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ウエストサイド・ア・ラ・カルト

 今回は、このアーティストを聴きました。
 ドラマーのRocky "Shuffle" Hernandezがバンド・リーダーを務める、Oldies But Goodies Bandの2ndアルバムです。

 このバンドは、以前に1stをとりあげています。
 例によって、テキサス、ルイジアナ近辺のジュークボックス・ヒッツといった趣の作品集となっています。
 本盤は、01年にリリースされました。


Bringing Back The Memories 50's & 60's Vol.2
Rocky "Shuffle" Hernandez and The OBG Band

1. I Don't Want No Woman
2. You Don't Know Me   
3. Since I Don't Have You  
4. Breaking Up Is Hard To Do  
5. Turn Back The Hands Of Time
6. Lover's Prayer
7. Alligator Blues   
8. Rainy Night In Georgia  
9. Running Blues  

 まず最初におことわりしたいことがあります。
 少し前に、彼らの1stを取り上げた際、メンバーがはっきりと分からなかったため、Web情報を元に私の推測を書きました。
 次のようなメンツです。

Danny Esquivel : guitar, lead vocals
Nando Aguilar : bass, vocals
George Gonzalez : guitar
Tommy "El Gato" Luna : sax
Rocky Hernandez : drums

 しかし今回は、クレジットがありました。
 それによれば、本盤でのメンバーは以下の通りです。

George Ovalle : lead vocals
George Gonzales : guitar
Pete "Corce" Garza : bass
Steve Espinoza : keyboards
Louie Bustos : sax
Rocky "Shuffle" Hernandez : drums

 見事に違いますね。
 私が参考にしたWeb記事が最近のもので、そこへ至るまで、いろいろとメンバーの変遷があったようです。
 これにより、本盤の1年前にリリースされた1stのメンバーは、(またも推測ですが)おそらく本盤に近いものだろうと考えます。
 (Doug Sahm人脈のLouie Bustosの名前を見て、一層親しみがわきました。)

 ところで、本盤は前作とは少し違った印象を受けます。
 音の印象からは、私は今作の方がより好きです。
 ざっくり印象を言えば、1stがイナタくもっさりした音なら、この2ndは少しアーバンな雰囲気を感じさせる音になっています。
 特に感じるのがギターで、今作はギターの出番が多く、細かくシャープに歌っています。

 もちろん印象の違いは、選曲からくるものもあるでしよう。
 1stが、全体的にスワンプ・ポップ的傾向が強かったのに対して、今作はソウル、ブルース寄りの選曲に感じます。
 ただ、それらを加味しても、リズム隊、ホーン陣はともかく、ギターはメンツが変わっている気がします。
 これらから、ギターのGeorge Gonzalesの参加は本盤からではないかと推察します。

 他のメンツは、(リード・ボーカルも含め)よくわかりません。
 はっきり分かるのは、ジャケ写で分かるように、本盤は6人編成だということくらいてす。
 (また、ゲストのクレジットがありませんが、曲によってはトランペットが参加している気がします。)



 アルバムは、Bobby Blandの"I Don't Want No Woman"でスタートします。
 まず、出だしのこの曲で、前作との違いをはっきり感じます。
 最初から、ギターが細かくフレーズを入れ続けています。
 キーボードとホーンを柱に、ギターが歌と同じくらいの比重でメロに絡んでいます。
 ブルージーで流麗なギター・ソロがかっこいいです。

 次の"You Don't Know Me"が一転して、ホンキートンク・カントリーの名作のカバーで選曲の落差が激しいです。
 ただ、音の印象はさほどのギャップを感じず、カントリーの風合いが少ないアレンジのため、スムースに聴くことができます。
 曲は、Bob Willsに多くの名作を書いた、Cindy Walkerの作品で、オリジナルはビロード・ヴォイスのスタイリスト、Eddy Arnoldではないかと思います。
 Willie Nelsonが、この曲をアルバム・タイトルにした、Cindy Walker作品集を出しています。
 シンセが入っているように思いますが、ほとんど気になりません。
 ブルージーかつジャジーなナイト・ミュージック風の仕上がりです。

 "Since I Don't Have You"は、ドリーミーなDoo Wopバラードです。
 ここまでの一連の曲の並べ方がいいですね。
 ハード・ブルース、ホンキートンク、ドゥワップというわけです。
 Skylinersの代表作のカバーで、リード・ボーカルのジェイムズ・ボーモン(ト)のファルセットを最大限に生かした必殺のブルー・ラブ・バラードでした。
 ここでは、George Ovalleが頑張って原曲の雰囲気をトレースしています。
 高音パートでの彼の頑張りと、やはり選曲の流れの妙を評価したいです。

 "Breaking Up Is Hard To Do"は、スワンプ・ポップの名作の一つで、オリジナルはJivin' Geneです。
 Cookie & the Cupcakesのカバーもいいです。
 (カーペンターズに同名の名曲がありますが、あちらはニール・セダカ作の別の曲です。)  
 三連のホーン・リフを軸に、ボーカルが太い声でろうろうと歌っています。
 一気にイナタくなった感じがします。
 サックス・ソロからギター・ソロへつなぐ展開が聴きどころの一つでしょう。

 そして、"Turn Back The Hands Of Time"へとつながります。
 有名なタイロン・デイヴィスのシカゴ・ソウルの名作です。
 イントロのベース・ランから雰囲気満点で、期待させてくれます。
 原曲に沿ったアレンジで、軽快かつおしゃれに迫ってきます。
 このあたりも、イナタい曲からアーバンな曲へと考えて並べているのでしょうか。
 小粋なキーボードのオブリから、サックス・ソロまではまっています。

 ソウル・カバーが続きます。
 なんとオーティスの"Lover's Prayer"です。
 難しい曲だと思いますが、ボーカル、伴奏陣ともにサッドな雰囲気をうまく出しています。
 ロンサムなサックス・ソロがぴったりマッチしています。

 "Alligator Blues"は、サックスの前奏から、トランペットへのソロ回しで始まる、ソウル・インスト・ナンバーです。
 シャッフル・ブルース風でもあります。
 ひたすら気持ちのいいグルーヴに身をひたすのみです。
 原曲は分かりません。
 オリジナルなのかも知れません。

 "Rainy Night In Georgia"は、またも選曲の流れのうまさを感じさせる配置だと思いました。
 怠惰な雰囲気のバラードで、ブルック・ベントンで有名なトニー・ジョー・ホワイトの作品です。
 かっこいい系から、脱力系へと転換させた曲の並びです。

 ラストの"Running Blues"も原曲不明です。
 シャッフル・ブルース調の曲で、"Alligator Blues"に似た気持ちいいグルーヴに乗りながら、こちらはスタイリッシュなボーカルが歌い飛ばしていきます。

 かっこいい系の曲で始め、様々なタイプの曲を効果的に並べながら、最後はかっこよく締めた、ごきげんなアルバムだと思います。




I Don't Want No Woman
by
Rocky "Shuffle" Hernandez & OBG Band




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