

 I Won't Cryは、いうまでもなく、ジョニー・アダムスの名曲ですが、ダグ・サーム盤は、ジョニー盤を凌駕する名演だと思います。
 特にラストの「アイ・ウォン・クラーイ」のフェイクがたまりません。

 Just a Matter of Timeは、有名なブルック・ベントン盤とは同名異曲で、ドン・ロビーの作曲パートナーだった、Fats Washingtonが書いた曲です。
 こちらは、アップ・テンポの曲で、オリジネイターは不明です。
 あるいは、作者本人かも知れません。
 ここでは、女性ボーカリストのホアンナ・ラミレスがリードを歌っています。

 Sick and Tiredは、ニューオリンズR&Bの有名曲で、多くの人がやっていますが、原曲はクリス・ケナーで、作者は本人とデイヴ・バーソロミューです。
 ケナー盤は未聴ですが、多分原曲よりテンポを上げてやっていると思います。
 ユーモラスかつ軽快なロックンロール調になっています。 

 All I Could Do Was Cryは、エタ・ジェイムズの初期の代表曲のひとつで、原曲はチェス録音です。
 映画「キャデラック・レコード」では、エタ・ジェイムズ役のビヨンセ(!)がこの曲を歌うシーンが、大きなモチーフとなっていました。
 ここでは、ルディ・ゴンザレスが、長いモノローグに続いて、思い入れたっぷりに歌っています。

 Lights Outは、ドクター・ジョンのナンバーで、リトル・リチャード系のロックンロールです。
 ギターのグラディ・ピンカートンがリード・ボーカルを担当しています。
 1曲前のGrady's Rhumbaは、収録曲で唯一のオリジナル曲で、グラディの作のインスト・ダンス・ナンバーです。

 You Can Make It If You Tryは、多くの人にとって、ストーンズ盤が最初の出会いだと思います。
 私もそうでした。
 原曲は、ヴィージェイのジーン・アリスン盤です。
 成せばなる、成さねばならぬ何事も、という意味ですね。
 ここでは、再びドラムスのマイケルがリードを取っています。

 No Time for Youは、私は未聴ですが、サンアントニオのグループ、Commandsが原曲のようです。
 このあたりは、原曲探しの虫がうずきます。
  
 I'm Gonna Leaveは、知らない曲ですが、作者がRobert Williamsとなっており、これは、90年代にデビューしたロカビリー〜スイング・バンドのリーダー、Big Sandyの本名だと思います。
 Big Sandy & his Flyrite Trio (Boys)のどれかのアルバムに入っていると思います。
 
 Tequilaは、いうまでもなく大有名インストです。
 ここでは、合いの手だけでなく、サックス・ブロウのところに、スペイン語の歌詞がかなりフィーチャーされています。

 Route 90は、作者の一人にClarence Garlowの名前があるため、原曲はガーロウ盤かも知れません。
 ガーロウなら、ザディコの可能性が高いですが、曲はSweet Little Sixteenの改作のような感じで、歌詞は、おそらくルート90号線の沿道の街の名前を盛り込んだものだと思います。
 Sweet Little Sixteenと、Back In USAを合体させたような曲ですね。

 何曲か原曲が不明の曲がありました。
 作者は次のとおりです。

 Too Good to Be TrueRay Pennigton作(カントリー系?)
 RamonaDeLeon
 Oo Wee Baby/unknown (ドゥワップのHarptonesに同名曲がありますが、違うようです。ロッキンR&Bです。)
 Write Me a Letter/unknown (私好みの三連バラードで、これは特に原曲を知りたいです。)

 とにかく、ホーンの鳴りが気持ちよくて、楽しませてくれるバンドです。
 Tex-Mexルーツを感じさせるバンド(コンフント系)はいくつもありますが、チカーノ・ソウルのルーツに根差した白人のバンドは貴重だと思います。

 原曲がソウルやR&Bであっても、少年時代に聴いたチカーノ・グループのカバーが、大きな原体験になっている人たちではないかと思います。
 私は今、サンアントニオや、イーストLAの60sチカーノ・グループを、もっと聴きたいと思っています。







 関連記事はこちら

 ハイウェイ90サウンドに酔いしれて
 チカーノ魂の片りんを見ました
 イーストLAの郷愁

カウントダウン動画

 いよいよ今年も押し詰まってきました。
 そこで、今回は少しお遊びの回にしたいと思います。

 私は、部屋の整理、とりわけCDや文庫本の整理の顛末を記すため、10年7月からこのブログを始めました。
 当初の思惑と変わってきたところもありますが、あきっぽい私としては珍しく、奇跡的に継続しています。

 この間、約6か月、振り返ると無知や事実誤認などから、いろいろと恥ずかしい文章を残してしまいました。
 そんな中、8月3日に初めてある試みに挑戦しました。



 YouTube用の動画の作成です。
 初めての作品は、とりあえず、おっかなびっくりで作ってみましたという感じでしたが、obinさんから望外のおほめの言葉をいただき、一時は舞い上がって夢中になったときもありました。

 さて、第1号動画のアップから、約5か月、この間、作成後すでに削除したものもありますが、現在、試験的に作った泡沫動画も含めて、私の作成動画は約50本あります。
 
 そこで、今回は、その中で再生回数が上位5位までのものを、ずうずうしくもカウントダウン紹介したいと思います。
 再生回数は、どうも最後まで再生終了したもののみカウントされるようです。

 私の作ったYouTube動画は、全て私のブログの訪問者向けに作ったものです。
 そのため、広く閲覧を誘導するための、検索用キーワードなどは埋め込んでいません。

 再生回数が多いものは、ブログではなく、YouTubeの検索で閲覧されたものだと思われますが、検索にヒットしているワードは、動画のタイトルに使用した、曲名とアーティスト名のほかはありません。
 
 さて、まず第5位ですが、8月14日に作成した、Sam The ShamMystery Trainです。
 ロカビリー・クラシックのミステリー・トレインをボ・デイドリー・ビートでやったアレンジがユニークで大好きだったので、紹介したくて作りました。 
 動画としては、特段の工夫はしていず、静止画像を何枚かスライドしただけの単純な作りになっています。
 8月14日の記事「ミステリー列車はトレモロで」に貼り付けたものです。



 次に第4位です。
 11月6日に作成したもので、Hermon Hitsonのディープ・ソウル、You Are Too Much For The Human Heartを、静止画像1枚のみに、曲をのせたものです。
 動画ともいえないものですが、ニッチな需要があるようで驚いています。
 11月7日の記事「ハーモン・ヒットソン、君は手に負えない」に貼りつけました。 



 第3位は、8月3日に作ったもので、これが私の初めての作品になります。
 Lazy Lesterのルイジアナ・ブルース、I'm A Lover Not A Fighterをベースに、Dave EdmundsKinksのカバーをつないだものです。
 8月4日の「争わず、愛するのみ」の記事に貼り付けたものですが、なにぶん最初ということもあり、ピンボケ画像を安易に使用しいてたため、作り直して現在は改編したものをブログに貼りつけています。

 しかし、元の作品は記念として削除していません。
 結果的に、改編バージョンより、当初のものの方が閲覧回数が多くなっています。
 これは、間違いなくObinさんの影響力によるもので、ご自身のブログで紹介して下さったことで、たくさんの方の関心を得られたのだと思います。
 こちらは、その最初のバージョンになります。



  第2位は、8月8日に作成したもので、Five Blind Boys Of Mississippiのゴスペル、Somewhere Listening For My Nameをベースに、John FogertyBlue Ridge Rangersのバージョンを合成したものです。
 動画の出来は、さほどいいとは言えません。
 なにか人気のある動画の関連動画として、棚ボタでヒットしているのかも知れません。
 8月9日の記事「わが名を聞く人あり」に貼りつけました。



 そして、第1位です。
8月28日に作成したものですが、これまた作った本人からみると、なぜこれがというものです。
 Clifton Chenierのザディコ、I'm Coming Homeを、何枚かの静止画を使って曲にのせてスライド化しただけのものです。

 これがなぜ閲覧されているのか「?」です。
 実は、第2位のものの3倍も閲覧されているのです。
 ザディコ、ケイジャン関係で、謎の需要があるようです。
 8月29日の記事「みたび家路へ」に貼りつけたものです。

 

 作った本人の労力や、思い入れとは全く同期していない結果となっており、複雑な気分なのでした。 




 関連記事はこちら
  
 ミステリー列車はトレモロで
 ハーモン・ヒットソン、君は手に負えない
 争わず、愛するのみ 
 わが名を聞く人あり 
 みたび家路へ


招待客が多すぎる

 今年購入したアルバムに占める、新譜の比率を調べようとしたところ、かなり思い違いしているものがあることに気が付きました。

 てっきり、10年リリースだと思い込んでいたのですが、実は09年作だったということが判明したのが、この1枚です。

  
Guest List
Martin Belmont

1. My Baby's Gone / Paul Carrack
2. Time For The Sun To Rize / Johnny Nicky
3. A Man in Love (original version) / Nick Lowe
4. Johnny Too Bad / Sean Tyla
5. Seven Curses / Reg Meuross
6. Island of Dreams / Geraint Watkins
7. Get Rhythm / Martin Belmont
8. Tall Lover Man / Carlene Carter
9. Alison / Martin Belmont
10. In the Midnight Hour / Graham Parker
11. Waltzing With Sin / Hank Wangford
12. I Viberate / Martin Belmont
13. Beyond the Blue Horizon / Barbara Marsh


 Martin Belmontが、多数のゲストを迎えて制作したソロ・アルバムです。
 実にのどかな1枚に仕上がっています。
 97年のBig Guitar以来のソロ第二作ではないかと思いますが、インスト中心だった1stに比べると、ゲスト・ボーカリストが豪華なので、なかなかに楽しめます。

 ニック・ロウやポール・キャラック、ジェレイント・ワトキンスなんかは、当たり前すぎるゲストで、スリルに欠ける気がしますが、実は結局おちつくのは、こういったメンツとやった曲だったりします。
 なかでも、ワトキンスが歌うIsland of Dreamsは、私のお気に入りです。
 ニックのA Man in Love は、07年のAt My Ageでやっていた曲ですね。
 オリジナル・バージョンの意味は不明てす。

 カーリーン・カーターや、グレアム・パーカーも、先の3人と変わらない近い存在ではありますが、私の感覚では、組み合わせとしての魅力はこっちの方が高いです。
 グレアム・パーカーは、常にソウルフルにやろうとしている人ですが、歌い方は、ディランぽかったりします。 

 ところで、カーリーンですが、最新作のジャケット写真が顔のアップでしたが、動画サイトなどを見ると、かなり体型が変わっていて、かつてのスリムな面影はなくなっています。
 変わらない音楽性は嬉しいですが、ビジュアル的には残念な状態ですね。

 名前を見て一番期待したのは、シーン・タイラでした。
 出来は、まあ普通でしょうか。

 そして、ハンク・ワングフォードはどうでしよう。
 珍しい人を連れてきたなと思うのは私だけですか?
 確か、乗馬しているジャケのアルバムを持っていたはずですが、音の記憶はありません。

 Reg Meurossと言う人と、Johny Nicky、Barbara Marshは初めて聴く人でした。

 どうも褒めどころが困るアルバムではあります。
 ロックにスリルや攻撃性を求める方には、不向きだと思います。

 まあ、このアルバムを買う方は、内容が想像できる方だと思います。
 そして、その想像は当たっています。

 私は、1stソロでやったハウリン・ウルフのカバーみたいなのが、今作でも欲しかったです。
 あまり、ルーツの見えない人だと思います。
 案外、ハンク・マーヴィンあたりでしょうか?



ハンク・ワングフォードのステージにベルモントがゲスト参加しています。




スイングとジャンプで部屋一杯

 今日は、朝から探し物をしていたのですが、いまだに見つかっていません。
 探しているのは、私が今年の支出の記録を残すために整理してるノートです。

 中身は、領収書、納品書、請求明細書などを、時系列にペタペタと貼っているだけのもので、決して支出の傾向を精査して来年に生かそうとか、そんな大それた目的のためのものではありません。
 単に残しているだけです。

 ノートは4冊目に突入しているのですが、その2冊目が見つからず、無駄な時間をかけたという訳です。
 ほとほと疲れた私は、疲れを癒してくれる自分にとっての癒しの音楽を聴くことにしました。


Swingin' & Jumpin'
Roomful Of Blues

1. Give It Up / N.Watts
2. Jumpin' For Joe / G.Piccolo*
3. Honey Hush / L.W.Turner
4. He Was A Friend Of Mine / H.Crawford**
5. That's The Groovy Thing / E.Bostic**
6. Red, Hot, And Blue / T.Smith
7. Take It Like A Man / C.Willis
8. Street Lights / E.Davis**
9. That's My Life / C.Willis
10. House Of Joy / D.Newman**
11. Cocka-Doodle-Doo / J.Turner*
12. Duke's Blues / D.Robillard


 このアルバムは、99年にリリースされたもので、大ベテラン・バンドRoomful Of Bluesの初期の3枚から12曲をチョイスした編集盤です。

 のちに1stのオリジナル・アルバムを手に入れたりしましたが、このアルバムこそ、私にこのバンドの良さを教えてくれたアルバムなので、とても愛着があるのでした。

 私とルームフル・オブ・ブルースとの出会いは、アール・キングとの共演盤が最初だったと思います。
 あるいは、別のアルバムだったかも知れませんが、とりあえず、ギターがロニー・アール時代のものがファースト・コンタクトでした。

 このアルバムは、78年の1stから6曲、Eddie Creanhead Vinsonと共演した82年の4thから4曲、Joe Turnerと共演した83年の5thから2曲をセレクトした内容になっています。

 2ndと3rdが外されていることに深い意味はなく、多分レコード会社の系列が違うからだと思います。
 とにかく、中身は「ごきげん」というほかなく、その一言で終わりたい気分です。

 このバンドは、もともとギターのDuke RobillardとピアノのAl Copleyを中心に結成されたようですが、レコード・デビュー前のオリジナル・メンバーには、後にファビュラス・サンダーバーズにも参加した、ドラムスのFran Christinaが在籍していたようです。
 また、1stでベースを弾いたPreston Hubbardも、のちにT-バーズに在籍した時期があるようです。
 
 その後、4thでは、ギターがRonnie Earlに交代し、5thではピアノのクレジットがなくなっています。
 ピアノは、プロデューサーが弾いたのかも知れません。

 プロデュースといえば、このバンドはDoc Pomasとゆかりが深いようで、1stと5thでは彼の名前がクレジツトされています。
 また、ノー・クレジットであっても、初期においては関わりがあったのではないかと思います。

 とにかく、分厚いホーンのユニゾンの鳴りに、ソロが切り込んでくるのが気持ちいいバンドで、初期編成では、アルト、バリトン、テナーの3本のサックスのサウンドがメインでした。

 腕利きのギターリストがいましたが、あまりギター・メインで、ごりごりに弾きまくるヒューストン・ジャンプ系の曲は控えめに抑えています。
 彼らは、テキサスのバンドですが、憧れて大きな影響を受けた音楽が、カンザス・シティ・スタイルだった可能性も考えられます。
 
 クリーンヘッド・ヴィンスンと共演した4thでは、ヴィンスンのアルト・サックスに加え、更にトランペットとトロンボーンが参加して、ホーン6管となっています。
 この編成は、ジョー・ターナーと共演した5thにも受け継がれ、こちらはサックス3本、トランペット、トロンボーンという5管編成です。

 どの曲がどうとかではなく、全ての曲が楽しめます。
 ちなみに、Cocka-Doodle-Dooでは、ジョー・ターナーのボーカルを、He Was A Friend Of Mineでは、エディ・クリーンヘッド・ヴィンスンのボーカルを聴く事が出来ます。
 ターナーの持ち歌Honey Hushを歌っているのは、ギターのロビラードだと思います。

 ジョーの名前をタイトルに盛り込んだJumpin' For Joeは、テナーのグレッグ・ピッコロが書いたインスト・ナンバーで、恐らくはジョー・ターナーに対する敬愛を表した曲なのだと思います。
 素晴らしいスイング、ジャンプ・サウンドと、鋼のような咽喉、これに勝るものはないと言いたい気分です。

 ラストのDuke's Bluesでは、デューク・ロビラードのジャジーなプレイが聴けます。

 チャック・ウィリスを2曲やっているのが眼につきますが、手元にあるアトランティック盤2枚の収録曲ではないようです。
 アトランティック時代は、リズム・アンド・ブルース、ロックンロールに接近した音づくりですので、その前のオーケー時代なのでしょう。
 オーケー時代の日本盤を持っているはずなのですが、いつもながら確認したいときに見つからないのでした。

 デューク・ロビラードのギターは、ソロではジャジー路線だと思うので、攻撃的なスタイルはT-バーズで、そして、ロニー・アールのギターは、彼のプロジェクト、ブロードキャスターズで聴くのがお勧めです。

 このアルバムは、私好みの音がつまっていますが、あえて1曲を選ぶとすれば、ジョー・ターナーの貫禄たっぷりのボーカルが聴けるCocka-Doodle-Dooが一押しです。

 既にオリジナル・メンバーは、ひとり残っているかどうかという感じだと思いますが、結成30年を超え、オリジナル・アルバムも20枚に達して、なお元気に活動しているようで、来年1月早々には、新譜が出るようです。



Cocka-Doodle-Dooです。




リチャード・マイナスさんの唄

 CD棚を探っていると、時々なぜ購入したのか、すぐに思いだせないアイテムを見つけたりします。
 どうも、以前にも同じような書き出しで始めたことを思い出しましたが、今回のアルバムはそんなアルバムのひとつです。


V
Rich Minus

1. Blue Stockings
2. Walkin’Straight And I Ain’t Roldin'
3. Rock Island Line : Huddie Ledbetter
4. I'll Catch You When You Fall
5. Most Beautiful Waltz
6. My Time
7. Talkin Suoermarket Blues
8. Separately : George Ensie, Rich Minus
9. Cans U
10. The Ballad Of Molly Maguires
11. Be Good To Me : Clifford Scott, Rich Minus


 このアルバムは、恐らく私の嗜好を知ってくれていた輸入盤店の店長が、選んで推薦してくれたものだと思います。
 久しぶりに手に取った私は、パッケージやブックレットをじっくりと眺めた結果、ようやく理由らしきものに思い当たりました。

 このアルバムは、94年にリリースされたもので、Ernie Durawaがプロデュースしています。
 アーニー・ドゥラワは、元サー・ダグラス・クインテットでドラムスを叩いていた人です。

 そして、今回のアルバムでは、主役のリッチ・マイナスをサポートするメイン・リズム・セクションの一員として、録音に全面参加しています。
 更に嬉しいことは、そのリズム隊の相棒として、ベースのSpeedy Sparksとがっちりタッグを組んでいることです。
 
 スピーディ・スパークスもまた、元クインテットの一員で、あの覆面バンド、テキサス・マーベリックスを制作し、テキサス・トルネードスでもベースを弾いていた人です。
 いずれも、Doug Sahmの古くからの盟友たちです。

 また、I'll Catch You When You Fallでは、フラコ・ヒメネスがアコーディオンで参加しています。
 さらに、Walkin’Straight And I Ain’t Roldin' と、Be Good To Meでは、元Asleep At The Wheelのフロイド・ドミノがキーボードを弾いています。

 そして、これは推察ですが、ギターでクレジットされている、John X Reedという人は、ジョー・イーリー、ジミー・デイル・ギルモア、ブッチ・ハンコックを擁したFlatlandersのオリジナル・メンバーで、マーシャ・ボールを生んだFrada&Firedogsのギターを経て、Texana Damesでもギター弾いていた人ではないでしょうか? (…いずれも未確認事項です。)
 
 実は、今回、眼をこらしてブックレットを見て、このような情報をすくいあげました。
 でも、予断なしで聴いた初見のときは、さほど関心を持てず、一度だけ聴いて棚にしまっていた可能性が高いです。

 眼から得た情報に、意識下で影響されて音楽を聴くあやうさ、そして簡単にミス・リードされてしまう自分のうかつさを認識しつつも、やはり無心で聴くことなど出来ない私がいます。

 今も、かつて簡単にスルーしたこのCDを、私はじっくりと聴こうと構えています。
 これだけテキサスに、そしてダグ・サームやその周辺アーティストになじみのあるメンツが関わったアルバムに、親近感を持って接せずにはいられないのでした。

 この人は、やはりテキサスのシンガー・ソング・ライターというべきなんでしよう。
 フォーキーで、ディランを思わせる雰囲気の曲もあります。
 そして、恐らくは意識してカントリーっぽいアレンジでやっている曲もあります。

 サウンドとしては、ボーダー・ソングの雰囲気を有したフォーク・ロックでしょうか?
 カウボーイ・ソングっぽい曲もあります。
 アーバン・カウボーイという言葉が浮かんだりします。

 かと思えば、自作のBe Good To Meでは、ドクター・ジョンばりのだみ声で、ジャズ・スタンダードっぽく小粋に決めたりもしています。
 アクースティック・サウンドを大切にした音作りに感じます。

 ところで、リッチ・マイナスという名前ですが、私は名前の愛称、短縮形に興味があります。
 Richというのは、おそらくRichardの短縮形だと思います。
 リチャード・マイナスということですね。
 
 Richは、多分Richieに変化すると思います。
 リッチーです。
 リッチー・ブラックモア、リッチー・サンボラは、みんなリチャードなんでしょう。

 しかし、リチャードの短縮形でリッチというのは、少数派ではないでしょうか?
 カントリーのライターで、リッチ・キンズルという人がいましたが、私は他の例をあまり眼にしたことがありません。
 リチャードの短縮形で、最もポプュラーなのは、恐らくディックだと思います。

 これは、私がずいぶん以前から不思議に思っている英語の不可解さのひとつで、つづりと発音のかい離の顕著さとともに、この関連性の判然としない短縮形の存在も、私をいらつかせるとともに、関心を惹かせる要素なのでした。

 なぜ、RichardがDickになるのか、接尾のdからDickが派生したのでしょうか、それなら何でもありじゃないですか、と言いたいのでした。

 Dickは、Dickeyに変化すると思います。
 ディッキー・ベッツですね。
 彼の名前が、リチャード・ベッツであることは、ソロ・アルバムのタイトル表記で明らかです。
 
 ちなみに、私が好きな名前のひとつに、セオドアがあります。
 セオドア・ルーズベルトが代表ですね。
 また、60年代の有名なSF作家に、シオドア・スタージョンという人がいました。
 つづりは、いずれもTheodoreです。
 これは、カタカナ表記のゆれにすぎませんが、このセオドアは、短縮形ではテッドになります。

 さらに派生して、テディになって、テディ・ベアなんていうところまで繋がるわけです。
 熊の狩猟に出かけたルーズベルト大統領が、母と離れた小熊を保護したことから、有名な熊のぬいぐるみの名前が付けられたらしいです。
 エルヴィスの軽快なロックンロールにも名前を残していますね。

 どうも、脱線してしまいました。
 名前の愛称、短縮形は、今後も私の関心事であり続けると思います。

 さて、リッチ・マイナスですが、私のアイドルであるダグ・サームとは、テキサス・トルネードスで繋がっていたことを、先ほど確認しました。
 テキサス・トルネードスの1stに収録されている、Laredo Roseという曲が、彼の作品でした。

 原曲が入手したいものですが、どのオリジナル・アルバムに収録されているのか調べきれていません。
 気長に音楽を楽しんでいれば、いつか私の手元に回ってくるに違いないと夢想する私なのでした。



Laredo Roseです。




 関連記事はこちら

 テキサスのご婦人がた


 

ルディ・ルイスで聴くドリフターズ

 Some Kind Of Wonderfulという曲があります。
 67年にSoul Brother Sixがヒットさせた曲で、ヒューイ・ルイス&ニュースが94年に、Four Chords & Several Years Agoという古いR&Bのカバー・アルバムを出した時、収録曲の1曲に選んだのがこの曲でした。

 でも、私にとっては、Some Kind Of Wonderfulといえば全く別の曲です。
 もちろん、61年、GoffinKing作のDrifters盤ですね。
 ヒューイ・ルイス盤を初めて聴いたときは、何の疑いも持っていなかったので、Soul Brother Sixの方が出てきて、かなりショックでした。


Up On The Roof
Difinitive Drifters Anthology Four
The Drifters

1. Please Stay
2. Some Kind Of Wonderful
3. Loneliness Or Happiness
4. Mexican Divorce
5. Somebody New Dancing With You
6. Jackpot
7. She Never Talked To Me That Way
8. Stranger On The Shore
9. What To Do
10. Another Night With The Boys
11. Up On The Roof
12. Let The Music Play
13. On Broadway
14. I Don't Want Nobody - Lewis, Rudy
15. Baby I Dig Love - Lewis, Rudy
16. Only In America
17. Rat Race
18. In The Land Of Make Believe
19. Beautiful Music
20. Vaya Con Dios


 今はもう廃盤なのかもしれませんが、Sequelがリリースしていたアトランティックのリイシュー・シリーズは、詳細なセッション・データが載っていて、初めて知る情報にどきどきしたものでした。

 ドリフターズは、私がリズム・アンド・ブルースを聴き始めるきっかけとなったグループのひとつなので、思い入れが多すぎて、あまり冷静には聴けないところが有ります。

 この場合の「冷静に聴けない」とは、興奮して我を忘れるということではなく、好きすぎてほとんど盲信してしまっているという意味です。

 他人が冷静に批評したりすると、心の中にざわざわと胸騒ぎが起こってきます、
 凡作も含めて好き、いえ、凡作などない、と強弁したくなるのでした。

 Rudy Lewisという人がいます。
 新生ドリフターズとしては、Ben E. KingJohnny Mooreという二大リード・シンガーの活動期の中間で、ドリフターズを守っていた人です。

 歌唱スタイル的には、ベンEのそれを継承したような感じの人で、あるいは意識してやっていたか、会社からの要請でやっていた可能性もあるかな、とも思います。

 とりあえず、ベンEが去ったあと、ステージでは、誰かがSave The Last Dance For Meや、There Goes My Babyを歌う必要があったはずです。
 観客は、もともと誰が歌っていたかなんて興味なかった可能性もありますが、おそらくはルディ・ルイスの歌に満足していたに違いない、と私は思います。

 彼のことを、単なるベンEのフォロワーと言ってしまうのは、あまりにもフェアではないと思います。
 彼のパーソナリティは、この時期、素晴らしく輝いていたと思います。
 このアルバムのボートラの1曲、I Don't Want Nobodyを聴けば、ルディ・ルイスの豊かな才能に、誰もが改めて気付かされると思います。
 
 さて、このアルバムは、ドリフターズの同名オリジナル・アルバムに、同時期の録音をボーナス・トラックとして追加したものです。

 先に書きましたように、セッション・データが大変興味深く、この時期のメンバーで、曲によっては、他にもリードを取っていた人がいたことが分かります。

 それが、Charles Thomasという人で、Sweet For My Sweetや、When My Little Girl Is Smilingのリードはこの人だったのでした。 

 さて、ルディ・ルイスです。
 彼は、この時期の代表作、アルバム・タイトル曲のUp On The RoofPlease StayOn Broadway、そしてSome Kind Of Wonderfulでリードを取っていました。

 涼しげなストリングスをバックにしたサウンドが、この頃のアトランテイックの流行りで、ここには素晴らしい音楽が沢山詰まっています。

 コースターズが、リーバー&ストーラーがロビンズをリセットして作りだした創造物だとしたら、ドリフターズは、リーバー&ストーラーも含め、ボーマス&シューマン、ゴフィン&キング、デイヴィッド&バカラック、マン&ウェイルなど、優秀なソング・ライター達の力を結集して作り上げられたグループでした。
 当時の最高の才能たちが作り上げた偉大なグループだと思います。  
 
 ルディ・ルイスによって、生命を吹き込まれた名曲、Some Kind Of WonderfulUp On The Roofは、後に作者のキャロル・キングがセルフ・カバーして、これまた素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

 キャロル・キングのコンサートでは、これらの曲は、しばしばオールディーズ・メドレーという趣向の中で、ピアノ弾き語りを聴く事が出来ます。

 さて、このアルバムのセッション・データを見て、驚いたことが二つありました。
 まず、ジョニー・ムーアがドリフターズに合流したのが63年で、ルディ・ルイス在籍時だったことです。
 世の動きというものは、整然と順次移り変わるわけではなく、いくつものことが同時に進行していたのでした。

 そして、もうひとつは、Bert Bernsがドリフターズの制作に携わった時期があったということです。
 ベンEのソロ作の制作をしていたわけですから、不思議はありませんが、私の耳は全くその気配さえ感知していなかったので、驚きでした。

 63年、ルディ・ルイスの最後のセッションで、バート・バーンズがプロデュースしています。
 このアルバムでは、最後に入っているBeautiful MusicVaya Con Diosがそれに当たります。

 Beautiful Musicは、このアルバムで初めて聴きましたが、なるほど、そういえば教会音楽ぽい匂いがする曲調であり、展開になっています。
 これは良いです。

 追記
 …と書いてしまいましたが、再度ライナーを見ると、見誤りでした。
 Beautiful Musicは、リーバー&ストラーの制作でした。
 活字情報に容易に惑わされてしまう情けない耳なのてした。
 しかも見誤りで…(16:05/12/25/2010)


 そして、Vaya Con Diosは、以前から聴いていた曲のはずですし、その情報を知ってから聴くと納得しますが、当時は全く気付きもしませんでした。
 重厚なつくりですし、女声コーラスが、リード・ボーカルに返す分厚いレスポンスも、バーンズっぽいです。
 しかし、全て予断なしに聴いていた時の私の耳は、反応していませんでした。
 曲そのものに、あまり魅力を感じていなかったからかも知れません。

 ともかく、いろいろな驚きと、変わらぬ魅力を改めて感じさせてくれたアルバムでした。
 このアルバムの主役であるルディ・ルイスは、64年に28歳の若さで天に召されました。






 

マイティ・マイク 1st Set

 今年も押し詰まってきました。
 あと、1週間あまりとなったわけですが、ふと思いついたことがあります。
 私は、今年何枚くらいのCDを買ったのでしょうか?

 CD不況と言われて久しいですが、私はそれなりに消費に貢献してきたのではないかと思っています。
 私は、2年ほど前から、領収書のたぐいをノートに整理する習慣をつけたため、実はその気になれば調べられるのでした。
 近いうちに調べて、今年の購入傾向などをチェックしてみたいと思います。

 さて、今回は、前回チラッと出てきました、Mighty Mikeの別のアルバムを取り上げたいと思います。


1st Set
The Mighty Mike Schermer Band 

1. Lonesome Whistle Blues
2. Annabelle *
3. I Want a Little Girl *
4. No Harm Done *
5. Mopina *
6. Keep Talkin'
7. Kiss and Make Up 
8. Need Somebody *
9. Amy *
10. Cool Stuttin'  
11. Evil Ways
  

 私は、マイティ・マイクと言う人をよく知らないんですが、どうもスタジオ・ミュージシャンとしての顔と、地元テキサスを中心としたシンガーのツアー・メンバーとして活動する顔があるようです。

 パッケージ裏に、ツアー及びレコーディングでサポートしたアーティストとして、Angela StrehliCharlie MusselwhiteMarla Muldaurの名前が挙がっていました。

 また先ほど、Marcia Ballのことをネットで調べていて、彼女のツアーにギタリストとして参加していることに偶然気が付きました。 
 
 このアルバムは、おそらく00年にリリースされたもので、99年に3か月くらいかけて、録りためた演奏を収録したもののようです。

 ライヴ盤では、ソウル・レビューのような楽しく痛快な音楽を披露してくれたマイクですが、このスタジオ盤では、ブルース・ギタリスト、シンガーとして、またまた別の面も見せてくれています。

 ライヴでは、ヒューストン・ジャンプ、ニューオリンズR&B、そしてテックス・メックスと、ごきげんな混生音楽を聴かせてくれました。
 この人には、ネタものとも言うべきギター・インスト・メドレーのレパートリーがあります。

 クリス・スペディングのギター・ジャンボリーを思わせるもので、一聴してそれと分かる特徴的なフレーズを矢継ぎ早に繰り出すもので、かなり楽しいです。
 
 さて、今回のアルバムでは、エンターテイナー的側面が若干抑えられたつくりになっています。
 それでも、彼の豊かな音楽性を垣間見ることが出来るアイテムですので、簡単に紹介します。

 自作は、テキサス・スタイルのブルースが中心で、インストも主力のひとつですが、8曲目のAmyでは、ニューオリンズR&Bスタイルの作品をばっちり決めていて、ボーカルもはまっています。
 Mopinaでは、ポップ・ソング作りの才能も見せてくれます。
 また、ジャジーな曲調のインストも得意のようです。

 そして、カバー曲からも、彼の広いレンジの音楽性をうかがい知ることが出来ます。
 冒頭のLonesome Whistle Bluesは、Freddie Kingのスロー・ブルースを歌なしでやっています。
 
 Keep Talkin' は、McDuff作のオルガン曲をカバーしたものです。

 Kiss and Make Upは、アンジェラ・ストレーリがボーカルでゲスト参加していますが、曲は、ウイルソン・ピケットがファルコンズ時代にリードを取った曲だと思います。
 LPが見つからず未確認ですが、作者名がLupineとなっているのが気になります。
 ルパインというのは、ファルコンズを出していた会社名だったはずです。

 Cool Stuttin'は、Sonny Clarkの有名なブルー・ノート名盤のタイトル曲です。
 街を闊歩する女性の脚元の写真が印象的なジャケットのやつです。

 そして、ラストのEvil Waysは、サンタナに同名曲がありますが、こちらは、マディのI Can't Be Satisfiedを思わせるシカゴ・ブルース・スタイルの曲で、歌い方から察するところ、どうやらハウリン・ウルフのEvilだと思います。

 ジョニー・ウインターも、レイ・ヴォーンもそうでしたが、この人もシカゴ・ブルースが好きなんですね。
 その逆の例(シカゴ・ブルース系の人でテキサス・スタイルの曲が好き)というのは、あまり聞かないです。

 ライヴ盤に比べると陽気なタイプの曲がなく、若干バラエティさは後退していますが、それでも充分豊かな音楽性を感じられる1枚だと思います。

 この99年に録音されたアルバムには、彼の身内と思われる人の思い出に捧げる、という献辞が記されていますが、それに続いて、「アルバート、Tボーン、フレディ、スティーヴィー、その他すべてのテキサス生まれの偉大なギタリストに、そしてそこへ加わったダグ・サームに捧げる」と記されています。



Hideawayメドレーです。

 


 こちらは、Evilってどんな曲だっけという人のために、キャプテン・ビーフハート盤Evilをどうぞ




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 マイティ・マイク


曲に歴史あり、ケパソ物語

 Doug Sahmも、Freddy Fenderも、しばしばお気に入りの曲を繰り返し吹き込んでいました。
 まあ、二人の事情は若干違っていて、No.1ヒットを持つフレディ・フェンダーには、所属レコード会社からの要請があったと推察されます。

 会社を移籍するたびに、Before The Next Teardrop Fallや、You'll Lose A Good Thingを録音するわけです。
 これは、レコード会社が、懐かしのアーティストを遇する扱いであり、少々残念ではあります。



 その点、ダグ・サームの場合は、代表曲のShe's About A Moverでさえ、大ヒットというわけではありませんので、純粋にその時々の衝動に従ってお気に入りの曲を録音していたと思われます。

 Augie Meyersの場合も、同様だと思われます。
 オーギー・マイヤースには、2度以上録音している曲が複数あります。
 その中でも、今回はある理由から、この曲を取り上げたいと思います。
 Hey Baby Que Pasoです。

 オーギーは、この自作曲を何と4度も吹き込んでいます。
 次の通りです。
 順に、リリース年、曲名表記、収録アルバム、アーティスト名義です。

 84 : Que Paso/Rio Medina/Sir Douglas Quintet
 86 : Kep Pa So/My Main Squeeze/Augie Meyers
 90 : (Hey Baby)Que Paso/Texas Tornados/Texas Tornados
 96 : Hey Baby Kep Pa So/Alive And Well At Lake Taco/Augie Meyers


 まず、サー・ダグラス・クインテットとして、84年リリースのRio Medinaのために録音したのが最初です。
 この時の曲名表記は、Que Pasoでした。 

 2年後の86年に、ソロ・アルバム、My Main Squeezeで吹き込んだ時、なぜかKep Pa Soという表記になりました。
 以後、なぜか表記の"ゆれ"が続いていくことになります。

 4年後、90年リリースのテキサス・トルネードスの1stで、3度目の録音をします。
 案外、ダグがやろうと言いだしたのかも知れません。
 このあたりのことは、楽しい想像です。

 スタジオ・ライヴのような楽しい雰囲気で録音されたこのバージョンでは、間奏に入る時、タグの掛け声に応じて、フレディ・フェンダーがストラトで個性的なソロを担当し、フレディのタフなキャリアの一端を覗く事が出来ます。

 この時、曲名のアタマに、初めてHey Babyが付きましたが、カッコが付けられていました。

 そして、何と更に6年後、96年リリースのソロ・アルバム、Alive And Well At Lake Tacoで、4度目の録音がなされました。
 この時、Hey Baby Kep Pa Soという、これまでの混成のような表記になっています。
 

アルバート王の覚醒

 少し前に手に入れたんですが、何だか聴くのがおしくて、なかなか手がつけられないアルバムがあります。

 それは、Stevie Ray VaughanAlbert Kingの共演盤、In SessionのDeluxe Editionなんですが、例によって、おいしいご馳走の前に、過去作のおさらいをしたいと思います。
 今回、チョイスしたのは、このアルバムです。

 
The Complete King & Bobbin Recordings
Albert King

1. Ooh-Ee Baby
2. Why Are You So Mean to Me
3. Need You By My Side
4. Time Has Come
5. I Walked All Night Long
6. I've Made Nights By Myself
7. Old Blue Ribbon
8. I've Made Nights By Myself [Alternate Version]
9. Let's Have a Natural Ball
10. Blues at Sunrise
11. Don't Throw Your Love On Me So Strong
12. This Morning
13. Travelin' to California
14. Dyna Flow
15. I Get Evil
16. What Can I Do to Change Your Mind
17. I'll Do Anything You Say
18. Got to Be Some Changes Made
19. This Funny Feeling
20. Had You Told It Like It Was
21. Ooh-Ee Baby [LP Version]
22. Blues at Sunrise [Alternate Version]
23. Time Has Come [Alternate Version]
24. Why Are You So Mean to Me [Alternate Version]


 アルバート・キングのスタックス以前の録音で、キング、ボビン時代のコンプリート集です。
 はっきり言って、これはいいです!!

 この時代では、スローのDon't Throw Your Love On Me So Strongが有名ですが、その他の演奏も素晴らしいの一言です。
 私は、Old Blue Ribbonや、必殺のアップ・チューン、Let's Have a Natural Ballが大好きです。
 
 これらの作品を聴くと、アルバートのスタイルは、スタックス以前に完成していたということが良くわかります。

 もちろん、スタックス時代が素晴らしいのは間違いないですが、スタックス時代を賛美するあまり、それ以前の録音を軽んじる風があるとしたら大変残念です。
 ある意味、スタックス以降の録音より純粋な美しさを感じるのは、私だけでしょうか? 

 このアルバムは、コレクタブルズが04年にリリースしたもので、やはりデータのリサーチなどの面で、資料的価値の薄いつくりですが、収録曲のチョイスに関しては大満足の1枚になっています。
 私の知る限りでは、この時代の録音の決定版だと思います。

 ここには、有名なスタックス録音の元になった様々なアイデアが、そこかしこに散見していて、「あっこれはあの曲だ」とか、「このイントロを発展させてあのインストを作ったんだな」などとうれしい発見が一杯で、単純に曲を聴くだけじゃなく2倍楽しめる、大変おいしいアルバムです。

 アルバートというと、私には何となく、手くせフレーズ連発というイメージがあるのですが、こちらはスタックス録音よりも、自然に思うがままにプレイしているように聴こえます。
 名盤の誉れ高いスタックス盤より、ボーカルがオン気味なのも良いです。

 久々にアルバート節に触れて、どこに仕舞ったのか不明で、ただいま捜索中の大木トオルとの共演盤が、たまらなく聴きたくなってきました。






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