2011年11月07日
ごきげんメックス・テックス
このCDは、最近になって入手しました。
04年にリリースされた、Los TexManiacsの1stアルバムです。
2ndと3rdは、早くに聴いていたのですが、この1stとはなかなか縁がなく、やっと聴けたという感じです。
まあ、あせらずにいれば、いつか手に入るということでしょう。
1. Ando Buscando un Amor (F. G. Ojeda)
2. Hey Baby (Bruce Chanel)
3. Dos Corazones (Fred Zimmerle)
4. Cielito Lindo (Quirino Mendoza y Cortez)
5. Mi Vacacion (Max Baca)
6. China de Los Ojos Negros (Pedro Rocha)
7. Cerca del Mar (Chico Navarro)
8. Hey Good Lookin' (Hank Williams)
9. Esperando Tu Querer (Mike & Jacinto Saucedo)
10. Cayo una Lagrima (D.A.R.)
11. She's About a Mover (Doug Sahm)
今作はメジャー・デビュー作ですが、既に伝統的な音楽とポップなスタイルとの配分が絶妙なブレンドとなっていて、とても聴きやすいアルバムになっています。
これを受けた2ndも、そういった流れを引き継いだ路線でした。
そして、09年リリースの3rdは、そこからさらに新たな一歩を踏み出すべく、メキシカン・ルーツをさら探求した意欲作となりました。
中身は、明るいパーティ・チューンが中心ですので楽しく聴けますが、一方で古い伝統的なスタイルの楽曲が延々と続く展開には、好き嫌いが分かれるかも知れません。
3rdアルバムは、結果としてその年のグラミーを獲得し、大きな成功を得ました。
メキシカン・ルーツに根差した豊かな音楽性が、改めて高く評価されたわけですが、若干アカデミックな感のある3rdを受けて、次作の方向性が気になるところです。
さて、その原点となる本作です。
Los TexManiacsは、本作の時点では、いまいちパーソネル・メンバーがはっきりしません。
事実上本盤では、バホ・セストのMax Bacaと、アコーディオンのMichael Guerra(プロデューサー)という、高い演奏力を持つ二人の双頭バンドからなっていて、そのスタイルの基本は、伝統的なコンフント・デュオのロック・コンボ版だと思います。
はっきりとメンツが確立したのは3rdアルバムで、本盤では多くの強力なゲストがサポートしています。
スティーヴ・バーリン、デイヴィッド・イダルゴ、セサール・ロサスという、ロス・ロボス勢がほぼ全面参加しています。
また、フラコ・ヒメネス、オーギー・マイヤース、そして、なんとショーン・サームも参加しているらしいです。
(ちなみに、Michael Guerraは、Shawn Sahmのバンド、Tex-Mex Experienceに参加していました。)
エレキのギター・ソロが聴こえてくると、これはセサールかショーンかと気になります。
("Hey Good Lockin'"でのブルージーなギターは、おそらくセサールでしょう。)
また、アコーディオンは、フラコかグエラかと同様に気にかかりますが、そんな背後で、淡々と弾き続けるオーギーのオルガンは、特別に我を主張するわけでもないにも関わらず、繰り返し聴くごとにその印象が増していくのでした。
スペイン語で歌う曲が大半なのですが、選曲が見事なのでしょう。
懐かしさを感じさせる、どこかで聴いたようなメロディの流れに癒されます。
一方、英語曲では、ブルース・チャネルの"Hey Baby"のカバーが新鮮です。
改めて曲の良さを再確認しました。
素晴らしい名作の原曲でハーモニカを吹いたのは、デルバート・マクリントンでした。
この曲のイントロが、ビートルズの"Love Me Do"に影響を与えたことはよく知られています。
曲に対する思い入れのせいもありますが、私は、本盤のハイライトの1曲といいたいです。
とりわけ、ハーモニカのパートを担当するアコが素晴らしく、何の違和感も感じさせません。
このプレイは、グエラでしょうか。
その他、全体を通して、明るいメキシカン・トラッド風の曲が聴かせます。
ロボス勢が参加した曲は、はっきりと特定できませんが、おそらくはブルージーな曲調のものに関わっているのだと思います。
Freddy Fenderのバージョンも楽しい、"Cielito Lindo"は、やっぱり名曲です。
このアコは、フラコでしょうか。
「アイ アイ ア ヤー」のフレーズが耳に残ります。
やはり、スペイン語の曲が良いです。
抒情的なポレロの"Cerca del Mar"、メキシカン・トランペットが印象深く、オルケスタ風サウンドに料理した、"Esperando Tu Querer"が、中でも私のお気に入りです。
本作での英語曲は、結果的にスペイン語曲をより際立たせるアクセントの役割をになっています。
優れたスパニッシュ・ポップ・アルバムと呼びたいです。
ボートラとして追加された、Doug Sahmの"She's About A Mover"は、明らかに他の曲とは雰囲気が違っています。
あるいは、ショーンがギターを弾いたのは、この1曲だけかも知れません。
そして、この曲のリード・ボーカルは誰でしょう?
ショーンかなとも思いますが、違うような気もします。
Max BacaがDoug Sahm風に歌っているのかも知れません。
少なくとも、ショーンはコーラスでは参加しているはずです。
アルバムのバランスとしては、不要な追加曲だったかも知れませんが、この曲の存在が、私をこのバンドに出会わせてくれました。
オーギーは、本盤への参加を契機として、本バンドとの交流を深めているようです。
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マージーでフォーキー、そしてテキサス
Hey Baby !
04年にリリースされた、Los TexManiacsの1stアルバムです。
2ndと3rdは、早くに聴いていたのですが、この1stとはなかなか縁がなく、やっと聴けたという感じです。
まあ、あせらずにいれば、いつか手に入るということでしょう。
A Tex-Mex Groove
Los TexManiacs
Los TexManiacs
1. Ando Buscando un Amor (F. G. Ojeda)
2. Hey Baby (Bruce Chanel)
3. Dos Corazones (Fred Zimmerle)
4. Cielito Lindo (Quirino Mendoza y Cortez)
5. Mi Vacacion (Max Baca)
6. China de Los Ojos Negros (Pedro Rocha)
7. Cerca del Mar (Chico Navarro)
8. Hey Good Lookin' (Hank Williams)
9. Esperando Tu Querer (Mike & Jacinto Saucedo)
10. Cayo una Lagrima (D.A.R.)
11. She's About a Mover (Doug Sahm)
今作はメジャー・デビュー作ですが、既に伝統的な音楽とポップなスタイルとの配分が絶妙なブレンドとなっていて、とても聴きやすいアルバムになっています。
これを受けた2ndも、そういった流れを引き継いだ路線でした。
そして、09年リリースの3rdは、そこからさらに新たな一歩を踏み出すべく、メキシカン・ルーツをさら探求した意欲作となりました。
中身は、明るいパーティ・チューンが中心ですので楽しく聴けますが、一方で古い伝統的なスタイルの楽曲が延々と続く展開には、好き嫌いが分かれるかも知れません。
3rdアルバムは、結果としてその年のグラミーを獲得し、大きな成功を得ました。
メキシカン・ルーツに根差した豊かな音楽性が、改めて高く評価されたわけですが、若干アカデミックな感のある3rdを受けて、次作の方向性が気になるところです。
さて、その原点となる本作です。
Los TexManiacsは、本作の時点では、いまいちパーソネル・メンバーがはっきりしません。
事実上本盤では、バホ・セストのMax Bacaと、アコーディオンのMichael Guerra(プロデューサー)という、高い演奏力を持つ二人の双頭バンドからなっていて、そのスタイルの基本は、伝統的なコンフント・デュオのロック・コンボ版だと思います。
はっきりとメンツが確立したのは3rdアルバムで、本盤では多くの強力なゲストがサポートしています。
スティーヴ・バーリン、デイヴィッド・イダルゴ、セサール・ロサスという、ロス・ロボス勢がほぼ全面参加しています。
また、フラコ・ヒメネス、オーギー・マイヤース、そして、なんとショーン・サームも参加しているらしいです。
(ちなみに、Michael Guerraは、Shawn Sahmのバンド、Tex-Mex Experienceに参加していました。)
エレキのギター・ソロが聴こえてくると、これはセサールかショーンかと気になります。
("Hey Good Lockin'"でのブルージーなギターは、おそらくセサールでしょう。)
また、アコーディオンは、フラコかグエラかと同様に気にかかりますが、そんな背後で、淡々と弾き続けるオーギーのオルガンは、特別に我を主張するわけでもないにも関わらず、繰り返し聴くごとにその印象が増していくのでした。
スペイン語で歌う曲が大半なのですが、選曲が見事なのでしょう。
懐かしさを感じさせる、どこかで聴いたようなメロディの流れに癒されます。
一方、英語曲では、ブルース・チャネルの"Hey Baby"のカバーが新鮮です。
改めて曲の良さを再確認しました。
素晴らしい名作の原曲でハーモニカを吹いたのは、デルバート・マクリントンでした。
この曲のイントロが、ビートルズの"Love Me Do"に影響を与えたことはよく知られています。
曲に対する思い入れのせいもありますが、私は、本盤のハイライトの1曲といいたいです。
とりわけ、ハーモニカのパートを担当するアコが素晴らしく、何の違和感も感じさせません。
このプレイは、グエラでしょうか。
その他、全体を通して、明るいメキシカン・トラッド風の曲が聴かせます。
ロボス勢が参加した曲は、はっきりと特定できませんが、おそらくはブルージーな曲調のものに関わっているのだと思います。
Freddy Fenderのバージョンも楽しい、"Cielito Lindo"は、やっぱり名曲です。
このアコは、フラコでしょうか。
「アイ アイ ア ヤー」のフレーズが耳に残ります。
やはり、スペイン語の曲が良いです。
抒情的なポレロの"Cerca del Mar"、メキシカン・トランペットが印象深く、オルケスタ風サウンドに料理した、"Esperando Tu Querer"が、中でも私のお気に入りです。
本作での英語曲は、結果的にスペイン語曲をより際立たせるアクセントの役割をになっています。
優れたスパニッシュ・ポップ・アルバムと呼びたいです。
ボートラとして追加された、Doug Sahmの"She's About A Mover"は、明らかに他の曲とは雰囲気が違っています。
あるいは、ショーンがギターを弾いたのは、この1曲だけかも知れません。
そして、この曲のリード・ボーカルは誰でしょう?
ショーンかなとも思いますが、違うような気もします。
Max BacaがDoug Sahm風に歌っているのかも知れません。
少なくとも、ショーンはコーラスでは参加しているはずです。
アルバムのバランスとしては、不要な追加曲だったかも知れませんが、この曲の存在が、私をこのバンドに出会わせてくれました。
オーギーは、本盤への参加を契機として、本バンドとの交流を深めているようです。
Augie Meyers and Los TexManiacs
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