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ロッキン・レオンのふるさと

 最初の印象は、ごくごく普通のWestern Swingでした。
 私は、そのことに少なからず驚きました。
 なぜなら、私が頭に描いていたイメージは、もっとやんちゃな、ロカビリーっぽいサウンドだったからです。


Pure Country
Best Hokytonk In Texas
Broken Spoke Legend
Alvin Crow

1. Honky Tonk Trail (Alvin Crow)
2. Too Country (Alvin Crow)
3. Dance With Who Brung You (James M.White)
4. Go Down Swinging (Bill Anderson)
5. Red Neck Rock (Alvin Crow)
6. Real Thing (Alvin Crow)
7. Sweetwater Waltz (Alvin Crow)
8. About That Time Again (Bucky Buchanan)
9. Be My Mamma Again (D.K.Little)
10. The Way It Is (Rick Crow)
11. Fiddler's Lady (Alvin Crow)
12. Wine Me Up (F.Young, B.Deaton)
13. Living On Memories (Alvin Crow)
14. Dynamite Diana (Alvin Crow)
15. Sands Of Texas (Gene Autry)
16. One Foot In The Grave (Roger Crabtree)
17. Broken Spoke Legend (James White)
18. Big Ball's In Cowtown (Hoyle Nix)
19. Faded Love (B.Wills, J.Wills)
20. Bring It On Down To My House (vo.Leon Rausch, arr.Alvin Crow)
21. You Send Me (Sam Cooke)
22. So Long  (K.Lloyd)

 Alvin Crowをご存知でしょうか?
 Doug Sahmのファンなら、当然知っている存在です。
 
 アルヴィン・クロウは、80年代初め、Sir Douglas Quintetに参加していたフィドラーです。
 アルバムとしては、今はなきTakomaレコードで、スタジオ録音1枚、ライヴ録音1枚が記録されています。

 覆面バンド、Texas Mavericksでの録音もありました。
 そして、ずっと後になって、クインテットのAustin City Limits出演時のライヴがソフト化されました。
 
 クインテットには、その活動期間の中で、幾人かのメンバーの変遷がありました。
 そんな中で、アルヴィン・クロウは、特異な人物です。

 ダグの盟友、オーギー・マイヤースは別格として、バンド内で、ダグに代わってリード・ボーカルを取る機会をもった稀れな存在です。
 あとは、ルイ・オルテガくらいしか思いつきません。

 しかも、ヒーカップ唱法といいますか、バディ・ホリーみたいな歌い方が特に印象に残りました。
 私は、とりわけライヴ盤、Live Texas Tornadoでやった、ホリーのOh Boyと、ディランの親指トムのブルースが忘れられません。
 名唱だと思います。

 Texas Mavericksで歌ったRock And Roll Rubyでも、ロカビリー好きなんだなと感じました。 
 
 ところがどうでしょう。
 このアルバムで聴ける音楽は、あまりにも王道のウエスタン・スイングです。
 もちろん、それが悪いわけじゃありません。
 しかし、私が持っていた「やんちゃ」というイメージは、ほとんど窺い知れません。

 このアルバムは、88年リリースとなっていますが、ジャケ写真を見ると、腹も出て恰幅のいい頑固なテキサンそのものという風貌です。
 ボブ・ウィルズのカウボーイ映画に出てきそうです。

 そのサウンドは、Sir Douglas QuintetによるWesten Swing調の曲を容易に連想させてくれます。
 かなり自作の比率が高いですので、やはりクインテットでも、もっとセンターを取りたかった人なんでしょう。
 クインテットでは、ついに自作を録音する機会はありませんでした。

 ところで、このCDですが、どうもアルヴィン・クロウのレーベルから出ているようなのですが、若干分かりにくいところがあります。
 やはり、大らかなテキサスらしさでしょうか。
 
 まず、アルバム・タイトルからしてそうです。
 私が購入した海外ネット・ショップでは、"Pure Country"というタイトルになっていました。
 ジャケット上部に書かれていますね。

 しかし、困ったことに、パッケージの背には、"Honkytonk"とあります。
 ジャケット表にはない表記で、混乱します。

 ちなみに、アマゾンUSでは、中古が高額で出品されていますが、"Honky Tonk Trail"というタイトルになっていました。
 これは、ペラのリーフレット裏に記されているタイトルです。
 このリーフレット裏の写真が、私には、まるでアルバムのジャケット写真のように見えます。

 

 収録曲が22曲と多数なのも気になります。
 88年ならあり得るのかもしれませんが、何となく2枚のアルバムをカップリングしたもののような気がします。
 ところが、さらに気になることがあります。

 ジャケット表の下段に記されている表記です。
 そこには、"Best Hokytonk In Texas"とあり、さらに次の段に"Broken Spoke Legend"とも記されています。
 これを見ると、このふたつが、もとの2枚のアルバム・タイトルではないのか、とも思えてきます。

 困りますねェ
 アマゾンUSに掲載されているジャット写真は、私が入手したものと微妙に違っていて、"Best Hokytonk In Texas"という表記がありません。
 "Broken Spoke Legend"の一行だけです。

 アイテム詳細欄に記載されているレコード会社名は同じで、アルヴィン・クロウのレーベル(だと思う)Broken Spoke Recordsです。
 収録曲は同じですので、リリース時期が違うのでしょう。
 (アマゾンUSの詳細欄には、リリース年データの記載がありません。)

 うーん、ますます混乱するばかりです。
 収録曲から考えると、Honky Tonk TrailとBroken Spoke Legendいう曲が入ってるので、これらをタイトルとする2枚のアルバムのカップリングというのが正解ではないでしょうか。

 一方、曲調などの内容から推測しますと、トラック17のBroken Spoke Legendがライヴ録音になっていて、その後のスタジオ・テイクも、有名曲のカバー中心ですので、ここで切り替わっているようにも感じます。
 しかし、それだと曲数のバランスが合いませんよね。
 LPとEPなら別ですが…。

 可能性としては、自作中心のトラック1から11までが1枚目のアルバムで、トラック12以降がもう1枚のアルバムという考え方が浮かびます。
 流れが変化するトラック17は、アナログ盤のB面1曲目と考えれば自然な気もします。

 まあ、全て推測にすぎません。
 事実がどうかはともかく、そのサウンドは、ほぼ一貫して正調ウエスタン・スイングです。
 それはもう見事で、ロカビリーっぽさは、ごくわすがです。
 ウキウキする、ファストなダンス・チューンはもちろん、美しいワルツもダンス・ナンバーです。
 ウエスタン・スイングが、そもそもどのような音楽なのか表しています。

 さて先ほど、アルヴィン・クロウは、ダグ・サームに自作が採用されなかったと書きましたが、Texas Mavericksの収録曲を見落としていました。
 Texas Mavericksでは、変名のRockin' Leon名になっていますが、Red Neck Rockという曲がアルヴィン・クロウの作品です。
 本作では、トラック5に収録されています。

 この曲は、チャック・ベリー・スタイルのギターのイントロでスタートするロックンロールです。
 他の曲と違って、エレキ・ベースの音がブンブンと大きめに録られています。
 Texas Mavericks盤を久々に聴いてみたら、さほど違わないアレンジでやっていました。

 その他の曲では、ジーン・オートリーのカバーもありますが、やはり後半のホブ・ウィルズ・ナンバーが気になります。

 ライヴ録音のBring It On Down To My Houseでデュエットしているのは、後期のテキサス・プレイボーイズでリード・ボーカルを務めたリオン・ラーシュです。
 この人は、最近でも元気で活躍していて、Asleep At The Wheelの最近作に主役ゲストとして参加して、レイ・ベンスンやリズ・マックイーンとデュエットしていました。

 そして、サム・クックのYou Send Meは珍しい選曲ですね。
 ここでは、ハーモニカやラップ・スチールの音色が流れるなか、アルヴィンが「ウォウ、ウォウ」というサム独特のフレーズを歌っています。
 珍品というべきでしょうか。
 私は、不思議感もありますが、いいカバーだと思いました。

 アルヴィン・クロウは、ボビー・アール・スミスとの関係など、知りたいことが多く、まだまだ追っかけたいアーティストです。




Honky Tonk Trailです。





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