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マイティ・マイク 1st Set

 今年も押し詰まってきました。
 あと、1週間あまりとなったわけですが、ふと思いついたことがあります。
 私は、今年何枚くらいのCDを買ったのでしょうか?

 CD不況と言われて久しいですが、私はそれなりに消費に貢献してきたのではないかと思っています。
 私は、2年ほど前から、領収書のたぐいをノートに整理する習慣をつけたため、実はその気になれば調べられるのでした。
 近いうちに調べて、今年の購入傾向などをチェックしてみたいと思います。

 さて、今回は、前回チラッと出てきました、Mighty Mikeの別のアルバムを取り上げたいと思います。


1st Set
The Mighty Mike Schermer Band 

1. Lonesome Whistle Blues
2. Annabelle *
3. I Want a Little Girl *
4. No Harm Done *
5. Mopina *
6. Keep Talkin'
7. Kiss and Make Up 
8. Need Somebody *
9. Amy *
10. Cool Stuttin'  
11. Evil Ways
  

 私は、マイティ・マイクと言う人をよく知らないんですが、どうもスタジオ・ミュージシャンとしての顔と、地元テキサスを中心としたシンガーのツアー・メンバーとして活動する顔があるようです。

 パッケージ裏に、ツアー及びレコーディングでサポートしたアーティストとして、Angela StrehliCharlie MusselwhiteMarla Muldaurの名前が挙がっていました。

 また先ほど、Marcia Ballのことをネットで調べていて、彼女のツアーにギタリストとして参加していることに偶然気が付きました。 
 
 このアルバムは、おそらく00年にリリースされたもので、99年に3か月くらいかけて、録りためた演奏を収録したもののようです。

 ライヴ盤では、ソウル・レビューのような楽しく痛快な音楽を披露してくれたマイクですが、このスタジオ盤では、ブルース・ギタリスト、シンガーとして、またまた別の面も見せてくれています。

 ライヴでは、ヒューストン・ジャンプ、ニューオリンズR&B、そしてテックス・メックスと、ごきげんな混生音楽を聴かせてくれました。
 この人には、ネタものとも言うべきギター・インスト・メドレーのレパートリーがあります。

 クリス・スペディングのギター・ジャンボリーを思わせるもので、一聴してそれと分かる特徴的なフレーズを矢継ぎ早に繰り出すもので、かなり楽しいです。
 
 さて、今回のアルバムでは、エンターテイナー的側面が若干抑えられたつくりになっています。
 それでも、彼の豊かな音楽性を垣間見ることが出来るアイテムですので、簡単に紹介します。

 自作は、テキサス・スタイルのブルースが中心で、インストも主力のひとつですが、8曲目のAmyでは、ニューオリンズR&Bスタイルの作品をばっちり決めていて、ボーカルもはまっています。
 Mopinaでは、ポップ・ソング作りの才能も見せてくれます。
 また、ジャジーな曲調のインストも得意のようです。

 そして、カバー曲からも、彼の広いレンジの音楽性をうかがい知ることが出来ます。
 冒頭のLonesome Whistle Bluesは、Freddie Kingのスロー・ブルースを歌なしでやっています。
 
 Keep Talkin' は、McDuff作のオルガン曲をカバーしたものです。

 Kiss and Make Upは、アンジェラ・ストレーリがボーカルでゲスト参加していますが、曲は、ウイルソン・ピケットがファルコンズ時代にリードを取った曲だと思います。
 LPが見つからず未確認ですが、作者名がLupineとなっているのが気になります。
 ルパインというのは、ファルコンズを出していた会社名だったはずです。

 Cool Stuttin'は、Sonny Clarkの有名なブルー・ノート名盤のタイトル曲です。
 街を闊歩する女性の脚元の写真が印象的なジャケットのやつです。

 そして、ラストのEvil Waysは、サンタナに同名曲がありますが、こちらは、マディのI Can't Be Satisfiedを思わせるシカゴ・ブルース・スタイルの曲で、歌い方から察するところ、どうやらハウリン・ウルフのEvilだと思います。

 ジョニー・ウインターも、レイ・ヴォーンもそうでしたが、この人もシカゴ・ブルースが好きなんですね。
 その逆の例(シカゴ・ブルース系の人でテキサス・スタイルの曲が好き)というのは、あまり聞かないです。

 ライヴ盤に比べると陽気なタイプの曲がなく、若干バラエティさは後退していますが、それでも充分豊かな音楽性を感じられる1枚だと思います。

 この99年に録音されたアルバムには、彼の身内と思われる人の思い出に捧げる、という献辞が記されていますが、それに続いて、「アルバート、Tボーン、フレディ、スティーヴィー、その他すべてのテキサス生まれの偉大なギタリストに、そしてそこへ加わったダグ・サームに捧げる」と記されています。



Hideawayメドレーです。

 


 こちらは、Evilってどんな曲だっけという人のために、キャプテン・ビーフハート盤Evilをどうぞ




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