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スタンダード・タイム

 私は、Asleep At The Wheelが好きです。
 今回は、2枚目に買ったAsleepのアルバムで、私を決定的にAsleep好きにさせたアルバムです。


Western Standard Time
Asleep At The Wheel

1. Chattanooga Choo Choo (M.Gordon, H.Warren)
2. Don't Let Go (J.Stone)
3. Hot Rod Lincoln (C.Ryan, W.S.Stevenson)
4. That's What I Like 'Bout The South (A.Razaf)
5. That Lucky Old Sun (Just Rolls Around Heaven All Day) (H.Gillespie, B.Smith)
6. Walk On By (K.Hayes)
7. San Antonio Rose (B.Wills)
8. Roly Poly (F.Rose)
9. Sugarfoot Rag (H.Garland, V.Horton)
10. Walking The Floor Over You (E.Tubb)

 Asleepは、Louie Jordanのカバー、"Choo Choo Ch Boogie"で最初の成功を得ましたが、彼らにさらに大きな成功をもたらしたのが、Bob Willsのトリビュート盤でした。
 これは、発表当時の人気カントリー・シンガー多数をゲストに迎えて制作されたもので、その後続編も制作され、そちらも大変評判になりました。

 今回とりあげるアルバムは、そういったAsleepの企画盤のはしりとなったものではないかと思います。
 それまでのアルバムでは、リーダーのRay Bensonのオリジナルを中心に、Bob Willsや古いカントリーのカバーをうまく交えた構成になっていました。

 本作は88年にEpicからリリースされたもので、タイトルにあるように、ホンキートンクや、ウエスタン・スイングのスタンダード集になっています。
 当時のメンバーは以下の通りです。

Ray Benson : guitar, lead vocals, 6string bass
Larry Franklin : fiddle, guitar, vocals
Tim Alexander : piano, vocals
John Ely : fender hawaiian steel guitar, pedal steel guitar
David Sanger : drums
John Mitchell : bass on "Sugarfoot Rag"
Mike Francis : saxophone

 また、ゲストとして、常連のJohnny Gimbleがフィドルで、元メンバーのChris O'Connelがコーラスて参加しているほか、" Chattanooga Choo Choo"では、Willie NelsonがRay Bensonとデュエットしています。

 このアルバムは、いい曲だらけですね。
 まずは、ビッグ・バンド・スイング・ジャズの名曲、"Chattanooga Choo Choo"でスタートします。
 そして、ジェシ・ストーン作の" Don't Let Go"へと続きます。
 この曲は、一聴するとカントリー・スタンダードかと思いがちですが、もとはRoy HamiltonのR&Bが原曲です。
 ここでは、レイによるロッキン・ギターのリックがかっこいいです。

 ロッキン・ギターといえば、次の"Hot Rod Lincoln"です。
 Lincolnというのは、車のリンカーンのことだと思って聴いているのですが、間違いであればご指摘ください。
 ここでも、レイがイントロからトワンギーなプレイをかっ飛ばしており、速弾きもあって聴かせます。
 オリジナルは、Johnny BondかRoger Millerあたりではないかと思います。

 ロック系では、Commander Cody & his Lost Planet Airmen盤があり、Asleepは彼らの影響を強く受けているため、まずLost Planet Airmen盤がお手本であるとみて間違いないでしょう。
 Lost Planet Airmen盤でギター(及びボーカル)を弾いていたのは、Bill Kirchenでした。
 彼は、ソロでもこの曲をレパートリーにしています。

 "That's What I Like 'Bout The South"、"San Antonio Rose"、"Roly Poly"は、いずれもBob Willsのレパートリーです。
 すべて傑作だと思います。
 "That's What I Like 'Bout The South"は、Commander Cody & his Lost Planet Airmenによる素晴らしいバージョンがあり、Asleep盤は、やはりそちらがお手本だと思います。
 "San Antonio Rose"と"Roly Poly"は、何度も吹き込むことになるRayのお気に入りです。 
 Bob Willsのトリビュート盤では、真っ先にカバーしていました。

 "That Lucky Old Sun (Just Rolls Around Heaven All Day)"は、ジャズ・スタンダードだと思いますが、Rayがダンディかつ誠実感あふれる美声を披露しています。
 Asleepは、時折りこの手の曲をやっていましたが、私は、後にRayが出したソロ作を聴いて、いかにこの手の音楽がRayの中で大きな位置を占めるのか、改めて気づかされました。
 
 "Walk On By"もまた名曲です。
 原曲は不明ですが、ろうろうと伸びのある声で歌うさまが気持ちいいです。
 ポップスでは、コニー・フランシス盤がお奨めです。
 
 ラストの"Walking The Floor Over You"は、ホンキートンクのスタンダードですね。
 アーネスト・タブを代表する名曲だと思います。
 タブは、鼻にかかった声や、語尾のイントネーションの感じなど、多くの後輩カントリー・シンガーの唱法のお手本になった人だと思います。
 "Walking The Floor Over You"は、明るいメロディと快調なテンポが気持ちいい曲です。
 原曲でも既にロッキン・ギターの萌芽を聴くことができます。

 Asleepは、このあとAristaと契約しますが1枚をリリースしただけで、Livertyへ移籍します。
 そして、93年に"A Tribute to the Music of Bob Wills & the Texas Playboys"をリリースしたのでした。
 このBob Willsのトリビュート盤は、Asleepにとってキャリアを代表するアルバムになりました。
 さしずめ、Asleep版「永遠の絆」といったところでしょうか。

 私は、"Western Standard Time"が契機のひとつとなって、Bob Willsのトリビュート盤へと繋がったのではないかと考えています。


Walk On Byです。




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