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愛してないなら、なぜそっとしておいてくれない

 私は最近、Freddy Fenderについて、関心を深めています。
 もちろん、もともとから大好きなアーティストなのですが、ダグ・サームやオーギー・マイヤースと比べ、ディスコグラフィーが分かりにくい人なので、少しずつでも探っていければいいな、と思うようになったのです。


If You Don't Love Me
Freddy Fender

Side A
1. We'll Take Our Last Walk Tonight (Doug Sahm)
2. Louisiana Woman (Danny Epps)
3. How Are Things With You (Danny Epps)
4. If You're Looking For A Fool (Thomas, McRee, Thomas)
5. If That's The Way You Want It (That's The Way It's Gonna Be) (Huey P.Meaux)
6. If You Don't Love Me (Why Don't You Just Leave Me Alone) (Tommy Mclain)

Side B
1. Think About Me (Gaylan Latimer)
2. I Don't Want To Be Lonely (Baldmer Huenta)
3. Faking The Feeling (Ray Doggett)
4. Love Rules The Heart (Robert Thibodeaux)
5. Your Loving Couldn't Take The Walking Out Of My Shoes (Lee Emerson, Mickey Moody)
6. I Don't Dream About You Anymore (Jerry Abbott, Patty Jackson)  
 
 フレディ・フェンダーの最盛期は70年代です。
 74年に、ABC-Dotから、No.1カントリー・ヒットが出て、いくつかの曲はPopチャートでも上位にランクされました。
 フレディの栄光の時代です。
 初めてのオリジナル・アルバムも作られ、リリースされました。

 それ以前の60年代は、El Be Bop Kidなどと名乗り、当時のロックンロール・ヒットをスペイン語で出していたシングル時代です。
 当時は他にも、スコッティ・ウェイン(Scotty Wayne)という別名で、英語曲をリリースしていたりもしているようです。
 ドラッグで収監され、獄につく前のことです。
 これらの時代は、後に編集盤が作られて、その一部がアルバム化されています。
 また、近年はCD化も進みました。
 ただ、その全貌はまだまだ明らかになったとは言えません。

 さて、このアルバムは、77年にリリースされたもので、当時出されたオリジナル・ベスト盤を除けば、8枚目に当たるものです。
 最大のヒットとなった1stアルバムが74年にリリースされた後、翌75年は3枚、76年にも3枚と精力的にリリースしています。
 本作は、77年にベスト盤を出して、一区切りついたあとリリースされた、通算9枚目のアルバムです。

 フレディの場合、このあたりのメジャー作品の流れは、ネットで検索すればすぐに出てくる情報です。
 しかし、こういった表のリリース以外に、様々なマイナー・レーベルから、その場限りのレコードが出されている可能性があり、よく分からない部分が多々あるようです。
 テキサスのおおらかな風土が許しているところがあるのでしょうが、ファン泣かせです。
 しかも、表のリリースの立役者たる、Huey P.Meauxからして、むしろこういったローカル・リリースに積極的に関わっているようなので、なかなか一筋縄ではいきません。

 フレディ・フェンダーは、Freddyという表記が一般的ですが、ブルースのフレディ・キング同様、Freddieという表記で作られたレコードもありますので、まだまだビニールの世界に埋もれたレコードがひっそりと隠れていて、誰かに見つけられることを待っているかも知れません。

 さて、本作に戻りたいと思います。
 本作は、ヒューイ・モーの制作により、ヒューストンのシュガーヒル・スタジオで録音されたもので、非常にポップで、聴きやすいアルバムとなっています。

 まず冒頭のWe'll Take Our Last Walk Tonightに注目しましょう。
 この曲は、ダグ・サームの作品で、私は、A面1曲目にもって来ていることが嬉しいです。
 ミディアム・アップの楽しい雰囲気を醸し出している曲です。
 ダグのバージョンは、Sir Douglas Quintet名義で、モーのTriveレーベルから、65年にシングルが出ています。

 続くLouisiana Womanが、かっこいい曲です。
 ダグ・カーショウ風のケイジャン・ロックンロールで、ウキウキするようなリズム・ギターの刻みと、主旋律に切り込んでくるケイジャン・フィドルが魅力的で、サビの前にブレイクが入るところも効果的に作られています。
 あっと言う間に終わりますが、完成度が高い名演だと思います。
 作者のDanny Eppsは、本作に参加しているギタリストのひとりで、アルバム全体のアレンジャーとしてもクレジットされています。

 If You're Looking For A Foolも、キャッチーなフックをもった曲で、ウキウキ感とともに、そこはかとなく漂う哀愁の裏メロが素晴らしいです。
 この曲の作者は、Thomas, McRee, Thomasとなっていて、私的には、2回出てくるトーマスさんのファースト・ネームが気になるところです。

 私が強い関心を寄せているシンガー、ソング・ライター、ジーン・トーマスは、単独で書いている作品が大半ですが、一部共作名義のものがあり、彼の作品(と言われている)、Trying To Reach My Goalという曲では、作者チームがThomas, Mckee, Thomasとなっており、微妙に違いますが、興味はむしろ増すばかりです。
 ちなみに、私の手元にあるTrying To Reach My Goalは、ロイ・ヘッドのバージョンです。

 B面に入っても、名演は続きます。
 Think About Meも、基本は同じで、ポップかつ、おセンチなメロディが郷愁を誘います。
 また、この曲は普通に英語で歌われていますが、ラスト近くでスペイン語になる箇所があり、一瞬はっとさせられます。
 見事に作り手の術中に嵌められた瞬間です。
 これがあるから、フレディのファンは止められません。

 以降も、ポップかつ哀愁のメロディが続き、ファンには堪らない名演名唱集だと思います。
 B5の作者の一人、ミッキー・ムーディーは、シュガーヒルのハウス・ミュージシャンで、ギタリストとして数多くのセッションに参加していますが、本作では、エンジニアとしてもクレジットされています。 

 また、どの曲のどのブレイと特定できないのが口惜しいですが、ドブロで、若き日のソニー・ランドレスの名前がクレジットされています。
 このあたり、アルバム全体を通して、スチール・ギターとも、ドブロともとれるようなプレイが散見していて、私の耳では、なかなか判別出来ないのでした。
 ちなみに、B1のThink About Meでは、滑らかなスライド音とともに、ナショナル・ギターっぽい弦のスクラッチ音が聴こえますので、この曲あたりは可能性が高いのでは、と私は思っています。 

 さて、久々に聴きましたが、一部針飛びがあって、焦りました。
 そして、アナログの音っていいなあという思いを新たにしました。

 私は、オーディオ・ファンではなく、純粋な意味での音の良しあしが分かりません。
 また、嗜好する音楽の傾向により、普段からモノラル録音をよく聴いているので、私が感嘆している音は、とても感傷的でパーソナルな感情に起因する、幻の印象かも知れません。
 でも、私はそれが好きなのでした。




Mexican Rose




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