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メープル・シロップ テキサス風味

 しかし、このバンド名でカナダって、どういうことなんでしょう。
 最初は、普通にテキサスのバンドだと思ってチョイスしました。

 今回は、カナダのテキサス音楽好き(?)のバンドをご紹介します。


Southern Exposure
The Texicanos

1. If You Were Not Born in Texas (Roger Arndt, Susan Hillman)
2. Dinero (Augie Meyers)
3. It Feels Like Forever (Lowry Olafson)
4. Mexico...Whatcha Doin' To Me (Roger Arndt, Susan Hillman)
5. Feelin' Kinda Lonely Tonight (Jamie O'Hara)
6. Heartaches Over Ice (Roger Arndt, Susan Hillman)
7. Do You Wanna Boogie Woogie (Roger Arndt)
8. Hestia's Waltz (Roger Arndt, Susan Hillman)
9. Rancho Grande (trad. arr. Roger Arndt)
10. Querencia (Roger Arndt)
11. Dark Days (Roger Arndt)
12. Ghost Riders in the Sky (Stan Jomes)

 「テキシカーノ」って、何か造語ですかね。
 これで、テキサン・カナディアン(そんな概念があるとして)とは解せないと思うんですが…。

 ウェブからの限られた情報によれば、本盤の主役たちは、カナダのブリティッシュ・コロンビア州あたりを本拠とするバンドではないかと思います。

 本盤は、同州のボーエン・アイランドで録音され、05年にリリースされました。

 本作に参加したメンバーは、以下のとおりです。

Roger Arndt : lead vocals, guitars, fiddle, banjo, accordion, bajo sexto
Ruby Red : bass, lead vocal on track8,12
Richard Baker : guitars, bass on track12
Kendra Arndt : lead vocal on track6
Alex Alegria : vocals on track2,9, spanish translations
Ron Thompson : lead guitar on track7,9, 6-string banjo on track8
Michael Creber : piano on track7
Bruce Hamilton : peddle steel on track1,6
Moritz Behm : ghost fiddle on track8

 このうち、リード・ボーカルで、多くの楽器を持ち替えて演奏するバンド・リーダー、Roger Arndtは、カナダ生まれながら、サンアントニオでの居住経験がある人で、なんとベトナム戦争の退役軍人らしい(?)です。
 生年がわかりませんが、それなりの年齢ですね。
 このバンドが、テキサスの音楽を愛好するのは、この人によるんでしょう。

 しかし、ベトナム戦争のとき兵役を回避するため、アメリカからカナダへ渡った若者がいたという話がありますが、逆に派兵しなかったカナダから、わざわざ米国軍に従軍し、さらに遠い異国で戦ったというのは、サンアントニオにいた時期が、彼の人生によほど大きな影響を与えたのでしょうか。

 このRogerと、英国生まれの女性ベーシスト、Ruby RedことSusan Hillmanがバンドの中心メンバーではないかと思われます。

 あと、ギターのRichard Bakerは、カナダの有名な(私は知りませんが…)Doug and the Slugsというロック・バンド出身らしいです。



 本盤は、1曲目から、ごきげんなボブ・ウィルズ・スタイルの正調ウエスタン・スイングで始まります。
 この曲の印象はかなり強いです。
 ウエスタン・スイング好きの私は、一発で気に入りました。

 そして、続いて演奏されるのは、Augie Meyersの作品、"Dinero"です。
 "Money"を意味するスペイン語です。
 歌詞の内容は分かりませんが、陽気なパーティ・チューンです。
 この曲のクレジットには、"A tribute to the Texas Tornados"と添え書きがされています。

 この曲のAugie Meyers自身のバージョンは、90年のTexas Tornadosの1stで初めて発表されました。
 その後、96年のAugieのソロ・アルバム、"Alive And Well At Lake Taco"で再演されています。
 (Texas Tornadosの2枚のライヴ盤でも聴くことができます。)

 この最初の2曲の流れこそ、私がこのアルバムに惹きこまれた理由です。
 アコースティック・スイングっぽいアルバムといえるかも知れません。

 哀愁漂うフォーキーな曲から、正調ホンキートンク・カントリーまでが展開するなか、アルバムのアクセントとなっているのは、7曲目の"Do You Wanna Boogie Woogie"です。

 これは、ウキウキ感満点に快調に飛ばすカントリー・ブギで、モダンさを醸し出すローリン・ピアノが最高にはまっています。
 ジャジーなトーンでスイングするエレキ・ギターのソロもごきげんです。
 コディ司令の失われた惑星の空挺楽団を思い出します。

 トラッドの"Rancho Grande"や、"Ghost Riders in the Sky"も決まっています。
 "Rancho Grande"は、ポップス風の味付けがされていて、Freddy Fenderのバージョンに近いスタイルでやっています。

 今の所、本盤以降のリリースは不明ですが、もう少し聴いてみたいと思わせるバンドです。



La Bamba by The Texicanos








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