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ルディ・ルイスで聴くドリフターズ

 Some Kind Of Wonderfulという曲があります。
 67年にSoul Brother Sixがヒットさせた曲で、ヒューイ・ルイス&ニュースが94年に、Four Chords & Several Years Agoという古いR&Bのカバー・アルバムを出した時、収録曲の1曲に選んだのがこの曲でした。

 でも、私にとっては、Some Kind Of Wonderfulといえば全く別の曲です。
 もちろん、61年、GoffinKing作のDrifters盤ですね。
 ヒューイ・ルイス盤を初めて聴いたときは、何の疑いも持っていなかったので、Soul Brother Sixの方が出てきて、かなりショックでした。


Up On The Roof
Difinitive Drifters Anthology Four
The Drifters

1. Please Stay
2. Some Kind Of Wonderful
3. Loneliness Or Happiness
4. Mexican Divorce
5. Somebody New Dancing With You
6. Jackpot
7. She Never Talked To Me That Way
8. Stranger On The Shore
9. What To Do
10. Another Night With The Boys
11. Up On The Roof
12. Let The Music Play
13. On Broadway
14. I Don't Want Nobody - Lewis, Rudy
15. Baby I Dig Love - Lewis, Rudy
16. Only In America
17. Rat Race
18. In The Land Of Make Believe
19. Beautiful Music
20. Vaya Con Dios


 今はもう廃盤なのかもしれませんが、Sequelがリリースしていたアトランティックのリイシュー・シリーズは、詳細なセッション・データが載っていて、初めて知る情報にどきどきしたものでした。

 ドリフターズは、私がリズム・アンド・ブルースを聴き始めるきっかけとなったグループのひとつなので、思い入れが多すぎて、あまり冷静には聴けないところが有ります。

 この場合の「冷静に聴けない」とは、興奮して我を忘れるということではなく、好きすぎてほとんど盲信してしまっているという意味です。

 他人が冷静に批評したりすると、心の中にざわざわと胸騒ぎが起こってきます、
 凡作も含めて好き、いえ、凡作などない、と強弁したくなるのでした。

 Rudy Lewisという人がいます。
 新生ドリフターズとしては、Ben E. KingJohnny Mooreという二大リード・シンガーの活動期の中間で、ドリフターズを守っていた人です。

 歌唱スタイル的には、ベンEのそれを継承したような感じの人で、あるいは意識してやっていたか、会社からの要請でやっていた可能性もあるかな、とも思います。

 とりあえず、ベンEが去ったあと、ステージでは、誰かがSave The Last Dance For Meや、There Goes My Babyを歌う必要があったはずです。
 観客は、もともと誰が歌っていたかなんて興味なかった可能性もありますが、おそらくはルディ・ルイスの歌に満足していたに違いない、と私は思います。

 彼のことを、単なるベンEのフォロワーと言ってしまうのは、あまりにもフェアではないと思います。
 彼のパーソナリティは、この時期、素晴らしく輝いていたと思います。
 このアルバムのボートラの1曲、I Don't Want Nobodyを聴けば、ルディ・ルイスの豊かな才能に、誰もが改めて気付かされると思います。
 
 さて、このアルバムは、ドリフターズの同名オリジナル・アルバムに、同時期の録音をボーナス・トラックとして追加したものです。

 先に書きましたように、セッション・データが大変興味深く、この時期のメンバーで、曲によっては、他にもリードを取っていた人がいたことが分かります。

 それが、Charles Thomasという人で、Sweet For My Sweetや、When My Little Girl Is Smilingのリードはこの人だったのでした。 

 さて、ルディ・ルイスです。
 彼は、この時期の代表作、アルバム・タイトル曲のUp On The RoofPlease StayOn Broadway、そしてSome Kind Of Wonderfulでリードを取っていました。

 涼しげなストリングスをバックにしたサウンドが、この頃のアトランテイックの流行りで、ここには素晴らしい音楽が沢山詰まっています。

 コースターズが、リーバー&ストーラーがロビンズをリセットして作りだした創造物だとしたら、ドリフターズは、リーバー&ストーラーも含め、ボーマス&シューマン、ゴフィン&キング、デイヴィッド&バカラック、マン&ウェイルなど、優秀なソング・ライター達の力を結集して作り上げられたグループでした。
 当時の最高の才能たちが作り上げた偉大なグループだと思います。  
 
 ルディ・ルイスによって、生命を吹き込まれた名曲、Some Kind Of WonderfulUp On The Roofは、後に作者のキャロル・キングがセルフ・カバーして、これまた素晴らしい演奏を聴かせてくれました。

 キャロル・キングのコンサートでは、これらの曲は、しばしばオールディーズ・メドレーという趣向の中で、ピアノ弾き語りを聴く事が出来ます。

 さて、このアルバムのセッション・データを見て、驚いたことが二つありました。
 まず、ジョニー・ムーアがドリフターズに合流したのが63年で、ルディ・ルイス在籍時だったことです。
 世の動きというものは、整然と順次移り変わるわけではなく、いくつものことが同時に進行していたのでした。

 そして、もうひとつは、Bert Bernsがドリフターズの制作に携わった時期があったということです。
 ベンEのソロ作の制作をしていたわけですから、不思議はありませんが、私の耳は全くその気配さえ感知していなかったので、驚きでした。

 63年、ルディ・ルイスの最後のセッションで、バート・バーンズがプロデュースしています。
 このアルバムでは、最後に入っているBeautiful MusicVaya Con Diosがそれに当たります。

 Beautiful Musicは、このアルバムで初めて聴きましたが、なるほど、そういえば教会音楽ぽい匂いがする曲調であり、展開になっています。
 これは良いです。

 追記
 …と書いてしまいましたが、再度ライナーを見ると、見誤りでした。
 Beautiful Musicは、リーバー&ストラーの制作でした。
 活字情報に容易に惑わされてしまう情けない耳なのてした。
 しかも見誤りで…(16:05/12/25/2010)


 そして、Vaya Con Diosは、以前から聴いていた曲のはずですし、その情報を知ってから聴くと納得しますが、当時は全く気付きもしませんでした。
 重厚なつくりですし、女声コーラスが、リード・ボーカルに返す分厚いレスポンスも、バーンズっぽいです。
 しかし、全て予断なしに聴いていた時の私の耳は、反応していませんでした。
 曲そのものに、あまり魅力を感じていなかったからかも知れません。

 ともかく、いろいろな驚きと、変わらぬ魅力を改めて感じさせてくれたアルバムでした。
 このアルバムの主役であるルディ・ルイスは、64年に28歳の若さで天に召されました。






 
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