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posted by fanblog

偽りの心の鎖を解いてくれ

 今回のアルバムには、小さな驚きがありました。
 Little Joeのアルバムですから、一定の予断のもとに聴いています。
 それは、クオリティの高さへの信頼感です。
 しかし、この仕上がりの良さは、予期していなかったレベルでしたので、私は心を揺さぶられました。
 このアルバムは、08年リリースですが、この前後の時期に相次いで出された、サニー・オスナのトリビュート盤や、フレディ・フェンダーのトリビュート盤よりも、私は良い出来だと感じました。


Cheating Heart
Little Joe & La Familia

1. Your Cheating Heart
2. Cold Cold Heart
3. I Can't Help It, If I'm Still in Love with You
4. South of the Border
5. I Can't Stop Loving You
6. Take These Chains from My Heart
7. Make the World Go Away
8. Red River Valley
9. Feeding Her Memory
10. Rosita Mamacita


 一見して、ハンク・ウイリアムスのカバー集のように思いますが、後半の曲あたりはどうなんでしょうか?
 
 4曲目までは、間違いなくハンクの有名曲、もしくはハンクのレパートリーですね。
 そして、1曲とんで Take These Chains from My Heartもまた、ハンクの有名曲です。
 レイ・チャールズのソウルフルなカバーも忘れられません。

 しかし、5曲目のI Can't Stop Loving Youは、ドン・ギブソンの曲で、本人盤もヒットしましたが、それこそレイ・チャールズで世界的に有名になった曲です。

 以下の後半の曲は、ハンクとゆかりがあるのか私は知りません。

 Red River Valleyは、馴染み深いメロディを持った曲です。
 邦題が浮かんできませんが、誰もが知る曲の元歌だと思います。
 ここでの曲は、ウエスタン・ミュージックないしは、カウボーイ・ソングでしょうから、ハンクがやった可能性はあります。 
 
 さて、アルバムの前半のハンク・ナンバーですが、なかなかの変化球的なアレンジで、静かに主張してきます。

 Your Cheating Heartが始まると、最初の驚きに出会います。
 これは、なんというのでしょう。
 パーカッシブでメランコリックなピアノが、耳に残るアレンジです。
 私は、しばし聴き惚れつつ、既に頭の隅で考え始めています。
 これは、チャーリー・リッチのハンク集以来の好盤ではないか?

 そして、次のCold Cold Heartが始まると、私の中にキー・ワードがわいてきました。
 恋人の冷たい仕打ちを嘆く、ブルー・バラード2連発に施された調理方法、これは、クールでさわやかなボサ・ノヴァ調ではないか…。

 トロピカルなナイト・ミュージックというワードも浮かんできました。
 いつもの私なら気になるに違いない、シンセの音が気にならなくなっている自分がいました。
 これは、このアレンジに必要なんだ、とも思いました。

 大人のたしなみのための音楽、チャーリー・リッチのカントリー・ソウル盤とは、また違った魅力を持つ、新しいハンク・ウイリアムスの解釈集が出来たと感じました。
 この予期しない出来栄えの良さに、今の私の心が共鳴しているようです。

 ただ、このアルバムは、まだ続きが有るのでした。
 中盤から少し様相が変わってきます。
 I Can't Stop Loving Youでは、ダンス・チューンの要素が強くなりますが、ほどほどのよい塩梅で、リズムこそはねていますが、切れのいいスロー・ダンス・ナンバーに仕上がってます。

 どうやら、このアルバムを支配する、カラフルな伴奏の魔力にかかったようです。
 電子音も、もはや全く気になりません。

 そして、終盤の2曲では、国境を越えてメキシコの風が吹いてきたような、ホーンの音に酔わされます。
 スペイン語の響きが、不思議な魔力を倍増させているかのようです。

 Feeding Her MemoryRosita Mamacitaは、私は出典を知りません。
 英語で始まり、終盤からスペイン語に変わるFeeding Her Memoryは、いかにも、ボーダー・ソングという感じの哀愁に満ちた曲です。

 そして、Rosita Mamacitaは、Tex-Mexという言葉がしっくりくる、コンフントによくあるパーティ・チューンです。
 ラスト・ナンバーで、初めて正体の一端を見せた1曲という感じです。

 寂しい夜に聴くと、心に染みいるアルバムだと思います。
 薄いブランデーの水割りを、ちびりちびりとすすりながら、感傷に浸るのにぴったりかも知れません。

 今は、知らない曲のリサーチに気持ちを移すこともなく、ただただこの世界に漂っていたい、そんなアルバムです。

 私のナイト・ミュージック・フェイヴァリットに、新たな1枚が加わったようです。



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