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酒とあの娘とほら話

 今、私はとてもほっこりとしています。
 それは、このアルバムを聴いたからです。

 この「ほっこり」というのは、標準語でしょうか。
 私は、関西圏なので、書いた後、ついこれで通じているのかな、などと思ってしまいます。
 私がここで感じたのは、「ほっと落ち着いて、おだやかな気分になり、くつろいでいる」くらいのニュアンスです。


Lived That Song Before
Aaron Wendt
 

1. Drinkin' 2B Drinkin' (Aaron Wendt)
2. That's Your Memory (Aaron Wendt)
3. The Dog Song (Aaron Wendt)
4. Outlaw (Aaron Wendt)
5. Honkytonks, Nightclubs, Bars and Dives (M.Hodges)
6. Lived That Song Before  (Aaron Wendt)
7. Swim Up Bar (Aaron Wendt)
8. Yellow-Haired Rose of Texas (Aaron Wendt)
9. I Like Texas  (Aaron Wendt)
10. Slow Pouring Tequila (Aaron Wendt)
11. Don't Cry a Tear  (Aaron Wendt)

 初めて聴くアーティストです。
 本盤は、10年にリリースされたもので、テキサスのシンガー、ソング・ライター、Aaron Wendtの1stアルバムになります。

 いきなり余談ですが、Wendtという姓はどちら方面の姓で、なんと発音するのでしょう。
 語尾が「dt」で終わる姓というと、私は、リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)くらいしか思いつきません。
 彼女は、マリアッチのアルバムを出して、ルーツに向き合っていましたね。

 ロンシュタットという日本語表記が、必ずしも正しいとはいえないですが、これにならえば、dは発音せず、本盤の主人公は、アーロン・ウェントさんでしょうか。
 一方、ファースト・ネームのAaronは、私の思い込みでは、フランスっぽい臭いがしますね。
 興味深いです。

 さて、音楽の傾向ですが、ざっくりとWestern Swingと言ってしまいましょう。
 アクースティック度の高いホンキー・トンク・カントリーでもいいかもしれませんが、聴いて受ける印象はウエスタン・スイングです。

 バンドの編成は、ギター、べース、ドラムス、スチール・ギター、フィドルなどを基本として、曲によっては、バンジョー、マンドリン、ピアノ、アコーディオンなどが追加されます。
 主人公のAaron Wendtは、ボーカルとリズム・ギターです。

 ホーンレスのウエスタン・スイング・バンドと言うのが一番イメージがわきやすいでしょう。
 アクースティック・スイングに近いですが、編成だけでなく曲調としてもジャズ性があまりなく、そのレパートリーは、ホンキートンク・カントリー、カウボーイ・ソングが主体で、ごくわずかにTex-Mexも含まれています。

 私は、ウエスタン・スイングとは、ざっくり言えば、カントリー・バンドに、ジャズのビッグ・バンド編成を取り入れたものだと思っていますが、その定義からは外れていますね。
 でも、聴いた印象は、ほんわかムードのウエスタン・スイングなのでした。

 ホーンが入っているバンドでは、しばしばジャンプやブギが演奏されますが、このバンドではそういった要素が薄いです。
 ピアノもゲスト扱いですので、モダン性も低めで、全体から受ける印象はカントリー度が高いです。

 2曲目の"That's Your Memory"で、女性シンガーがデュエットしますが、これがまた、オールド・スタイルのシンガーで、古いヒルビリーのような懐かしさを感じました。
 キュート路線、鉄火肌路線のいずれでもないですが、魅力的です。

 実際、トラック5で初めてエレキ・ギターが登場するまで、完全なアクースティック・バンドかと思っていました。
 ここで登場したエレキ・ギターが、思いのほか普通にノリノリのロッキン・スタイルだったので、かえって驚いたくらいです。
 本盤で唯一のジャンプ系のブギウギ曲で、快調なスイング感が理屈抜きに楽しいです。
 ピアノもごきげんに跳ねています。

 とはいえ、特に前半のメインは、スチールやフィドルの流麗なサウンドをバックにした、ゆったりとしたワルツや、トロットのようなリズムの曲で、ひたすら和みます。
 曲は、酒、可愛い女、ならず者、一攫千金、武勇伝などなどの、ほら話が歌われているではないかと思います。

 アルバム後半になると、ロッキン度、モダン度が増して、タイトル曲の"Lived That Song Before"などは、John Fogertyが書きそうなカントリー・ロックという感じです。 

  そして、"I Like Texas"では、再度懐かしい古いスタイルのホンキー・トンク・カントリーの世界に誘われ、酔わされます。
 この曲の途中で、不意にブレイクが入って、"Sunshine Of Your Love"の印象的なフレーズが一瞬だけ出てくる箇所があり、眼が覚めます。
 何か意味があるんでしょうか?
 出来れば歌詞を聴き取りたいものです。 

 "Slow Pouring Tequila"は、いきなりメキシカン・スタイルのトランペットで始まり、驚きます。
 (唯一この曲のみ、管楽器が入ります。)
 さらに、アコーディオンが入り、巻き舌での「ルルルー、アイ、アイ、アイ」といった囃子言葉が出てきます。
 Tex-Mexの香りが漂うというか、もはやメキシコという感じですが…。
 アルバムも終わり近くになってのサプライズ・アクセントでした。

 そして、ラストは、フォーキーなカントリー・ロック調の曲で、静かに終了します。

 当初は、穏やかでアンプラグドなウエスタン・スイングだけなのかと思いましたが、実は随所にアクセントが盛り込まれた、最後まで飽きさせない、(意外にも)バラエティに富んだ内容なのでした。

 次作にも期待です。










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