2011年07月17日
サイケデリック・カウボーイ
このバンドは、なんと形容すればいいんでしょう。
基本は、アクースティック楽器の音をうまく隠し味にした、カントリー・ロック系のバンドではないかと思います。
これは、使用楽器から受ける印象が強いかも知れません。
フィドルや、マンドリンなどの使い方は、決して強く主張していないにも関わらず、確かな存在感を感じます。
ただ、曲調はさまざまで、単純にカテゴリー分けすることを躊躇わせる、変幻自在の実力派バンドだと感じました。
1. Red Dirt Roads (LaFave)
2. Spice and Sugar (Piccolo, Cooper, Han)
3. Under the Radar (Cooper, Childers, Piccolo, Mcclure)
4. Psychedelic Cowboy (Song for Sir Doug) (Piccolo, Cooper)
5. Lavena (Cooper, Piccolo, Clark, Peaden)
6. This Time (Piccolo, Wiles)
7. Wild Horses (Jagger, Richards)
8. Enjoy the Ride (Jacobs, Childers)
9. Soul Satisfaction (Cooper, Childers)
10. Midnight Rain (Childers, Piccolo, Nielson)
11. Always Come Back (Ham, Morris)
12. Turn This Train Around (Childers, Skinner, Trout)
13. Pennies from Heaven (Childers)
14. Stillwater (Piccolo)
彼らは、93年ころデビューしたと思われ、ウディ・ガスリー、テキサス・スイング、グレイトフル・デッド、ベイカーズフィールド・カントリーなどに影響を受けたバンドだということです。
また、彼らには、故郷オクラホマ州へのこだわりがあるようで、そのあたりもこのバンドの個性を独特なものにしているようです。
本作の参加ミュージシャンは、以下の通りです。
Ben Han : vocals, read guitar
John Cooper : vocals, mandlin, percussion
Brad Piccolo : vocals, guitar
with
Jimmy Karstein : drums
Randy Crouch : fiddle, steel guitar
Don Morris : bass guitar
special guest
Augie Meyers : vox organ, hammond B-3 organ, grand piano, accordion
Jimmy "Junior" Markham : harmonica
produced by Steve Ripley and The Red Dirt Rangers
recorded at church studio Tulsa Ok.
録音は、オクラホマのタルサ、制作はトラクターズのSteve Ripleyが行っています。
オクラホマといえば、私などは田舎とか、農場といったイメージがあります。
マール・ハガードのヒット曲に、「オーキー・フロム・マスコギー」という曲がありました。
「ファイティン・サイド・オブ・ミー」とともに、保守的米国人の心情を歌った曲です。
そして、テキサスとともに、ウエスタン・スイングが盛んだった土地柄です。
ロックでは、レオン・ラッセルやJ.J.ケイルですね。
さて、様々な顔を見せてくれるこのバンド、1曲目から嬉しくなる曲調でスタートします。
"Red Dirt Roads"は、Chuck BerryからRockpileあたりまでを連想させる、タイトなロックンロールです。
隠し味のアクースティック楽器の音が、一筋縄ではいかないこのバンドの個性を表わしています。
続く"Spice and Sugar"は、一転してキーボードが印象に残る小粋なナンバーです。
コマーシャルになりすぎる一歩手前のJ.ガイルズ・バンドのような曲で、ここでセス・ジャストマンのようなキーボードを弾いているのは、まさかまさかのAugie Meyersでしょうか。
聴きようによっては、はっちゃけていないJoe King Carrascoみたいにも聴こえます。
そして、Augie Meyersといえば、この曲への参加が何と言ってもハイライトです。
"Psychedelic Cowboy (Song for Sir Doug)"です。
この曲は、Red Dirt Rangersのオリジナルですが、タイトルから分かるように、Doug Sahmのことを歌った曲です。
彼は サンアントニオからやってきた
ギターを持った サイケデリック カウボーイ
子どものころ 南部のラジオで 彼の歌を聴いた
He was about a mover
彼は サイケデリック カウボーイなのさ
おまえさん (you all son of a gun)
歌詞の中に、"She's About A Mover"や、"Mendocino"、"Texas Tornado"などのフレーズが織り込まれていて、Doug Sahmファンにはたまりません。
とりわけ、"Texas Tornado"の決めフレーズ、"Texas Tornado you all son of a gun"が、それ風のメロにのせて、うまく織り込まれていて聴きどころです。
"Son of a gun"は、ハンク・ソングの「ジャンバラヤ」でも、"son of a gun, we'll have big fun on the bayou"として出てくる慣用句です。
サノバビッチ(son of a bitch)を少し上品にいった言葉で、意味は多分同じです。
親しい男性同士で使われる言葉で、「こんちくしょう」とか「この野郎」とか訳されることが多く、字づらを見ると怒っているかのようです。
でも、通常はもっと軽い冗談か、あるいは嬉しいときにも使う言葉らしく、親しい友人への呼びかけとしても使われるようです。
メンバーの演奏力が高く、聴きどころの多いアルバムですが、Doug Sahmファンの私は、ひたすらこの1曲をヘビロテしています。
Augieの素晴らしいサポートのせいか、Sir Douglas Quintetを思わせる曲が散見するように思います。
StonesやGramのファンには、"Wild Horses"もあります。
基本は、アクースティック楽器の音をうまく隠し味にした、カントリー・ロック系のバンドではないかと思います。
これは、使用楽器から受ける印象が強いかも知れません。
フィドルや、マンドリンなどの使い方は、決して強く主張していないにも関わらず、確かな存在感を感じます。
ただ、曲調はさまざまで、単純にカテゴリー分けすることを躊躇わせる、変幻自在の実力派バンドだと感じました。
Ranger Motel
The Red Dirt Rangers
The Red Dirt Rangers
1. Red Dirt Roads (LaFave)
2. Spice and Sugar (Piccolo, Cooper, Han)
3. Under the Radar (Cooper, Childers, Piccolo, Mcclure)
4. Psychedelic Cowboy (Song for Sir Doug) (Piccolo, Cooper)
5. Lavena (Cooper, Piccolo, Clark, Peaden)
6. This Time (Piccolo, Wiles)
7. Wild Horses (Jagger, Richards)
8. Enjoy the Ride (Jacobs, Childers)
9. Soul Satisfaction (Cooper, Childers)
10. Midnight Rain (Childers, Piccolo, Nielson)
11. Always Come Back (Ham, Morris)
12. Turn This Train Around (Childers, Skinner, Trout)
13. Pennies from Heaven (Childers)
14. Stillwater (Piccolo)
彼らは、93年ころデビューしたと思われ、ウディ・ガスリー、テキサス・スイング、グレイトフル・デッド、ベイカーズフィールド・カントリーなどに影響を受けたバンドだということです。
また、彼らには、故郷オクラホマ州へのこだわりがあるようで、そのあたりもこのバンドの個性を独特なものにしているようです。
本作の参加ミュージシャンは、以下の通りです。
Ben Han : vocals, read guitar
John Cooper : vocals, mandlin, percussion
Brad Piccolo : vocals, guitar
with
Jimmy Karstein : drums
Randy Crouch : fiddle, steel guitar
Don Morris : bass guitar
special guest
Augie Meyers : vox organ, hammond B-3 organ, grand piano, accordion
Jimmy "Junior" Markham : harmonica
produced by Steve Ripley and The Red Dirt Rangers
recorded at church studio Tulsa Ok.
録音は、オクラホマのタルサ、制作はトラクターズのSteve Ripleyが行っています。
オクラホマといえば、私などは田舎とか、農場といったイメージがあります。
マール・ハガードのヒット曲に、「オーキー・フロム・マスコギー」という曲がありました。
「ファイティン・サイド・オブ・ミー」とともに、保守的米国人の心情を歌った曲です。
そして、テキサスとともに、ウエスタン・スイングが盛んだった土地柄です。
ロックでは、レオン・ラッセルやJ.J.ケイルですね。
さて、様々な顔を見せてくれるこのバンド、1曲目から嬉しくなる曲調でスタートします。
"Red Dirt Roads"は、Chuck BerryからRockpileあたりまでを連想させる、タイトなロックンロールです。
隠し味のアクースティック楽器の音が、一筋縄ではいかないこのバンドの個性を表わしています。
続く"Spice and Sugar"は、一転してキーボードが印象に残る小粋なナンバーです。
コマーシャルになりすぎる一歩手前のJ.ガイルズ・バンドのような曲で、ここでセス・ジャストマンのようなキーボードを弾いているのは、まさかまさかのAugie Meyersでしょうか。
聴きようによっては、はっちゃけていないJoe King Carrascoみたいにも聴こえます。
そして、Augie Meyersといえば、この曲への参加が何と言ってもハイライトです。
"Psychedelic Cowboy (Song for Sir Doug)"です。
この曲は、Red Dirt Rangersのオリジナルですが、タイトルから分かるように、Doug Sahmのことを歌った曲です。
彼は サンアントニオからやってきた
ギターを持った サイケデリック カウボーイ
子どものころ 南部のラジオで 彼の歌を聴いた
He was about a mover
彼は サイケデリック カウボーイなのさ
おまえさん (you all son of a gun)
歌詞の中に、"She's About A Mover"や、"Mendocino"、"Texas Tornado"などのフレーズが織り込まれていて、Doug Sahmファンにはたまりません。
とりわけ、"Texas Tornado"の決めフレーズ、"Texas Tornado you all son of a gun"が、それ風のメロにのせて、うまく織り込まれていて聴きどころです。
"Son of a gun"は、ハンク・ソングの「ジャンバラヤ」でも、"son of a gun, we'll have big fun on the bayou"として出てくる慣用句です。
サノバビッチ(son of a bitch)を少し上品にいった言葉で、意味は多分同じです。
親しい男性同士で使われる言葉で、「こんちくしょう」とか「この野郎」とか訳されることが多く、字づらを見ると怒っているかのようです。
でも、通常はもっと軽い冗談か、あるいは嬉しいときにも使う言葉らしく、親しい友人への呼びかけとしても使われるようです。
メンバーの演奏力が高く、聴きどころの多いアルバムですが、Doug Sahmファンの私は、ひたすらこの1曲をヘビロテしています。
Augieの素晴らしいサポートのせいか、Sir Douglas Quintetを思わせる曲が散見するように思います。
StonesやGramのファンには、"Wild Horses"もあります。
Psychedelic Cowboy by Red Dirt Rangers
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