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回想のダグラス卿

 正直に言います。
 私は、この人に関心がありませんでした。
 この人については、ほんのうわべの情報を知っていただけです。

 Long Rydersのリーダーだったこと、その後Coal Portersというバンドで活動していたことなどです。
 基本的な認識としては、Byrdsの流れを汲む音楽性を持つ人だということですね。
 実際どうかは別にして、12弦ギターのアルペジオがパブリック・イメージかも知れません。

 
As Certain As Sunrise
Sid Griffin

1. The Last Kentucky Waltz (Sid Griffin)
2. You Tore Me Down (Cryil Jordan, Chris Wilson)
3. Lost In This World Without You (Sid Griffin)
4. Alibi Bye (Sid Griffin, Steve Simmons)
5. Evidence (Sid Griffin)
6. Where Bluebirds Fly (Sid Griffin)
7. Just Let Her Go (Doug Sahm)
8. Wearing Out My Welcome With The Blues (Sid Griffin)
9. Faithless Disciple (Sid Griffin, Paul McGarvey)
10. I Come And Stand At Every Door (Nazim Hikmet arr. Sid Griffin)
11. Tell Me You Still Sing (Sid Griffin)
12. Written Upon The Birth Of My Daughter (Sid Griffin)

 本作は、05年リリースのセカンド・ソロ・アルバムになります。
 録音編集は、ロンドンとケッタッキーのルイズヴィルほかで行われました。

 私は、Byrdsには、ほとんど関心がありません。
 私のByrdsの聴き方は、ざっくり言いますと、1stアルバム、「イージー・ライダー」、「ロデオの恋人」あたりに基づいています。

 そこから、あまり発展しませんてじた。
 そして、ずっと後になって(Dylanのブートレグ・シリーズ1〜3に衝撃を受けたあと)、企画盤の「ディランを歌う」を聴いた時点で、消極的な肯定から無関心へと変貌したのでした。 

 Byrdsは、その活動時期によって、別のバンドかのような印象を受けます。
 初期のフォーク・ロック時代のシングルは、単純にキャッチーなポップ・ソングとして今でも好きです。

 フォーク時代のディランを分かりやすく紹介したのがPPMなら、フォーク・ロックの可能性を示したのがByrdsやAnimalsだったのだと思います。
 いずれも、ヒット曲として、わくわくさせる優れた仕事だと思いました。
 ディランを広く受け入れさせる地ならしになったとも思います。

 しかし、本物のディランの魅力に気づいてしまうと、もう後へは戻れません。
 医者が処方する劇薬の効果を知ってしまったら、市販薬では満足できないのでした。
 頭痛もちの私は、市販の頭痛薬には、ほとんど満足したことがありません。

 一方、「ロデオの恋人」は、興味深く聴いていましたが、Gramのソロ作2枚を知り、Chris Hilmanのその後の活動を追ううち、関心はすっかりそちらに移ったのでした。

 さて、そんな私が、Byrds信者だと思われるSidを聴く機会など、まずないと思っていました。
 しかし、こうして聴いています。

 理由は、トラック7の"Just Let Her Go"にあります。

 アマゾンの本アルバムの英文紹介文(カスタマーレビューではありません)では、この曲のことを、「アメリカーナのヒーロー、故ダグ・サームの未発表ないしは未録音かもしれない曲」と記述しています。

 もちろん誤りで、この曲は、Doug Sahmが、覆面バンド、Texas Mavericks(実態はSir Douglas Quintet)で披露した曲です。
 Dougの曲は、様々なシンガーがやっていますが、この曲をカバーした人は他に知りません。

 私が、このバージョンに特別な関心をよせるのには理由があります。
 直接的な表現でのクレジットはありませんが、この曲のアタマと終わりには、Dougの声が加えられているのではないかと思うからです。

 アタマで、「ワン ツー、 ワン ツー スリー、 プレイ !」とカウントしている声は、Dougではないでしょうか?
 また、最後の部分でもDougの語りが加えられているように思います。
 それは、まるでレコーディングでの未編集の会話のようでもあり、歌の締めのモノローグのようでもあります。

 曲は、(Dougの、ないしはそっくりな声の)カウントのあと、アクースティック楽器中心のイントロをバックに、Sid GriffinがDoug Sahmを讃え、紹介している(のだと思う)言葉を語り、そのまま歌へと引き継がれてスタートします。

 Sidのセリフの部分と、そして何よりも、私がDougの声ではないかと推察する箇所は、Dougファンにぜひ聴いていただきたいです。

 Sidのセリフは、イントロと重なって、私にはよく聞き取れませんが、何となくこんなことを言っているように(私の耳には)聞こえます。 
 (……の部分が聞き取れる方はご教示ください。)

This …… Doug Sahm,
Texas Tornado, Leader of Sir Douglas Quintet. 
…… Buddy Holly, Bob Wills,
God Bless You. 

 Doug Sahmが天に召されたのは99年のことですから、仮にこの声が本人のものだとすれば、当然過去の録音から持ってきたことになります。

 この"Just Let Her Go"のみ、他の曲とはプロデュースもセッション・メンバーの構成も違うようですので、この曲の本体部分の録音が古いものだという可能性もありますが、録音年は特記されていません。

 真相をご存じの方はご教示いただきたいです。
 私は、最近、機会があればこの曲をリピートしまくっています。

 ちなみに、謝辞一覧の名前の中に、「for the Sir Doug cut」と記載されている箇所があります。
 ただ、これがこのフレーズの直前に記されている人物のみを指す説明文なのか、それともその前の人物をも含むものなのか判然としません。
 人物名は、カンマで区切られて列挙されているからです。
 この部分は、「サー・ダグの(声の)箇所(の制作)に」尽力した人物へ謝辞を表わしているのでしょうか? 

 なお、"Just Let Her Go"のセッションには、Ian Maclaganがオルガンで参加しています。
 また、その他全体のセッションには、ギター、ピアノで、Wes Mcgheeの名前がクレジットされていて、とても興味深いです。


 追記
 トラック2の"You Tore Me Down"は、Flamin Grooviesの76年作"Shake Some Action"収録曲のカバーです。 
 "Shake Some Action"は、Dave Edmundsが制作したアルバムで、Gene Thomasの"Sometimes"もやっていました。

 Flamin Grooviesは、Beatles、Stonesなどの英国ビート・バンドのストレート・コピーのほか、Byrdsの "Feel a Whole Lot Better"もやっていたサンフランシスコ出身のガレージ・バンドでした。

 そして、"I Come And Stand At Every Door"は、Byrdsが66年作のアルバム、"5th dimension"でやっていた曲です。










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