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ハラペーニョ 聖者にはならない

 今回は、ここ最近の流れをひと区切りしたいと思います。
 すなわち、「最近、ダブリ買いしてしまったCD」シリーズの、ひとまず最終回です。
 アイテムは、Louie Ortegaの2ndアルバム、97年作の"In My Heart"です。


louie ortega2.jpg

In My Heart
Louie Ortega
and the Wild Jalapenos

1. Today (Louie Ortega)
2. My Lucky Stars (Louie Ortega)
3. She's An Angel (Louie Ortega)
4. Never Be A Saint (Louie Ortega)
5. Georgie Baker (Louie Ortega)
6. I Believe In You (Louie Ortega)
7. Amor De Mi Vida (Louie Ortega, Max Baca)
8. Set Me Free (Louie Ortega)
9. Heaven On Earth (Louie Ortega)
10. Destiny (Louie Ortega)
11. Mi Casa Es Su Casa (Louie Ortega)
12. Llevame (Louie Ortega)
13. In My Heart (Louie Ortega)
Bonus Track
14. Ring Of Fire (J. Carter, M. Kilgore)
15. Llevame Jam (Louie Ortega)

 本作がリリースされた97年は、Louie Ortegaにとって、彼の音楽人生に深く関わり、大きな影響を与えた盟友Doug Sahmが、静かに天に召された時より、遡ること2年前のことです。
 Doug Sahmのアルバムの歴史で言いますと、Texas Tornados名義のラスト作、"4Aces"が96年で、Sir Douglas Quintet名義のラスト作、"Get A Life"(別題"SDQ 98")が98年ですので、その2枚の間に出された作品ということになります。

 とりあえず、本作の参加メンバー、担当楽器等をご紹介します。
 以下のとおりです。

Louie Ortega : Vocals, Electric Guitars, Acoustic Guitars, Bajo Sexto
Frank Paredes : Bass Guitar, Background Vocals
Don "Spike" Burr : Bass Guitar, Background Vocals
Bill Flores : Dobro, Accordion, Saxophone,
Rich Burr : Drums, Percussion
Jim Calire : Piano, Hammond Organ
Produced by Louie Ortega

 まず、ひとこと、結論から先に述べさせてください。

 本作は、粒よりの曲を取りそろえた、優れたアルバムだと思います。
 また、アクースティック系の楽器の響きが耳にやさしく、繰り返し聴きかえせるアルバムでもあります。

 ほとんど自作で占められた本作は、Ortegaの非凡なソング・ライティングの冴えを感じさせるアルバムになっています。
 ただ、おそらくは、長い期間の中で書き溜めた作品を吐き出したものだと思われ、はっきりわかるものだけでも、トラック1の"Today"、トラック4の"Never Be A Saint"、トラック5の"Georgie Baker"の3曲は、本作が初の録音ではなく、過去に発表した曲の新録音となっています。

 まず"Today"ですが、本作では題名がえらく短縮していますが、これは元は、"Tomorrow Just Might Change"の名前で、70年代に出されたシングルの新録音です。
 「今日は今日、明日は変わるかもしれない」と、歌われる曲で、メロディの美しさにのみ耳がいきがちですが、実は若干の説法くささ、もっと言えば宗教臭も漂う作品です。

 これは、トラック4の"Never Be A Saint"にも共通するスタイルかも知れず、Louieがやはり、伸びやかな声で、「聖者にはならない」と歌っています。
 "Never Be A Saint"は、元は84年にスウェーデンのレーベルSonetからリリースされた、Sir Douglas Quintetのアルバム、"Rio Medina"で披露された曲でした。
 "Rio Medina"は、未だにCD化されていませんが、そのバージョンは、Sonet音源から選曲した編集盤CD、"Scandinavian Years"で聴くことができます。
 
 そして、"Georgie Baker"です。
 この曲は、元は"Tomorrow Just Might Change"の裏面として、70年代に出されたもので、その際は"Little Georgie Baker"という表記が使われていたものです。
 80年代には、やはり、現在も未CD化のSir Douglas Quintetのアルバム、"Midnight Sun"(83年リリース、"Rio Medina"のひとつ前のアルバム)でQuintet盤が録音され、本作収録曲は、Louieにとって3度目の吹き込みになります。
 ところで、Georgieという名前は、Georgeの女性名ですかね?

 さて、ここで落穂拾い的なことをひとこと、ふたこと。
 
 トラック7の"Amor De Mi Vida"には、共作者としてMax Bacaの名前が記されていて興味深いです。
 Max Bacaは、ルーツ系チカーノ・バンド、Los Texmaniacsのメンバーで、マルチ・プレイヤーだと思いますが、主としてバホ・セストをプレイしている人です。
 最近では、完全なコンフント・スタイルで、フラーコ・ヒメネスとの共作アルバムを出しています。
 Ortegaとの接点は、あっても不思議ではありませんが、本作ではコンポーザーとしてのクレジットだけですので、共作するきっかけとなったような、共演盤があるのなら、ぜひ聴いてみたいです。
 
 そして、本作は、ジャケット表記では13曲入りとなっていますが、CDプレイヤーにディスクを入れると、トラック数が15と表示されます。
 13曲目が終了すると、しばしの無音のあと、2曲のシークレット・トラックが演奏されるのです。
 
 14曲目は、ジョニー・キャッシュとジューン・カーターのデュエット曲、"Ring Of Fire"のカバーです。
 原曲からして、メキシカン・トランペットの響きが印象的なボーダー・ソングですので、おそらくは、チカーノ・コミュニティで人気がある曲なんだと思います。
 (そういえば、Louie & The Lovers(60年代末〜70年代初期のLouieのバンド)には、マーティ・ロビンスのカウボーイ・ソング、「エルパソ」のカバーもありました。)
 
 ラストの15曲目は、12曲目のアウトテイクのような演目で、インスト・ナンバーです。

 近年のLouie Ortegaは、Shawn Sahm率いる新生Texas Tornadosのメンツであるとともに、どうもレコーディングこそ未だないようですが、Louie & The Loversの名前で、自らのバンドを組んで活動しているようなので、他人作のゲストばかりじゃなく、リーダー・アルバムを出してほしい、ファンとしては、そう切に願います。




Sir Douglas Quintetがスウェーデンのテレビに出演した際の映像です。
6分40秒あたりから、Ortegaが"Little Georgie Baker"を歌っています。


1. Every Breath You Take (ポリスの最高にイナたいカバー)
2. Everybody Gets Lonely Sometime(3分15秒〜)
3. Little Georgie Baker(6分40秒〜)



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